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大河内 拓雄*; 利光 孝文*; 山上 浩志; 藤森 伸一; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 宮内 裕一朗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 78(8), p.084802_1 - 084802_6, 2009/08
被引用回数:10 パーセンタイル:53.87(Physics, Multidisciplinary)結晶構造に空間反転対称性を持たない超伝導体CeIrSiに対してCe 3
4
共鳴角度分解光電子分光を行い、4
バンド構造とフェルミ面を得た。その結果、Ce 4
状態はフェルミ準位近傍に位置することがわかり、フェルミ準位を横切る伝導バンドが共鳴増大を示した。さらに、CeIrSi
のバンド分散とフェルミ面は、4
電子を持たない参照物質LaIrSi
のそれとは異なり、その違いは局所密度近似(LDA)による電子状態計算によりよく説明できることを見いだした。これらの結果は、CeIrSi
の4
電子は伝導電子とよく混成し、遍歴的な電子状態を形成していることを示唆している。
中村 寿; 平林 孝圀; 秋本 純*; 高橋 賢次*; 進藤 秀明; 櫻井 大八郎*; Almansour, A.*; 岡根 利光*; 梅田 高照*
Materials Science Forum, 329-330, p.441 - 448, 2000/00
放射性金属の再利用に適した新しい鋳造技術の開発試験として、鉄板の型枠に金属の溶湯を流し込み、繰り返し使用ができる鉄球で除熱を行う廃棄物収納容器の鋳造試験を、容器の一部を模擬した部分試験体や小型試験体等を用いて実施した。この試験に関して、鋳込み時の溶湯の湯流れ性や型枠の熱変形特性をシミュレーションするため、熱流動解析プログラムJS-CASTにより凝固解析を、非線形汎用構造解析プログラムMARKにより変形解析を行った。その結果、(1)湯流れを考慮することで最終凝固位置が試験結果に近づくこと、(2)解析から得られた変形量及び変形パターンはほぼ試験結果と一致することなどが確認できた。本論文は、この鋳造試験に対する凝固解析及びそれに基づく変形解析の結果を中心に、試験結果との対比も含めて述べたものである。
中村 寿; 平林 孝圀; 秋本 純*; 高橋 賢次*; 進藤 秀明*; 櫻井 大八郎*; Almansour, A.*; 岡根 利光*; 梅田 高照*
Proceedings Modeling of Casting & Solidification Processes 4, 1999, p.437 - 445, 1999/09
原子炉の解体により発生するレベルの低い放射性廃棄物の再利用を目的に、鋼板製の型枠に放射性金属の溶湯を流し込み、鉄球により除熱を行うことで廃棄物収納容器の鋳造を行うことを想定した鉄球-金型複合鋳造法にかかわる試験、及び鋳造した容器内に放射能レベルの高い廃棄物を置き、溶湯で固定化して廃棄体とすることを想定した多重鋳造廃棄体の鋳造試験を行っている。これらの試験に関して、鋳込み時の溶湯の湯流れ性や容器の熱変形量を求めるため、湯流れ・凝固解析プログラムJSCASTにより凝固解析を、非線形構造解析プログラムMARCにより変形解析を行った。本論文は、これまでに実施した鋳造試験の概要及びその結果と凝固・変形解析結果との対比について述べたものである。
中村 寿; 平林 孝圀; 秋本 純*; 高橋 賢次*; 進藤 秀明*; 櫻井 大八郎*; Almansour, A.*; 岡根 利光*; 梅田 高照*
Int. J.Cast Metals Res., 11(5), p.339 - 343, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)原子炉の解体により発生する低レベル放射性廃棄物の再利用を目的に、放射性の金属を再利用して廃棄物収納容器の鋳造を行うことを想定した新しい鋳造方法の開発を行った。この方法の特徴は、鋼板製の型枠に金属の溶湯を流し込み、繰り返し使用ができる鉄球により除熱を行うことで容器を鋳造することにある。鋳造試験はおもに容器の一部を模擬した部分試験体や小型試験体等を用いて行った。また、鋳込み時の溶湯の湯流れ性や型枠の熱変形量を求めるため、湯流れ・凝固解析プログラムJS-CASTにより凝固解析を、非線形汎用構造解析プログラムMARCにより変形解析を行った。本論文は、この鉄球複合鋳造法による廃棄物収納容器の鋳造試験を対象に、鉄球複合鋳造法の概念、鋳造試験の結果及び凝固解析や変形解析から得られた知見について述べたものである。
大河内 拓雄; 藤森 伸一; 利光 孝文; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳*; 山上 浩志*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 池田 修悟; et al.
