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吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 畑山 明聖*; 柴田 崇統*; 山本 崇史*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; et al.
Fusion Engineering and Design, 96-97, p.616 - 619, 2015/10
被引用回数:13 パーセンタイル:71.17(Nuclear Science & Technology)JT-60SAのプラズマ加熱および電流駆動装置として利用する世界最大の負イオン源では、要求値となる22Aの大電流負イオンビームの100秒生成を目指している。そのためには、40cm110cm(全1000穴)のビーム引出面積から生成されるビームの一様性を改善する必要がある。そこで、負イオンビームの親粒子である水素原子および水素イオンをより一様に生成するために、磁場分布・高速電子分布計算結果および実験結果に基づいて、従来の横磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造に改良した。これにより、全プラズマ電極に対する一様な領域は、従来よりも1.5倍まで改良し、この一様な領域からJT-60SAの要求値を満たす22Aのビーム生成を可能にした。このときのビーム電流密度は210A/mであり、これはITERの負イオン源にて要求される200A/mをも満たすビーム生成に成功した。
高橋 良和; 諏訪 友音; 名原 啓博; 尾関 秀将; 辺見 努; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 松井 邦浩; 河野 勝己; 押切 雅幸; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.4200904_1 - 4200904_4, 2015/06
被引用回数:4 パーセンタイル:24.66(Engineering, Electrical & Electronic)原子力機構はITER中心ソレノイド(CS)コイル用導体の調達を担当し、製作したCS導体をコイル製作担当の米国に送付することになっている。CSコイルは高さ約12m、外径約4mで、6個のモジュールを積み重ねた構造を有する。導体の単長は最大910mであり、通電電流値は13Tの磁場中において40kAである。導体はケーブル・イン・コンジット型と呼ばれるもので、576本のNbSn素線と288本の銅素線で構成される撚線を、矩形の中に円形の穴がある高マンガン鋼(JK2LB)製ジャケットに挿入し、ジャケットを圧縮成型したものである。圧縮成型される前のジャケットは、外寸法51.3mm、穴の直径35.3mm、単長7m、重さ約90kgである。このジャケットは、出荷前に非破壊検査により、最大許容サイズの欠陥がないことを確認する必要がある。内及び外表面の欠陥は、渦電流探傷(ECT)法 で、内部の欠陥は、超音波探傷(UT)法で行われる。UTにおいて、矩形の中に円形の穴がある形状であるので、超音波の入射の方向を工夫する必要があった。表面のECT及び内部のUTについて、その技術と検査実績を報告する。
秋野 昇; 遠藤 安栄; 花田 磨砂也; 河合 視己人*; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 小島 有志; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
JAEA-Technology 2014-042, 73 Pages, 2015/02
日欧の国際共同プロジェクトであるJT-60SA計画に従い、JT-60実験棟本体室・組立室及び周辺区域に設置されている中性粒子入射加熱装置(NBI加熱装置)の解体・撤去、及びその後の保管管理のための収納を、2009年11月に開始し計画通りに2012年1月に終了した。本報告は、NBI加熱装置の解体・収納について報告する。
小又 将夫; 清水 達夫; 大関 正弘; 小島 有志; 花田 磨砂也
JAEA-Technology 2014-041, 50 Pages, 2015/01
超伝導コイルを用いた臨界プラズマ試験装置JT-60 Super Advanced(JT-60SA)のプラズマ加熱及び電流駆動を担う中性粒子入射装置においては、負イオン源1台あたり500keVのビームエネルギーで、22Aの負イオン電流を100秒間安定に生成することが要求されており、これまでの3倍以上の長時間運転が必要である。この長時間の大電流負イオンビームを実現するため、実機負イオン源及び実機電源設備を用いた長パルス負イオン源試験装置を建設し、長パルスの負イオンビーム生成に向けた技術開発を行っている。今回、負イオン源を長時間安定に制御するための装置を開発した。同装置においては、汎用の 計算機とProgrammable Logic Controller (PLC)を、用途や処理時間に応じて分散・配置して、電源機器を制御すると共に各種測定データを収集する分散型制御システムを採用した。開発した制御装置をJT-60負イオン源の試験運転で使用し、負イオンビームを、JT-60SAの仕様である100秒間の間、安定に引出すことに成功しており、本制御システムがJT-60SAで利用できる見通しを得た。
