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奈良 禎太*; 柏谷 公希*; 桶谷 和生*; 藤井 宏和*; Zhao, Y.*; 加藤 昌治*; 青柳 和平; 尾崎 裕介; 松井 裕哉; 河野 勝宣*
材料, 73(3), p.220 - 225, 2024/03
岩盤中においては、その中に含まれる亀裂が地下水流動や物質移動の主な移行経路となる。このような亀裂に粘土鉱物のような微細な粒子が充填すると、岩盤の透水係数が低下することが室内試験により確認されている。本研究では原位置においても同様の現象が発生するかを確認するため、瑞浪用地の深度300mにおいて岩盤中に粘土を含む水を注入し、岩盤の透水性の変化を測定した。原位置試験では粘土を含む水の注入により、2オーダーの透水性の低下が確認され、原位置においても粘土鉱物のような粒子の亀裂の充填により透水性が低下することが確認された。
奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 佐藤 努*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀
Journal of MMIJ, 138(4), p.44 - 50, 2022/04
放射性廃棄物地層処分や化石燃料の採掘、二酸化炭素地中貯留等の工学プロジェクトを考える上で、岩盤内の流体の流れを理解することは重要である。き裂や空隙のネットワークは流路となるため、岩盤内の流体の流れにおいて主要な役割を果たす。本研究では、巨視き裂が自然環境下で含まれている花崗岩を試料として用いて、粘土を含む水が流れる条件下で透水試験を行うことによって透水係数の変化を調べた。その結果、粘土粒子が巨視き裂内で集積してき裂を閉塞させることによって、巨視き裂を含む花崗岩の透水係数が低下した。
鎌田 健人*; 奈良 禎太*; 松井 裕哉; 尾崎 裕介
第15回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.205 - 209, 2021/01
放射性廃棄物処分のようなプロジェクトを考える場合には、岩盤が有する物質の閉じ込め性能を評価することが重要であり、それに関して、岩盤内のき裂が透水性に及ぼす影響を調べることが必要不可欠である。しかし、き裂を含む泥岩の透水性の変化については未だ十分に研究されていない。そこで本研究では、北海道幌延地域に分布する泥岩の円柱形供試体に巨視き裂を導入し、透水性への影響を調べた。まず、圧裂引張試験によりき裂を導入した供試体に対して変水位透水試験を行い、透水係数を測定した。その後、トランジェントパルス法により測定したインタクトな供試体の透水係数と比較した。その結果、き裂導入により1オーダー程度の透水係数の上昇が確認された。本研究の結果から得られた透水係数の上昇の程度は、花崗岩や玄武岩などを用いた先行研究と比較すると小さい値であった。
奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 佐藤 努*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀
Proceedings of 5th ISRM Young Scholars' Symposium on Rock Mechanics and International Symposium on Rock Engineering for Innovative Future (YSRM 2019 and REIF 2019) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2019/12
地下を利用する様々なプロジェクトにおいて、長期的な地下水流動を評価することは重要である。長期的には花崗岩中の亀裂は鉱物の充填によって水みちが変化する。通常、岩石を対象とした室内試験では蒸留水を使用するが、実際の岩盤中では地下水に粘土鉱物が含まれる。そのような状態を模擬した透水試験を実施し、粘土鉱物の蓄積により透水性が低下する結果を得た。
加藤 昌治*; 奈良 禎太*; 岡崎 勇樹*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 佐藤 努*; 高橋 学*
Materials Transactions, 59(9), p.1427 - 1432, 2018/09
被引用回数:7 パーセンタイル:33.08(Materials Science, Multidisciplinary)放射性廃棄物の地層処分においては、岩盤を天然バリアとして使用する。このことから、低透水性の岩盤やき裂を充填している粘土の存在は、より好ましい環境を提供すると考えられる。室内での透水係数の測定方法のうち、トランジェントパルス法は低透水性の材料の透水係数測定に有効であるが、粘土に適用された事例は無く、かつ、そのままの方法・手順では適用が困難である。このため、供試体の下流側の圧力を下げる場合で透水係数を求める方法を提案し、変水位法で得られた値と比較して問題ないことを確認した。
奈良 禎太*; 桑谷 隆太*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 柏谷 公希*
材料, 67(7), p.730 - 737, 2018/07
岩盤中のき裂の閉塞を考えることは、放射性廃棄物地層処分を考える上で有意義である。そこで本研究では、カルシウム分を含む水中環境に1ヶ月保存した岩石表面に鉱物が析出するかどうかを調べることとした。特に、カルシウムイオン濃度の異なる環境下に岩石を保存した場合、岩石表面への鉱物析出がどのように異なるかについて調べた。その結果、鉱物の析出が確認でき、その析出量は水中のカルシウムイオン濃度に依存することが分かった。また、花崗岩に比べて砂岩ではより多くの鉱物析出が起こることも示された。本研究の結果より、鉱物の析出による岩石内のき裂修復の可能性が示されたと考えられる。
奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 二里 竜平*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 福田 大祐*; 佐藤 努*; 高橋 学*
Pure and Applied Geophysics, 175(3), p.917 - 927, 2018/03
