Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
赤羽 正彰*; 堀木 幸代*; 刑部 真弘*; 小泉 安郎; 内堀 昭寛; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時において、隣接伝熱管ウェステージの主な要因となる高速気体噴流中の液滴挙動を実験から調査した。実験では、水中に高圧空気を噴出させ、噴流中にエントレインされた液滴を高速度カメラにより可視化するとともに、撮影画像を処理することにより液滴速度の計測を行った。可視化画像より、噴流界面からフィラメント状に液体が巻き込まれて液滴が発生する様子を確認した。液滴速度の計測から、噴流軸方向成分の速度は空気噴出速度の上昇とともに増大する挙動や液滴が発生した後噴流により加速される挙動を示すデータを得ることができ、隣接伝熱管ウェステージに関する現象解明及び評価手法の検証に有用な知見を得た。
田坂 完二; 久木田 豊; 小泉 安郎; 刑部 真弘; 中村 秀夫
Nucl.Eng.Des., 108(1-2), p.37 - 44, 1988/02
被引用回数:18 パーセンタイル:82.55(Nuclear Science & Technology)ROSA-IV計画の大型非定常試験装置(LSTF)を使い5回の5%小破断LOCA実験を行った。蒸気発生器細管上昇流側での蓄水の水頭により、ループシールクリアリレグ時に炉心水位が炉心下端以下になることがある。この現象の炉心出力と炉心バイパスによる影響を明らかにした。ループシール部破断の結果はコールドレグ破断の結果と定性的に一致している。ホットレグ破断実験では蓄圧注入系の作動直後、そのコールドレグでの凝縮・減圧効果により炉心の水を吸い出し、過渡的な炉心露出を生じることを見い出した。自然循環実験においては炉心流量の一次系残存水量への依存性が Sewiscale,LOBI,PKLの結果と定性的に一致することを明らかにした。蒸気発生器2次側水位下の実効伝熱面積に対する1次側から2次側への熱伝達率は炉心出力と2次側水位に少し依存する。その最低値は1.7kw/mKであった。
刑部 真弘; 小泉 安郎; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(8), p.621 - 631, 1987/08
被引用回数:8 パーセンタイル:63.12(Nuclear Science & Technology)高圧条件下における25本ロッドバンドルを用いた準定常炉心露出実験において、低出力及び高出力露出パターンがみられた。この2つのパターンの境界を実験的に求めた。2つのパターンの相違は、ドライアウト点の下でのスラグー環状流遷移が原因であると考えられる。刑部のスラグー環状流遷移モデルはそれをよく説明した。次に、1168本ロッド炉心をもつ総合実験装置を用いた小破断LOCA実験を行った。ここでの過渡的炉心露出パターンは、上述の25本ロッドバンドルを用いた準定常実験に基づけば、低出力パターンと考えられた。この過渡的炉心露出パターンは、ボイルオフ及び流力的炉心露出パターンに区別できた。ボイルオフ炉心露出では、ドライアウト点は準定常実験と同様に気液混合水位によって支配されたが、流力的炉心露出では、ドライアウト点は気液混合水位では支配されず炉心内の多次元的ドライアウト過程が見られた。
刑部 真弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(6), p.498 - 500, 1987/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ロッドバンドル中における単相斜交流の特性は、原子炉の炉心や蒸気発生器チューブバンドルにおける2次元的な流れの理解及び、特に高速増殖炉(FBR)のIHXとして注目されているジグザグ型コンパクト熱交換器の設計上重要である。流れがロッド軸に対し異なる迎え角を持つ斜交流の圧力損失を計測した。この結果、斜交流の圧力損失は、直交流の圧力損失よりも比較的小さいことが判明した。これは、流れがロッドを斜めに横切ることにより、フォームロスが減少するためと考えられた。また、この実験データと従来行なわれているロッドバンドル内2次元流の計算方法による予測と比較検討した。この結果、この従来法による予測値は、ほぼ実験結果と一致するが、正確な計算のためには、さらに改良検討すべきことが判明した。