高橋 良和; 名原 啓博; 尾関 秀将; 辺見 努; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 松井 邦浩; 河野 勝己; 押切 雅幸; 宇野 康弘; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4802404_1 - 4802404_4, 2014/06
被引用回数:26 パーセンタイル:73.98(Engineering, Electrical & Electronic)ITER計画において、原子力機構は中心ソレノイド(CS)コイル用導体の調達を担当している。導体の単長は最大910mであり、通電電流値は13Tの磁場中において40kAである。導体はケーブル・イン・コンジット型と呼ばれるもので、576本のNbn素線と288本の銅素線で構成される撚線を、矩形の中に円形の穴がある高マンガン鋼(JK2LB)製ジャケットに挿入し、ジャケットを圧縮成型したものである。撚線は5段階の撚線で構成され、6本の4次撚線を中心チャンネルの周りに撚り合せたものである。最近、従来の設計より短い撚りピッチの撚線の導体が短尺導体試験(サルタン試験)において繰り返し通電による超伝導性能劣化がない非常に良い特性を示した。しかし、撚りピッチが短いため、同じ外径の撚線を製作するには、より大きなコンパクションを撚線製作時に加える必要があるので、コンパクション・ローラを工夫し、超伝導素線へのダメージを小さくする必要がある。本講演では、この短い撚りピッチの撚線の製作技術及び素線へのダメージの検査方法などについて報告する。
尾関 秀将; 濱田 一弥; 高橋 良和; 布谷 嘉彦; 河野 勝己; 押切 雅幸; 齊藤 徹; 手島 修*; 松並 正寛*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4800604_1 - 4800604_4, 2014/06
被引用回数:16 パーセンタイル:61.18(Engineering, Electrical & Electronic)JAEA is in charge of procuring Center Solenoid (CS) conductor in ITER project. CS conductor is Cable-In-Conduit type, and conduit is also called jacket. The cross-sectional shape of CS jacket is circle-in-square type, whose outer dimension is 51.3 mm and inner diameter is 35.3 mm. The length of one CS jacket section is 7 m, and the necessary total length of CS conductor is about 43 km. CS coil is expected to suffer high electro-magnetic force, so JAEA developed JK2LB, which is modified stainless steel expected to better characteristics of fatigue and thermal contraction in 4 K than SUS316LN, in cooperate with Kobe Steel, Ltd. The remaining problem was to establish production process of jackets which satisfy dimensional and mechanical requirement in ITER consistently, and also, Non-Destructive Examination (NDE) by ITER-original criteria. To carry out the R&D for above, production of dummy CS jackets were executed and these jackets were fabricated successfully. The results are reported.
