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報告書

大洗研究所における放射性廃棄物の放射能濃度評価手法確立に係る取り組み; 令和2年度活動報告書

朝倉 和基; 下村 祐介; 堂野前 寧; 阿部 和幸; 北村 了一; 宮越 博幸; 高松 操; 坂本 直樹; 磯崎 涼佑; 大西 貴士; et al.

JAEA-Review 2021-020, 42 Pages, 2021/10

JAEA-Review-2021-020.pdf:2.95MB

原子力の研究開発施設から発生する放射性廃棄物の処理処分は、取り扱う核燃料物質や材料が多種多様なこと等を踏まえ、放射能濃度を求める必要がある。大洗研究所は、廃棄物を処理する施設のみならず、廃棄物を発生させる施設も含め、埋設処分を見据えた検討に着手している。本報告書は、大洗研究所内で発生する放射性廃棄物の埋設処分に向けて、主要課題のひとつである放射能濃度評価手法について、令和2年度の検討結果を取りまとめたものである。

論文

Feasibility study on tritium recoil barrier for neutron reflectors of research and test reactors

Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; Ho, H. Q.; 坂本 直樹*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

Fusion Engineering and Design, 164, p.112181_1 - 112181_5, 2021/03

JMTRとJRR-3Mの運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、ベリリウム中性子反射体の二段核反応による$$^{6}$$Li(n$$_{t}$$,$$alpha$$)$$^{3}$$Hで生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。この結果から、一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためには、ベリリウム中性子反射体の表面積を小さくするか、他の材料で反跳トリチウムを遮蔽する必要がある。本報告では、ベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材の概念検討として、Al, Ti, V, Ni, Zr等の多様な材料を候補材として、障壁厚み、長期運転後の放射能、反応度への影響を評価した。この結果、Alがベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材として適した候補材になり得るとの結果を得た。

論文

核燃料物質使用施設の高経年化対策に係わる安全評価手法の改善策の検討

坂本 直樹; 藤島 雅継; 水越 保貴

保全学, 19(2), p.125 - 126, 2020/07

日本原子力研究開発機構大洗研究所では、高速炉用MOX燃料等の研究開発施設として核燃料物質使用施設(5施設)を有している。全ての施設は約40年以上経過しており、これらを安定的に稼働させるために、平成14年に安全評価手法を構築し、施設の保全活動に取り組んできた。しかしながら、管理する設備機器のなかには、安全評価で課題解消したにも係わらず、その後同様の不具合が再発し、施設の運転に支障をきたしているものがみられた。このため本報では、これら保全活動の実績を分析したうえで、問題点を抽出し、さらなる改善策について検討した結果を報告する。

論文

Feasibility study of tritium recoil barrier for neutron reflectors

石塚 悦男; 坂本 直樹*

Physical Sciences and Technology, 6(2), p.60 - 63, 2019/12

試験研究炉運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、$$^{9}$$Beの二段反応で生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためのベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止膜の概念検討として、PHITSで多様な材料のトリチウム反跳を計算した。この結果、3桁低下させるために必要なトリチウム反跳防止厚みは、材料によって依存するが20$$sim$$40$$mu$$m必要であることが明らかとなった。

論文

Development of a method of periodic safety review to cope with the aging degradation of hot laboratories

玉置 裕一; 大森 雄; 藤島 雅継; 水越 保貴; 坂本 直樹

Proceedings of 53rd Annual Meeting of Hot Laboratories and Remote Handling Working Group (HOTLAB 2016) (Internet), 6 Pages, 2016/11

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの核燃料使用施設では、高速炉用燃料や材料開発のための試験が行われている。1970年代に建設されたこれらの施設は、40年以上に渡り運転経験を蓄積してきた。施設を安全で継続的に運転するためには、電源設備、マニプレータ、インセルクレーン、排風機や換気設備といった、重要設備のメンテナンスが必要となる。本定期安全評価手法は、日本の実用原子炉施設等で実施されている手法を基に核燃料使用施設に適用している。本論文では、安全評価手法を用いた核燃料使用施設での定期安全評価の取り組みについて報告する。

