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論文

Deuterium retention in tungsten coating layers irradiated with deuterium and carbon ions

福本 正勝; 仲野 友英; 上田 良夫*; 伊丹 潔; 久保 博孝

Journal of Nuclear Materials, 462, p.354 - 359, 2015/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:31.62(Materials Science, Multidisciplinary)

Deuterium retention in a tungsten coating layer by deuterium and carbon mixed ion beam irradiation has been investigated by changing the carbon ion fraction and the surface temperature. Graphite is formed, while tungsten carbide (WC) and ditungsten carbide (W$$_2$$C) are not formed in the tungsten coating layer. At a surface temperature of 500 K, deuterium is retained in the trapping sites with a single trapping energy, which is expected to be grain boundaries and/or pore surfaces, and carbon retained in the tungsten coating layer. At a surface temperature of 700 K, most of the deuterium is not trapped by intrinsic defects such as grain boundaries and pore surfaces, but trapped by carbon retained in the tungsten coating layer. Analysis of deuterium desorption spectra suggests that deuterium is retained in the form of C-D bond in the tungsten coating layer.

論文

Chemical binding states of carbon atoms migrated in tungsten coating layer exposed to JT-60U divertor plasmas

福本 正勝; 仲野 友英; 上田 良夫*; 伊丹 潔

Plasma and Fusion Research (Internet), 8, p.1405159_1 - 1405159_8, 2013/11

Carbon migration in the tungsten coating layer exposed to JT-60U divertor plasmas has been investigated by analysis of chemical binding states of the carbon atoms. More than 1% of carbon atoms were accumulated as graphitic carbon, disordered carbon and/or carbon-deuterium bonds. This concentration was more than five orders of magnitude higher than the solubility of carbon atoms in tungsten lattice. Up to 20% of ditungsten carbide (W$$_2$$C) was also formed in the tungsten coating layer. These findings suggested that the following carbon migration mechanism in the tungsten coating layer. The incident carbon atoms and hydrocarbon molecules migrate within 2.5 $$mu$$m in depth along grain boundaries and defects such as pores. The carbon atoms trapped to grain surfaces penetrate and diffuse in the grains. The carbon atoms exceeded the solubility of carbon atoms in tungsten lattice chemically bind to tungsten atoms and form W$$_2$$C.

論文

炉内トリチウム

上田 良夫*; 大宅 薫*; 芦川 直子*; 伊藤 篤史*; 小野 忠良*; 加藤 太治*; 川島 寿人; 河村 学思*; 剣持 貴弘*; 斎藤 誠紀*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 88(9), p.484 - 502, 2012/09

特定領域科研費「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」のレビューのうち第3章4節を執筆した。JT-60Uの30秒Hモード放電では外側ダイバータ板からの炭化水素の発生量が多いときに容器内に残留する水素量が増加することを示した。さらに外側ダイバータ板から発生した炭化水素がプラズマ中でどのような経路を輸送されるのかを調べるため、人為的に外側ダイバータから$$^{13}$$CH$$_{4}$$を注入する実験を行い、実験後にダイバータ・タイルを取り出しタイル上の堆積物を同定した。その結果、注入口のほぼ正面の内側ダイバータ・タイル上に$$^{13}$$Cが多量のHとともに検出された。この結果は、磁力線を横切った輸送が支配的であること、及び$$^{13}$$CとHが結合した形態で輸送された可能性が高いことを示しており、これらから中性の炭化水素、すなわち$$^{13}$$CH$$_{x}$$, x=1$$sim$$4の形態で外側ダイバータから内側ダイバータまで輸送されたと解釈される。

論文

Effects of carbon impurity on deuterium retention in VPS-tungsten coatings exposed to JT-60U divertor plasmas

福本 正勝; 仲野 友英; 伊丹 潔; 和田 隆明*; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*

Journal of Nuclear Materials, 415(Suppl.1), p.S705 - S708, 2011/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:37.62(Materials Science, Multidisciplinary)