刑部 真弘; Christian Chauliac*; 与能本 泰介; 小泉 安郎; 川路 正裕; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(2), p.103 - 110, 1987/02
被引用回数:9 パーセンタイル:66.34(Nuclear Science & Technology)ROSA-IV計画の大型非定常装置を使って、10,5および2.5%コールドレグ破断冷却材喪失事故実験を行った。5%破断実験の初期において、炉心水位は炉心下端近くまで押し下げられ、炉心ドライアウトが生じた。10および2.5%破断実験においては、炉心ドライアウトは生じなかったが、やはり炉心水位の押し下げは起った。また、炉心水位は、ループシールクリアリングの直後回復した。これらの炉心水位の押し下げは、ループシール部の液形成と蒸気発生器Uチューブ上昇側の液ホールドアップとによるマノメータ効果による。Uチューブ上昇側の液ホールドアップは、Uチューブ頂部の相分離により示される二相循環停止後に観測され、対向流制限機構(CCFL)と蒸気の凝縮が主な原因であると考えられる。また、10,5および2.5%破断実験では、二相流循環の停止は一次系残存水量が約40~60%で起こり、ループシールクリアリングは約30%で起こることがわかった。
田中 貢; 久木田 豊; R.R.Schultz*; 小泉 安郎; 川路 正裕; 刑部 真弘; 与能本 泰介; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 102, p.165 - 170, 1987/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.77(Nuclear Science & Technology)大型非定常試験装置(LSTF)の10%コールドレグ破断実験の実験結果をRELAP5/MOD1コードによる予測計算と比較検討し、LSTFがPWRの小破断冷却材喪失事故の主たる現象を再現できることを示した。
熊丸 博滋; 小泉 安郎; 刑部 真弘; 川路 正裕; 田坂 完二
86-WA/NE-8, p.1 - 6, 1986/00
大型非定常試験装置(LSTF)はPWRを、高さを同一にし、体積を1/48に縮尺した、小破断LOCA及び異常過渡事象実験用の総合実験装置である。このLSTF装置において、炉心出力が5% および、2% の状態で、1次系内冷却材が減少し、蒸気発生器ではリフラックス凝縮熱伝達となっている状況下で、蒸気発生器2次側水位を低下させ、その炉心冷却へ与える影響を調べた。その結果、炉心出力が5%及び2%の場合、2次側水位がそれぞれ10%、及び6%に低下するまで蒸気発生器は1次系冷却に有効に働いた。また、2次側水位下の1次系から2次系への熱通過率は2.51.0kw/m
Kであった。この結果は、PWRの蒸気発生器による冷却限界を検討する際に、有用な手掛りとなるものと考えられる。
刑部 真弘; 小泉 安郎; 与能本 泰介; 熊丸 博滋; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 98, p.69 - 76, 1986/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.67(Nuclear Science & Technology)定常二相流試験装置を使った高圧でのボイルオフ実験を広いバンドル出力の範囲で行なった結果、2つのボイルオフパターンが観測できた。一方は、低バンドル出力でのボイルオフパターンで、おのおののロッドのドライアウト点が、あるバンドル高さ位置で生じた。これは、ドライアウト点が、平坦な気液二相流混合物レベルで決まるためと考えられた。他方は、高バンドル出力でのボイルオフパターンで、ドライアウト点はロッドにより高さ方向に大きく散らばり、明確な気液二相流混合物のレベルは観測できなかった。これは、ドライアウト点の下で、Slug流からAnnular流への遷移が生じているためと考えられた。さらに本研究では、Slug流からAnnular流への遷移予測モデルを提案した。このモデルでは、隣り合うロッド上の液膜の相互干渉がなくなったとき、初めてAnnular流が存在できると考えた。このモデルはTPTF実験結果をよく説明した。