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B314_1 - 02B314_4, 2014/02
被引用回数:15 パーセンタイル:53.96(Instruments & Instrumentation)負イオン中性入射装置では、JT-60SAにて要求される22Aの大電流を生成するために、負イオン源内の負イオンビームの一様性を改善する必要がある。本研究では、イオン源の磁場構造を従来のカスプ磁場配位からテント型磁場配位に改良した。磁場構造を改良することによって、負イオンビームの一様性を負イオンの生成効率を劣化させることなく、10%以下に改善することができた。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 8(Sp.1), p.2405146_1 - 2405146_4, 2013/11
本研究では、JT-60負イオン源の端部から引き出される負イオンビームの密度が低い原因を明らかにするために、負イオン源内での負イオン生成の元となる水素イオン及び水素原子の密度分布を静電プローブ及び分光計測にて調べた。またフィラメントから電子の軌道分布を計算コードにて求めた。その結果、負イオンビームの密度が低くなる原因は、電子のBgrad Bドリフトによって負イオンが非一様に生成されるためであることがわかった。また、負イオンビームが電子数の多い端部では高密度の負イオンを、電子数の少ない反対側の端部では低密度の負イオンを引き出すために歪んでしまい、接地電極に当たっていることも明らかとなった。
小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 佐藤 文明; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103037_1 - 103037_10, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:61.36(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)において、運転開始直後の短時間(100ミリ秒程度)にアノード電圧を制御することにより電子のピッチファクターを最適化することで効率を向上させる新手法を開発した。これにより高出力化の課題であったコレクタ熱負荷を低減することが可能となり、世界で初めて1.5MW, 4秒間のジャイロトロン出力を達成した。このときのコレクタ熱負荷は従来より約20%低いことが確認され、今後さらに長パルス化が可能と考えられる。長パルス運転を制限したジャイロトロン内の不要高周波による熱負荷を低減するため、モード変換器を改良したジャイロトロンを製作して、既に調整運転を開始し1MW出力で31秒までパルス幅が伸張した。また、課題であった不要高周波は約1/3に低減できたことが実験的に確認され、近い将来の定常運転に見通しが得られた。これらの成果はJT-60SAに向けたECRF装置の高出力・長パルス化に大きく貢献するものである。
木村 晴行; 犬竹 正明*; 菊池 満; 小川 雄一*; 鎌田 裕; 小関 隆久; 内藤 磨; 高瀬 雄一*; 井手 俊介; 長崎 百伸*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 83(1), p.81 - 93, 2007/01
JT-60公募型研究協力(以下、共同研究)は平成11年度から開始され、特に、平成15年1月にJT-60がトカマク国内共同研究の中核装置に位置づけられて以来、共同企画・共同研究の運営体制の構築とともに、研究課題数,研究協力者数が顕著に増加した。共同研究の成果の発表件数はJT-60全体の20-30%を占める。ブートストラップ電流による中心ソレノイド無し運転,電子サイクロトロン波によるMHD不安定性制御,プラズマ・壁相互作用,先進レーザー技術のプラズマ計測への応用,トカマクとヘリカルの比較研究などに、顕著な成果が上がっている。これらJT-60共同研究の全体像につき解説する。
牛込 雅裕*; 井手 俊介; 伊藤 智之*; 上瀧 恵里子*; 御手洗 修*; 白岩 俊一*; 鈴木 隆博; 高瀬 雄一*; 田中 茂利*; 藤田 隆明; et al.
Nuclear Fusion, 46(2), p.207 - 213, 2006/02
被引用回数:12 パーセンタイル:38.70(Physics, Fluids & Plasmas)中心ソレノイド(CS)を全く用いない、トカマクプラズマの立ち上げに関する研究成果についての論文。JT-60トカマクにおいて、完全CS無しの状態でヌル点が存在しない場合でも電子サイクロトロン波(ECRF)入射と外部ポロイダルコイルの電流変化で100kAのプラズマ電流(Ip)が立ち上がることを実証した。立ち上げに必要な条件(ECRFパワー,トロイダル磁場等)を明らかにした。また、CSをほとんど用いない状態で中性粒子ビーム(NB)のみによりIp=260kAを1秒維持することに功した。さらに同様の条件で、ECRFとNBのみでIpを215kAから310kAへランプアップさせることに成功した。高閉込め負磁気シア放電において、自発電流によるオーバードライブを示す結果を得た。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:68.52(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