論文

核燃料物質使用施設の高経年化に係る安全性評価手法の開発

藤島 雅継; 水越 保貴; 坂本 直樹; 大森 雄

保全学, 13(2), p.115 - 125, 2014/07

大洗研究開発センター福島燃料材料試験部には、高速増殖炉の高性能燃料及び材料の開発を目的とした5つの核燃料物質使用施設 照射後試験施設がある。これらの施設は昭和40年代から50年代に建設されたもので、ホットインからいずれも30年以上経っている。そこで、施設の安全の確保のため、平成15年度より独自の安全評価に取組んでいる。この取組みは、想定されるリスクを摘出し、未然に適切な処置を施すなどの対策によりトラブルを防止しようというものである。その精神は、発電用原子炉等の高経年化対策に適用されている定期安全評価に学んでいる。評価手法の特徴は、安全に影響するさまざまな要因を数値化し、性能劣化監視指標により、適切な保全活動に反映していく点にある。本論文では、福島燃料材料試験部で行っている施設の安全評価への取組みについて、経緯,評価手法と保全活動への展開の状況についてまとめた。

論文

小角中性子散乱,円偏光二色性によるペプチド両親媒性分子のミセル構造転移の解析

坂本 直紀*; 島田 智子*; 元川 竜平; 小泉 智*

波紋, 22(2), p.172 - 177, 2012/05

Peptide amphiphile (PA) micelles are unique materials, whose morphologies are controlled by the peptide secondary structure as well as the length of the peptide and alkyl chains. The dynamics of the thermally-induced structural transition of our designed PA micelles was investigated by in situ small-angle neutron scattering (SANS) and Circular Dicroism (CD). The results revealed the time-evolution of the peptide secondary structure and the micellar morphology after temperature-jump. We propose the mechanism of these cooperative transitions: the change of the peptide secondary structure from a-helix and random coil to B-sheet induces the micellar structural transition from the spherical to the worm-like.

論文

Self-assembly process of peptide amphiphile worm-like micelles

島田 智子*; 坂本 直紀*; 元川 竜平; 小泉 智*; Tirrell, M.*

Journal of Physical Chemistry B, 116(1), p.240 - 243, 2012/01

 被引用回数:39 パーセンタイル:72.95(Chemistry, Physical)

Peptide amphiphile molecules (PA) are remarkably versatile and useful as building blocks for construction of complex supramolecular structures in a bottom-up fashion. Worm-like micelles of PA have been demonstrated to have successful application to creation of synthetic extracellular matrix materials for tissue engineering and regenerative medicine. However, the pathway of the self-assembly process of the PA worm-like micelle has not been fully characterized or understood. This work analyzes the self-assembly process leading to worm-like micelle formation in our designed PA with small-angle neutron scattering and atomic force microscopy. The experimental results demonstrate the existence of transient spherical micelles in the early stage of the process and subsequent micelle chain elongation by attachment of spherical micelles to the end of growing cylindrical micelles to form worm-like micelles in a process mimicking chain-growth polymerization.

論文

Conceptual design study for the demonstration reactor of JSFR, 4; Structural design of reactor vessel

川崎 信史; 岡村 茂樹*; 澤 直樹*; 阪本 善彦; 根岸 和生

Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 7 Pages, 2011/10

JSFRはコンパクト化されたホットベッセル概念を原子炉システムに対し採用している。ホットベッセル概念の構造設計において重要となるのは、耐震設計と耐熱設計を両立させることである。本研究では、新潟県中越沖地震を考慮したうえで、国内共通地震条件を設定し、耐震設計を行った。座屈評価裕度の観点から、750MWeと500Mwe両原子炉プラントの原子炉容器肉厚が50mmと設定された。結果として座屈評価裕度は、2.4以上を確保できている。座屈評価裕度の観点からは、750MWeと500Mweという電気出力の差は無視しうる。肉厚50mmの条件で、耐熱設計を実施した。2.2日,3.2日,4.3日起動の3条件が起動条件として選定され、熱ラチェット評価とクリープ疲労評価が実施された。これらの評価を満足させるためには、3.2日以上の起動日数が必要なことがわかった。発生熱応力の大きさはほぼ等しいため、750MWeと500Mweという電気出力の差は、耐熱設計の観点からも無視しうる。