熊丸 博滋; 小泉 安郎; 与能本 泰介; 刑部 真弘; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 96, p.81 - 94, 1986/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.67(Nuclear Science & Technology)高圧ボイルオフ条件下での露出したバンドル形状炉心の熱伝達実験が、圧力3~12MPa、熱流速3.3~18W/cm、蒸気レイノルズ数10000~62000の範囲内で行われた。バンドル出力に応じて、高出力ボイルオフ、低出力ボイルオフの2つのパターンが存在した。既存の蒸気冷却熱伝達相関式は低出力ボイルオフ実験データとほぼ一致したが、高出力ボイルオフ実験データをかなり過大評価した。高出力ボイルオフでは低出力ボイルオフに較べて、フロス領域における間けつ的液滴冷却効果を考慮した新しい実験相関式を、本実験データを用いて作成した。本相関式は、低出力ボイルオフ実験データのみでなく高出力ボイルオフ実験データともほぼ一致した。
小泉 安郎; 熊丸 博滋; 久木田 豊; 川路 正裕; 刑部 真弘; R.R.Schutz*; 田中 貢; 田坂 完二
Nuclear Technology, 173, p.306 - 319, 1986/00
大型非定常試験装置(LSTF)は加圧水型原子炉(PWR)の小破断LOCAのための研究計画(ROSA-IV計画)の主柱をなす総合実験装置である。LSTFで行われた最初の総合実験、0.1%コールドレグ極小破断実験は、これまでに計算コードによる解析経験の無いことを考慮に入れると、計算コードの予測性能を評価する点において意義深い。本報では、上記実験に対するRELAP5/MOD1CY18コードによる予測解析結果が報告されている。RELAP5コードは、かなりの予測能力を有していることが明らかとなったが、極小破断時には、初期条件や境界条件の小さな違いが現象の推移に大きな差となって現れるため、RELAP5コードの予測能力もこれら条件の与え方に依存することが明らかになった。
浅香 英明; 刑部 真弘; 小泉 安郎; 田坂 完二
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.2 - 210, 1986/00
大型非定常試験装置(LSTF)によるPWR小破断冷却材喪失事故に関する総合実験の一環として、10%コールドレグ破断実験が行なわれた。これに関連して、RELAP5/MOD1およびMOD2コードによる実験前解析を実施した。MOD1の改良版であるMOD2は、2つの独立なエネルギー式を有することが大きな特徴となっている。 解析の結果、1次系圧力は両コードともに実験値とよく一致した。2次圧力はMOD1よりMOD2の方が改善された結果となった。これは、実験で観測されたSG U-tube内の加熱蒸気雰囲気をMOD2で予測できたことによる。U-tube内保有水量は、両コードともに実験値より大きく計算された。その結果、炉心部は水位が押し下げられ、実験では観測されなかったドライアウトが計算された。炉心水位は、MOD2で改善が見られるものの十分な結果ではなかった。今後も計算モデルの改良の余地のあることが示された。
久木田 豊; 刑部 真弘; 田中 貢; 大槻 真人*; 川路 正裕; 小泉 安郎; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(8), p.678 - 680, 1985/00
被引用回数:1 パーセンタイル:24.25(Nuclear Science & Technology)ROSA-IV・LSTFを使った最初の Operational Transient 試験として、実炉(PWR)のタービントリップを模擬した試験を行なった。タービントリップ後、LSTFの一次系平均温度は約565Kの温態停止状態へすみやかに移行し、PWRのタービントリップをLSTFを使って、実験的に良く模擬できることがわかった。また、RELAP5/Modlコードは、LSTF試験の挙動をよく予測でることもわかった。さらに、LSTF試験結果は、コードにより予測されるPWRのタービントリップ挙動と定性的に一致した。
