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論文

Development of determination method of $$^{93}$$Mo content in metal waste generated at the Japan Power Demonstration Reactor

島田 亜佐子; 大森 弘幸*; 亀尾 裕

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 314(2), p.1361 - 1365, 2017/11

 パーセンタイル:100(Chemistry, Analytical)

コンクリート等に含まれる$$^{93}$$Moの分析法を改良し、金属廃棄物に含まれる$$^{93}$$Moの分析法を開発した。試料に添加するアスコルビン酸の量や洗浄液、繰り返し回数などを最適化し、0.5gのステンレスや炭素鋼からMoを分離可能な手法を確立した。測定試料としては分離した溶液をTa板に直接滴下し、乾固することで薄膜線源を調製した。開発した手法を用いて動力試験炉(JPDR)で発生した金属廃棄物に含まれる$$^{93}$$Moを分析し、目標を下回る検出下限値が得られることを確認した。

論文

Demonstration of laser processing technique combined with water jet technique for retrieval of fuel debris at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

羽成 敏秀; 武部 俊彦*; 山田 知典; 大道 博行; 石塚 一平*; 大森 信哉*; 黒澤 孝一*; 佐々木 豪*; 中田 正宏*; 酒井 英明*

Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 3 Pages, 2017/04

福島第一原子力発電所の廃止措置の中で、遠隔操作による原子炉格納容器内の燃料デブリの取出しプロセスは重要な課題の1つである。このプロセスにおいて、放射性物質の拡散を抑制することは重要な考慮すべき点の1つである。さらに、このプロセスに適用する技術は、妥当な加工効率を維持することが要求される。そこで、我々は燃料デブリの取出し技術として、レーザー光と水噴流を組み合わせた技術を用いることを提案する。繰り返し断続噴射する水噴流を組み合わせたレーザー加工技術は、効率的な加工を行える可能性を示している。この実験結果をもとに、福島第一原子力発電所での適用に向けた技術開発を進めていく。

報告書

JPDR保管廃棄物試料に対する放射化学分析,4

大森 弘幸; 根橋 宏治; 島田 亜佐子; 田中 究; 安田 麻里; 星 亜紀子; 辻 智之; 石森 健一郎; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2014-029, 31 Pages, 2015/03

JAEA-Data-Code-2014-029.pdf:1.51MB

日本原子力研究開発機構の研究施設から発生する研究施設等廃棄物については、将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、簡便に廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、原子炉施設から発生する放射性廃棄物を対象とする放射能濃度評価方法の検討に資するために、原子力科学研究所内で保管されているJPDR施設の解体廃棄物から分析用試料を採取し、放射化学分析を実施してきた。本報告は、平成26年度に実施した放射化学分析($$^{93}$$Mo, $$^{137}$$Cs)の結果について報告するとともに、これまでに取得した放射能濃度データについて整理し、JPDR保管廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2013年度

濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 川本 康司; 山田 信人; 石橋 正祐紀; 村上 裕晃; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; 真田 祐幸; et al.

JAEA-Review 2014-038, 137 Pages, 2014/12

JAEA-Review-2014-038.pdf:162.61MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2013年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

論文

カルシウムイオンや金属鉄がガラス固化体の溶解/変質挙動に及ぼす影響

前田 敏克; 渡辺 幸一; 大森 弘幸*; 坂巻 景子; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 21(2), p.63 - 74, 2014/12

地層処分場で使用されるセメント系材料を起因とするCaイオンや鉄製オーバーパックの共存がガラス固化体の溶解挙動に及ぼす影響を調べるため、Caイオンを含む溶液中や鉄が共存する条件下での模擬ガラス固化体の浸出試験を実施した。その結果、Caイオン共存下ではガラス固化体の溶解が抑制され、鉄共存下では溶解が促進されることがわかった。鉄共存下では、鉄ケイ酸塩の生成に伴いガラス固化体の主成分であるシリカが変質することによって、ガラス固化体の溶解が促進される可能性があると推察された。

論文

インコヒーレントチューンスプレッド測定にむけた高周波二極磁場エキサイタの開発

加藤 新一*; 原田 寛之; 發知 英明; 岡部 晃大; 大森 千広*; 田村 文彦; 金正 倫計

Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.444 - 447, 2014/06

大強度陽子加速器のビームロスの原因の一つとして、空間電荷力によるインコヒーレントチューンスプレッドがある。J-PARC 3GeVシンクロトロンでもビーム増強試験時に、本スプレッドが原因と思われるビームロスが観測されはじめている。われわれはインコヒーレントチューンスプレッドの大きさや分布を測定するためのエキサイタの開発を開始した。エキサイタとして磁性材料を用いた高周波二極磁場を検討している。テストコアを用いた特性試験により、3MHz程度の高周波領域で、数kWのパワーで実現可能であるという結果を得た。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2012年度

濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一*; 丹野 剛男*; 真田 祐幸; 尾上 博則; et al.

