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論文

Volume reduction of cesium contaminated soil by magnetic separation; Pretreatment of organic matters

堀江 裕貴*; 行松 和輝*; 三島 史人*; 秋山 庸子*; 西嶋 茂宏*; 関山 富男*; 三ツ井 誠一郎; 加藤 貢

Journal of Physics; Conference Series, 871, p.012102_1 - 012102_7, 2017/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:66.29(Physics, Applied)

By the accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, a large amount of soil was contaminated by radioactive cesium. We developed a new volume reduction method of contaminated soil combining classification and magnetic separation. In magnetic separation, 2:1 type clay minerals, which adsorb cesium strongly and show paramagnetism, are removed from soil suspension of silt and clay, and then the contaminated soil can be separated into two groups that is high and low dose soil. However, there is an issue that the clay aggregates induced by organic matters prevent 2:1 type clay minerals from selective separation magnetically. The purpose of this study is to disperse aggregates by means of the alkaline K$$_{2}$$CO$$_{3}$$ solution treatment for selective separation of 2:1 type clay minerals. Firstly, particle size distribution was measured and the dispersion by K$$_{2}$$CO$$_{3}$$ treatment was investigated. Moreover, the radioactivity of passed soils after magnetic separation was measured to investigate the effect of dispersion treatment before magnetic separation. The result showed the possibility of more selective separation for 2:1 type clay minerals by treatment of organic matters.

論文

Evaluation of inter-laminar shear strength of GFRP composed of bonded glass/polyimide tapes and cyanate-ester/epoxy blended resin for ITER TF coils

辺見 努; 西村 新*; 松井 邦浩; 小泉 徳潔; 西嶋 茂宏*; 四竃 樹男*

AIP Conference Proceedings 1574, p.154 - 161, 2014/01

 被引用回数:7 パーセンタイル:93.45(Thermodynamics)

原子力機構はITERトロイダル磁場(TF)コイル9個の製作を担当している。ITER TFコイルの絶縁システムは導体絶縁、ダブルパンケーキ(DP)絶縁及び対地絶縁の三層構造となっており、それぞれ、樹脂を真空含浸した多層のガラス・ポリイミド・テープから構成される。ITER TFコイルは20年間の運転中に10$$^{22}$$個/m$$^{2}$$の高速中性子に曝されるため、$$gamma$$線及び中性子線を合わせて10MGyの照射に耐える耐放射線性が要求される。ITER TFコイルに要求される耐放射線性を有する絶縁材として、シアネート・エステルとエポキシ樹脂の混合樹脂及びガラス・ポリイミド接着テープを用いた絶縁材を開発した。開発した絶縁材の耐放射線性を評価するため、原子炉で照射した絶縁材試験片の層間せん断強度を測定し、ITER TFコイルに適用可能な耐放射線性を有することを検証した。

論文

Fission neutron irradiation effect on interlaminar shear strength of cyanate ester resin GFRP at RT and 77 K

西村 新*; 泉 佳伸*; 西嶋 茂宏*; 辺見 努; 小泉 徳潔; 竹内 孝夫*; 四竃 樹男*

AIP Conference Proceedings 1219, p.127 - 134, 2010/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:49.61(Materials Science, Multidisciplinary)

シアネートエステル樹脂を用いたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を製作し、原子炉中で0.1MeVを超える高速中性子を1$$times$$10$$^{22}$$n/m$$^{2}$$まで照射した。本研究により、シアネートエステルGFRPの製作方法を確立し、超伝導材料に関する照射効果を研究するための研究協力ネットワークを構築した。NIFSが製作したCTD403 GFRP,東芝が製作したシアネートエステル+エポキシ混合樹脂GFRP及びCTD403 GFRPの3種類のサンプルを製作した。製作されたサンプルは原子力機構の研究用原子炉JRR-3で照射された後、ショートビーム試験が室温及び77Kで実施され、層間せん断強度(ILSS)が評価された。1$$times$$10$$^{21}$$n/m$$^{2}$$でのILSSは若干の上昇を示し、1$$times$$10$$^{22}$$n/m$$^{2}$$ではILSSは約50MPaであった。この傾向は製作した3種類のサンプルについて確認された。

論文

Molecular analysis of carbon ion induced mutations in the yeast ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ mutants