傍島 真; 岩村 公道; 阿部 豊; 大貫 晃; 数土 幸夫; 刑部 真弘; 安達 公道
JAERI-M 84-223, 194 Pages, 1984/12
加圧水型炉における冷却材喪失事故のブローダウン終期からリフィル、再冠水過程について調べる目的で大型再冠水試験計画が日・米・西独の協力のもとに実施されている。平板炉心試験は円筒炉心試験と共に大型再冠水試験計画の一翼をなし、炉心の2次元熱流体挙動と再冠水現象における炉心と上部プレナムとの流体の相互作用を研究の主目的としている。下部プレナム注入の重力冠水試験では、まず強制冠水試験には含まれていないダウンカマの影響を調べた。ダウンカマへの蓄水が炉心部の蓄水を上回るにつれ炉心入口流量が増え、強制冠水より炉心下部の冷却が多少よくなるというわずかな相異はあったが、全体的な冷却挙動は類似していた。次に蓄圧系注入なしの低速冠水の特性とブロッケージ部の冷却への影響を調べた試験では、全体的に冷却が悪く、ブロッケージ上部のクエンチ遅れが観測された。FLECHT-SEASET試験との特性比較の試験では、総観的に類似性が見られたものの、平板炉心の温度分布等には2次元性が存在し、また前面ブロッケージのクエンチ特性とは異る特性を示した。
岩村 公道; 傍島 真; 阿部 豊; 安達 公道; 大貫 晃; 刑部 真弘
JAERI-M 84-221, 151 Pages, 1984/12
PWR-LOCA時再冠水過程において、ECC水を健全コールドレグと上部プレナムに同時に注入した場合の炉心熱水力挙動を調べるため、平板炉心試験装置を用いて、飽和水および67Kサブクール水を上部プレナムに注入する試験S1-SH3およびS1-SH4を実施し、以下の知見を得た。(1)上部プレナム注入量が多い間は、炉心への落下水による冷却が見られたが、本格的な冷却は下部からの昇水開始時に行われる。(2)上部プレナムにサブクール水を注入し、下部プレナムからダウンカマに上記が流出できる条件下でも、サブクール水の連続的落下は起らず、落下水の蒸発による上向き上気流量の急増により落下が制限された。(3)炉心下端再冠水開始前には、落下水の蒸発により発生する上記の圧力上昇効果のため、下部プレナム水位の上昇がおさえられ、下からの炉心冠水が遅れる現象が認められた。
岩村 公道; 傍島 真; 刑部 真弘; 大貫 晃; 阿部 豊; 数土 幸夫; 安達 公道
JAERI-M 84-065, 146 Pages, 1984/03
平板炉心試験装置には、加圧水型原子炉で想定される冷却材喪失事故時のブローダウン終期、再浸水および再冠水期間中における原子炉圧力容器内の熱水力学的挙動を測定するため、米国原子力規制委員会より新型ニ相流計測器が提供されている。本報は、これら計測器から得られたデータの評価結果について報告する。主要な結論は以下の通りである。(1)スプールピース、ガンマ線密度計、ビデオオプティカルプローブは正常に作動し、解析に寄与した。(2)タービンメータ、インピーダンスプロープおよびフィルムプローブの一部からは、定性的に妥当とみなせる結果が得られた。(3)液位計(LLD)、液体分布グリッド(FDG)、インピーダンスプローブおよびフィルムプローブの大部分は、ハードケーブル故障のため正常に作動しなかった。
傍島 真; 岩村 公道; 大貫 晃; 阿部 豊; 数土 幸夫; 刑部 真弘; 安達 公道
JAERI-M 83-237, 157 Pages, 1984/01
平板炉心再冠水試験は、円筒炉心再冠水試験と共に大型再冠水試験の一部をなすもので、炉心部の二次元的挙動や、炉心と上部プレナム間の流体挙動の再冠水現象に及ぼす影響の解明を主目的としている。試験現象の再現性を検討するために、二組のくり返し試験を行い比較した。再現される熱流動現象の範囲を明らかにし、特異な挙動についてもデータを検討した。その結果、熱流動や炉心の大部からの冷却の挙動には十分な再現性があること、ならびに特異挙動と見られる現象にも多くは統計的再現性があることなどが分った。再現する現象を使用して、計測器の信頼性についても調べた。いくつかの計測器にはそれ自身の再現性が乏しく、改善の余地がある。
刑部 真弘; 小泉 安郎; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(11), p.882 - 884, 1984/00