論文

ITPA会合報告,29

諫山 明彦; 榊原 悟*; 古川 勝*; 松永 剛; 山崎 耕造*; 渡邊 清政*; 井戸村 泰宏; 坂本 宜照; 田中 謙治*; 田村 直樹*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 86(6), p.374 - 377, 2010/06

この会合報告は、2010年春に開催された国際トカマク物理活動(ITPA)の会合報告を取りまとめたものである。取りまとめたトピカルグループは"MHD安定性", "輸送と閉じ込め物理", "統合運転シナリオ", "ペデスタル物理"及び"高エネルギー粒子物理"の計5グループである。報告内容は、各トピカルグループの国内委員により、各会合で発表されたITER実現に向けた物理課題の解析結果や装置間比較実験報告、また次回会合までに行うべき課題などについてである。

論文

ITPA(国際トカマク物理活動)会合報告,27

長壁 正樹*; 篠原 孝司; 東井 和夫*; 藤堂 泰*; 濱松 清隆; 村上 定義*; 山本 聡*; 井戸村 泰宏; 坂本 宜照; 田中 謙治*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 85(12), p.839 - 842, 2009/12

この会合報告は、2009年秋に開催された国際トカマク物理活動(ITPA)の会合報告を取りまとめたものである。取りまとめたトピカルグループは"高エネルギー粒子物理", "輸送と閉じこめ物理", "ペデスタル物理", "MHD安定性", "計測"、及び"統合運転シナリオ"の計6グループである。報告内容は、各トピカルグループの国内委員により、各会合で発表されたITER実現に向けた物理課題の解析結果や装置間比較実験結果報告、また次回会合までに行うべき課題などについてである。

論文

Dynamics of ion internal transport barrier in LHD heliotron and JT-60U tokamak plasmas

居田 克巳*; 坂本 宜照; 吉沼 幹朗*; 竹永 秀信; 永岡 賢一*; 林 伸彦; 大山 直幸; 長壁 正樹*; 横山 雅之*; 舟場 久芳*; et al.

Nuclear Fusion, 49(9), p.095024_1 - 095024_9, 2009/09

 被引用回数:26 パーセンタイル:72.4(Physics, Fluids & Plasmas)

LHDヘリオトロン装置とJT-60Uトカマク装置におけるイオン系内部輸送障壁形成と不純物輸送のダイナミックスの比較について分析した。特に、両装置においてイオン温度等を測定する荷電交換分光装置の高性能化が行われ、次のような新しい知見を得ることができた。まず、内部輸送障壁の形成位置について、JT-60Uでは形成位置が外側へ拡大しつつ局在化するが、LHDではターゲットプラズマに依存して内側あるいは外側に移動する。また、不純物輸送に関しては、JT-60Uでは内向きの対流があるのに対して、LHDでは外向きの対流によって不純物ホールが形成されることを明らかにした。LHDにおいて観測された外向きの対流は、新古典理論の予想と相反しており、今後さらなる分析を行う予定である。

論文

Remote maintenance technology for a large scale hot laboratory

坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 勝山 幸三; 永峯 剛

Proceedings of 46th Annual Meeting of "Hot Laboratories and Remote Handling" Working Group (HOTLAB 2009) (CD-ROM), 5 Pages, 2009/09

日本原子力研究開発機構の照射燃料集合体試験施設(Fuels Monitoring Facility:以下「FMF」)は、高速実験炉「常陽」など高速炉で照射したプルトニウム含有燃料集合体の照射後試験を行うための施設として1978年にホットインした。FMFは、使用済燃料を集合体単位で取扱うために、高い遮へい性能のあるホットセルを有するだけでなく、大型のホットセル(試験セル)を設置している。そして、この試験セル内は、集合体や燃料ピンの解体時に試験試料の酸化等の影響をなくすため、常時、窒素ガス雰囲気になっていることが特徴である。一方、試験セル内に設置されている機器は、経年劣化に加えて高放射線による劣化が著しいため、性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要である。しかし、被ばくの観点から作業員がセル内で作業することは困難であるため、セル外から遠隔でメンテナンスできるように設計されている。本報では、セル内クレーン設備を中心としたFMFの遠隔保守技術の有効性と、この約30年間に渡る遠隔保守の実績について報告する。