no journal, ,
軟X線角度積分/角度分解光電子分光を用いて、強磁性ウラン化合物UIrの状態密度,バンド構造の温度変化を調べた。常磁性状態から強磁性状態に変化する際に、フェルミ準位近傍で状態密度が交換分裂することが示唆され、さらに、フェルミ準位を横切る5バンドも、強磁性転移により分裂する様子を捉えることができた。これらの結果、UIrの強磁性はStonerモデル(遍歴磁性モデル)により説明できることを示した。
大河内 拓雄; 藤森 伸一; 利光 孝文; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 山上 浩志; 藤森 淳; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 池田 修悟; et al.
no journal, ,
UIrは結晶構造に反転対称性を持たない圧力誘起超伝導体として知られている。本研究では、常圧下の約46Kにおける強磁性転移に着目し、バルク5敏感な軟X線光電子分光によって、UIrの5
電子構造の温度変化を調べた。角度分解光電子スペクトルは、
点近傍において、120K, 20Kにおけるフェルミ準位近傍でのバンド構造に明瞭な変化が観測された。解析の結果、これらの変化は、フェルミ準位付近におけるバンドの交換分裂によりよく説明されることがわかった。この結果は、Stonerモデルによるバンド磁性の描像と矛盾せず、UIrの強磁性が遍歴的な5
電子によって発現していることを示唆している。UGe
も強磁性秩序が共存する圧力誘起超伝導体であるが、常圧下において、52Kの強磁性転移に加え、超伝導の発現に密接な関係を持つT
(隠れた秩序転移)が30K近傍に存在する。UGe
に関しても、角度分解光電子分光測定の進捗状況を報告する。
利光 孝文; 大河内 拓雄; 保井 晃; 小林 正起*; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 宮内 裕一朗*; et al.
no journal, ,
CeIrSiは電気抵抗測定,磁化測定,dHvA効果測定実験が行われており、空間反転対称性のない物質で、高圧下超伝導状態が確認されている物質である。SPring-8 BL23SU軟X線ビームラインにおいて、同じ結晶構造を持つ物質CeIrSi
, LaIrSi
の単結晶の角度分解光電子分光を測定し、CeIrSi
とLaIrSi
を比べてどのような変化が見られるのかを調べた。この変化はCe 4
電子が引き起こすものであると考えることができる。測定温度は20K,入射光エネルギーh
=745eV(CeIrSi
), h
=742eV(LaIrSi
)を用いて、ほぼ同じ面に対して角度分解光電子分光測定を行い、バンド分散及びフェルミ面マッピングを得た。図1には、LaIrSi
, CeIrSi
のバンド分散図を示した。
点付近,Z点付近のフェルミ準位近傍ではバンド形状に大きな差異が見られ、2eV以下ではそのままのバンド形状でLaIrSi
よりもCeIrSi
の方が全体的に数100meVほど下がった形状になっている。フェルミ準位付近のバンド形状の差異はフェルミ面にも現れており、また、バンド計算での結果もこの実験の傾向とよい一致を示している。講演ではLaIrSi
, CeIrSi
のそれぞれのバンド分散図,フェルミ面マッピング、そして各々のバンド計算との比較も同時に議論する。
利光 孝文; 大河内 拓雄; 保井 晃; 小林 正起*; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳*; 山上 浩志*; 宮内 裕一郎*; et al.
no journal, ,
SPring-8 BL23-SUビームラインにおいて、反転対称性のない超伝導体であるCeIrSi単結晶の共鳴角度分解光電子スペクトルを測定した。この物質は今までに電気抵抗,磁気抵抗,dHvA効果の測定が行われ、その結果から、フェルミ面の議論もなされている。本研究では、常磁性状態(20K)における4
電子のバンド分散、及びフェルミ面が明瞭に観測された。得られたバンド構造とフェルミ面、及びそれらのバンド計算(LDA)の結果との比較により、この物質において、Ceの4
電子は比較的遍歴的な電子状態を持っていることがわかった。