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Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 廣沢 孝志; 渡辺 将久; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(12), p.5631 - 5640, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:38.50(Chemistry, Analytical)Snは2011年の福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された可能性のある長半減期核分裂生成物であり、こうした核種のモニタリングは周辺環境及び放射性廃棄物を適切に管理・処理していくために重要である。本研究では、TEVA resinによるHClフリーな固相抽出分離とICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)を組み合わせた放射性ガレキ中のSn分析手法を提案した。TEVA resinによるコンクリートマトリクスからのSnの回収率は95%以上であった。同重体であるTe及び試料マトリクスに由来する多原子イオンによるスペクトル干渉は、固相抽出による化学分離とICP-MS/MSとの組み合わせにより効果的に低減することができ、Teの除染係数は10に達した。本手法でのコンクリートマトリクスにおけるSnの方法定量下限値は、12.1pg g(6.1mBq g)となり、コンクリートガレキ中のSnを分析する手法として十分な感度を有することを確認した。
有友 嘉浩*; 岩本 昭*; 西尾 勝久; 太田 雅久*
Physical Review C, 105(3), p.034604_1 - 034604_8, 2022/03
被引用回数:3 パーセンタイル:52.30(Physics, Nuclear)One of the dynamical investigations for an understanding of the fission process is the analysis through Langevin trajectories in the nuclear deformation space. The main motivation of this analysis is to elucidate the characteristic nuclear-shape oscillation induced by a random force in the Langevin equation and its impact on the fission process. The characteristic random oscillation originates from the requirement of an overdamped condition. The properties of the friction tensor in the equation reveal that the directional nuclear shape fluctuations originate in the subspace of nuclear deformation. Our calculations exhibit a good agreement with the fission data for fermium isotopes, where the fission-fragment mass distribution changes dramatically from the asymmetric shape to the sharp symmetric shape as the masses of the fissioning Fm isotopes increase.
有友 嘉浩*; 天野 翔太*; 奥林 瑞貴*; 栁 漠*; 西尾 勝久; 太田 雅久*
Physics of Atomic Nuclei, 83(4), p.545 - 549, 2020/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)For the success of synthesis of the superheavy elements Z 118, it is indispensable to clarify the fusion-fission mechanism, which includes a role of the nuclear structure of colliding nuclei and the deformation in the fusion process. We develop the dynamical model to estimate the probability to produce new superheavy nuclei. To approach Island of Stability and synthesize new elements, we propose a new idea, which takes advantage of the shell structure in fusion and fission process.
千葉 敏; 小浦 寛之; 丸山 敏毅; 太田 雅久*; 龍田 早由*; 和田 隆宏*; 橘 孝博*; 住吉 光介*; 大槻 かおり*; 梶野 敏貴*
AIP Conference Proceedings 1016, p.162 - 167, 2008/05
r過程元素合成における遅延核分裂の効果を調べた。2中心殻模型とランジュバン方程式を用いて、r過程で生成される核分裂性核種の核分裂生成物分布を計算した。さらに、崩壊率(非粒子放湿、中性子放出と遅延核分裂)を大局的理論により計算した。核分裂の有無によるr過程元素合成分布の違いや、核分裂によって影響を受ける領域における分布の様相について議論する。
太田 雅久*; 龍田 早苗*; 山本 和幸*; 浅野 大雅*; 和田 隆宏*; 橋詰 和明*; 住吉 光介*; 大槻 かおり*; 梶野 敏貴*; 小浦 寛之; et al.
Nuclear Physics A, 805(2), p.558 - 560, 2008/02
r過程元素合成で用いる核分裂生成物分布データを系統的に計算した。核分裂の有無、及び核分裂生成物分布の違いが、最終的なr過程元素分布に現れることと、特にどの質量数領域が強く影響を受けるかを明らかにした。
龍田 早由*; 橋詰 和明*; 和田 隆宏*; 太田 雅久*; 住吉 光介*; 大槻 かおり*; 梶野 敏貴*; 小浦 寛之; 千葉 敏; 有友 嘉浩*
AIP Conference Proceedings 891, p.423 - 426, 2007/03
重・超重核領域における約2000核種に対して核分裂片の質量分布の理論的研究を行った。星の元素合成の中で主要な過程の一つである速中性子捕獲過程(r-process)において重・超重核領域の核分裂の影響は重要とは考えられてきたが、今まで定量的議論はほとんどなされておらず、その理論的進展が期待されている。今回われわれはr過程にかかわる核種における核分裂片の質量分布の理論計算を、液滴模型+殻補正エネルギーによる原子核の2中心模型を用いて行った。原子核の形状を表す変形パラメータは3変数とし、2中心模型によって得られた、各形状に対するエネルギーを表したポテンシャルエネルギー面をLangevin方程式を用いて解析し、核分裂の鞍点及び分断点付近の核分裂片の対称度・非対称度を広い核種領域の各原子核に対して得た。既知実験データが示す系統性に対する再現性もよく、また未知核に対しては対称に核分裂を起こす核種の領域がかなり局所的であるという結果が得られた。
静間 俊行; 宇都宮 弘章*; Mohr, P.*; 早川 岳人; 後神 進史*; 牧永 あや乃*; 秋宗 秀俊*; 山県 民穂*; 太田 雅久*; 大垣 英明*; et al.