被引用回数:15 パーセンタイル:91.37(Nuclear Science & Technology)小破断LOCA時には、ボイルオフによって炉心や蒸気発生器蒸発管が部分的に、高温蒸気雰囲気中に露出することが考えられる。この場合、二層混合水位がドライアウト点を決定する。この二相混合水位の評価のためには、ロッドバンドル中の二相混合物中の気相流速を知ることが重要である。このため、ロッドバンドルを組み込んだ垂直テスト部と、取りはずしたテスト部で、静止水中を上昇する空気流速を大気圧条件下で測定した。ロッドバンドルの空気上昇流速に与える影響をドリフトフラックス式を使うことによって説明するとともに、二流体モデルにおいて空気の上昇速度を決めるのに重要な相間摩擦係数を求めた。本実験で求めたロッドバンドル中の相間摩擦係数は、二流体モデルコードであるTRACで使われているものよりも小さな値を示した。
刑部 真弘; 数土 幸夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(2), p.115 - 125, 1984/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.80(Nuclear Science & Technology)PWR-LOCA時再冠水過程において、クエンチフロントの直上に、膜沸騰熱伝達領域が存在すると考えられている。この領域の飽和膜沸騰モデルとして、two-region modelと呼ばれるモデルを開発し、試験データと比較した。再冠水時には、クエンチフロントの上に存在する激しい二相流が、蒸気膜内の乱流化を促進すると考えられる。このモデルでは、乱流境界層である蒸気膜が、二相流のmixture coreでかこまれているとした。このモデルを、平板炉心再冠水試験(SCTF)データと比較した結果、次のことが明らかになった。クエンチフロントからの距離が小さいとき、その場所の膜沸騰熱伝達は、蒸気膜とmixture coreの境界面で、剪断力Ti=Oとしたときのモデルとよく一致する。クエンチフロントからの距離が大きくなるに従い、データは境界面での速度Ui=Oとしたモデルに近づいてくる。一方、熱伝達はmixture coreのボイド率に強く依存し、低いボイド率では、高い熱伝達が得られた。
岩村 公道; 数土 幸夫; 傍島 真; 刑部 真弘; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道
JAERI-M 83-122, 85 Pages, 1983/07
平板炉心試験装置(SCTF)計画は、PWR-LOCA時の再冠水過程における、炉心部の2次元的な熱水力挙動や、炉心と上部プレナム間の流体挙動の相互干渉を調べることを目的としている。本報告書では、強制注入試験シリーズのうち、試験S1-04(高サブクーリング試験)とS1-01(基準試験)において観察された、炉心入口サブクーリングの再冠水現象に及ぼす影響についての解析結果を報告する。実験結果より、炉心入口サブクーリングが大きくなると、クエンチ伝播が速くなり、クエンチフロント近くの熱伝達率は改善され、クエンチ発生時のボイド率は小さくなり、炉心および上部プレナム内蓄水量は多くなり、ホットレグキャリーオーバー量は少なくなり、炉心内の横流れの強さは大きくなることがわかった。
数土 幸夫; 傍島 真; 岩村 公道; 刑部 真弘; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道
JAERI-M 83-114, 117 Pages, 1983/07
本報告書は、PWR-LOCA時の再冠水過程で炉心から吹上げられて形成する上部プレナム蓄水の、再冠水現象に及ぼす影響を調べたものである。同一条件の強制注水の下に、炉心上部の上部炉心支持板直上にある抽水ラインのバルブを全開にして上部プレナム蓄水を抽出した実験S1-03と抽水しない実験S1-01用とを比較した。BOCREC後約200秒までは、S1-03でもS1-01と同程度の蓄水が見受けられ、炉心内挙動・ホットレグへのキャリーオーバ特性に顕著な差は見受けられなかった。しかしそれ以後では、S1-03の蓄水はS1-01より小さく、炉心中央以下での熱的挙動には差が無いものの、(1)炉心より上方及び炉心内の流体挙動の2次元性が平坦化される、(2)炉心上部でクエンチ時間が長くなる、(3)ホットレグへのキャリーオーバ水量及び炉心内蓄水が減少する、ことがわかった。