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浅田 直輝; 佐々木 俊一; 良知 玲生奈; 小森 剛史; 鈴木 久規; 竹内 謙二; 内田 直樹
日本保全学会第20回学術講演会要旨集, p.5 - 8, 2024/08
廃止措置段階にある東海再処理施設において、放射性物質の漏えい及び拡散により周辺環境に影響を及ぼすリスクが集中している高放射性廃液貯蔵場(HAW)、ガラス固化技術開発施設(TVF)について、地震及び津波から守るため安全対策を最優先で講じる必要がある。また、両施設の重要な安全機能(閉じ込め機能及び崩壊熱除去機能)を維持するため、事故対処設備を用いて必要な電力やユーティリティを確保する保管場所及びアクセスルートを設置する必要がある。このため、安全対策の一環として自然災害時にも安全機能を維持するための事故対処設備の保管場所の地盤について、廃止措置計画に基づき地震及び津波に耐えられるよう中層混合処理工とセメント改良土による地盤改良を行うことにより耐震性、耐津波性を向上させた。
横内 優; 佐々木 俊一; 柳橋 太; 浅田 直輝; 小森 剛史; 藤枝 定男; 鈴木 久規; 竹内 謙二; 内田 直樹
日本保全学会第20回学術講演会要旨集, p.1 - 4, 2024/08
廃止措置段階に移行している東海再処理施設では、使用済核燃料の再処理で発生した大量の高放射性廃液(HLLW)を高放射性廃液貯蔵場(HAW)に保管している。HLLWはガラス固化が完了するまで放射性物質のリスクがHAWに集中しており、地震などの自然災害によりHAWの冷却機能が損なわれる恐れがあるため、HAW及び配管トレンチ周辺地盤をコンクリートで置換し、耐震性を向上させる必要がある。本工事は、2020年7月から始まり、2024年3月に完了した。本報告書は、工事の概要と工事後の点検結果について述べる。
大森 一樹; 山内 祥; 柳橋 太; 佐々木 俊一; 和田 拓也; 鈴木 久規; 堂村 和幸; 竹内 謙二
日本保全学会第18回学術講演会要旨集, p.245 - 248, 2022/07
廃止措置段階に移行した東海再処理施設においては、高放射性廃液貯蔵場に多量の高放射性廃液を保管している。高放射性廃液によるリスク低減のためのガラス固化処置を鋭意実施しているものの、高放射性廃液の処理が完了しリスクが無くなるまでには20年程度の期間を要することから、重要な安全機能(閉じ込め機能及び崩壊熱除去機能)が損なわれることのないよう、地震に対する安全性向上対策を図ることを最優先の課題としている。耐震評価の結果、高放射性廃液貯蔵場建家自体は耐震性を有するものの、建物と地盤に作用する拘束力が不足するおそれがあることから、高放射性廃液貯蔵場周辺の地盤をコンクリートで置換する工事を行こととした。工事にあたっては、既設埋設物を防護する対策や、近傍で実施する他工事との調整など、安全と品質を確保しながら工事を行う必要があったため、専属のチームを設置し、工程管理,保安管理の対応を図った。
高橋 直樹; 鈴木 惣十; 齋藤 拓人; 上野 隆; 阿部 定好; 山中 淳至; 谷川 聖史; 中村 大司; 佐々木 俊一; 峯 忠治
日本原子力学会ホームページ(インターネット), 20 Pages, 2017/05
本資料は、平成28年度技術士試験(原子力・放射線部門)一次試験受験を志す者への学習支援を目的とし、平成27年度に実施された技術士試験(原子力・放射線部門)一次試験の出題傾向分析や学習方法等についての全体解説、専門科目の解答と解説を行うものである。なお、本資料は技術士制度の普及と技術士育成を目的とした日本原子力学会から日本技術士会(原子力・放射線部会)への依頼に基づき、原子力機構所属の技術士等が作成を行ったものである。
工藤 淳也; 倉林 和啓; 柳橋 太; 佐々木 俊一; 佐藤 武彦; 藤本 郁夫; 大部 智行
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 6 Pages, 2017/04
コプロセッシング法とは、プロセス内で常にPuにUを同伴させて共回収を行うことにより核拡散抵抗性を向上させた、将来の再処理施設の抽出法である。Npはマイナーアクチノイドのひとつであり、半減期が長く、トリブチルリン酸(TBP)への抽出性を有する。Npを回収することで高放射性廃液の有害度が低減できるため、U及びPuに加えNpを共回収するフローシートの開発を実施した。本プロセス開発では、軽水炉、軽水炉-MOX及び高速炉から発生する使用済み燃料に対応するため、Pu含有率の異なる溶解液に対して、製品のPu/U比を一定で回収する、1サイクルフローシートの開発を目指している。我々は、分配サイクルを対象に、Pu含有率1%, 3%及び5%の装荷溶媒を小型の還流型遠心抽出器で試験した。試験の結果、Npの還元剤に硝酸ヒドロキシルアミン(HAN)を使用することで、U, Pu及びNpの共回収を達成した。これにより、開発したU, Pu, Np共回収フローシートの技術的成立性を確認した。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 畑山 明聖*; 柴田 崇統*; 山本 崇史*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; et al.
