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報告書

令和4年度原子力発電所周辺における航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 長久保 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 圷 雄一郎*; 新井 仁規*; et al.

JAEA-Technology 2023-027, 146 Pages, 2024/03

JAEA-Technology-2023-027.pdf:18.12MB

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターを使用した航空機モニタリングを福島第一原子力発電所周辺において継続的に実施してきた。本報告書では、令和4年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去のモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の換算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。

論文

FEMAXI-7 analysis on behavior of medium and high burnup BWR fuels during base-irradiation and power ramp

扇柳 仁; 塙 悟史; 鈴木 元衛; 永瀬 文久

Nuclear Engineering and Design, 253, p.77 - 85, 2012/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

$$sim$$高燃焼度BWR燃料の発電炉ベース照射中及び研究炉出力急昇試験中の照射挙動を、燃料挙動解析コードFEMAXI-7を用いて評価した。ベース照射後のFPガス放出率(FGR)及び出力急昇試験前後の被覆管外径プロファイルの計算値は、照射後試験による実測値とほぼ一致した。出力急昇試験中のFGRに関しては、Turnbullモデルによって得られるFPガスのペレット内拡散係数を100倍にすることで、既存のFGRモデルを用いて燃料中心温度1800$$^{circ}$$CまでのFGRを再現できることがわかった。出力急昇試験前後の被覆管のリッジング変形に関しては、FEMAXI-7の二次元局所PCMI解析により、PIEデータをほぼ再現できた。以上の結果から、FEMAXI-7により、中$$sim$$高燃焼度BWR燃料における複雑な熱的・機械的相互作用を適切に評価できることが示された。

論文

Verification of FEMAXI-7 code by using irradiation test in Halden reactor for He-pressurization effect on FGR of BWR fuels under power transient

塙 悟史; 扇柳 仁; 鈴木 元衛

Journal of Nuclear Science and Technology, 49(5), p.516 - 525, 2012/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.8(Nuclear Science & Technology)

燃料挙動解析コードFEMAXI-7の検証を目的に、ハルデン炉で実施されたBWR燃料の照射試験結果をFEMAXI-7で解析した。ハルデン炉で実施された照射試験は、燃料棒内He加圧が出力過渡時のFGR挙動に及ぼす影響を調べるものである。なお、燃料棒は、ハルデン炉での約12年間のベース照射の後、Heガス加圧により燃料棒内を調整し出力過渡試験に供された。試験結果と解析の比較により、FEMAXI-7は試験で得られた燃料棒伸びやFGR変化をよく再現することが示された。また、解析結果に基づく考察より、FGR挙動にHe加圧の効果が認められなかった原因は、強いPCMIにより燃料棒内のガス移動が阻害されていたためであることが明らかとなった。

論文

JMTRでの軽水炉燃材料の健全性試験計画

伊勢 英夫; 扇柳 仁; 中村 仁一; 笹島 栄夫; 高佐 明; 塙 悟史; 川口 佳彦; 知見 康弘; 西山 裕孝; 中村 武彦

FAPIG, (180), p.22 - 25, 2010/02

日本原子力研究開発機構では、軽水炉の開発や安全確保などに資するため、Japan Materials Testing Reactor (JMTR)を改修して2011年度に再稼働する計画を進めており、軽水炉燃料及び材料の照射にかかわる健全性を調べるための試験装置の整備を改修と並行して行っている。本稿では、この燃料及び材料照射試験計画の概要について述べる。

論文

Terminal solid solubility of hydrogen in hafnium

扇柳 仁; 知見 康弘; 島田 祥雄*; 中村 武彦; 安部 勝洋*

Journal of Nuclear Science and Technology, 47(2), p.197 - 201, 2010/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:9.99(Nuclear Science & Technology)

BWRの制御棒材料として用いられているハフニウム(Hf)の基本的特性を調べるため、未照射Hf材料(板材及び棒材)及び比較材としてジルカロイ-2(Zry-2)板材の水素固溶限を測定した。本測定では、水素ガス中加熱等により種々の水素含有量のHf及びZry-2試料を調製し、示差走査型熱量測定によりこれら試料中での水素化物の固溶及び析出温度等を測定した。Hfの水素固溶限はZry-2の1/7程度であり、制御棒の使用温度(約300$$^{circ}$$C)において10$$sim$$15ppm程度であった。本研究で得られたZry-2の水素固溶限は文献値と一致し、試験データの信頼性が確認された。また、Hf中での水素化物の固溶及び析出における活性化エネルギーはそれぞれ42.0kJ/mol及び40.9kJ/molであり、Zry-2での報告値(固溶時:36.5kJ/mol,析出時:28.1kJ/mol($$>$$533K)及び21.0kJ/mol($$<$$533K))よりも大きいことがわかった。