Physical Review C, 72(2), p.025808_1 - 025808_9, 2005/08
被引用回数:46 パーセンタイル:90.67(Physics, Nuclear)産業技術総合研究所のレーザー逆コンプトン線を用いて、W, Re, Os核の光核反応実験を行い、中性子放出のしきい値エネルギー近傍の詳細な断面積を測定した。得られた実験データと核統計模型による計算値との比較を行い、良い一致が得られた。Os核には、励起エネルギー9.75keVに第一励起状態が存在しており、元素合成過程の高温状態下では、この状態が強く生成されていたと考えられる。そこで、今回得た光核反応Os()の断面積データを用いて、Os第一励起状態からの中性子捕獲反応断面積の評価を行い、Re-Os宇宙時計に適用した。
秋宗 秀俊*; 山県 民穂*; 中山 信太郎*; 有本 靖*; 藤原 守; 伏見 賢一*; 原 圭吾*; 大田 雅久*; 塩川 敦子*; 田中 正義*; et al.
Physical Review C, 67(5), p.051302_1 - 051302_4, 2003/05
被引用回数:27 パーセンタイル:80.10(Physics, Nuclear)t+tの分子的構造を持つ共鳴がLi(Li,Be )H反応で発見された。励起エネルギーは180.5MeVで、幅は7.71.0MeVであった。崩壊分岐比としては9010%でほぼ100%がt+tに崩壊していることがわかった。
太田 雅久*; 龍田 さゆき*; 和田 隆宏*; 千葉 敏; 小浦 寛之; 丸山 敏毅; 梶野 敏貴*; 大槻 かおり*
no journal, ,
原子力と天体物理への応用を目的として核分裂生成物の質量分布を計算する汎用的手法を提案する。まず、二中心殻模型によって核分裂片の質量非対称度,変形度,核分裂片間の距離をパラメータとしてポテンシャルエネルギー表面(PES)を計算した。次に実験的に得られているFm同位体における対称分裂/非対称分裂領域と、多次元ランジュバン方程式の結果得られた264Fmに対する対称分裂/非対称分裂の割合を考慮して、PESのscission point近傍での対称分裂と非対称分裂に対するポテンシャルの谷間の深さから半経験的に対称分裂と非対称分裂の割合を決定した。非対称分裂における非対称度はPESから算定した。また、各モードにおける分布幅はランジュバン計算の結果から求めた。これらの結果、Z=88から120の核分裂性核種に対する核分裂片質量分布を系統的に求めることが可能となった。それを測定値及び片倉による系統式と比較し、有効性や問題点について議論する。
田中 康之; 太田 祐貴; 小高 典康; 菊池 里玖; Banjarnahor, I. M.; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 田中 康介; 渡辺 将久
no journal, ,
福島第一原子力発電所放射性廃棄物の測定対象核種の多くは、従来の放射能測定法をそのまま適用した場合、目的核種の化学分離操作や長半減期核種の測定に時間を要し、数週間の工程がかかる核種分析が発生する。このため大熊分析・研究センターでは、これら核種の分析手法の簡易化・迅速化を実施してきた。最も時間を要するSe-79、Zr-93及びMo-93等の難測定長半減期核種に対しては装置自体が高い分離性能を持ち、短時間での高感度測定が可能なICP-MS/MSでの測定と簡易な固相抽出分離を組み合わせることにより、数日程度で分析可能な新しい手法を開発した。一方、核種、Sr-90及びNi-63など従来の放射線計測が有効と考えられる核種は、1つの試料から複数の核種を逐次的に分離することで化学分離操作の合理化を図った。また、開発した分析手法は分析設備への負荷を低減することを目的として塩酸を使用しない手法とした。
千葉 敏; 小浦 寛之; 丸山 敏毅; 太田 雅久*; 龍田 さゆき*; 和田 隆宏*; 橘 孝博*; 梶野 敏貴*; 住吉 光介*; 大槻 かおり*
no journal, ,
r過程元素合成に遅延核分裂を導入し、核分裂の有無,核分裂片質量分布(対称:非対称)による生成される核種収量の違いと、それが宇宙時計やr過程サイトの物理条件の制限に与える影響を議論する。
太田 祐貴; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 佐野 友一; 岩橋 弘之; 本間 駿太; 一條 祐里奈; 黒澤 きよ子*; 遠藤 翼*; 元木 良明*; et al.
no journal, ,
Sn(半減期: 約21万年)は、線放出核種であり長半減期であることから、放射能測定による低い濃度レベルでの定量では煩雑な前処理と長時間の測定を要する。近年開発されたトリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析装置(以下、ICP-MS/MS)は、同重体や多原子イオンの影響を効果的に除去でき、簡易な前処理と短時間測定で高感度の分析が可能である。本研究では、ICP-MS/MSによるSn測定条件の最適化を行い、妨害核種のTe等によるスペクトル干渉の影響を評価することで、福島第一原子力発電所から発生する放射性がれきを対象としたSn分析に対するICP-MS/MSの適用性を検討した。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 佐野 友一; 岩橋 弘之; 本間 駿太; 一條 祐里奈; 黒澤 きよ子*; 遠藤 翼*; 元木 良明*; et al.
no journal, ,
本報では、HClフリーのコンクリートマトリクスからのSnの分離・回収手法について報告する。固相抽出前のコンクリート溶解液処理として2つの手法を検討し、その後、TEVAレジンを用いた固相抽出試験を実施した。その結果、本手法によるコンクリートマトリクスからのSnの分離・回収は高い回収率と再現性を示した。本研究では、ICP-MSによりSnの測定するためのコンクリート瓦礫からのSnの分離手法の検討を行った。