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二ノ方 壽*; Pellegrini, M.*; 上出 英樹; Ricotti, M.*
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13), Vol.2, p.151 - 166, 2015/04
高速炉の設計と安全確保に関するマルチフィジックス現象の数値モデルとシミュレーションに関する研究の現状を示す。強調すべき点は高サイクル熱疲労における構造-流動相互作用、ナトリウム-水反応現象、炉心損傷時の多相多成分熱流動を含む評価手法の実用的な検証プログラムにある。そのような手法と検証の一部を部分効果試験,総合試験を含めて示すとともに、解析誤差と不確定性に関する定量的な検証についても言及する。
豊岡 淳一; 遠藤 寛*; 飛田 吉春; 二ノ方 壽*
日本原子力学会和文論文誌, 12(1), p.50 - 66, 2013/03
本研究では、FBRにおいて炉心損傷事故が発生した場合でも、燃料集合体内に設置した内部ダクトを介して溶融燃料を炉心外に排出し厳しい再臨界を防止する設計対策(FAIDUS)の原理的有効性を確認する観点から、カザフスタンIGR炉で実施されたID1試験結果に伝熱挙動解析コードTAC2D及び炉心損傷事故解析コードSIMMER-IIIを適用し、高温融体と接触したダクト壁の伝熱・破損機構を明らかにする目的で体系的な伝熱挙動評価を行った。本研究で得られた知見から、ID1試験で見いだされたダクト壁の早期の高熱流束破損機構はFAIDUS集合体への要求条件「炉心損傷事故時に燃料集合体のラッパ壁が破損する以前の早期段階においてFAIDUS集合体の内部ダクト壁が破損し、燃料集合体内に生成された溶融燃料が集合体外に流出すること。」を大略満足し、FAIDUS概念の原理的成立性を支持していると判断される。
二ノ方 壽*; 上出 英樹
Nuclear Technology, 181(1), p.11 - 23, 2013/01
被引用回数:1 パーセンタイル:86.85(Nuclear Science & Technology)日本の高速炉開発に関して、特に機構が進めるJSFRの設計研究と関連する熱流動研究に焦点を当てて熱流動観点で重要なpointを述べる。JSFRでは幾つかの革新技術、例えば完全自然循環方式崩壊熱除去系,炉心損傷事故時の再臨界を排除できる炉心概念が、より高い安全レベルを達成するために考案,研究され、その評価が進んでいる。ここではその研究開発成果を紹介する。
二ノ方 壽*; 上出 英樹
Proceedings of 14th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-14) (CD-ROM), 20 Pages, 2011/09
NURETH-14国際会議のKeynote Lectureとして、日本における高速炉開発に関して特にJSFRの設計研究と関連する熱流動研究に焦点を当てて重要なポイントを述べる。JSFRでは幾つかの革新技術、例えば完全自然循環方式崩壊熱除去系、炉心損傷事故時の再臨界を排除できる炉心概念が、より高い安全レベルを達成するために研究され、その評価が進んでいる。ここではその成果を紹介する。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 叶野 琢磨; Merzari, E.*; 二ノ方 壽*
Annual Report of the Earth Simulator Center April 2006 - March 2007, p.223 - 228, 2007/09
原子炉内熱流動挙動の詳細を大規模シミュレーションによって明らかにする研究を行っている。従来の熱設計手法ではサブチャンネル解析コードに代表されるように実験データに基づく構成式や経験式を必要とするが、新型炉開発では熱流動データベースが十分ではないため、従来手法による熱設計では高精度の予測は困難である。そこで、シミュレーションを主体とした先進的な熱設計手法を構築し、従来手法と組合せることによって効率的な新型炉開発の実現を目指している。このため、地球シミュレータを利用して次の研究を行っている。1つは将来型軽水炉の燃料集合体内二相流挙動を大規模シミュレーションによって計算機上に再現する研究であり、日本原子力研究開発機構が担当している。もう1つは、高速炉を対象にした複雑流路内乱流挙動を大規模シミュレーションによって解明する研究であり、これは東京工業大学が担当する。本報では、日本原子力研究開発機構による稠密燃料集合体内水-蒸気二相流挙動の詳細予測結果と東京工業大学による大規模乱流シミュレーションの結果について報告する。