被引用回数:16 パーセンタイル:58.41(Geochemistry & Geophysics)多くの分野で岩石の透水性に関する情報は重要なものである。特に、き裂や間隙が岩石の物理的特性や移行特性に与える影響を把握することは重要である。地下水の浸透により細粒の鉱物がき裂に充填されるが、このような岩石の透水性については十分調査されていない。このため、本研究では、粘土と鉱脈が充填された岩石の透水試験を実施した。その結果、細粒鉱物が充填されたマイクロフラクチャーを含む供試体の透水係数は健岩部のそれと同等の透水係数であった。粘土を含む場合は透水性が高くなるものの、充填物が無いき裂がある供試体よりは透水性が小さかった。
加藤 昌治*; 奈良 禎太*; 岡崎 勇樹*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 佐藤 努*; 高橋 学*
材料, 67(3), p.318 - 323, 2018/03
放射性廃棄物の地層処分においては、岩盤を天然バリアとして使用する。このことから、低透水性の岩盤やき裂を充填している粘土の存在は、より好ましい環境を提供すると考えられる。室内での透水係数の測定方法のうち、トランジェントパルス法は低透水性の材料の透水係数測定に有効であるが、粘土に適用された事例は無く、かつ、そのままの方法・手順では適用が困難である。このため、供試体の下流側の圧力を下げる場合で透水係数を求める方法を提案し、変水位法で得られた値と比較して問題ないことを確認した。
加藤 昌治*; 奈良 禎太*; 福田 大祐*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 佐藤 努*; 高橋 学*
材料, 65(7), p.489 - 495, 2016/07
放射性廃棄物の地層処分において、岩盤の透水性は重要な情報となる。透水試験において温度などの周辺環境の変化が測定結果に及ぼす影響を把握することは重要である。岐阜県産の土岐花崗岩を用いて、温度条件を変化させた透水試験をトランジェントパルス法で実施した。その結果、供試体の上流側と下流側に接続されている貯留槽の圧力差は、配管や継手の容積を含めた貯留槽容積が上流側と下流側で異なることや周囲の温度が変化したときに貯留槽や配管への熱伝達が上流側と下流側で異なることなどに起因して、温度変化が起きたときにそれに敏感に反応して変化していることが観察された。透水試験においては、大きな温度の変動はもちろんのこと、微小な温度変化でさえ、実験データに影響を及ぼすことが確認された。
奈良 禎太*; Cho, S. H.*; 吉崎 貴哉*; 金子 勝比古*; 佐藤 稔紀*; 中間 茂雄; 松井 裕哉
International Journal of the JCRM (Internet), 7(1), p.1 - 9, 2011/01
本研究は原位置における初期応力測定結果等から広域的な応力場及び岩盤の弾性係数を同時に評価するための3次元有限要素法による逆解析手法を示したものである。本研究では、3次元応力場の評価精度を向上させるため、弾性係数の異なる不均質な地層モデルを考慮し、東濃鉱山,正馬様用地及び瑞浪超深地層研究所用地を含む領域の広域的な応力場の逆解析に適用した。
奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; et al.
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 204, 2008/03
TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンの、2006年度における運転及び整備の状況、また、新イオンビームや新しい方式による大面積高均一照射技術などの開発を報告する。
奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 百合 庸介; 横田 渉; et al.
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 196, 2007/02
TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンは、世界で初めて材料科学やバイオ技術等の研究開発のために1991年に建設されて以来、需要に基づく改造や修理を行いながら順調に運転を継続している。本年報では、平成17年度におけるサイクロトロンの運転状況並びに整備の状況、また、イオンビーム利用者の要望に基づき開発した新イオンビームや、ビーム高品位化に向けたサイクロトロンの技術開発について報告する。
奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 福田 光宏; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 中村 義輝; et al.
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, P. 370, 2006/01
原研AVFサイクロトロン装置は1991年のファーストビーム引き出し以来順調な運転が継続されている。利用運転開始から本年まで、また月ごとの運転実績を発表する。また、2004年度に利用されたイオン種の割合,新しく加速可能になったイオン種,整備状況も併せて報告する。
奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 福田 光宏; 奥村 進; 宮脇 信正; 中村 義輝; 赤岩 勝弘*; et al.
Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.209 - 211, 2004/08
原研AVFサイクロトロン装置は、これまで13年間以上にわたって安定な運転が継続されており、広範な研究分野に多種多様なイオン種を提供している。近年では、フラットトップ加速システム導入,鋸歯状波型ビームバンチャーの追加,サイクロトロン中心領域の改造、等々の技術開発や装置改造を行い、マイクロビーム形成実験を精力的に実施している。また一方ではこの間、TMP回転翼の破損や冷却系機器からの漏水,機器コントロール用シーケンサーの放射線損傷,電源盤内小型補助電源の不良、などさまざまな故障・不具合等も発生したが、サイクロトロン装置はこれらの困難を克服し、ほぼ計画通りの運転を継続している現状について発表する。
中村 義輝; 奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 田村 宏行; 倉島 俊; 横田 渉; 奥村 進; 福田 光宏; 赤岩 勝弘*; et al.