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 75, 2009/12

本研究では、真核生物の一種である出芽酵母の野生株、塩基除去修復が不活性であるogg1株及びミスマッチ修復が不活性であるmsh2株を用いて、炭素イオンビーム照射で誘発される突然変異について、URA3遺伝子の突然変異を検出する5-FOAによる選択系で、変異スペクトルの解析を行った。その結果、野生株及びogg1株ともに塩基置換の頻度が高く、特にogg1株では変異のすべてが塩基置換であった。また、msh2株では、一塩基欠失が全体の突然変異の大部分を占め、その中でもGC to TAのトランスバージョン変異が多く誘発されることが確認された。これらの結果から、8-oxoGの生成がイオンビームに起因する突然変異をおもに誘導し、OGG1及びMSH2遺伝子が遺伝子の安定性に強く貢献していることが示唆された。

論文

Study on molecular mechanism of high-LET carbon ion beam induced mutations in ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 60, 2008/11

本研究は、真核生物のモデル生物である出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$を用いて、イオンビームで生じる突然変異誘発の分子機構を解明することを目的とする。今回、野生株とDNAグリコシラーゼ活性の欠損によって8オキソデオキシグアニン(8-oxodG)を除去できない${it ogg1}$変異株を用いて、5-フルオロオロト酸耐性を指標として取得した${it ura3}$変異体を解析し、高LET炭素イオンビームによって生じる8-oxodGの突然変異誘発性を調べた。${it ogg1}$変異株の100Gy照射での${it ura3}$変異の出現頻度は野生株の2倍であった。野生株では${it ura3}$遺伝子に起こった突然変異のうちG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の41%を占めていたのに対して、${it ogg1}$変異株ではG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の70%を占めていた。野生株では塩基置換のほかに挿入変異や欠損変異が認められたのに対して、${it ogg1}$変異株では挿入変異や欠損変異が認められなかった。

論文

Study of molecular mechanism of carbon ion beam induced mutations in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 86, 2008/03

放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野生株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株(${it rad50, rad52}$)を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株${it rad50}$株及び${it rad52}$株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。

論文

Change in properties of superconducting magnet materials by fusion neutron irradiation

西村 新*; 西嶋 茂宏*; 竹内 孝夫*; 西谷 健夫

Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1555 - 1560, 2007/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:41.76(Nuclear Science & Technology)

最近の核融合炉関連研究において、プラズマ真空容器外へのポートからの中性子ストリーミングやブランケット及び遮蔽体からの中性子透過が指摘されている。よって、超伝導磁石システムは高エネルギー粒子場にさらされる可能性がある。本研究では、超伝導磁石材料に対する照射効果を評価するために、極低温照射システムを構築し、FNS/JAEAにおいて実験を行った。GM冷凍機を用いてNb$$_{3}$$Sn, Nb$$_{3}$$Al及びCuワイアーを4.5Kまで冷却し、極低温下で14MeV中性子を照射した。照射後、電気抵抗と臨界温度の変化を計測した。同時に、クライオスタットの外側ではGFRPと関連するその他センサーの照射実験も行い、照射後に材料特性の変化を調べた。

論文

Influence of diluent on radiolysis of amides in organic solution

須郷 由美; 泉 佳伸*; 吉田 陽一*; 西嶋 茂宏*; 佐々木 祐二; 木村 貴海; 関根 勉*; 工藤 博司*

Radiation Physics and Chemistry, 76(5), p.794 - 800, 2007/05

 被引用回数:80 パーセンタイル:97.56(Chemistry, Physical)

構造の異なる3種のアミド化合物${it N,N,N',N'}$-テトラオクチルジグリコールアミド,${it N,N'}$-ジメチル-${it N,N'}$-ジオクチル-2-(3'-オキサペンタデシル)マロンアミド、及び${it N,N}$-ジオクチルヘキサンアミドのドデカン溶液に、$$gamma$$線及び電子線パルスを照射し、これらの放射線分解挙動を調べた。$$gamma$$線照射によるこれらアミドの放射線分解は、溶液中のドデカン分率の増加に応じて促進された。これは、放射線分解の初期過程で溶液中に生じるドデカンのラジカルカチオンから溶質のアミド分子へと電荷が移動するためであることをパルスラジオリシス実験により明らかにした。