論文

Newly-designed capsules for fuel ramp tests in the JMTR

塙 悟史; 扇柳 仁; 稲葉 良知; 笹島 栄夫; 中村 仁一; 中村 武彦

Proceedings of Top Fuel 2009 (DVD-ROM), p.350 - 356, 2009/09

改良型軽水炉燃料の出力過渡時における挙動を評価するため、自然対流型と強制対流型の二種類の燃料異常過渡試験キャプセルの開発を進めている。自然対流型キャプセルは構造が比較的単純であり、試験燃料棒はその周りの冷却水の自然対流で冷却される。自然対流型キャプセルの基本的な技術は既に確立しており、改良型燃料の出力過渡試験は自然対流型キャプセルを用いて開始される予定である。強制対流型キャプセルは新しい概念のキャプセルであり、キャプセル内の小型ポンプにより燃料棒周りの冷却水を強制的に循環させることで、軽水炉の条件をより精度よく模擬できる。各種炉外試験を実施した結果、開発を進めるキャプセルでは改良型燃料を用いた試験でも目標とする線出力がDNBを起こすことなく達成できることが確認され、また強制対流型キャプセルに必要な技術要素について実現の見通しを得た。

論文

New JMTR irradiation test plan on fuels and materials

中村 武彦; 西山 裕孝; 知見 康弘; 笹島 栄夫; 扇柳 仁; 中村 仁一; 鈴木 雅秀; 河村 弘

Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10

軽水炉の長期利用や高度利用における安全性を維持向上するためには、燃料や材料の照射挙動を適切に把握することが非常に重要である。日本政府と日本原子力研究開発機構は、現行軽水炉の高経年化や高度利用並びに次世代軽水炉の開発における照射にかかわる課題の解決に貢献するため、材料試験炉(JMTR)を改修し新たな試験装置を整備することとした。この中で異常過渡時や高負荷運転時の燃料の健全性を調べる試験を計画している。2011年に終了するJMTRの改修後、まず新型燃料の出力急昇試験を行う計画である。JMTRの新たな燃料照射試験は、NSRRでの反応度事故模擬試験やホットラボを用いたLOCA試験と組合せることで、高燃焼度燃料の通常運転時から異常過渡,事故までを広くカバーする総合的な研究を成す。材料照射試験では、原子炉圧力容器鋼の破壊靭性試験,ステンレス鋼の応力腐食割れ試験,ハフニウムなど原子力材料の照射試験を計画している。これらの照射研究は現状の課題に応えるばかりでなく、顕在化してないトラブルにプロアクティブに対応するための課題の同定に貢献することが期待される。

論文

A Water radiolysis code for the irradiation loop system

塙 悟史; 佐藤 智徳; 森 雄一郎; 扇柳 仁; 加治 芳行; 内田 俊介

Journal of Power and Energy Systems (Internet), 1(2), p.123 - 133, 2007/00

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、照射,応力,腐食の環境が複合的に作用し生じる現象であるため、IASCCの現象解明を目的とした照射試験では金属の腐食環境を支配する水質の評価、特に照射試料のある照射場の水質評価が重要となる。そこで、IASCC照射試験中の照射場の水質を評価するために、照射試験ループ用ラジオリシスコードを開発した。ラジオリシスコードでは、中性子線及び$$gamma$$線による分解生成種の直接生成,分解生成種の二次反応による化学種の生成・消失及び金属表面との相互作用を考慮した。開発したラジオリシスコードを検証するために、照射装置の水質を測定しラジオリシスコードによる解析結果と比較した。なお、検証では初期水質条件をパラメータとし、酸素,水素,過酸化水素の濃度を測定値と解析結果の比較対象とした。その結果、予測結果は実測結果によく一致し、開発したコードは照射場の水質評価に有用であることを確認した。

