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佐々木 悠人*; 佐野 亜々留; 佐々木 新治; 岩本 信之; 大内 和希; 北辻 章浩; 高木 直行*; 前田 茂貴
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(4), p.509 - 520, 2024/04
被引用回数:4 パーセンタイル:87.43(Nuclear Science & Technology)Acは医薬品向け放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Raの中性子照射によるAc製造量評価、RaからAcを効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰並びに核反応断面積及び解析の不確かさを考慮しても十分なAc製造が可能なこと及びDGAレジンを吸着材として用いることにより、Ra及び照射により生成が予想される不純物を除去しAcを単離できる見通しについて報告する。また、医療側のニーズを踏まえた製造量についても報告する。
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 岡本 芳浩; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Materials, 589, p.154862_1 - 154862_10, 2024/02
被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉構造材料のステンレス鋼成分である鉄とUOの高温反応により生成したFeUO化合物の溶解挙動を大気条件下で調べた。化合物はUOとFeOを出発原料として電気炉で調製し、X線回折、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法、X線吸収微細構造分光法を用いて固体状態を分析した。FeUO化合物の浸出試験を最長3か月行い、水中に溶存する核種の濃度を調べた。FeUOの溶解の初期段階で3価のFeイオンと5価のUイオンの間で酸化還元反応が起こることが提案された。還元された2価のFeイオンは、溶存酸素の存在下で最終的に3価のイオンに酸化され、水酸化鉄がFeの溶解度を制限することが熱力学的に推論された。一方、6価のU(すなわちウラニルイオン)の濃度は、メタショエパイトやウラン酸ナトリウムなどの二次鉱物の存在によって制限され、その後、Fe酸化物などへの収着によって減少したと考えられる。RuやCeなどの核分裂生成物の多価イオン濃度も減少したが、これは上記の理由によるものと考えられる。一方、可溶性Csイオンの濃度は減少しなかった。この解釈の妥当性は、参照試料(Feを含まないUO)の溶解挙動と比較することで裏付けられた。
池内 宏知; 佐々木 新治; 大西 貴士; 仲吉 彬; 荒井 陽一; 佐藤 拓未; 多木 寛; 関尾 佳弘; 山口 祐加子; 森下 一喜; et al.
JAEA-Data/Code 2023-005, 418 Pages, 2023/12
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の廃炉作業を安全かつ着実に実施するためには、炉内で生成した燃料デブリの組成や物理的・化学的特性等の性状を把握し、燃料デブリの取り出しや収納・保管等の実際の廃炉作業を検討するプロジェクトに提供していく必要がある。この目的から、1F2号機の内部調査で取得された付着物や堆積物等の汚染物サンプルを用いて、サンプル中の成分の把握及び燃料由来のウランを含む微粒子(U含有粒子)の詳細観察を行った。本報告書は、サンプルの成分由来やU含有粒子の生成過程等の解析評価に供するため、2021年度に得られた分析結果として、FE-SEM/WDX、FE-SEM/EDX、TEM/STEM-EDXによる詳細観察画像や元素分析結果、放射線測定結果及びICP-MSによる元素分析結果をデータベースとしてまとめたものである。
野崎 洋*; 近藤 広規*; 篠原 武尚; 瀬戸山 大吾*; 松本 吉弘*; 佐々木 厳*; 伊勢川 和久*; 林田 洋寿*
Scientific Reports (Internet), 13, p.22082_1 - 22082_8, 2023/12
被引用回数:2 パーセンタイル:29.93(Multidisciplinary Sciences)Lithium ion batteries (LIBs) have become essential components that power most current technologies, thus making various safety evaluations necessary to ensure their safe use. Heating tests remain the most prominent source of safety issues. However, information on the phenomena occurring inside batteries during heating has remained inaccessible. In this study, we demonstrate the first in situ neutron imaging method to observe the internal structural deformation of LIBs during heating. We developed an airtight Al chamber specially designed to prevent radioactive contamination during in situ neutron imaging. We successfully observed the liquid electrolyte fluctuation inside a battery sample and the deformation of the protective plastic film upon heating up to thermal runaway.