炉内トリチウムの蓄積量を低減させるため、ITERでは第一壁をタングステンで被覆することが検討されているが、リミタなどの高熱負荷機器は炭素を使用する可能性がある。そのため、炉内のトリチウム蓄積量を予測するためには、炭素不純物の影響を評価する必要がある。本研究では、JT-60Uに設置されたタングステン被覆タイルへの重水素蓄積に対する炭素不純物の影響を調べた。プラズマ放電によって炭素タイルから損耗した炭素不純物が被覆タングステンへ蓄積しており、この炭素不純物に重水素が捕獲されていた。その結果、被覆タングステン中のD/Cは0.04-0.08となり、炭素堆積層中のT/Cに対して1/2-1/4に達していた。したがって、将来の核融合炉での炭素と被覆タングステンの同時使用によって、被覆タングステン中のトリチウムの蓄積量が、炭素堆積層と同程度まで増加する可能性がある。

論文

Thermoresponsive extraction of cadmium(II) ions by poly(TPEN-NIPA) gels; Effect of chain length and branched spacer structure on gel formation and extraction behavior

稲葉 優介*; 津曲 貴幸*; 喜田 達也*; 渡部 渉*; 中島 靖隆*; 福岡 佐千緒*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 竹下 健二*

Polymer Journal, 43(7), p.630 - 634, 2011/07

 被引用回数:11 パーセンタイル:34.72(Polymer Science)

重合可能な二重結合を持つ官能基をピリジン環に結合させた${it N,N,N',N'}$-(tetrakis-2-pyridylmethyl)ethylenediamine (TPEN)の誘導体を合成し、重合開始剤としてazobisisobutyronitrile (AIBN)を使用して${it N}$-isopropylacrylamide (NIPA)との共重合を試みた。得られたTPEN-NIPA重合ゲルは、膨潤/収縮挙動に温度応答性が認められ、さらに抽出剤であるTPENの性能が発揮され水溶液中のカドミウム(II)イオンを抽出可能であった。重合ゲルは、側鎖にpropyl基, butyl基, decyl基及びisopropyl基を持つTPEN誘導体を用意して重合した。これらについて、カドミウムイオン抽出の温度依存性を比較した。これらのゲルによる水溶液中のカドミウム(II)イオン抽出は、膨潤状態である5$$^{circ}$$Cにおいて効率が高く、収縮状態である45$$^{circ}$$Cでは、ほとんど抽出されなかった。また、側鎖にisopropyl基を持つTPEN誘導体による重合ゲルが、抽出性能の高い温度応答性を有することを見いだした。

論文

ITPA(国際トカマク物理活動)会合報告,33

朝倉 伸幸; 芦川 直子*; 上田 良夫*; 大野 哲靖*; 田辺 哲朗*; 仲野 友英; 増崎 貴*; 伊丹 潔; 河野 康則; 川端 一男*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 87(7), p.485 - 486, 2011/07

2011年の5月に2つのITPAトピカルグループの会合が開催された。「スクレイプオフ層とダイバータ物理」トピカルグループはフィンランドで、及び「計測」トピカルグループはオランダで、それぞれ単独で会合を開催した。日本側ITPA委員から合計8名が出席し、活発な議論を行った。それぞれのトピカルグループの次回会合予定(それぞれ2012年1月、及び2011年10月)もあわせて示した。

論文

Deuterium retention in tungsten coating on the CFC tiles exposed to JT-60U divertor plasmas

福本 正勝; 仲野 友英; 正木 圭; 伊丹 潔; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*

Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.369 - 374, 2010/08

安全の観点から、核融合炉内のトリチウム蓄積量を基準値以下にする必要がある。そのため、水素同位体の蓄積量が比較的小さいタングステンが、ITERなどのプラズマ対向壁として有力である。これまで、タングステンへの重水素の蓄積量や表面形状の変化が基礎実験で調べられてきたが、トカマク装置を用いて調べた結果は少ない。大型トカマク装置でタングステンへの重水素の蓄積量や表面形状の変化を調べ、この結果を基礎実験の結果と比較・検討し、ITERのタングステン壁へのトリチウム蓄積量や表面形状の変化を予測する必要がある。JT-60Uでは、2003年に外側ダイバータの一部にタングステンを被覆した炭素繊維複合材料のタイルを設置し、2004年の実験終了後に一部のタイルを取り出した。本研究では、このタイルの表面状態と重水素の深さ分布を調べた。表面観察から、タングステン表面はスパッタリングにより損耗していたが、断面観察から損耗量は小さいことがわかった。タングステン層中の重水素の深さ分布は、タングステン層中の炭素不純物の分布と相似であった。したがって、重水素の蓄積量はタングステン層中の炭素量に依存している。