論文

ITPA(国際トカマク物理活動)会合報告,24

井戸村 泰宏; 吉田 麻衣子; 矢木 雅敏*; 田中 謙治*; 林 伸彦; 坂本 宜照; 田村 直樹*; 大山 直幸; 浦野 創; 相羽 信行; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 84(12), p.952 - 955, 2008/12

2008年の秋季に、ITPAに関する6つの会合(「輸送と閉込め物理」,「周辺及びペデスタル物理」,「MHD安定性」,「統合運転シナリオ」,「高エネルギー粒子物理」,「スクレイプオフ層及びダイバータ物理」)が開催された。前回までのグループが再編成されグループ名も改称されるとともに、新議長,新副議長が就任し、各国の委員も更新された。各会合の詳細と次回会合の予定(開催日程,場所)等を報告する。

論文

Use of positron-emitting tracer imaging system for measuring the effect of salinity on temporal and spatial distribution of $$^{11}$$C tracer and coupling between source and sink organs

諏訪 竜一*; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 阪本 浩一*; Nguyen, N. T.*; 実岡 寛文*; Mohapatra, P. K.*; Moghaieb, R. E.*; et al.

Plant Science, 175(3), p.210 - 216, 2008/09

 被引用回数:16 パーセンタイル:46.04(Biochemistry & Molecular Biology)

Salinity stress affects photosynthate partitioning between sources and sinks of plants, but how it affects on these systems is less understood. Because sources and sinks are closely knitted, any adverse effect under sub-optimal condition on one part is often misinterpreted for the other. Knowledge on regulation of carbon partitioning is indispensable for stress resistance and good plant growth. In the present study, alteration of carbon partitioning in tomato plants (lycopersicon esculentum L. cv. Momotarou) under saline (NaCl) environment was studied by feeding radioactive $$^{11}$$C and stable $$^{13}$$C isotopes. Pulse chases were conducted for measuring spatial and temporal distributions of $$^{13}$$C. $$^{13}$$C was measured by standard conventional technique, but $$^{11}$$C distribution was monitored using by PETIS. Salt stress resulted in reduced carbon translocation towards roots. Majority of the photosynthate accumulated in the leaf. We have also observed that the reduction in translocation of carbon occurred well before salt stress symptoms of reduced photosynthesis and plant growth in salt exposed plants. The effect on sink activity also showed by decrease in stem diameter and reduced photosynthetic activity. In addition, PETIS analysis of $$^{11}$$C translocation indicates that carbon translocation to roots was inhibited under salt conditions without direct effect of leaf Na accumulation and osmotic stress These results suggest that NaCl has direct effects on plants inhibiting carbon partitioning within few hours of salt solution exposure without inhibition of source activity.

論文

核燃料物質使用施設の安全評価の取組み

藤島 雅継; 坂本 直樹; 水越 保貴; 雨谷 富男; 大森 雄

日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.388 - 392, 2008/07

大洗研究開発センター燃料材料試験部には、高速増殖炉の高性能燃料及び材料の開発を目的とした5つの核燃料物質使用施設(照射後試験施設)がある。これらの施設は昭和40年代から50年代に建設されたもので、ホットインからいずれも30年以上経っている。そこで、施設の安全の確保のため、平成15年度より独自の安全評価に取組んでいる。この取組みは、想定されるリスクを摘出し、未然に適切な処置を施すなどの対策によりトラブルを防止しようというものである。その精神は、発電用原子炉等の高経年化対策に適用されている定期安全評価(Periodic Safety Review:PSR)に学んでいる。評価手法の特徴は、安全に影響するさまざまな要因を数値化し、性能劣化監視指標(Performance Indicator:PI)により、適切な保全活動に反映していく点にある。本報では、燃料材料試験部で行っている施設の安全評価への取組みについて、経緯,評価手法と保全活動への展開の状況について報告する。