佐藤 修彰*; 桐島 陽*; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 上原 章寛*; 武田 志乃*; 北辻 章浩; 音部 治幹; 小林 大志*
トリウム,プルトニウムおよびMAの化学, 254 Pages, 2022/03
核燃料物質としてトリウム(第1部)やプルトニウム(第2部)の化学について、固体化学や溶液化学といった基礎から、実験方法、評価方法、燃料サイクルなど応用について詳細に述べる。さらに、第3部としてMA(マイナーアクチノイド: Np, Am, Cm, Pa)についての固体化学や溶液化学を紹介する。
川崎 陸*; 佐々木 善浩*; 西村 智貴*; 片桐 清文*; 森田 圭一*; 関根 由莉奈; 澤田 晋一*; 向井 貞篤*; 秋吉 一成*
Advanced Healthcare Materials, 10(9), p.2001988_1 - 2001988_8, 2021/05
被引用回数:11 パーセンタイル:55.13(Engineering, Biomedical)機能性タンパク質の細胞内送達である「タンパク質形質導入」のためのシステムは、タンパク質治療の送達可能性の課題に対処するために必要であるが、in vivoでのタンパク質導入は依然として困難である。本研究では、酸化鉄ナノ粒子と多糖類ナノゲルで構成される磁性ナノゲルシャペロン(MC)を使用した磁気誘導in vivoタンパク質形質導入システムを開発した。口腔癌モデルを用いた実験により、本MCシステムが癌治療に有用であることが示された。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 北辻 章浩; 伊藤 圭祐*; 吉塚 和治*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 28(2), p.121 - 131, 2021/00
被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Chemistry, Multidisciplinary)Csは高レベル廃液中で分離対象元素の一つである。しかし、Csはアルカリ金属に属し分離が難しい元素である。DtBuDB18C6はCs抽出に有効な化合物であるとされる。しかし、プロセスで用いられる希釈剤(ドデカンやオクタノール)への溶解度が低く、利用しづらく、他の希釈剤を検討した。その結果、ケトン,エーテル,エステル系の溶媒中にDtBuDB18C6の溶解度は高く、また、ケトン,アルコールを用いる場合、Cs分配比は比較的高いことが分かった。それぞれの抽出溶媒を用いて、Csの分配挙動,抽出条件,抽出容量などを検討した。
岡留 善裕; 青山 佳男; 佐々木 悠; 福嶋 峰夫
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 6 Pages, 2017/04
Electric Hydraulic Control fluid (EHC Oil) is used as the working fluid in the high-pressure EHC system on steam turbine-generator unit of nuclear power plant. Disposal EHC Oil is stored as radioactive secondary waste and can be incinerated, however phosphorous compounds will be generated. Phosphorous compounds causes corrosion of incinerator wall and clogging of filter. The objective of this study is to develop the treatment for the disposal EHC Oil using steam-reforming system which has a potential for reduction of radioactive secondary waste. We conducted the treatment test using EHC Oil and n-dodecane mixture as simulated disposal EHC Oil with 3.5wt% of phosphorus compounds. We measured the weight reduction rate of the simulated disposal EHC Oil in the gasification chamber. As the results, more than 99% of the simulated disposal EHC Oil was gasified from the gasification chamber at temperature of 600 or more.
