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中川 洋; 米谷 佳晃*; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥*; 稲村 泰弘; 片岡 幹雄*; 河野 秀俊*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011101_1 - 011101_6, 2021/03
5'CGCGCGCG'3 and 5'CGCGCGCG'3のDNAについて、軽水と重水のコントラストを利用した中性子準弾性散乱による水和水ダイナミクスを測定した。この2つのDNAは計算機によってそれぞれ硬い分子と柔らかい分子であることが分かっている。どちらの配列も約240KにDNAと水和水のどちらも動力学転移が観測された。転移温度以上では、水和水の平均自乗変位は硬い配列の方が小さかった。また水和水の緩和時間は硬いほうが長かった。ピコ秒時間スケールの水和水ダイナミクスは配列依存的なDNAの硬さと関係していることを示唆した。
中川 陽介; 助川 秀敏; 直井 洋介; 井上 尚子; 野呂 尚子; 奥田 将洋
第41回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2020/11
JAEA/ISCNの核物質防護実習フィールド(PPフィールド)は核セキュリティトレーニングにおいて有効なツールである。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてオンライントレーニングの開発に取り組んでいるが、その中でPPフィールドを用いた実習に代わる効果的なツールとして、そのバーチャルツアーの開発も進めている。本論文では、この開発状況とバーチャルツアーの特徴を生かした効果的な利用の展望について報告する。
中川 洋; 米谷 佳晃; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 稲村 泰弘; 片岡 幹雄; 河野 秀俊
Physical Review E, 90(2), p.022723_1 - 022723_11, 2014/08
被引用回数:10 パーセンタイル:55.34(Physics, Fluids & Plasmas)CGCGAATTCGCGとCGCGTTAACGCGの柔軟性の異なる二つの配列のDNAの分子シミュレーションと中性子準弾性散乱実験を行った。前者は硬く、後者は柔らかいことが知られている。両方の配列のDNAで、200-240Kに動力学転移が見られた。DNA配列依存的なダイナミクスを調べるために、転移温度以上でDNAと水和水のダイナミクスを分子シミュレーションと中性子準弾性散乱によって調べた。12merDNAの真ん中の4merについて、AATTはTTAAと比べて揺らぎの振幅が小さく、緩和時間が長いことが分かった。これはATステップの方が、TAステップよりも、速度論的に安定であることを示唆している。配列依存的な局所的な塩基対のダイナミクスは、DNAと水和水の間の水素結合ダイナミクスと相関がある。配列依存的なDNAの塩基対の揺らぎは動力学転移温度以上で現れる。これらの結果を総合すると、DNAの柔軟性は塩基対の局所的なダイナミクスと関係があり、DNAのマイナー溝に存在する水和水とカップルしていると結論付けた。
吉川 博; 榊 泰直; 佐甲 博之; 高橋 博樹; Shen, G.; 加藤 裕子; 伊藤 雄一; 池田 浩*; 石山 達也*; 土屋 仁*; et al.
Proceedings of International Conference on Accelerator and Large Experimental Physics Control Systems (ICALEPCS '07) (CD-ROM), p.62 - 64, 2007/10
J-PARCは多目的科学研究のために日本で建設されている大規模陽子加速器施設である。この施設は3つの加速器と3つの実験施設から成り、現在建設中である。リニアックは稼動開始して1年が経過し、3GeVシンクロトロンはこの10月1日に試験運転が開始されたところで、施設全体の完成は来年の夏の予定である。加速器の制御システムは、初期の試運転に必要な性能を実現させた。この制御システムに求められる最も重要な機能は加速器構成機器の放射化を最小限に食い止めることである。この論文では、調整運転の初期の段階において、制御システムの各部分が達成した性能を示す。
中川 洋; 米谷 佳晃; 河野 秀俊; 片岡 幹雄; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 稲村 泰弘
no journal, ,
DNA分子の構造の柔軟性は、タンパク質との分子認識に重要とされている。転写因子や制限酵素など特定のDNA配列に結合するDNA結合蛋白質は、DNAとの水素結合など直接的な相互作用のみならず、配列によって生じるDNA構造の違いにより配列の違いを認識している(間接認識)ことがわかっている。この間接認識を詳細に調べるためには、DNA構造の柔軟性を知る必要がある。これまでに、系統的にDNAの配列を変えた計算機シミュレーションにより、配列パターンとDNA構造の柔らかさに相関があることを示されている。本研究では、DNA分子の柔軟性が異なると予測されているCGCGAATTCGCG(硬い)とCGCGTTAACGCG(柔らかい)の配列のDNA分子について、MLFのアマテラス装置を用いて水和粉末試料の中性子非弾性散乱スペクトルを得た。さまざまな温度での実験データと計算機シミュレーションを組合せた解析から、DNAの動力学転移は塩基配列に依存せず観測されることがわかり、動力学転移温度以上でDNA構造の揺らぎに違いがあることが示唆された。当日は、配列依存的な構造の柔軟性とDNA分子の揺らぎとの関係について議論したい。
米谷 佳晃; 中川 洋; 河野 秀俊
no journal, ,
これまで、DNAを対象に水和水ダイナミクスの塩基配列依存性を分子動力学シミュレーションにより解析してきた。本発表では、その一連の成果を紹介する。シミュレーションで、まず最初にDNA水和パターンの特徴を抽出し、X線結晶構造解析との対応付けを行った。その後、塩基配列依存性の解析を行った。DNAの塩基はA, T, G, Cの4種類あり、4塩基配列についてすべての組合せを考えると136種類になる。全136種類種類の4塩基配列を解析し、水和パターンの塩基配列依存性、水和カイネティクスの塩基配列依存性を解明した。実験ではさまざまな配列に対して系統的に結晶試料を準備するのは困難であり、また個々の水分子のカイネティクスを測定することもできないため、これらの分子レベルの情報は実験では取得困難である。また、現在、実験研究者と連携してJ-PARCから得られたDNAダイナミクスの中性子非弾性散乱データの解析を進めているので、その進捗についても紹介する。計算機シミュレーションと中性子非弾性散乱の相補的利用を進めていくことで期待される研究の展開について議論する予定である。
中川 洋; 米谷 佳晃; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 稲村 泰弘; 片岡 幹雄; 河野 秀俊
no journal, ,
DNA分子の構造の柔軟性は、タンパク質との分子認識に重要とされている。分子認識を詳細に調べるためには、DNA構造の柔軟性を知る必要がある。これまでに、系統的にDNAの配列を変えた計算機シミュレーションにより、配列パターンとDNA構造の柔らかさに相関があることを示されている。本研究では、DNA分子の柔軟性が異なると予測されているCGCGAATTCGCG(硬い)とCGCGTTAACGCG(柔らかい)の配列のDNA分子について、MLFのアマテラス装置を用いて水和粉末試料の中性子非弾性散乱スペクトルを得た。様々な温度での実験データと計算機シミュレーションを組み合わせた解析から、DNAの動力学転移は塩基配列に依存せず観測されることが分かり、動力学転移温度以上でDNA構造の揺らぎに違いがあることが示唆された。当日は、配列依存的な構造の柔軟性とDNA分子の揺らぎとの関係について議論したい。