論文

Study of molecular mechanism of ion beam induced mutations in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 76, 2007/02

本研究では、高等生物のモデル系として出芽酵母を用い、イオンビームによる突然変異誘発の特徴について分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は、炭素イオン100Gy照射で最も高く、自然突然変異と比べて168.5倍であった。変異の種類は、GCからTAのトランスバージョン変異が最も多く見られた。イオンビームでは、$$gamma$$線照射では確認できない変異のホットスポットが見られ、約170塩基対の間隔でDNA配列上に分布していた。このことから、変異ホットスポットとゲノムの高次構造との関係が示唆された。

論文

Specificity of mutations induced by carbon ions in budding yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 裕一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 602(1-2), p.7 - 13, 2006/12

 被引用回数:31 パーセンタイル:59.93(Biotechnology & Applied Microbiology)

真核生物におけるイオンビーム誘発突然変異の特徴を解析する目的で、出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$に対する炭素イオン照射の効果を$$gamma$$線照射の効果と比較した。酵母${it URA3}$遺伝子をマーカーとして、炭素イオンビームによって誘発された54個の${it ura3}$突然変異をシークエンスし、突然変異の特異性を解析した。その結果、炭素イオンビームによって誘発された突然変異の種類は、トランスバージョンが68.7%, トランジションが13.7%で、挿入/欠失は17.6%であった。トランスバージョンはおもに、G:C塩基対からT:A塩基対へ置換であったのに対し、トランジションのすべてはG:C塩基対からA:T塩基対への置換であった。突然変異が生じた塩基の周辺の配列を比較すると、ACA又はACT配列の真ん中のCが置換されているケースが多く見られた。高等植物であるシロイヌナズナに対しては、イオンビームは短い欠失や染色体の再編成を生じさせることが報告されているが、これとは対照的に酵母では大きな欠失や配列の重複はみられなかった。さらに、酵母におけるイオンビーム誘発突然変異で最も特徴的だったのは、ヌクレオソーム構造のリンカー領域の付近に変異が集中し、ホットスポットを形成している点である。一方、$$gamma$$線ではこのようなホットスポットは見られなかった。このことから、炭素イオンビームは、DNA配列とヌクレオソーム構造の両方に依存して突然変異を誘発させていることが示唆された。

論文

Irradiation effect of 14 MeV neutron on interlaminar shear strength of glass fiber reinforced plastics

西村 新*; 菱沼 良光*; 妹尾 和威*; 田中 照也*; 室賀 健夫*; 西嶋 茂宏*; 片桐 一宗*; 竹内 孝夫*; 進藤 裕英*; 落合 謙太郎; et al.

AIP Conference Proceedings 824, p.241 - 248, 2005/09

国際熱核融合実験炉の設計では中性粒子ビーム入射のポートからの放射線ストリーミングによる影響で超伝導コイルで使用されるガラス繊維強化プラスチックが中性子及び$$gamma$$線に曝される。放射線照射による有機絶縁材料の材料強度の劣化は超伝導コイルシステムの健全性に大きな影響を与える可能性がある。本研究では日本原子力研究開発機構DT中性子源FNSによる14MeV中性子照射及び大阪大学のCo-60線源による$$gamma$$線照射実験を実施し、候補ガラス繊維強化プラスチックG-10CRの割裂強度の推定及び層間せん断強さの実験的検証を行った。その結果、1MGy以上のCo-60$$gamma$$線照射に関しては劣化が確認されたが、本研究でのDT中性子照射量(3$$times$$10$$^{19}$$n/m$$^{2}$$)内での材料的劣化は認められなかった。

論文

Monte Carlo simulation of strand position in CIC Conductor

青木 康祐*; 泉 佳伸*; 西嶋 茂宏*; 奥野 清; 小泉 徳潔

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 13(2), p.1744 - 1747, 2003/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.29(Engineering, Electrical & Electronic)

1152(3$$times$$4$$times$$4$$times$$4$$times$$6)本の素線で構成されるCIC導体の素線配置をモンテ・カルロ法を用いて解析的に評価した。導体は、製造中に片端より縮径されて、素線が伸びるが、解析では、この工程も考慮した。また、素線同士の接触によって発生するエネルギー,素線が歪むことで発生するエネルギーも考慮した。計算の結果、素線が縮径時に移動することがわかった。また、本計算では、素線配置だけでなく、素線間の接触圧も評価可能である。