Kriventsev, V.; 二ノ方 壽; 山口 彰; 大島 宏之
Journal of Fluid Mechanics, 0 Pages, 2003/12
None
二ノ方 壽*; 三澤 丈治*; Baglietto, E.*; 青木 尊之*; Sorokin, A. P.*; 前川 勇*; 大島 宏之; 山口 彰
JNC-TY9400 2003-010, 170 Pages, 2003/03
湾曲、変形を想定した高燃焼度高速炉炉心燃料や稠密配列燃料格子燃料に対し、様々な運転条件下における燃料表面壁せん断応力や被覆管温度分布、冷却材および燃料の温度分布を詳細に評価して燃料の温度制限に対する適正な裕度を確認するとともに、Design by Analysis のツールとしての熱流動大規模数値シミュレーション手法を提案する。適用範囲に限界があるホットスポットファクターや実験に基づく経験論的なアプローチなどに代わり、数値シミュレーションによって、高燃焼度、長寿命、高信頼性、安全性、運転・保守の容易性、核廃棄物量の最少化などの諸要求条件を充たす高速炉炉心の熱流動設計の最適化を容易とする。直交座標系と曲線座標系の間の座標変換を利用して、燃料集合体のような複雑形状を有する流路内の熱流動現象を詳細に解析する擬似乱流直接シミュレーションコードを開発し、座標変換前後の計算の妥当性について各種簡易形状流路内乱流熱伝達を計算して検証するとともに、物理量分布や乱流統計量などについて実験結果と比較し精度の確認を行った。また、擬似直接乱流シミュレーションを三角配列無限大本数ピン集合体に適用した結果の妥当性を、公開文献にある実験結果および汎用CFDコードSTAR-CDによるレイノルズ平均N-S方程式系の計算結果と比較して示すとともに、運動量・エネルギーの輸送プロセスに与える乱流の非等方性による二次流れの影響の重要性が強調された。さらに、円管形状に拘らない任意の新型高性能被覆管形状を考慮に入れて、熱流動の観点から最適の形状および配列を検討した。
大島 宏之; Kriventsev, V.; 山口 彰; 二ノ方 壽
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(9), 655 Pages, 2003/00
被引用回数:2 パーセンタイル:80.02(Nuclear Science & Technology)断面形状が任意の直管内乱流発達流れにおけるレイノルズ応力を評価するための新しい乱流モデルを提案する。このマルチスケール粘性モデル(MSV)は、主流方向流速分布の局所的な変形が、局所レイノルズ数をある臨界値以下に保つような強度の乱流を発生させるという現象論的ルールをベースとしている。MSVは、使用する経験定数がこの臨界レイノルズ数のみとなるところに特徴がある。MSVを円管内流れを例題として検証するとともに、三角配列の燃料ピンバンドル無限体系を仮定し、その最小要素内で乱流により発生する二次流れのシミュレーションに適用した。
Kriventsev, V.; 二ノ方 壽; 山口 彰; 大島 宏之
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-10), 0 Pages, 2002/04
None
堂田 哲広*; 二ノ方 壽*; 岡野 靖; 山口 彰
JNC-TY9400 2001-010, 175 Pages, 2001/03