Proceedings of 13th Symposium on Accelerator Science and Technology, p.193 - 195, 2001/00
原研高崎のAVFサイクロトロン装置は、1991年3月のファーストビーム以来、特に深刻な故障もなく、順調に運転されている。年間の運転時間は、最近8年間での平均で約3200時間である。この2年間では、われわれは以下に示すような開発や改良を実施した。専用冷却システムの追加によるサイクロトロンビームの安定化、第5高調波RFを用いたフラットトップ装置の検討と設計,放射線遮蔽のためのロータリーシャッターの改造及びマグネティックチャンネルとその電源の増強等である。さらに、冷却系のための循環ポンプの更新,電源盤内のシャント抵抗の交換及び基幹ビーム輸送ラインでのいくつかの電磁石の再アラインメント等も、実施された。
鎌田 健人*; 奈良 禎太*; 松井 裕哉; 尾崎 裕介; 藤井 宏和*; Zhao, Y.*
no journal, ,
本研究では、岩盤の亀裂内部における炭酸塩鉱物の析出による透水性の低下を期待して、幌延深地層研究センター深度350mにおいて炭酸水の連続注入試験を実施した。坑道壁面から80cm掘削し、坑道壁面周辺の岩盤損傷領域に存在する亀裂を対象として注入試験を実施した。注水期間中、定期的に透水試験を実施し透水性の変化を調べたところ、透水係数の若干の低下がみられた。今後、透水性の低下の原因を把握するためにオーバーコアリングを実施し、コア観察や試料分析等を実施する予定である。
桑原 彰吾*; 奈良 禎太*; 柏谷 公希*; 藤井 宏和*; Zhao, Y.*; 松井 裕哉; 尾崎 裕介; 広吉 直樹*
no journal, ,
本研究では、岩盤内にセメント粉末と炭酸水を注入することによる炭酸塩鉱物の生成による岩盤内の亀裂の修復手法の開発を行っている。その効果を確認するため、原位置においてセメント粉末および炭酸水注入前後における透水試験を実施した。原位置における透水試験の結果、炭酸水の注入のみでは透水性の低下は認められなかったが、炭酸水に加えセメント粉末の両方を注入することにより透水性が低下していることが確認された。
奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 横田 渉; 奥村 進; 宮脇 信正; et al.
no journal, ,
TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンは、世界で初めて材料科学やバイオ技術等の研究開発のために1991年に建設されて以来、修理や需要に基づく改造を行いながら順調に運転を継続している。本年報では、平成18年度におけるサイクロトロンの運転状況並びに整備の状況、また、新イオンビーム開発や、ビーム高品位化に向けたサイクロトロンの技術開発について報告する。
奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 岡崎 勇樹*; 河野 勝宣*; 福田 大祐*; 佐藤 努*; 佐藤 稔紀; 高橋 学*
no journal, ,
本研究では、粘土および破壊した岩石の透水係数を、透水試験を用いて調べた。特に、粘土の透水係数を求め、さらに粘土がき裂を充填する場合に透水係数がどのように変化するかを、粘土を含む水を花崗岩に流し続けることによって調べた。その結果、粘土(主成分はイライト)の透水係数は、インタクトな花崗岩より1オーダー程度高く、巨視き裂を含む花崗岩よりは34オーダー低い値となり、粘土層を含む花崗岩と同程度の値となった。このことより、巨視き裂を充填する物質の性質が、巨視き裂を含む結晶質岩石の透水係数を決定すると考えられる。また、粘土を含む水を流し続けると、時間の経過とともに、岩石の透水係数が低下する様子が示された。これより、粘土の沈殿によりき裂が充填されることによって、透水係数が低下するということが示された。
加藤 昌治*; 奈良 禎太*; 岡崎 勇樹*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀; 佐藤 努*; 福田 大祐*; 高橋 学*
no journal, ,
岩盤のき裂は、鉱物の沈殿により充填され、遮蔽性能を回復している場合が見受けられる。このような環境は、岩盤を天然バリアとして使用する放射性廃棄物の地層処分において好ましいものである。そこで本研究では、土岐花崗岩を用いて、インタクトな岩石や天然の巨視き裂を含む岩石、鉱物で充填されたき裂(鉱物脈)を含む岩石を供試体として、室内透水試験を実施し、透水係数を測定した。その結果に基づき、き裂が修復される(鉱物で充填される)ことによって、それを含む岩石の透水係数がどの程度回復するのかを検討するとともに、き裂の開口幅を評価した。