口頭

Volume reduction of cesium contaminated soil by high gradient magnetic separation using superconducting magnet

西嶋 茂宏*; 行松 和輝*; 堀江 裕貴*; 野村 直希*; 秋山 庸子*; 三島 史人*; 関山 富男; 三ツ井 誠一郎; 加藤 貢

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故後、表土剥ぎ取りを中心とした除染作業が行われているが、除染作業に伴って最大2,000万m$$^3$$に及ぶ大量の除去土壌が発生すると試算されている。除去土壌の福島県外における最終処分を最適化するには、効果的な減容技術の開発が必要である。本研究では、湿式の土壌分級により排出されるシルト・粘土懸濁液に対して超電導磁石を用いた高勾配磁気分離を適用し、土壌中成分の中でセシウムを強く吸着する常磁性の2:1型粘土鉱物と雲母の選択的分離を行うことで、セシウム汚染土壌をさらに減容化する手法を検討した。土壌の粒度分布に基づく磁気分離シミュレーション及びモデル実験を行い、その結果をもとに福島県内にて実施した実汚染土壌に対する磁気分離実験の結果を報告する。

口頭

シアネートエステル/エポキシ混合樹脂を用いた電気絶縁材料の中性子照射特性

西村 新*; 泉 佳伸*; 今泉 雅裕*; 辺見 努; 西嶋 茂宏*

no journal, , 

核融合炉用超伝導マグネットでは、核融合反応によって生じた中性子がブランケットを透過し、また、ポートから漏えいし、超伝導マグネットに到達する。このような中性子によって超伝導マグネットを構成する材料は放射化し、$$gamma$$線を発生するようになる。そのため、原子力機構では、超伝導マグネット材料の中性子照射効果研究体制を構築し、原子力機構のFNSやJRR-3での中性子照射試験を行い、照射後試験方法の確立,照射効果の体系的研究を目指して種々の研究を行ってきた。本研究では、シアネートエステル・エポキシ混合樹脂の硬化過程と試作した絶縁材料の中性子及び$$gamma$$線照射後の層間せん断強度変化について報告する。

口頭

超電導磁気分離技術を用いたセシウム汚染土壌の減容化

秋山 庸子*; 行松 和輝*; 堀江 裕貴*; 三島 史人*; 関山 富男; 三ツ井 誠一郎; 加藤 貢; 西嶋 茂宏*

no journal, , 

福島県内の除染により大量の除去土壌が発生し、中間貯蔵施設にて集中的に保管される。改正日本環境安全事業株式会社法によると、国は中間貯蔵開始後30年以内に県外での最終処分を完了するために必要な措置を講じることとされている。除去土壌の福島県外における最終処分を最適化するには、効果的な処理技術の開発が不可欠である。本研究では、土壌分級により排出されるシルト・粘土懸濁液に対して超電導磁石を用いた高勾配磁気分離を施し、土壌中成分の中でセシウムを強く吸着する常磁性の2:1型粘土鉱物の選択的分離を行うことで、セシウム汚染土壌をさらに分離処理する手法を検討した。土壌の粒度分布に基づく磁気分離シミュレーション及びモデル実験を行い、その結果をもとに福島県内にて実施した実汚染土壌に対する磁気分離実験の結果を報告する。

口頭

磁気力制御によるCs汚染土壌の減容化

西嶋 茂宏*; 秋山 庸子*; 行松 和輝*; 堀江 裕貴*; 三島 史人*; 関山 富男*; 三ツ井 誠一郎; 加藤 貢

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故後、除染作業に伴って大量の除去土壌が発生している。これら除去土壌の福島県外における最終処分を最適化するには、効果的な減容技術の開発が必要である。我々は、セシウムが常磁性の2:1型粘土鉱物に強く収着されるという現象に着目し、湿式土壌分級と磁気分離を組み合わせ、2:1型粘土鉱物を選択的分離することを試みた。本研究では、土壌の粒度分布に基づく2:1型粘土鉱物の磁気分離シミュレーション及びモデル実験を行い、その結果をもとに福島県内にて実汚染土壌に対する磁気分離実験を実施し、実用化に向けての課題を整理した。