1995年12月のもんじゅナトリウム漏洩事故以来、ナトリウム火災の安全評価精度向上の観点から、ナトリウムプール燃焼時のエアロゾル生成と輸送の詳細な機構が注目されている。燃焼量や生成物の評価、及び、ナトリウム蓄積を伴うプール火災時の鋼製床ライナー温度評価において必要なパラメータであるエアロゾルの放出割合(放出割合 release fraction)、すなわち、発生したエアロゾルが雰囲気へ飛散するか、プール表面へ沈降するかの割合、を決定することは重要である。本年度(平成12年度)は3ヵ年に渡る共同研究のまとめとして、平成11年度までに開発した多次元燃焼熱流動解析コードを用いて、ナトリウムプール燃焼実験の模擬計算を行い、本研究で採用した瞬時化学平衡反応モデルの適用性評価、及び、ナトリウムプール表面近傍におけるエアロゾル挙動評価を実施した。数値計算の結果、プール燃焼火炎の周期的な変動の様子が示され、プール直径と変動周期の関係は、工業用燃料の小規模プール燃焼実験とよい一致を示した。プール表面温度と質量燃焼率の関係は、表面温度に対する燃焼率の増加傾向は計算値と実験計測値で整合性の良い結果が得られたものの、定量的には必ずしも一致しない傾向を示した。プール表面温度と生成エアロゾル放出割合の関係は、プール温度の上昇に伴い放出割合が増加する傾向を示し、実験値とも定量的に良好な一致を示した。本研究により、従来、工学的判断に基づくパラメータとして与えられてきた反応生成物の組成比を、数値解析的に求める事が可能となり、ナトリウムプール燃焼解析の精度を向上させることが出来た。さらに、従来の解析では数多くの実験に基づき推定されてきた生成エアロゾルの放出割合についても、数値解析を用いて評価可能な手法の基礎を確立することが出来た。
二ノ方 寿*; 堂田 哲広*; 岡野 靖
JNC-TY9400 99-008, 31 Pages, 1999/03
1995年12月に発生したもんじゅのナトリウム漏洩事故以来、ナトリウムプール燃焼時のエアロゾルの生成と輸送の詳細なメカニズムが注目されている。特に、発生したエアロゾルが雰囲気へ飛散するかプール表面へ沈降するかの割合(飛散割合 release rate)は、燃焼の状態およびナトリウムの広がった床の温度を評価する際のキーパラメータとなっている。しかし、このエアロゾルの飛散割合を評価するためには、火炎内の流速分布、化学種の濃度分布及び温度分布などの複雑な構造を評価する必要があり、これまでの研究ではその評価が十分ではなかった。本研究では、プール燃焼により発生した自然対流が室内を定常的に循環する系を想定し、さらにナトリウムと酸素の反応は瞬時化学平衡が成り立つと仮定する事により問題を簡単化して、層流拡散火災の理論を用いて数値解析を行った。具体的には、気流に関しては質量、運動量、化学種の質量およびエネルギー保存の境界層方程式を解き、また、エアロゾル輸送に関しては対流からの抗力、熱泳動力、重力を考慮した解析を行った。解析の結果、燃焼率に関して比較的よく実験結果が説明でき、その他の燃焼特性についても妥当な結果が得られた。また、エアロゾルの飛散率に関してはプール表面温度が1000K程度であれば従来の解析に用いられていた飛散率は妥当である事がわかった。本研究の実施に際し、東京工業大学が化学平衡モデルのプール燃焼への適用およびエアロゾル輸送挙動解析手法の開発を、核燃料サイクル機構が化学反応平衡モデルの開発を行った。
大高 雅彦; 大島 宏之; 二ノ方 壽; 成田 均
PNC-TN9410 96-212, 36 Pages, 1996/06
本研究では、ASFRE-IIIコードの燃料集合体内冷却材温度分布に関する評価精度の検証を目的として、動燃が実施した2種類の模擬燃料集合体ナトリウム実験によって得られたデータを用い検証解析を実施した。検証解析の対象とした実験は、高速炉の崩壊熱除去運動時(低レイノルズ数領域)及び定格運転時(高レイノルズ数領域)に相当する条件で実施したナトリウム実験である。これら の実験条件をASFRE-IIIコードの入力条件として与え、燃料集合体内の熱流動解析を行い、燃料集合体内の冷却材温度データと比較した。本検証解析により、ASFRE-IIIコードの冷却材最高温度に関する解析値は、発熱部における冷却材温度上昇に対し、低レイノルズ数領域では5%以内、高レイノルズ数領域では6%以内で実験値と一致することを確認した。
上出 英樹; 家田 芳明; 小林 順; 二ノ方 壽
PNC-TN9410 96-076, 72 Pages, 1996/03