Fusion Engineering and Design, 96-97, p.616 - 619, 2015/10
被引用回数:13 パーセンタイル:71.17(Nuclear Science & Technology)JT-60SAのプラズマ加熱および電流駆動装置として利用する世界最大の負イオン源では、要求値となる22Aの大電流負イオンビームの100秒生成を目指している。そのためには、40cm110cm(全1000穴)のビーム引出面積から生成されるビームの一様性を改善する必要がある。そこで、負イオンビームの親粒子である水素原子および水素イオンをより一様に生成するために、磁場分布・高速電子分布計算結果および実験結果に基づいて、従来の横磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造に改良した。これにより、全プラズマ電極に対する一様な領域は、従来よりも1.5倍まで改良し、この一様な領域からJT-60SAの要求値を満たす22Aのビーム生成を可能にした。このときのビーム電流密度は210A/mであり、これはITERの負イオン源にて要求される200A/mをも満たすビーム生成に成功した。
小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06
被引用回数:44 パーセンタイル:88.95(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/mの負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。
秋野 昇; 遠藤 安栄; 花田 磨砂也; 河合 視己人*; 椛澤 稔; 菊池 勝美*; 小島 有志; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
JAEA-Technology 2014-042, 73 Pages, 2015/02
日欧の国際共同プロジェクトであるJT-60SA計画に従い、JT-60実験棟本体室・組立室及び周辺区域に設置されている中性粒子入射加熱装置(NBI加熱装置)の解体・撤去、及びその後の保管管理のための収納を、2009年11月に開始し計画通りに2012年1月に終了した。本報告は、NBI加熱装置の解体・収納について報告する。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B314_1 - 02B314_4, 2014/02
被引用回数:15 パーセンタイル:53.96(Instruments & Instrumentation)負イオン中性入射装置では、JT-60SAにて要求される22Aの大電流を生成するために、負イオン源内の負イオンビームの一様性を改善する必要がある。本研究では、イオン源の磁場構造を従来のカスプ磁場配位からテント型磁場配位に改良した。磁場構造を改良することによって、負イオンビームの一様性を負イオンの生成効率を劣化させることなく、10%以下に改善することができた。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 8(Sp.1), p.2405146_1 - 2405146_4, 2013/11
本研究では、JT-60負イオン源の端部から引き出される負イオンビームの密度が低い原因を明らかにするために、負イオン源内での負イオン生成の元となる水素イオン及び水素原子の密度分布を静電プローブ及び分光計測にて調べた。またフィラメントから電子の軌道分布を計算コードにて求めた。その結果、負イオンビームの密度が低くなる原因は、電子のBgrad Bドリフトによって負イオンが非一様に生成されるためであることがわかった。また、負イオンビームが電子数の多い端部では高密度の負イオンを、電子数の少ない反対側の端部では低密度の負イオンを引き出すために歪んでしまい、接地電極に当たっていることも明らかとなった。
佐々木 駿一; 小島 有志; 清水 達夫; 河合 視己人*; 花田 磨砂也
JAEA-Technology 2012-040, 26 Pages, 2013/01
JT-60U負イオンNBI加速器では、500kV三段静電加速器の高電圧コンディショニングの際に絶縁破壊が高い頻度で発生する。この絶縁破壊は電源の負荷短絡であり、それに伴い発生するサージノイズによりNBI自身の機器や他設備機器の誤動作障害が起っている。今回、加速器の絶縁破壊時の主なノイズ発生源と考えられる加速器保護用球ギャップの放電について、試験回路を用いて発生するノイズの特性を測定した。さらに、加速器保護用球ギャップ側でのノイズ抑制とノイズにより誤動作する機器側での具体的対策の検討を行い、その効果を定量的に評価した。これらの結果、保護用球ギャップの絶縁破壊時に発生するノイズは空間や接地ラインを通して他の機器へ流入し、誤動作を引き起こしていることがわかった。このノイズを低減するために、加速器保護用球ギャップの接地極側に放電電流抑制用抵抗を挿入した。その結果、放電破壊時に発生するノイズを低減できることを確認した。本対策により、被害機器の誤動作発生確率を100%から15%程度に低減できた。また、被害機器側での対策として信号線の接地側にフェライトコアと巻線50ターン程度から成るサージ抑制チョークを挿入することで、機器の誤動作発生確率を100%から10%程度に低減できた。