口頭

磁気力制御を用いた除去土壌の減容化・再生利用に関する基礎的研究; 有機物処理の検討

堀江 裕貴*; 秋山 庸子*; 三島 史人*; 西嶋 茂宏*; 三ツ井 誠一郎; 梅澤 克洋; 加藤 貢; 岡田 尚; 関山 富男*

no journal, , 

除去土壌の減容・再生利用を目的として、湿式分級と高勾配磁気分離を組み合わせた手法を検討した。本手法は、湿式分級で得られた細粒分の土壌を放射能濃度の高い土壌と低い土壌に分ける手法である。この手法では、常磁性体の2:1型粘土鉱物がセシウムを強固に吸着する一方で、反磁性体の1:1型粘土鉱物がセシウムの吸着量が少ない性質を利用している。しかし、土壌中の腐植質によりこれらの鉱物が凝集体を形成しており、磁気分離による選択的な分離を妨げている。そこで本研究では、環境低負荷である炭酸カリウムを用いて腐植質の分解のための前処理を行い、より選択的に2:1型粘土鉱物を分離できることを確認した。

口頭

磁気分離によるセシウム含有土壌の減容化の研究; 有機物処理の検討

西本 湧希*; 堀江 裕貴*; 秋山 庸子*; 西嶋 茂宏*; 三ツ井 誠一郎; 梅澤 克洋; 加藤 貢; 岡田 尚; 関山 富男*

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故により、放射性セシウムに汚染された多量の土壌が発生した。これらの土壌から線量の高い2:1型粘土鉱物を選択的に分離するため、我々は磁気分離を用いた新しい物理的処理方法を開発した。しかし、土壌中の腐植物質によりこれらの鉱物が凝集体を形成しており、磁気分離による選択的な分別を妨げている。これまでに実施した炭酸カリウムを用いた分散試験によりこれらの凝集体を効率的に分散できることが示されている。そこで本研究では、2:1型粘土鉱物の分離効率の向上に対する炭酸カリウムによる有機物処理の効果を確認した。その結果、炭酸カリウムによる有機物処理と磁気分離の組み合わせによって農地土壌などの有機物含有量の大きい除去土壌を対象とした処理技術の可能性が示唆された。

口頭

重イオン照射による出芽酵母の変異誘発のメカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 清水 喜久雄*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳

no journal, , 

本研究では、イオンビームによる突然変異を高等生物のモデル系として出芽酵母を用い、分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は、炭素イオン100Gy照射で最も高く、自然徒然変異と比べて168.5倍であった。変異の種類は、GCからTAのトランスバージョン変異が最も多く見られた。イオンビームでは、$$gamma$$線照射では確認できない変異のホットスポットが見られ、約170bpの間隔でDNA配列上に分布していた。このことから、変異ホットスポットとゲノムの高次構造との関係が示唆された。

口頭

カーボンイオンビーム照射における出芽酵母の突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

放射線を用いた突然変異による育種技術として、イオンビームが注目されている。本研究ではイオンビーム照射による育種技術のさらなる発展に寄与するため、カーボンイオンビーム並びに$$gamma$$線による突然変異への寄与について酵母細胞を用い、分子レベルでの解析を行った。S.cerevisiaeのS288c(RAD+),二本鎖切断修復不活性株であるrad52、及び酸化型前駆体8-oxodGTPの除去活性を失ったogg1株を用いた。最も突然変異の頻度が高かった照射条件を用いて突然変異の誘発を行い、URA3領域(804bp)についてPCR法を用い増幅させ、変異位置をシーケンス解析によって決定した。二本鎖切断修復不活性株であるrad52の感受性は高く、一方ogg1は野生型に近い生存率を示した。これはイオンビーム照射によって生成した二本鎖切断による致死効果が高いことと、照射によって発生した酸化型前駆体が致死性ではないことを示している。シーケンス解析の結果、イオンビーム照射では局所的に変異が起こる部位(ホットスポット)が見られるが、$$gamma$$線では確認できなかった。この野性株において重粒子線による変異が局所的に起こる部位と、リンカーDNAの領域が一致することが示された。

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