高速炉の熱流動の分野においてベンチマーク実験を行ない、これに対する多次元熱流動解析コードの国際ベンチマークを実施した。合計12種類の熱流動解析手法が、浮力による潜り込み現象並びに温度成層化現象を対象とするベンチマークに適用された。解析手法として有限差分法、有限要素法、及びその乱流モデル、対流項の高次差分解法の現象に対する適用性を検討した、有限差分法では乱流モデルと高次差分法を組み合わせた手法が高い適用性を示した。また、有限要素法についても乱流モデルの重要性が明かとなった。解析手法の検討を通して潜り込み現象、温度成層化現象を解析する上で、低乱流状態で浮力の影響を受ける混合対流条件下の流れに対する乱流モデルの開発が重要であることが示された。なお、本ベンチマークは国際水理学会(IAHR)の第7回新型炉熱流動ワーキンググループの会合(1992年8月、於ドイツ、カールスルーエ)のために準備したものである。
村松 壽晴*; 二ノ方 壽*
Nuclear Technology, (113), p.54 - 72, 1996/01
高速炉炉心出口近傍に位置する構造材は、冷却材の不規則な温度ゆらぎ挙動によって高サイクル熱疲労を受けると考えられる。本発表では、この温度ゆらぎ挙動に関する評価を解析的に行う場合に必要となる解析コードの機能と、この解析コードを用いることで高速炉設計の見直し作業を効率的に実施可能であることを示す。具体的な発表内容は次のとおりである。(1)解析コードは、精度安定性、経済性が良好に調和され、現存する計算能力と整合が図られている必要がある。その具体的機能は、・数値粘性の効果的な除去が可能な離散化スキームと非等方性効果の考慮が可能な乱流モデルが組み込まれていること(精度)・数値振動の除去を行うシステムが組み込まれていること(安定性)・大規模計算を効率的に行うシステムが組み込まれていること(経済性)である。
二ノ方 壽; 野中 信之; 近藤 悟
International Conference on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants (ANP '92), 3, 29.3-1 Pages, 1992/10
本発表は高速増殖炉の実用化路線に基づいた将来の安全研究に対する基本的な考え方を主張するポジションペ-パである。実用化炉においては,より一層の事故及びその進展の防止(P.S.)が求められる。そこでは,受動的安全のクレジットも求められる。一方,事象の進展抑制(M.S.),格納に対する措置についてP.S.と同じレベルで講じることによって深層防護の厚みを増す。P.S.,M.S.,と格納機能の調和を以てはじめて社会的受容(P.A.)が得られる。発表の具体的内容は,現在迄のCDA研究によって得られている知見を紹介し,究極のゴ-ルとしてあるLMFBR設計の自由度を保証するために,将来のRqDsの方向がどうあるべきか議論する。即ち,CDA時のエネルギ-発生,変換,格納過程について,これまで必ずしも充分でなかった現象緩和機構の解明と,設計への考慮を行うことが必要で,今後の事実確認の積み上げが最重要課題である事を主張する。
村松 壽晴; 二ノ方 壽
PNC-TN9460 91-006, 52 Pages, 1991/08
1983年,米国アルゴンヌ国立研究所(ANL)より導入したCOMMIX-1Aコードを基本として,大幅な数値計算法の改良・整備および機能拡張を行い,単相多次元熱流動解析コードAQUA(Advanced simulation using Quadratic Upstream differencing Algorithm)を開発した。この,AQUAコード,1987年に実施された使用方法に係わる講習会(Version-1)を経て動燃事業団内に公開され,各種業務に関連する熱流動設計において数多くの具体的成果を提供してきた。本報は,AQUAコードの新機能(物質輸送モデル:Version-2,複数多次元モデル:Version-3)の使用方法について,Version-1(オリジナル)を含めた形で再編集した総合取扱い説明書である。
村松 壽晴; 二ノ方 寿
PNC-TN9410 91-119, 192 Pages, 1991/03