関根 由莉奈; 遠藤 仁*; 岩瀬 裕希*; 竹田 茂生*; 向井 貞篤*; 深澤 裕; Littrell, K. C.*; 佐々木 善浩*; 秋吉 一成*
Journal of Physical Chemistry B, 120(46), p.11996 - 12002, 2016/11
被引用回数:11 パーセンタイル:28.08(Chemistry, Physical)コントラスト変調中性子小角散乱法を用いてコレステロール置換プルラン(CHP)が形成するナノゲルの内部微細構造の評価を行った。溶媒の重水分率の異なるCHPナノゲル水溶液の散乱強度を分離してCHPナノゲルを構成するプルラン、コレステロール、プルランーコレステロールのcross-termの部分散乱関数を求めて解析を行った。結果、プルラン鎖が形成するナノゲル骨格は半径8.1nmの大きさであった。また、CHPナノゲル内において、約3個のコレステロール分子から成る架橋点が19個形成され、フラクタル次元2.6で分布していることを明らかにした。また、架橋点と高分子鎖のcross-termを解析したところ、部分鎖の大きさは半径約1.7nmであった。以上の結果より、ナノゲルの内部微細構造を明らかにした。
本多 和茂*; 種市 周平*; 前田 智雄*; 後藤 聡*; 鹿内 靖浩*; 佐々木 和也*; 野澤 樹; 長谷 純宏
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 107, 2016/02
シネンシス系デルフィニウム品種の種子にイオンビームを照射し、照射強度、倍数性の違いが照射当代の変異出現におよぼす影響についての基礎的な知見を得るための調査を行った。今回照射を行なった条件では実生個体の生存率の低下は見られなかったが、調査を行った一部の形質において照射強度、倍数性の違いによる差が観察された。また、種子稔性の低下は生じず、照射個体に由来する次世代の種子を多く得ることができた。
佐々木 祐二; 北辻 章浩; 須郷 由美; 津幡 靖宏; 鈴木 智也; 木村 貴海; 森田 泰治
Proceedings of 20th International Solvent Extraction Conference (ISEC 2014), p.431 - 435, 2014/09
ポダンド系を含む8種の異なる抽出剤を開発し、アクチノイド元素に対する分配比を比較した。抽出に関して化合物の中心骨格が大きく影響し、この中でジグリコールアミド(DGA)化合物が最も高い分配比を示した。加えて、DGA化合物の窒素原子に結合する置換基の効果について検討した。立体障害や水素結合などを持つような化合物によるアクチノイドの分配比は低いことが示唆された。
佐々木 祐二; 津幡 靖宏; 北辻 章浩; 須郷 由美; 白数 訓子; 池田 泰久*; 川崎 武志*; 鈴木 智也*; 三村 均*; 臼田 重和*; et al.
JAEA-Research 2014-008, 220 Pages, 2014/06
文部科学省からの委託事業、原子力システム研究開発事業で行った研究「疎水性,親水性新規ジアミド化合物によるMA相互分離技術開発」3年間の成果をまとめる。本事業は次の3つのテーマからなる、(1)MA+Ln一括分離技術開発:DOODA基礎特性評価、(2)Am/Cm/Ln相互分離技術開発: Ln錯体の基礎特性評価,溶媒抽出分離法,抽出クロマトグラフィー法、(3)分離技術評価: プロセス評価。(1)では新規抽出剤であるDOODAの基礎特性の成果をまとめた。(2)では新規配位子が配位した金属錯体の構造解析結果、抽出剤を使った溶媒抽出結果、及び抽出クロマトグラフィーでのカラム分離結果をまとめた。(3)ではこれら結果を総合して相互分離フローを作成し、それぞれフラクションの元素量,放射能量,発熱量の評価を行った。
長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 海堀 岳史; 守田 利昌; 佐々木 明; 寺川 康太*; et al.
X-Ray Lasers 2012; Springer Proceedings in Physics, Vol.147, p.117 - 120, 2014/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)フェムト秒レーザーによるアブレーションダイナミクスは数値シミュレーションによる予測が多数されているが、観測が困難であるため実験的な解明が遅れている分野である。われわれはフェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブを用いた時間分解軟X線反射イメージング光学系を構築し、白金におけるアブレーションダイナミクスの観測を行った。ガウス型の強度分布を持ったフェムト秒レーザー光照射によって、スポット内の局所フルエンスの違いに起因した軟X線反射率の時間発展の違いを観測することに世界で初めて成功した。
駒 義和; 芦田 敬; 目黒 義弘; 宮本 泰明; 佐々木 紀樹; 山岸 功; 亀尾 裕; 寺田 敦彦; 檜山 敏明; 小山 智造; et al.