高村 秀一*; 若谷 誠宏*; 二宮 博正; 鎌田 裕; 谷津 潔*; 波多江 仰紀; 杉原 正芳; 飯尾 俊二*; 小関 隆久; 河野 康則
プラズマ・核融合学会誌, 79(1), P. 70, 2003/01
ITPAは、国際協力(日本,欧州,ロシア,米国)によりITER等の核燃焼プラズマに対する物理基盤を構築することを目的としており、7つのトピカル物理グループ及び調整委員会により活動を進めている。本稿は、マックスプランクプラズマ物理研究所(独)において平成14年10月21日から25日にかけて開催された「第3回調整委員会」,「第3回周辺及びペデスタルトピカル物理グループ会合」,「第2回MHD,ディスラプション及び制御トピカル物理グループ会合」の概要を報告するものである。
鎌田 裕; 藤田 隆明; 石田 真一; 菊池 満; 井手 俊介; 滝塚 知典; 白井 浩; 小出 芳彦; 福田 武司; 細金 延幸; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.185 - 254, 2002/09
被引用回数:34 パーセンタイル:45.45(Nuclear Science & Technology)JT-60及びJT-60Uは、ITER及び定常トカマク炉実現へ向けた物理基盤を構築することを目的として、炉心級プラズマにおける高総合性能の実証とその維持を目指した運転概念の最適化を行って来た。等価核融合エネルギー増倍率(=1.25)や核融合積(=1.5E21 m-3skeV)の達成に加えて、高い総合性能(高閉じ込め&高ベータ&高自発電流割合&完全非誘導電流駆動)を実証した。これらは、内部及び周辺部に輸送障壁を持つ高ポロイダルベータHモード及び負磁気シアモードで得られた。最適化の鍵は分布及び形状制御である。多様な内部輸送障壁の発見に代表されるように、JT-60/JT-60U研究はプラズマ諸量の空間分布の自由度と制限を強調して来た。各閉じ込めモードの閉じ込め研究に加えて、輸送及び安定性等によって支配されるコア部及び周辺ペデスタル部のパラメータ相関を明らかにした。これらの研究により、高閉じ込めモードのITERへの適合性を実証するとともに残された研究課題を明らかにした。
飛田 健次; 草間 義紀; 篠原 孝司; 西谷 健夫; 木村 晴行; Kramer, G. J.*; 根本 正博*; 近藤 貴; 及川 聡洋; 森岡 篤彦; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.315 - 326, 2002/09
被引用回数:8 パーセンタイル:47.38(Nuclear Science & Technology)リップル損失とアルフヴェン固有モード(AEモード)を中心にJT-60Uにおける高エネルギー粒子実験の成果をまとめ、これらに基づいて核融合炉への展望を考察した。プラズマ表面でのリップル率が増加するにつれ、中性粒子入射(NBI)イオン,及び核融合生成トリトンの著しい損失を観測し、その損失は負磁気シアで顕著になることを明らかにした。リップル損失による第一壁への熱負荷は軌道追跡モンテカルロコードの予測と良く一致することを示した。イオンサイクロトロン(ICRF)少数イオン加熱及び負イオン源NBI(N-NBI)加熱時に多くのAEモードを観測した。観測した大部分のモードはギャップモードであり、これらからTAE,EAE,NAEモードを同定した。N-NBI加熱時にはバースト状のAEモードが発生することがあることを見出した。このとき不安定周波数の掃引現象が観測され、ビームイオン損失は25%に達することもある。リップル損失や高エネルギー粒子の加熱に関するこれらの研究では、高エネルギー粒子の振る舞いが古典理論または新古典理論で説明できることを明らかにし、核融合炉における高エネルギー粒子の特性を既存理論で定量的に予測できることを示した。AEモードに関しては、実験により核融合炉で起こりうるAEモードの定性的評価を可能にした。
東井 和夫*; 福田 武司; 若谷 誠宏*; 小川 雄一*; 滝塚 知典; 三浦 幸俊; 井手 俊介; 高瀬 雄一*; 飛田 健次; 福山 淳*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 77(2), p.184 - 191, 2001/02