炉心出口近傍に発生するサーマル・ストライピング現象を解析的に精度良く評価できるようにするため、これまでに報告した乱流モデルでは考慮されなかった2つのモデル化項目を取り上げ、そのモデル化の必要性を水を作業流体としたサーマル・ストライピング実験の解析を通じて検討した。この検討の結果、以下の点が明らかとなった。1)応力代数識乱流モデルを使用する場合には、時間スケールを空間依存量として取り扱う必要がある。2)乱流2次相関量に対する対流項および拡散項は、解析精度への影響が極めて小さく、両項を厳密に取扱う応力方程式乱流モデルを使用することのメリットは少ない。3)したがって、温度ゆらぎ強度を解析評価する場合には、応力代数式モデルと時間スケール空間依存モデルとを組合せて用いることが望ましい。さらに、実機体系を対象とした解析を上記3)のモデルを用いて行った結果、次の点が明らかとなった。1)制御棒集合体の冷却材流量を減少させるに従い、上部案内管近傍に発生する温度ゆらぎも減少する。2)上部案内管近傍に発生する温度ゆらぎを低減させることができる最適な上部案内管設置高さが存在する。
二ノ方 壽
ICONE-1(International Lecture Course), 0 Pages, 1991/00
本発表は第1回JSME-ASME原子力工学合同国際会議(ICONE-1)特別講演会における講義ノートで沸騰二相流のサブチャンネル解析の高度化に関する現状と課題を一般的な観点からまとめたものである。従って,レビューの範囲は,LWRからFBRの事故解析手法にわたる。まず,多流体・多場記述によるサブチャンネル解析方程式系を空間・時間平均の概念に基づき導出し,数値解析上,及び物理モデル近似上の問題点を同定するとともに,現在我々のかかえている解析上の制約を明らかにする。その上で最新の知見に基づく解析技術の現状を例題を以て紹介する。コード開発・検証・改良のKeyとなる分離効果実験について,とくに三速度場のうち液膜流のダイナミクスと,ドライアウトおよびドライアウト後の過渡挙動に着目した実験を中心に紹介するとともに,今後解析手法の高度化に必要な実験と理論的背景を解説した。
二ノ方 寿*
PNC-TN9420 90-004, 1 Pages, 1990/12
動燃における高速炉燃料集合体局所閉塞研究は,主に少数本数のワイヤスペーサ型ピン束を用いた水流動試験及びナトリウム試験による実験的研究と,サブチャネル解析コードを用いた解析的研究に分けられて実施されてきた。水を作動流体とする実験研究は,流動圧損特性や,コード検証に必要な流速及び温度分布データを提供した。ナトリウム実験では,局所閉塞を仮定した原型炉条件下での局所的冷却材温度上昇を評価する簡易手法の導出,ドライアウト迄の余裕や閉塞後流にFPガス放出があった場合の冷却性に対するモデルが開発された。これらの知見の概要を,本報告書に一括して示す。解析的研究は,サブチャネル解析コードASFREの開発・検証を中心として行われきた。本報告書に,その開発・検証の現状と,ワイヤスペーサモデルの有効性に対する検証例として,厳密にワイヤスペーサ効果を考慮した場合と,等価な裸ピン体系で計算した場合の比較を述べる。
大島 宏之; 二ノ方 寿*
PNC-TN9410 90-117, 73 Pages, 1990/06
数値実験の一環として,低プラントル数流体のキャビティ内自然対流現象を取り上げ.単相流多次元熱流動解析コードAQUAを用いて解析を実施した。ここでは,アスペクト比4のキャビティ体系を設定し,グラスホフ数,プラントル数および上面速度境界条件をパラメータとした。解析により得られた知見を以下に示す。・上面速度境界条件の違いにより,フローパターンは3セルモード(NO N-SLPIの場合)および2セルモード(FREE-SLIPの場合)となる。・いずれの設定ケースにおいても,ある一定以上のグラスホフ数で流動振動が発生した。そのしきい値は上面速度境界条件が FREE-SLIPの方が低く,また,プラントル数の増加に伴い高くなる傾向にある。・温度振動は,流動振動によって引き起こされる。この流動振動は2次流れの周期的な成長・減衰によって引き起こされるもので,プラントル数が低いほど上下方向に密度差が小さくなるため発生し易くなると考れる。・プラントル数=0,上面速度境界条件がNON-SLPIのケースについテリシスが存在することを確認した。これらの解析結果は Hurleらの実験結果を定性的に説明できるとともに,Wintersの示した振動発生のGr数のしきい値および周波数と合致した。また, これらの振動現象の予測に対して, AQUAで採用している高次差分方は十分有効であることを確認した。