論文

ITPA(国際トカマク物理活動)会合報告,28

朝倉 伸幸; 仲野 友英; 増崎 貴*; 芦川 直子*; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*; 大野 哲靖*

プラズマ・核融合学会誌, 86(2), P. 124, 2010/02

第13回ITPA「SOLダイバータ物理」トピカルグループ会合の概要を報告した。

論文

Thermo-responsive extraction of cadmium(II) ion with TPEN-NIPA gel; Effect of the number of polymerizable double bond toward gel formation and the extracting behavior

福岡 幸男*; 喜田 達也*; 中島 康孝*; 津曲 孝之*; 渡部 渉*; 稲葉 優介*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 竹下 健二*

Tetrahedron, 66(9), p.1721 - 1727, 2010/02

 被引用回数:18 パーセンタイル:47.93(Chemistry, Organic)

ピリジン環に結合させた重合性二重結合を持つアルコキシ基の数を1-4に変化させたTPEN誘導体を合成し、それぞれN-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)とAIBN存在下において共重合させた。得られたポリTPEN-NIPAゲルについて、膨潤/収縮特性の温度応答性と、水相中からのカドミウム(II)の抽出に温度変化を観察した。特に重合性二重結合を3個以上持つTPEN誘導体から構成されるポリマーゲルは、水中において温度に依存して明確な膨潤収縮性を示した。これらのゲルは、Cd(II)イオンを5$$^{circ}$$Cにおける膨潤状態で効率的に水相中から抽出したが、収縮状態である45$$^{circ}$$Cでは抽出はわずかに観察されたのみであった。

論文

Tungsten accumulation in H-mode plasmas of JT-60U

仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 柳林 潤*; 上田 良夫*

Nuclear Fusion, 49(11), p.115024_1 - 115024_10, 2009/11

 被引用回数:33 パーセンタイル:75.04(Physics, Fluids & Plasmas)

プラズマ電流方向と逆方向にプラズマ回転速度が高くなるほど、鋸歯状振動が緩やかになり、それとともにタングステンイオンの蓄積が顕著になることが観測された。電子サイクロトロン波や高エネルギー中性粒子ビームをプラズマ中心部に入射すると、タングステンの蓄積は著しく軽減された。他方、電子サイクロトロン波をプラズマの周辺に入射した場合では、タングステンの蓄積には変化がみられなかった。

論文

核融合炉内複雑環境におけるトリチウム蓄積挙動の実験的研究

上田 良夫*; 日野 友明*; 大野 哲靖*; 高木 郁二*; 仲野 友英; 田辺 哲朗*; 梶田 信*; 福本 正勝

プラズマ・核融合学会誌, 85(10), p.684 - 694, 2009/10

特定領域科学研究費補助金「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」のレビューの一部を発表代表者は担当し、JT-60Uの30秒Hモード放電における水素蓄積量と壁温,炭化水素発生量との関係について述べた。グリンワルド密度の50%程度の放電ではプラズマ容器の温度の違いによって水素の蓄積傾向が異なった。すなわち、壁温300$$^{circ}$$Cではショットを繰り返すごとに水素蓄積量は減少したが、壁温150$$^{circ}$$Cでは緩やかに減少し、壁温80$$^{circ}$$Cではほとんど増減しなかった。他方、グリンワルド密度の70%以上の高密度放電では壁温によらず水素蓄積量はショットを繰り返すごとに上昇した。この高密度放電ではダイバータ板からの炭化水素発生量の増加とともに水素蓄積量は増加した。これは、発生した炭素が再び堆積する際に水素を取り込み水素の蓄積量を増加させたためと解釈される。

論文

Transport of heavy hydrocarbon and its redeposition on plasma facing walls

大宅 薫*; 井内 健介*; 菊原 康之*; 仲野 友英; 河田 純*; 川染 勇人*; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*

Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.8, p.419 - 424, 2009/09

CH$$_{4}$$, C$$_{2}$$H$$_{4}$$及びC$$_{2}$$H$$_{6}$$のプラズマ対抗壁近傍での輸送と再たい積をEDDYコードを用いて調べた。計算結果では、C$$_{2}$$H$$_{4}$$及びC$$_{2}$$H$$_{6}$$はCH$$_{4}$$と比較して発生場所の近傍に再たい積することが示された。これはJT-60Uでの分光測定結果と定性的に一致する。また、EDDYコードで計算されたC$$_{2}$$の発光に対するC$$_{2}$$H$$_{4}$$の電離事象数及びCHの発光に対するCH$$_{4}$$の電離事象数は電子温度が10eV以上の範囲ではJT-60Uでの分光測定結果と定量的に一致した。