花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10
被引用回数:14 パーセンタイル:68.51(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。
花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 椛澤 稔; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.536 - 544, 2011/09
被引用回数:7 パーセンタイル:84.47(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射(NBI)装置と1基の負イオンNBI装置を用いて、合計30-34MWの重水素中性粒子ビームを100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIに関しては、JT-60SAの設計値である1基あたり2MW, 85keVの重水素中性粒子ビームの入射を達成している。その際、イオン源やイオンダンプ等のビームライン機器は、100秒入射が要求されるJT-60SAで既存の装置を改造することなく再使用できる見通しを得ている。また、10MW, 500keV入射が要求されているJT-60SAの負イオンNBI装置のための開発においては、500keV, 2.8Aの水素負イオンビーム生成に成功している。これは、1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。今後、実験装置を整備し、負イオンの100秒間生成のための開発研究を実施する予定である。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08
被引用回数:53 パーセンタイル:88.45(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
花田 磨砂也; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 菊池 勝美; 小又 将夫; 小島 有志; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.208 - 213, 2010/08
原子力機構では、JT-60SAに向けた負イオンNBI装置の開発及び設計を進めている。特に、開発に関しては、500keV, 22Aの重水素負イオンビームの生成に向けて、既存のJT-60負イオン源を改良し、JT-60負イオンNBI装置に取り付けて、試験を行っている。現在、開発の最優先課題である負イオン源の高エネルギー化を精力的に進めている。負イオン源内の電極間のギャップ長を従来よりも伸張することによって、イオン源に印加可能な加速電圧を従来の400kVから要求性能である500kVまで改善した。加えて、イオン引き出し領域の1/5を用いて、世界に先駆けて、500keV, 3Aの高エネルギー水素負イオンビームの生成に成功した。負イオン源の高エネルギー化と並行して、JT-60SAにおける100秒入射に向けて、既設のJT-60負イオンNBI装置の長パルス化を図った。負イオン源内の電極熱負荷を従来より20%低減し、同装置の限界である30秒入射を実現した。その結果、入射時間とパワーの積である入射エネルギーは世界最大値80MJに到達し、プラズマの高性能化に大きく貢献した。
小林 薫; 花田 磨砂也; 秋野 昇; 佐々木 駿一; 池田 佳隆; 高橋 昌宏*; 山納 康*; 小林 信一*; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 16(3), p.871 - 875, 2009/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.99(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60U負イオン源の耐電圧研究の一環として、3段静電加速器(500kV, 22A)の絶縁破壊位置について実験的に検討した。この加速器の特徴は、大型加速電極(面積: 0.28m)と大型FRP絶縁体(直径: 1.8m)を用いている点にある。各加速段に高電圧を印加して耐電圧を調べた。その結果、すべての加速段で130kVの耐電圧であり、各加速段で耐電圧特性に有意な差は見られなかった。そこで、絶縁破壊位置が加速電極かFRP絶縁体のどちらであるかを絞り込むために、加速器から加速電極を取り外してFRP絶縁体のみにして高電圧を印加した。FRP絶縁体の耐電圧は、すべての加速段で設計値である170kVに到達した。これらの結果より、加速器の絶縁破壊は、大型加速電極のギャップ間でおもに発生していることが明らかになった。さらに、非均一電場や多段加速電極が耐電圧に及ぼす影響についても検討した。
池田 佳隆; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 小林 薫; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; 井上 多加志; 本田 敦; 河合 視己人; et al.
IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1519 - 1529, 2008/08
被引用回数:12 パーセンタイル:43.17(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SA用負イオンNBI加熱装置(N-NBI)は、加速エネルギー500keV, 10MW, 100秒入射の性能が求められている。JT-60SA用N-NBIの実現には、3つの課題解決が必要である。1つはイオン源の耐電圧の改善である。最近のイオン源の耐電圧試験から、大型加速管ではその電極面積の大型化に伴い長時間のコンディショニングと電界強度の設計裕度が必要であることが明らかとなった。2つ目は、電極及びビームラインの熱負荷の低減である。最近の研究によりビーム同士の空間電荷効果でビーム軌道が曲げられ電極に衝突し、熱負荷を増加していることが明らかとなった。これは空間電荷効果を考慮した3次元ビーム軌道計算に基づき電極構造を補正することで改善できる。3つ目は、100秒間の安定な負イオン生成である。このため負イオン生成に不可欠なプラズマ電極の温度制御方式を提案した。これらのR&Dを行い、JT-60SA用N-NBIのイオン源は2015年から改造を予定している。
小林 薫; 花田 磨砂也; 鎌田 正輝; 秋野 昇; 佐々木 駿一; 池田 佳隆
JAEA-Technology 2008-042, 25 Pages, 2008/06
JT-60U負イオン源の耐電圧改善化研究の一環として、負イオン源加速器の絶縁破壊位置について実験的に調べた。本加速器の特長は、大面積多孔電極(0.45m1.1m)を有する3段の静電式加速器であり、絶縁材として内径1.8mの大型FRP絶縁体を用いている点である。試験では、加速段ごとに高電圧を印加し、絶縁破壊位置をCCDカメラやアクリル板の電子励起発光から詳細に調べた。各段の耐電圧は、ほぼ同等の120130kVであり、設計加速電圧167kVより低かった。絶縁破壊位置を絞り込むために、加速器から加速電極とその支持枠を取り除きFRP絶縁体のみにして高電圧を印加した。FRP絶縁体の耐電圧は、少ないコンディショニング時間で167kVに到達した。これらの結果から、絶縁破壊位置はおもに加速電極か支持枠で発生していることがわかった。さらに絶縁破壊位置が加速電極間か支持枠間かの同定に関しては、CCDカメラやアクリル板で観測された光の位置から、第1及び第2加速ギャップでは、放電破壊位置は加速電極支持枠で発生している可能性が高いことがわかった。一方、第3加速ギャップに関しては、絶縁破壊の多くは加速電極間で発生することが明らかとなった。
市毛 尚志; 本田 正男; 佐々木 駿一; 竹永 秀信; 松沢 行洋; 芳賀 三郎; 石毛 洋一
JAEA-Technology 2007-037, 16 Pages, 2007/07
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)では、密度制御性の向上及び2003年度から開始した長時間放電(65秒)に対応するため、ペレット入射装置の高周波数化・長時間化を進めた。従来の装置では、ピストン式ペレット生成器のペレット押し出し速度と容量により、それぞれ入射周波数と入射時間が制限されていた。そこで、高速でペレットの連続生成が可能であり、ほかの核融合実験装置で運転実績のあるスクリュー式ペレット生成器(ロシア製)を既存のペレット入射装置に適用,設置した。改造作業の効率等の観点からペレット入射装置本体の一部をJT-60本体室から移設した後、スクリュー式への交換を行いペレット棒の連続生成試験を実施した。燃料に重水素ガスを使用した試験の結果、JT-60Uで使用するのに十分なスクリュー式ペレット生成器の連続生成機能(330秒以上)を確認した。