JAEA-Review 2013-050, 114 Pages, 2014/02

JAEA-Review-2013-050.pdf:19.95MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画,年度報告書; 2011年度

國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; et al.

JAEA-Review 2013-018, 169 Pages, 2013/09

JAEA-Review-2013-018.pdf:15.71MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階及び第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

論文

Decay properties of $$^{266}$$Bh and $$^{262}$$Db produced in the $$^{248}$$Cm + $$^{23}$$Na reaction

森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望*; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 78(6), p.064201_1 - 064201_6, 2009/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:20.85(Physics, Multidisciplinary)

$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5$$n$$)反応で合成した$$^{266}$$Bh及びその娘核種である$$^{262}$$Dbの崩壊特性の研究を、気体充填型反跳分離装置(GARIS)と位置感度半導体検出器(PSD)とを組合せた装置を用いて行った。既知核種である$$^{262}$$Dbとの相関を調べ、$$^{266}$$Bhの同定を十分な確度で行った。今回合成・測定を行った$$^{266}$$Bh及び$$^{262}$$Dbの崩壊特性は以前(理化学研究所、2004年,2007年)に合成・測定を行った$$^{278}$$113の崩壊特性と一致しており、これは新元素(原子番号113)とされる$$^{278}$$113の発見の成果を強く補強するものと言える。

口頭

鉄腐食過程のXAFSによるその場観察の試み

小森 大輔*; 山下 正人*; 小西 啓之; 花木 聡*; 内田 仁*; 水木 純一郎

no journal, , 

鉄箔をNaCl水溶液中に浸漬し、乾湿繰り返しを行いながら、X線吸収微細構造(XAFS)解析を行うことを試みた。その結果、腐食が進むにつれてXAFSスペクトルにわずかながら変化が見られ、鉄の腐食量を見積もることにより、腐食生成物の生成プロセスを観察できる可能性が見いだせた。

口頭

JT-60SA電源システムの設計検討

島田 勝弘; 寺門 恒久; 大森 栄和; 岡野 潤; 古川 弘; 柴田 一之; 寺門 祐之; 柴田 孝俊; 松川 誠; 栗原 研一

no journal, , 

トカマク国内重点化装置JT-60SAでは、コイルの超伝導化,加熱装置の増力,運転時間の伸長に向け新しい電源システムが必要となる。JT-60SA電源システムは、既存の電源設備を有効に利用し、新規製作する電源と組合せたシステムとする予定である。そのため、標準運転パターンからコイル電源構成の基本仕様を検討し、コイル電源及び加熱装置への新しい給電システムの設計検討を行った。その結果、5つのEFコイル電源は、新規製作するベース電源と既存電源を再利用したブースタ電源で構成し、2つのEFコイル電源は、ベース電源とブースタ電源のほかに、既存電源を再利用したアシスト電源で構成し、CSコイル電源は、ベース電源と遮断器と抵抗による高電圧発生回路で構成する必要があることがわかった。また、加熱装置の増力により、供給電力の一部を商用系統から直接受電する必要があるので、シミュレーションにより、受電点での高調波電流及び電圧降下を評価した。その結果、275kV受電点における電圧変動率約1%,等価妨害電流は5.17Aとなり、受電条件を満たしていないことから、高調波フィルタ及び無効電力補償装置が必要であることがわかった。

口頭

$$^{248}$$Cm + $$^{23}$$Naによる$$^{266}$$Bhの生成と崩壊特性

森本 幸司*; 森田 浩介*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.

no journal, , 

理研グループではこれまで、気体充填型反跳核分離装置(GARIS)を用いて$$^{209}$$Bi($$^{70}$$Zn,$$n$$)反応による2例の新元素$$^{278}$$113を合成している。その崩壊連鎖は既知核$$^{266}$$Bhとその$$alpha$$崩壊娘核$$^{262}$$Dbに到達しているが、$$^{266}$$Bhの報告例は乏しい。そこで、$$^{278}$$113の崩壊連鎖と既知核とのつながりをより確実にするために、$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5$$n$$)反応による$$^{266}$$Bhの生成を試みその崩壊特性の研究を行った。実験では、理研線型加速器RILACから供給される126, 130及び132MeVの$$^{23}$$Naビームを、直径10cmの回転式$$^{248}$$Cm標的に照射し、蒸発残留核をGARISで分離し、焦点面に設置したシリコン検出器箱に打ち込み観測を行った。観測された$$^{266}$$Bhからの$$alpha$$線エネルギーは9.05から9.23MeVに分布しており、娘核$$^{262}$$Dbは報告されている半減期と矛盾なく$$alpha$$崩壊及び自発核分裂することが確認された。これらの結果は、前述の新元素$$^{278}$$113の崩壊連鎖中に観測されている$$^{266}$$Bh及び$$^{262}$$Dbの観測結果を確認するものとなった。