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference; Nuclear Energy at a Crossroads (GLOBAL 2013) (CD-ROM), p.736 - 743, 2013/09
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い発生した廃棄物の管理に関して、原子力機構が進めている研究開発の成果を概観する。
佐々木 祐二; 津幡 靖宏; 北辻 章浩; 須郷 由美; 白数 訓子; 森田 泰治
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference; Nuclear Energy at a Crossroads (GLOBAL 2013) (CD-ROM), p.1079 - 1082, 2013/09
高レベル廃液中のAm/Cm/Ln相互分離はその後燃料製造、核変換することで、資源有効利用や環境負荷低減を導く。しかしながらこれら元素は化学的挙動が酷似し、相互分離は困難とされる。我々はAn/Ln分離に有効なソフト配位原子の窒素を包含するNTAアミドを開発し、その分離性能を明らかにした。また、これと水溶性のTEDGAを溶媒抽出に同時に利用することで、Am/Cmに高い分離比を示すことも明らかにした。ここでは、これらの結果についての詳細を報告する。
岡村 正愛*; 中山 真義*; 梅基 直行*; Cano, E. A.*; 長谷 純宏; 西崎 雄三*; 佐々木 伸大*; 小関 良宏*
Euphytica, 191(1), p.45 - 56, 2013/05
被引用回数:28 パーセンタイル:78.89(Agronomy)液胞内アントシアニン凝集(AVI)によって特殊なdusky花色を発色するカーネーション系統がわずかではあるが知られている。特殊花色は非アシル化アントシアニンを含むAVIの存在と強く相関のある単一劣勢因子によって支配されることが遺伝様式から示唆されている。われわれは、カーネーションの特殊花色を多様化するため、交配育種によって新奇なメタリック花色を発色する青色系カーネーションを作出した。さらに、この系統にイオンビームを照射することにより、赤,赤紫及びクリムゾン系のメタリック花色系統を作出した。すべてのメタリック花色系統はアントシアニンマリル基転移酵素の転写産物を持たなかった。また、dusky花色のカーネーションと比べて、強く凝集したAVIと透明の液胞を持つ向軸側の表皮細胞を有していた。これらの結果から、(1)AVIを生成する因子はアントシアニンマリル基転移酵素の不活化によること、(2)向軸側表皮細胞のAVIがメタリック調花色を発色すること、(3)イオンビームがアントシアニン構造とAVIの凝集程度を変化することにより、メタリック花色の拡大に有用であることを示した。
佐々木 祐二; 津幡 靖宏; 北辻 章浩; 森田 泰治
Chemistry Letters, 42(1), p.91 - 92, 2013/01
被引用回数:50 パーセンタイル:77.41(Chemistry, Multidisciplinary)新規なN-ドナー抽出剤、NTAアミドを開発し、Am-Cm-Ln相互分離に用いた。0.1-0.2M HNO条件で、高いAn-Ln分離比を確認し、これはNTAアミドへのプロトネーションがAn-Ln分離に重要と考えられる。NTAアミドは通常条件下で安定であり、高いAn-Ln分離比を持つ安定な化合物を得ることができた。また、NTAアミドと水溶性ジグリコールアミドを併用し、世界的に見ても高いAm-Cm分離比(6.5)を確認することができた。以上のことからNTAアミドはAm-Cm-Ln分離において有望な化合物であることを確認した。
逢坂 正彦; 堂野前 貴子; 市川 正一; 佐々木 新治; 石見 明洋; 井上 利彦; 関尾 佳弘; 三輪 周平; 大西 貴士; 浅賀 健男; et al.
Proceedings of 1st Asian Nuclear Fuel Conference (ANFC), 2 Pages, 2012/03
原子力機構大洗ホットラボにおける原子力人材育成のためのサポート制度(FEETS)について紹介する。施設の特徴の整理及びユーザーニーズの調査結果に基づいて制度を構築した。FEETSによりサポートされた種々の人材育成プログラムについて紹介する。
佐々木 祐二; 津幡 靖宏; 北辻 章浩; 須郷 由美; 白数 訓子; 森田 泰治
Procedia Chemistry, 7, p.380 - 386, 2012/00
被引用回数:8 パーセンタイル:91.69(Chemistry, Analytical)高レベル廃液中のAm, Cm及びランタノイドは異なる処分方法が検討される、すなわちAmは核変換、Cmは中間貯蔵、そしてランタノイドは地層処分。このため、個別に分離する必要があるがこれら元素は化学的性質が酷似しているため分離は困難とされてきた。われわれは水溶性と疎水性の化合物の両方を一つの抽出系に加えて相乗効果による効率的な分離方法を検討してきた。ここでは、DOODAとDGA化合物等による分離を検討しその成果を報告する。
佐々木 祐二; 北辻 章浩; 須郷 由美; 津幡 靖宏; 木村 貴海; 森田 泰治
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 19, p.51 - 61, 2012/00
多くの中心骨格を持つジアミド,リン酸化物抽出剤を用いてアクチノイドの溶媒抽出を行った。アクチノイドの溶媒抽出の結果から、6員環を形成し、2つのリン酸基を持つBDPPMが最も高い抽出性能を示した。一方、BDPPMはドデカンに溶解しない問題点を持つ。希釈剤への溶解性、合成の容易さ、使用後の燃焼処分の可能性、アクチノイドの抽出性能を考慮すると、ジグリコールアミド化合物が高レベル廃液からの抽出には有効であることが確認された。