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佐伯 誠一; 岡屋 慶子*; 瀬古 典明
JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 54, 2014/03
前照射法を用いた放射線グラフト重合法において、照射試料の保管工程におけるラジカル失活の影響については詳細に検討されていない。そこで本研究では、照射試料の保管条件最適化のため、ポリエチレン不織布をモデル基材として、各保管温度における照射試料中のラジカル減衰挙動をESR法により観測し、同保管条件におけるグラフト率と比較することで、保管条件がグラフト率へ及ぼす影響について検討した。結果、大気中にて保管した照射試料について観測されたESRスペクトルはアルキルラジカルと同定され、保管時間経過及び保管温度増加に従い、ラジカル濃度及びグラフト率の減衰速度は増加した。また、ラジカル濃度の減衰挙動は、異なる2つの擬一次反応の和で再現でき、ラジカル濃度とグラフト率の相関関係については、保管温度・保管時間という条件に関係なく、ラジカル濃度によりグラフト率が決定することが分かった。100%のグラフト率を得るためには、50kGy照射ポリエチレン不織布を大気下20Cにおいて32時間まで保管可能であることが示された。
岡屋 慶子*; 佐伯 誠一; 瀬古 典明; 工藤 久明*; 勝村 庸介*
no journal, ,
前照射法による放射線グラフト重合反応において、放射線照射後の基材の保管条件はラジカルの失活に大きく影響し、グラフト率を左右する一因となっている。そこで本研究では、金属吸着材の基材に用いられるポリエチレン不織布に対し、電子線照射後の保管温度や保管時間がラジカル濃度及びグラフト率にもたらす影響を検討した。50kGy照射基材についてESR法によるラジカル濃度測定を行った結果、保管時間の経過に従い、ラジカル濃度の減少を確認した。また、ESRスペクトル形状から、アルキルラジカルとパーオキシラジカルの存在が推定された。グラフト率の評価においては、50kGy照射基材を任意の時間、室温50Cにて保管後、メタクリル酸グリシジル及び界面活性剤(Tween80)、水を5:2:93の割合で混合したエマルション溶液を用いてグラフト重合(反応温度60
C、反応時間2時間)を行った。グラフト率は保管時間が長いほど減少する傾向にあり、ラジカル濃度の減少に従い、グラフト率が減少すると考えられる。また、保管温度が高いほど、グラフト率の減少は大きく、保管温度はグラフト率を大きく左右するパラメーターであることがわかった。
岡屋 慶子; 佐伯 誠一; 瀬古 典明; 工藤 久明*; 勝村 庸介*
no journal, ,
放射線グラフト重合法の中でも照射工程とグラフト重合工程を分離した前照射法において、照射後試料の保管条件はグラフト率に大きく影響することが経験的にわかっているが、定量的に検討した知見は少ない。そこで、照射後試料の最適な保管条件を検討するため、基材となるポリエチレン不織布を用いて照射後試料のラジカル濃度とグラフト率の関係を定量的に検討した。結果、照射後試料を大気下で保管する場合、ESRスペクトルの形状からポリエチレン不織布内のラジカルはほぼアルキルラジカルであることが判明した。ラジカル濃度とグラフト率は保管時間経過に従って減衰し、保管温度が高いほど減衰速度が速い傾向にあった。また、ラジカル濃度の減衰挙動は、2つの異なる速度定数をもつ一次反応で再現でき、各保管温度における測定から活性化エネルギーをそれぞれ11kcal/mol及び18kcal/molと算出した。以上のような減衰挙動解析は保管条件の推定に応用可能で、本実験に用いた試料においては、グラフト率100%を達成するためには、ラジカル濃度5.0E17spins/gが必要であり、保管温度5Cの場合10日程度、-18
Cの場合8か月程度の期間保管できることがわかった。
端 邦樹; 勝村 庸介*; 工藤 久明*; 山下 真一*; 上田 徹*; 中園 祥央*; 岩松 和弘*; Yo, S.*; 岡屋 慶子*; 雨宮 拓也*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故後の対応で、炉内や使用済燃料プールへの海水注入の措置が取られた。これにより原子炉やプールの構造材はこれまでに想定されてこなかった腐食環境にさらされたことになる。放射線場にある海水の腐食環境を見積もるためには、ラジオリシス計算が有効な手段であるが、これには放射線誘起反応の速度定数や化学種の初期収率などの入力パラメータが必要となる。本研究では、塩素イオンとOHラジカルとの反応に焦点を当て、フラッシュフォトリシス法により反応速度定数の測定を行った。
佐伯 誠一; 岡屋 慶子*; 瀬古 典明; 工藤 久明*; 勝村 庸介*
no journal, ,
高分子改質の一手法である放射線グラフト重合法のうち、照射工程と重合工程を分けた前照射法において、ラジカルの失活を抑えるため、照射試料を低温で保管する必要があるが、その保管条件について詳細に検討されていない。そこで、本研究では照射試料の保管条件最適化のため、ポリエチレン不織布をモデル基材として、各保管温度における照射試料中のラジカル減衰挙動をESR法により観測し、同保管条件におけるグラフト率と比較することで、保管条件がグラフト率へ及ぼす影響を検討した。結果、大気中保管後に観測されたESRスペクトルはアルキルラジカルと同定され、保管時間経過及び保管温度増加に従い、ラジカル濃度及びグラフト率の減衰速度は増加した。また、ラジカル濃度の減衰挙動は、異なる2つの擬一次反応の和で再現できることが分かった。さらに、ラジカル濃度とグラフト率の相関関係を見ると、保管温度・保管時間というプロセスに関係なく、ラジカル濃度によりグラフト率が決定することが分かった。
佐伯 誠一; 岡屋 慶子*; 瀬古 典明; 工藤 久明*; 勝村 庸介*
no journal, ,
放射線グラフト重合法のうち、照射工程と重合工程が分かれた前照射法においては、照射基材中のラジカルの失活がグラフト率低下の要因であると言われている。そこで本研究では、ESR法を用いて照射基材中のラジカル減衰挙動を検討し、ラジカル減衰後の照射基材を用いたグラフト重合試験結果と比較することで、目標のグラフト率を得るための保管条件の目安について調べた。50kGy照射したポリエチレン不織布を室温大気中に保管し、ESR測定をした結果、アルキルラジカルが観測され、そのラジカル濃度は照射3分後において510
spins/g程度と算出された。また、照射基材中のラジカルは保管温度の増加と共に速く減衰し、その減衰挙動は異なる反応速度を有する一次反応の和で再現できた。グラフト率もラジカル減衰と同様、保管温度増加と共に速く減衰し、ラジカル濃度とグラフト率の相関関係を見ると、保管温度ではなく、ラジカル濃度によってグラフト率が支配されている。以上の結果から、市販の粒子状イオン交換樹脂と同等量の吸着官能基を導入する際に必要なグラフト率100%を得るためには、例えば20
Cで32時間まで保管可能であると推定できた。