口頭

$$^{248}$$Cm+$$^{23}$$Naによる$$^{266}$$Bhの生成と崩壊特性

森本 幸司*; 森田 浩介*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.

no journal, , 

これまでに、理化学研究所気体充填型反跳核分離装置(GARIS)を用い$$^{209}$$Bi($$^{70}$$Zn,n)$$^{278}$$113反応による2例の新元素$$^{278}$$113の生成が報告されている。その崩壊連鎖は既知核である$$^{266}$$Bhとその娘核である$$^{262}$$Dbに到達しているが、$$^{266}$$Bhの報告例は乏しい。$$^{278}$$113の崩壊連鎖と既知核とのつながりをより確実にするために、GARISを用いて$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh反応により$$^{266}$$Bh及びその崩壊特性の探索を試みた。本講演では$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)$$^{266}$$Bh反応による$$^{266}$$Bhの生成とその崩壊特性について詳しく述べる予定である。

口頭

HDEHPを用いた三価重アクチニドの溶媒抽出挙動

高山 玲央奈*; 大江 一弘*; 小森 有希子*; 藤沢 弘幸*; 栗山 亜依*; 菊谷 有希*; 菊永 英寿*; 笠松 良崇*; 吉村 崇*; 高橋 成人*; et al.

no journal, , 

本研究では、HDEHP(Di(2-ethylhexyl) phosphoric acid)を抽出剤として三価のアクチニド(Ac, Am, Cm, Cf, Es, Fm)並びにランタノイドの抽出定数($$it K$$$$_{ex}$$)に関して系統的な比較を行った。$$^{241}$$Am, $$^{243}$$Cm, $$^{249}$$Cf, $$^{253}$$Es, $$^{144}$$Pmトレーサー並びにPmを除くランタニド混合溶液を用いてそれぞれの$$it K$$$$_{ex}$$を決定した。また、大阪大学核物理研究センターのAVFサイクロトロンにおいて$$^{238}$$U($$^{16}$$O, 4n)反応によって合成した$$^{250}$$Fm(半減期30分)を用いて、その$$it K$$$$_{ex}$$を測定した。ランタノイドとアクチノイドの$$it K$$$$_{ex}$$は直線的に増加せず、段階状のテトラド効果を示すことがわかった。また、Am, Cm, Cf並びにEsの$$it K$$$$_{ex}$$はそれぞれイオン半径が同程度のランタノイド元素とほぼ同じ値を持つ一方で、Fmの$$it K$$$$_{ex}$$はイオン半径の近いDyの$$it K$$$$_{ex}$$より明らかに小さいことを見いだした。

口頭

Confirmations of the synthesis of $$^{278}$$113 produced by the $$^{209}$$Bi($$^{70}$$Zn,n)$$^{278}$$113 reaction

森本 幸司*; 森田 浩介*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.

no journal, , 

$$^{209}$$Bi($$^{70}$$Zn,n)$$^{278}$$113反応による113番元素合成実験を、理化学研究所の気体充填型反跳分離装置GARISを用いて行った。その結果、$$^{278}$$113からの$$alpha$$崩壊連鎖が2つ観測され、崩壊連鎖中の既知核$$^{266}$$Bhと$$^{262}$$Dbの性質が文献で報告されたものと一致していたことを、新たな原子核$$^{278}$$113及び$$alpha$$崩壊娘核$$^{274}$$Rgと$$^{270}$$Mtの発見の根拠とした。しかし$$^{266}$$Bhは既知核であるものの、崩壊特性は詳しく知られていなかったため、今回は$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5n)反応で直接$$^{266}$$Bhを合成し、その性質の調査を行った。本研究により、直接合成された$$^{266}$$Bhは$$^{278}$$113の崩壊連鎖中に観測された$$^{266}$$Bhと同様の性質を持つことが明らかになり、$$^{278}$$113の合成に成功したことをより強力に裏付けることができた。