論文

遠隔保守技術の大型ホットラボへの適用

坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 中村 保雄; 助川 清志*

日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.226 - 230, 2008/07

宇宙開発分野,海洋技術開発分野などでは、作業環境の特殊性から、遠隔操作技術や遠隔保守技術の開発が不可欠となっている。放射性物質を取扱う施設(ホットラボ)においても、高放射線,封じ込め等特有な環境の中での作業となることから、遠隔保守技術の開発は極めて重要である。特に高速炉で使用したプルトニウムを含有した燃料(集合体)を取扱う施設では、放射線を遮へいしつつ、密封性を確保した大型のセルを配置する必要がある。この大型セルでは、鉛ガラス窓を介したマニプレータによる遠隔操作によりさまざまな試験を実施している。さらにセル内には、試験機のほか、重量物の移送を行うインセルクレーン,試験機などの機器の操作や保守を行うためのパワーマニプレータが備え付けられており、これらの設備においても故障等を想定した遠隔保守技術が取り入れられている。本報では、インセルクレーン,パワーマニプレータを中心とした大型ホットラボにおける遠隔保守技術の概要,操業開始から30年間に渡る運転保守管理の実績に基づく保全方法の確立について述べる。

論文

Analysis of NO$$_{3}$$ interception of the parasitic angiosperm ${it Orobanche}$ spp. using a positron-emitting tracer imaging system and $$^{13}$$NO$$_{3}$$$$^{-}$$; A New method for the visualization and quantitative analysis of the NO$$_{3}$$ interception ratio

河地 有木; 藤巻 秀; 阪本 浩一*; 石岡 典子; 松橋 信平; 関本 均*

Soil Science and Plant Nutrition, 54(3), p.408 - 416, 2008/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:33.19(Plant Sciences)

全寄生性のオロバンキ(${it Orobanche}$)は植物根に寄生し農業生産に多大な被害を及ぼしており、そのメカニズムの解明は的確な防除法の確立にとどまらず植物生理学上有用である。本研究ではホスト植物根の窒素栄養の収奪を非侵襲的に可視化し、その収奪率を定量解析することを目的とし、ポジトロンイメージング法(PETIS)において複数核種($$^{13}$$NO$$_{3}$$$$^{-}$$, $$^{18}$$F$$^{-}$$)を用いた解析手法を確立した。オロバンキをアカクローバー根茎に寄生させ$$^{13}$$NO$$_{3}$$$$^{-}$$に続いて$$^{18}$$F$$^{-}$$を吸収させて、オロバンキへの分配と茎葉基部への移行を可視化し各トレーサの動態を数理解析した。その結果、73.6$$pm$$3.9%の窒素栄養素収奪率が定量された。本手法は短半減期核種による繰り返し計測が可能なPETISの特色を活かした新たな解析法であり、得られる定量値は根寄生植物によるホスト植物からの栄養素の収奪を明らかにし、さらには寄生植物の生存戦略や宿主認識メカニズムまでも"可視化"するものである。

論文

Imaging of parallel routes of photoassimilate transport in an intact plant body

藤巻 秀; 阪本 浩一; 河地 有木; 石井 里美; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 渡辺 智; 松橋 信平

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 126, 2007/02

アサの同一個体において、上下に隣接する2枚の葉に$$^{11}$$CO$$_{2}$$を前後して投与し、葉から輸送される光合成産物の動きをそれぞれイメージングした。両ケースの輸送経路,輸送速度を比較・解析した結果、これらの輸送経路は一部で互いに逆向きの流れが平行して走っている部分があることが明らかになり、このことから相互の連絡が密でないことが推測された。

論文

Kinetic analysis for studying photosynthesis in a leaf using $$^{11}$$CO$$_{2}$$ and positron emitting tracer imaging system

河地 有木; 阪本 浩一*; 石井 里美; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 松橋 信平

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 131, 2007/02

植物の光合成機能の環境応答を生体組織・器官レベルで解明することは、農学的に重要であるだけでなく、植物生理学における栄養素収支の理解のためにも重要である。これまでにポジトロンイメージング動態解析研究グループでは植物中の炭素動態の可視化に成功しており、光合成産物の輸送・分配の解析が可能にした。本研究では輸送源である葉に注目し、葉における炭素動態を解析することで光合成における主要プロセスである「二酸化炭素固定」及び「光合成産物送り出し」を算出した。本手法は光合成機能を非侵襲的かつ定量的に取得でき、さらにさまざまな環境下における同一個体による繰り返し測定が可能であるという利点を持つ。実証実験を行うことで光環境に応答する光合成機能の定量が可能なことが明らかになった。

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