論文

Development of water radiolysis code for the JMTR IASCC test loop

塙 悟史; 佐藤 智徳; 森 雄一郎; 扇柳 仁; 加治 芳行; 内田 俊介*

Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 9 Pages, 2006/07

照射試験中における照射場の水質を評価するために、照射ループ用ラジオリシスコードを開発した。ラジオリシスコードでは、中性子線及び$$gamma$$線による放射線分解生成種の直接生成,二次反応による化学種の生成・消失及び金属壁面との相互作用を考慮した。また、温度の分布や中性子線・$$gamma$$線の吸収線量の分布をもつ照射ループを取り扱うために、複数ノードモデルを用いた。開発したラジオリシスコードの適用性を確認するため、幾つかの水質条件下で照射装置の水質を測定し、測定結果とラジオリシスコードによる解析結果を比較した。さらに、開発したラジオリシスコードを用いて照射領域における水質の分布を評価した。

論文

Water chemistry of the JMTR IASCC irradiation loop system

塙 悟史; 扇柳 仁; 森 雄一郎*; 齋藤 順市; 塚田 隆

JAEA-Conf 2006-003, p.350 - 357, 2006/05

JMTRでは、軽水炉(BWR)環境下のIASCC照射試験を行うための照射ループを設置し、照射試験を進めている。IASCC照射試験では、中性子照射量とともに金属の腐食環境を支配する水質が重要なパラメータとなる。そのため、JMTRの照射ループでは、試験片が装荷されるキャプセルへの供給水の温度・圧力に加えて溶存酸素濃度,溶存水素濃度の制御が可能である。また、キャプセルへの供給水及び戻り水の溶存酸素濃度,溶存水素濃度及び導電率をオンラインで測定するとともに、過酸化水素濃度をバッチサンプリング方式で測定している。照射試験で非常に重要となるキャプセル内の水質を評価するために、JMTR照射ループ用ラジオリシスコードを開発した。コードでは、水の放射線分解による分解生成種の生成,二次反応による化学種の生成/消滅及び壁面との相互作用を考慮している。本報告では、JMTRに設置した照射ループの水質制御特性について述べるとともに、ラジオリシスコードによる解析結果と実測結果の比較を示す。

論文

Solvent effect in supercritical carbon dioxide extraction of metal ions

目黒 義弘; 扇柳 仁*; 富岡 修; 井村 久則*; 大橋 弘三郎*; 吉田 善行; 中島 幹雄

Proceedings of 2nd International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications (Super Green 2003), p.175 - 179, 2004/00

超臨界流体抽出の最大の特色の一つは、圧力によって金属の分配挙動を制御できることである。この溶媒効果を理論的に解析することによって、金属抽出における最適な条件を推定することが可能となる。硝酸溶液/リン酸トリブチル(TBP)系の超臨界二酸化炭素抽出におけるウラン(VI)とプルトニウム(IV)の分配比(D)及び塩酸溶液/2-メチル-8-キノリノール(HMQ)系の抽出におけるパラジウム(II)の分配比を、種々の圧力で測定した。疎水性の抽出剤であるTBPを用いるウランとプルトニウムの抽出において、分配比の対数値(log D)と二酸化炭素の溶解パラメーターとの間に、負の傾きを持つ直線関係が観察できた。一方、親水性抽出剤であるHMQを用いるパラジウムの抽出では、log Dと溶解パラメーターとの間に、正の傾きを持つ直線関係が観察できた。正則溶液論を用いて、この直線関係を理論的に導出することに成功した。

論文

Extraction of uranium(VI) and lanthanide(III) ions into supercritical carbon dioxide fluid containing $$beta$$-diketone and tributylphosphate

目黒 義弘; 磯 修一; 扇柳 仁; 吉田 善行

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.721 - 724, 2002/03

リン酸トリブチル(TBP)を添加した超臨界二酸化炭素(SF-CO$$_{2}$$)を抽出媒体として用い、$$beta$$-ジケトン(HA;2-テノイルトリフルオロアセトン,1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-7,7-ジメチル-4,6-オクタンジオン,1-フェニル-3-メチル-4-ベンゾイル-5-ピラゾロン)による硝酸水溶液からのU(VI),La(III),Lu(III)の抽出を調べた。TBPを加えない場合、金属-HA錯体のSF-CO$$_{2}$$中への溶解度が低いためこれら金属をSF-CO$$_{2}$$に抽出できなかったが、TBPの添加によって溶解度が増大し、抽出が可能となった(モディファイヤー効果)。加えて、TBPの協同効果によって抽出効率が増し、酸性水溶液(~pH1.5)からU(VI)をSF-CO$$_{2}$$へ抽出できた。超臨界流体抽出によるU(VI)とランタノイド(III)の分離条件を決定した。SF-CO$$_{2}$$抽出における抽出化学種はシクロヘキサンへの溶媒抽出におけるそれと同じであり、抽出定数は10~60倍程度小さかった。