口頭

人工海水中におけるガラス固化体の浸出挙動

前田 敏克; 大森 弘幸*

no journal, , 

地下水の流れが遅い地層処分場では、ガラス固化体は、短期的には主構成元素Siの浸出を伴い速く溶解するものの、長期的にはガラス固化体周辺の液中Si濃度が高く維持され、化学親和力が低下し、非常に遅い速度で溶解するとされている。一方で、浸出したSiが地下水中に含まれる成分とともに安定なケイ酸塩鉱物を析出すると、液中Siが消費され、化学親和力の大きい状態が維持されることによりガラス固化体の溶解が抑制されない可能性がある。本研究では、人工海水中でガラス固化体の浸出試験を行い、海水成分がガラス固化体の溶解に及ぼす影響について検討した。その結果、人工海水中では、脱イオン水中に比べて液中Si濃度が低く抑えられ、ガラス固化体の溶解量が多くなることがわかった。また、人工海水中に含まれるMg濃度の減少が認められた。これらの結果から、人工海水中では、海水成分であるMgとガラス固化体から浸出したSiによりマグネシウムケイ酸塩鉱物が生成され、液中Siが消費されることによって、ガラス固化体の溶液に対する化学親和力の大きい状態が維持され、ガラス固化体の溶解が抑制されなかったものと考えられる。

口頭

海水中におけるガラス固化体の浸出挙動

大森 弘幸; 前田 敏克; 三ツ井 誠一郎; 馬場 恒孝

no journal, , 

沿岸域に地層処分場を立地した場合における高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の溶解メカニズムを調べるために、模擬ガラス固化体を用いた静的浸出試験を人工海水中で実施した。海水成分であるマグネシウムイオンが共存する条件では、ガラス固化体の溶解速度は時間とともに減少せず速い速度のままで溶解するが、液中マグネシウムイオンの濃度が低くなるとガラス固化体の溶解速度は低下した。また、浸出したガラス表面にマグネシウムケイ酸塩が析出していることがわかった。これらの結果から、海水中ではマグネシウムケイ酸塩が形成されることによってガラスの種構成元素であるケイ素が消費されるため、ガラス固化体の溶解が速い速度で進行したものと考えられる。

口頭

Corrosion behavior of P0798 type simulated HLW glass in the presence of magnesium ion

前田 敏克; 大森 弘幸; 三ツ井 誠一郎

no journal, , 

ガラス固化体の溶解/変質に及ぼすマグネシウムイオンの影響を調べるために、P0798タイプ模擬ガラス固化体を用いて塩化マグネシウム溶液中における静的浸出試験を実施した。その結果、溶液中のマグネシウムイオン濃度が高い条件ではガラス固化体は速い速度で溶解/変質したが、溶液中マグネシウムイオン濃度が低くなると溶解/変質速度は低下した。また、浸出試験後のガラス固化体表面にはケイ素とマグネシウムを含む変質層が形成していた。これらの結果から、マグネシウムイオン共存下ではマグネシウムケイ酸塩の生成によりケイ素が消費されるため、ガラス固化体が速い速度で溶解/変質することがわかった。このようなケイ酸塩を生成する成分がほとんど含まれない地下水中では、ガラス固化体は長期に渡って遅い速度で溶解/変質すると考えられる。

口頭

飽和に近い条件におけるガラス固化体の溶解速度の律速プロセス

前田 敏克; 馬場 恒孝*; 大森 弘幸; 山口 徹治

no journal, , 

地層処分の安全評価において、ガラス固化体の長期的な溶解速度を設定する際に必要となる科学的裏付けを得ることを目的として、処分環境で想定される飽和に近い溶液条件下でのガラス固化体の溶解速度(残存溶解速度)を律速するプロセスを明らかにするための実験的検討を行った。その結果、溶解に伴いガラス固化体表面に形成された変質層と未変質ガラスの境界付近の微小領域における可溶性元素の拡散が、実質的にガラス固化体の残存溶解速度を律速していることがわかった。

口頭

地下水成分によるケイ酸塩の生成がガラス固化体の溶解に及ぼす影響

前田 敏克; 大森 弘幸; 山口 徹治; 片岡 理治; 馬場 恒孝*

no journal, , 

地下水の流れが遅い地層処分環境では、ガラス固化体は、短期的には主構成元素であるシリコン(Si)の浸出を伴い速く溶解するものの、長期的にはガラス固化体周辺の液中Si濃度が高く維持され、化学親和力が低下し、非常に遅い速度で溶解するとされている。一方で、浸出したSiが地下水中に含まれる成分とともに安定なケイ酸塩を析出すると、液中Siが消費され、化学親和力の大きい状態が維持されることによりガラス固化体の溶解が抑制されない可能性がある。本研究では、地下水中に含まれる成分とガラス固化体との反応によってケイ酸塩が生成する可能性について実験的検討を行った。その結果、マグネシウムイオンやセメント成分が共存する条件では、マグネシウムケイ酸塩やカルシウムケイ酸塩水和物が生成することによってガラス固化体の溶解が抑制されないことがわかった。また、ガラス固化体を封入するオーバーパックの成分である鉄との反応によって、鉄ケイ酸塩が長期に渡って生成する可能性を示唆した。

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