論文

ITPA(国際トカマク物理活動)会合報告,24

井戸村 泰宏; 吉田 麻衣子; 矢木 雅敏*; 田中 謙治*; 林 伸彦; 坂本 宜照; 田村 直樹*; 大山 直幸; 浦野 創; 相羽 信行; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 84(12), p.952 - 955, 2008/12

2008年の秋季に、ITPAに関する6つの会合(「輸送と閉込め物理」,「周辺及びペデスタル物理」,「MHD安定性」,「統合運転シナリオ」,「高エネルギー粒子物理」,「スクレイプオフ層及びダイバータ物理」)が開催された。前回までのグループが再編成されグループ名も改称されるとともに、新議長,新副議長が就任し、各国の委員も更新された。各会合の詳細と次回会合の予定(開催日程,場所)等を報告する。

論文

Localized tungsten deposition in divertor region in JT-60U

上田 良夫*; 福本 正勝*; 渡邊 淳*; 大塚 裕介*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 信太 祐二*; 佐藤 正泰; 仲野 友英; 柳生 純一; et al.

Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10

JT-60Uの外側ダイバータから放出されたタングステンの再堆積分布を調べた。今回初めて中性子放射化分析法を用い厚い炭素たい積層に含まれるタングステンの面密度を正確に測定した。タングステンの堆積は内側ダイバータ及びドームタイルの外側に多く見られた。トロイダル方向にはタングステンタイルが設置した場所に非常に局在した分布であった。

論文

Study on chemical reactivity control of liquid sodium; Development of nano-fluid and its property and applicability to FBR plant

斉藤 淳一; 荒 邦章; 杉山 憲一郎*; 北川 宏*; 中野 晴之*; 緒方 寛*; 吉岡 直樹*

Proceedings of 16th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-16) (CD-ROM), 4 Pages, 2008/05

液体ナトリウムは熱伝導率などの特性に優れていることから高速炉の冷却材として使用されている。しかしながら、ナトリウムの水や酸素との反応性は非常に高い。そこで、ナトリウム自身の化学的活性度を抑制する革新的な研究が望まれている。本研究の目的は液体ナトリウム中にナノメートルサイズの金属微粒子を分散させることにより、ナトリウムの化学的活性度を抑制することである。本研究のサブテーマとして、ナノ粒子の製造技術の開発,ナノ流体の反応抑制効果の評価及びナノ流体のFBRプラントへの適用性評価を挙げている。本論文ではそれぞれのサブテーマの進捗状況について述べる。

論文

Extraction separation of Am(III) and Eu(III) with thermosensitive gel introducing TPEN derivatives

竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*

Proceedings of 3rd International ATALANTE Conference (ATALANTE 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/05

Am(III)とEu(III)の分離を目指し、NIPA(N-isopropylacrylamide)とTPENの誘導体の一つであるTPPEN(N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine)を共重合した感温性ゲルを用いた温度スイングクロマトプロセスの開発を進めている。まず、TPPEN-NIPAゲルの耐放射線性の確認のため、$$gamma$$線照射試験及び$$alpha$$核種長期吸着試験を実施し、これらによる吸着特性への影響が問題ないことを確認した。次に、多孔質シリカ粒子にTPPEN-NIPAゲルを固定し、分離性能を確認した。Am(III)は低温(5$$^{circ}$$C)において抽出され、Euとの分離係数は3.7であった。また5$$^{circ}$$Cから40$$^{circ}$$Cに温度変化させることによって、Am(III)の分配係数は1/20に減少した。これらの結果は、TPPEN-NIPAゲルによる温度スイングクロマトプロセスのMA分離への適用性を示している。

論文

Thermal-swing extraction separation of Am(III) and Eu(III) with poly-NIPA gel crosslinked with TPEN derivative

竹下 健二*; 松村 達郎; 中野 義夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 44(12), p.1481 - 1483, 2007/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:54.16(Nuclear Science & Technology)

ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を六座の窒素ドナー配位子であるN,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamineによって架橋した感温性ゲルを合成した。このポリマーネットワークは膨潤収縮特性に温度依存性を持ち、低温のpH5.3の水相中における膨潤状態でAm(III)の分配係数2000とAm/Euの分離係数18を確認した。また、Am(III)は温度上昇によるゲルの収縮によって放出されることを確認した。この特性は、このゲルを用いて温度スイングオペレーションを行うシンプルなMA/Ln分離プロセスの構築の可能性を示唆している。

論文

Separation of Actinide(III) from Lanthanide(III) by thermosensitive gel copolymerized with TPEN derivatives

竹下 健二*; Fugate, G.*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 森 敦紀*; 福岡 幸雄*

Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.120 - 125, 2007/09

TPENの誘導体である$$N,N,N',N'$$-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)をpoly-$$N$$-isopropylacrylamide(NIPA)に共重合して合成した感温性ゲルを利用し、温度スイング抽出法によるAm(III)とEu(III)の抽出分離を試みた。Am(III)とEu(III)の分離はゲルが膨潤状態である5$$^{circ}$$Cにおいて観察され、pH5.2において分離係数18であった。ゲルに抽出されたAm(III)の90%以上が、膨潤状態(5$$^{circ}$$C)から収縮状態(40$$^{circ}$$C)へのゲルの体積相転移に伴って、ゲルから放出された。また、Am(III)の模擬としてソフト金属であるCd(II)を使用した温度スイング抽出繰り返し試験を行った結果、5$$^{circ}$$C-40$$^{circ}$$C間での温度スイング操作によってCd(II)は安定して抽出・放出を繰り返した。さらに、放射線照射のAmとEuの抽出に対する効果を、$$gamma$$線照射(10kGy)と$$alpha$$核種($$^{244}$$Cm)長期吸着試験によって評価し、TPPEN-NIPAゲルは、これらの照射試験によって損傷を受けることはないことを確認した。これらの結果は、温度スイング抽出法が、分離変換技術に不可欠なMA/Ln分離プロセスに適用可能であることを示唆している。

論文

Thermal-swing extraction of Cadmium(II) by thermosensitive polymer gel crosslinked with Encapsulating hexadentate ligand

竹下 健二*; 石田 圭吾; 中野 義夫*; 松村 達郎

Chemistry Letters, 36(8), p.1032 - 1033, 2007/08

 被引用回数:22 パーセンタイル:57.01(Chemistry, Multidisciplinary)

ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を六座の窒素ドナー配位子であるN,N,N',N'-tetrakis(4-propenyl-oxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)によって架橋された感温性ゲルによる、Cd(II)の温度スイング抽出について調べた。Cd(II)は5$$^{circ}$$Cにおいて選択的に抽出され、40$$^{circ}$$Cにおいてゲルが収縮すると放出された。高温時と低温時における分配比の違いは約30倍であった。

論文

Physics issues and simulation of the JT-60 SA divertor for large heat and particle handling

朝倉 伸幸; 川島 寿人; 清水 勝宏; 櫻井 真治; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 仲野 友英; 久保 博孝; 東島 智; 林 孝夫; et al.

Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 31F, 4 Pages, 2007/00

JT-60SAでは最大41MWの入射パワーで100秒間の運転を予定して設計を進めている。一方、炭素繊維材を使用した強制冷却ダイバータ板への最大熱流負荷は15MW/m$$^{2}$$であり、現在のトカマク装置を超えた大きな熱流を低減するダイバータ設計が必要となった。さらに、重水素運転を行うため、すべてのダイバータ要素をカセットに納められるよう小型化する必要がある。本発表では、おもに、ITER相似の主プラズマ配位で実験を行うため設計された下側ダイバータの物理設計についてシミュレーション結果を中心に述べる。一般に外側ダイバータへの熱流束が大きいため、ダイバータ板の角度を垂直にするとともにドーム部の排気溝の位置を高くした「V型形状」にすることにより、ストライク点付近の中性ガス圧が増加し非接触プラズマが生成しやすい設計とした。ガスパフを行うことによりダイバータ板への最大熱負荷は8MW/m$$^{2}$$程度まで低減できる。さらに、ガスパフを増加し放射損失が増加した場合、V型形状ダイバータでは、ストライク点を高くすることにより非接触ダイバータを接触ダイバータへ戻す制御が可能であることを示した。

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