論文

Pressure dependence of supercritical carbon dioxide extraction equilibrium of palladium(II) with 2-Methyl-8-quinolinol

扇柳 仁; 目黒 義弘; 吉田 善行; 大橋 弘三郎*

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.717 - 720, 2002/03

1.0M(H,Na)Cl及び0.01M 2-メチル-8-キノリノール(HMQ)を含む水溶液と超臨界二酸化炭素(SC-CO$$_{2}$$)間のPd(II)の分配比(${it D}$)を45$$^{circ}C$$,8.5~23MPaの圧力範囲で測定した。モノクロロ酢酸pH緩衝剤を用いたSC-CO$$_{2}$$抽出では、${it D}$は圧力によらず一定値を示した; log ${it D}$=0.11$$pm$$0.04(n=3,pH2.77),0.66$$pm$$0.11(n=16,pH2.89),0.88$$pm$$0.03(n=5,pH2.96)。一方pH緩衝剤を用いないSC-CO$$_{2}$$抽出では、高圧になるほど水相へのCO$$_{2}$$の溶解度が増大することからpHが酸性側にシフトし(SC-CO$$_{2}$$のself-buffering効果)、その結果${it D}$は減少した。本研究で抽出剤として用いたHMQは、pH2~5の水溶液中でたやすくプロトン付加して水に可溶なH$$_{2}$$MQ$$^{+}$$となり、高い抽出効率を得るのに十分な高濃度の抽出剤を用いるSC-CO$$_{2}$$抽出プロセスを可能にする。その結果、塩酸溶液中のPd(II)を高効率でSC-CO$$_{2}$$抽出できることがわかった。

口頭

JMTRインパイルループの水質評価,2; インパイルループ内の水質計算結果

森 雄一郎*; 塙 悟史; 佐藤 智徳; 扇柳 仁; 鍋谷 栄昭; 内田 俊介*

no journal, , 

JMTRインパイルループを用いたIASCC照射下試験における材料試験片近傍の水化学環境評価用に開発したラジオリシスコード(WRAC-JM)の検証を行うため、ループ内の水質を計算し、ループから採取したサンプル水の実測値との比較を行ったところ、計算結果は実測値とほぼ一致することを確認した。

口頭

JMTRインパイルループの水質評価,3

塙 悟史; 扇柳 仁; 佐藤 智徳; 森 雄一郎*; 三輪 幸夫; 内田 俊介*

no journal, , 

JMTRでは軽水炉(BWR)環境下におけるIASCC照射研究を進めている。IASCC研究を目的とした照射試験では、照射試料の近傍の水質が重要となる。そのため、照射キャプセル内の水質を評価できるJMTRインパイルループ用ラジオリシスコードWRAC-JMを開発した。本研究では、WRAC-JMにより照射中の照射キャプセル内の水質分布を解析的に評価するとともに、その結果から照射試料部の腐食電位(ECP)を推測した。その結果、給水中の溶存酸素濃度,溶存水素濃度及び過酸化水素濃度の初期値をゼロとした場合の照射試料部のECPは、飽和値の0V-SHEであると推算された。

口頭

A Water radiolysis model to evaluate water chemistry in JMTR in-pile loop

佐藤 智徳; 塙 悟史; 内田 俊介; 扇柳 仁; 鍋谷 栄昭; 三輪 幸夫; 加治 芳行; 根本 義之; 塚田 隆

no journal, , 

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に関して、材料試験炉(JMTR)では、照射下試験ループによりき裂の発生・進展試験が実施されている。このような照射下試験での試験片の浸漬条件を把握するためにラジオリシスモデルが開発された。計算結果は、サンプリングラインで測定された溶存酸素,水素,過酸化水素の各濃度や試験領域で測定された腐食電位とともに浸漬条件の評価に使用される。この計算モデルは水の放射線分解による1次生成と生成化学種による2次反応に加え、構造材表面での2次反応,水の流れの影響が導入されており、試験領域からサンプリングライン出口までの化学種濃度計算が可能となっている。また、常温から試験温度までの幅広い温度での計算が可能となっている。本研究では、サンプリングラインでの測定結果と計算結果を比較し、それらの結果が比較的よく一致することを確認した。また、過酸化水素の分解生成種であるOHラジカルがサンプリングラインでの水素濃度に影響している可能性があることを確認した。これらの結果より、本モデルがJMTRインパイルループ試験での水化学評価に適用できることを確認した。