平成12年秋に開催された7つのITER物理R&D専門家会合、1.「計測」:原研那珂研究所,9月21-22日、2.「輸送及び内部輸送障壁の物理」:ENEA(イタリア,フラスカティ),10月11-13日、3.「閉じ込めデータベースとモデリング」:ENEA(イタリア,フラスカティ),10月11-13日、4.「高エネルギー粒子,加熱及び定常運転」:ENEA(イタリア,フラスカティ),10月11-13日、5.「周辺及びペデスタルの物理」:マックスプランク物理研究所(ドイツ,ガルヒンク),10月11-13日,6.「スクレイプ・オフ層及びダイバータの物理」:マックスプランク物理研究所(ドイツ,ガルヒンク),10月11-13日、7.「MHD,ディスラプション及び制御」:マックスプランク物理研究所(ドイツ,ガルヒンク),10月11-13日、及びそれら会合に引き続いて10月14日に開催されたITER物理委員会会合の概要を報告する。
Kramer, G. J.; 岩瀬 誠; 草間 義紀; 森岡 篤彦; 根本 正博; 西谷 健夫; 篠原 孝司; 竹治 智; 飛田 健次; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 40(7), p.1383 - 1396, 2000/07
被引用回数:46 パーセンタイル:77.39(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UにおいてICRF加熱または、N-NBI加熱を用いて高速イオンの実験を行ってきた。両方の加熱手法でアルフヴェン固有(AE)モードの励起を観測した。ICRF加熱中のAEモードの解析から以下のことがわかった。(1)鋸歯状振動中にICRF加熱によって励起されたAEモードの情報からプラズマ中心領域の安全係数分布を評価をすることができた。これらの結果はMSE計測結果及び、鋸歯状振動の理論計算モデルと良く一致し、この解析手法の正当性を示した。(2)X-モード反射計を用いてTAEモードの径方向のモード構造がJT-60Uで初めて評価し、これらのモードがNOVA-Kコードで予測されたバルーニング構造を持つことを明らかにした。また、N-NBI加熱実験から以下の結果を得た。(1)N-NBI加熱によって鋸歯状振動周期が長期化できることがわかった。(2)N-NBI入射中にアルフヴェン周波数領域のモードを解析した結果、通常のTAEモード以外にバースト的な振る舞いをするモード、周波数捜引するモードが存在することを明らかにした。
草間 義紀; Kramer, G. J.; 木村 晴行; 三枝 幹雄*; 小関 隆久; 飛田 健次; 及川 聡洋; 篠原 孝司; 近藤 貴; 森山 伸一; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1837 - 1843, 1999/11
被引用回数:70 パーセンタイル:86.97(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、負イオン源ビーム(NNB)を用いて、ビームイオンが励起する不安定性の研究を行った。磁気シアが弱い場合には、ビームイオンの体積平均値が0.1%と低い領域においてもアルヴェン固有モードが励起されることが明らかとなった。しかし、このモードは強い負磁気シアを持つプラズマでは安定化できることがわかった。ビームイオン値が0.2%程度に上昇し、かつプラズマ中心の安全係数が1.4程度まで低下すると、アルヴェン周波数領域にバースト的に発生をくり返すモードが出現する。このモードにより、わずかではあるがビームイオンが損失することが明らかになった。
草間 義紀; Fu, G. Y.*; Kramer, G. J.*; 三枝 幹雄*; 及川 聡洋; 小関 隆久; 森山 伸一; Tchernychev, F. V.*; 根本 正博; 近藤 貴; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(9), p.1167 - 1177, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:19.88(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uプラズマのイオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱時に、周波数が525~550KHzでトロイダルモード数が3-7の磁場揺動(モード)を観測した。このモードの発生に伴い、高エネルギーイオンの異常輸送を示す中性子発生率の低下が起こる。NOVA-Kコードを用いて解析した結果、このモードは安全係数が1の面で起こるアルヴェン固有モードの一種の楕円度励起アルヴェン固有モード(EAE)であることが明らかになった。ICRF加熱と同時に負イオン源中性粒子ビーム(N-NB)を入射するとEAEは安定化され、中性子発生率も低下しない。NOVA-Kコードを用いてEAEの安定性解析を行ったところ、N-NB入射イオンビームによるランダウ減衰でEAEが安定化できることが新たに明らかになった。