口頭

Development of power transient test facility in JMTR

扇柳 仁

no journal, , 

出力過渡時におけるBWR燃料の新たな破損様式(縦割れ破損)が、50GWd/t-60GWd/tの高燃焼度燃料において確認されている。今後実用化されるより高燃焼度の軽水炉燃料おいて健全性が維持されていることを確認するためには、60GWd/tを超える燃焼度領域における出力過渡時の燃料破損挙動を明らかにする必要がある。JAEAでは、高出力照射・フレキシブルな線出力制御・オンパワーキャプセル交換・燃料試料のオンライン計装が可能な試験装置をJMTRに設置し、高燃焼度燃料の破損しきい値やそのほかの出力過渡時の燃料挙動に関する情報を取得するための出力急昇試験を実施する。最高線出力及び試験時に被覆管に生じる塑性歪みの評価結果より、本試験装置を用いることで、高燃焼度燃料(BWR 10$$times$$10型, 70GWd/t)の破損しきい値を十分に確認しうる負荷を与えられる見通しを得た。

口頭

制御棒用ハフニウムの基礎試験,1; 未照射材の金相観察,SEM観察、及び結晶方位測定

知見 康弘; 扇柳 仁; 島田 祥雄*; 西山 裕孝; 中村 武彦; 安部 勝洋*

no journal, , 

沸騰水型軽水炉(BWR)の制御棒材料として用いられているハフニウム(Hf)に関する基本的な照射挙動を把握するために、材料試験炉(JMTR)を用いたHfの照射試験を予定している。今回、照射試験に先立ち、未照射Hfの材料特性を調べるために金相観察,SEM観察、及び結晶方位測定を実施した。本試験では、国内BWRプラントで実際に制御棒材料として使用されているHf材(板材6種,棒材2種)を供試材とした。金相写真より、いずれの供試材も再結晶焼鈍材であると考えられ、平均結晶粒径は約10$$sim$$20$$mu$$mであった。SEM観察では、直径10$$mu$$m以下の析出物らしき領域が多く見られ、EDS分析からHf$$_{2}$$Feと推定される。また、後方散乱電子回折像(EBSP)法により結晶方位分布を測定し、同族金属のジルコニウム(Zr)やZr合金と同様に大きな異方性を持つことがわかった。

口頭

制御棒用ハフニウムの基礎試験,2; 未照射材の引張り試験及び微小硬さ測定

島田 祥雄*; 扇柳 仁; 知見 康弘; 西山 裕孝; 中村 武彦; 安部 勝洋*

no journal, , 

現行制御棒用Hf材料(棒材及び板材)を対象に、室温$$sim$$600$$^{circ}$$Cの温度範囲で引張り試験により0.2%耐力,引張り強さ及び破断伸び等を、また室温で微小ビッカース硬さを評価した。棒材の0.2%耐力及び引張り強さは温度の上昇とともに低下した。圧延(L)方向での板材の0.2%耐力と引張り強さは棒材と同程度であったが、板幅(T)方向での0.2%耐力はL方向より大きく、異方性が認められた。引張り強さに関しては異方性は認められなかった。棒材及び板材の破断伸びは、温度上昇とともに増加する傾向を示した。板材の場合、500$$^{circ}$$C$$sim$$600$$^{circ}$$CではL方向とT方向で温度依存性に若干の差が生じた。これらの強度及び破断伸びの傾向は、結晶方位と関係していると推測される。棒材と板材の微小硬さは縦断面と圧延面において約180$$sim$$190であったが、横断面では約160前後であり、この差も結晶方位と関係していると考えられる。すべての材料で肉厚又は半径方向の微小硬さ分布に有意な差は認められず、10$$mu$$m$$sim$$20$$mu$$mの結晶粒径範囲では微小硬さに顕著な粒径依存性は見られなかった。

口頭

JMTRでの軽水炉燃材料の健全性試験計画,1; 全体計画

中村 武彦; 西山 裕孝; 笹島 栄夫; 知見 康弘; 扇柳 仁; 中村 仁一

no journal, , 

原子力機構は軽水炉の開発や安全確保などに資するため、Japan Materials Testing Reactor(JMTR)を改修して2011年度に再稼働する計画である。このため、軽水炉燃料及び材料の照射にかかわる健全性を調べるための試験装置の整備を改修と並行して進めている。3件のシリーズ報告の最初に、この燃料及び材料照射試験計画の概要を述べる。

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