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古谷 美紗; 米谷 達成; 中川 雅博; 上野 有美; 佐藤 淳也; 岩井 保則*
保健物理(インターネット), 55(2), p.97 - 101, 2020/06
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、放射性気体廃棄物中に存在するトリチウムガス(HT)をトリチウム水蒸気(HTO)に酸化するため、酸化触媒を600Cに加熱して使用している。本研究では、酸化触媒の加熱温度を低下させ、より安全なHモニタリング手法を確立することを目的として、疎水性Pd/SiO触媒, CuO触媒、及びPt/AlO触媒の異なる温度条件下における水素ガスに対する酸化効率を検証した。その結果、疎水性Pd/SiO触媒及びPt/AlO触媒の水素に対する酸化性能はCuO触媒と比較して優れており、25Cの室内温度条件下においても水素を十分に酸化する能力があることが明らかとなり、Hモニタリングにおける安全性の向上が期待できる。
大塚 康範*; 石川 貴規*; 田島 克洋*; 和田 哲*; 藍壇 オメル*; 渡嘉敷 直彦*; 佐藤 稔紀; 青柳 和平
Journal of Nepal Geological Society, 55(Special Issue), p.1 - 6, 2018/00
幌延地下研究施設の東立坑の底から掘削されたボーリング孔において、光学式ボアホールカメラに及び超音波式ボアホールカメラ(USS)による画像データを取得した。このうちUSSによる反射強度データの解析結果は、コアの針貫入試験の結果とよい一致を得た。また、この反射強度データから求めた反射強度特性値(Ave, Dev)は、岩盤評価を行う上で重要な自然由来のクラックとそれ以外の人工由来のクラックの判別が可能にすることが示された。
枝尾 祐希; 佐藤 克美; 岩井 保則; 林 巧
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(11), p.1831 - 1838, 2016/11
被引用回数:8 パーセンタイル:59.95(Nuclear Science & Technology)Detritiation system of a nuclear fusion plant is mandatory to be designed and qualified taking all the possible extraordinary situations in addition to that in a normal condition carefully into consideration. We focused on the change in efficiency of tritium oxidation of a catalytic reactor in an event of fire where the air accompanied with hydrocarbons, water vapor and tritium is fed into a catalytic reactor at the same time. Our test results indicated; (1) tritiated hydrocarbon produces significantly by reaction between tritium and hydrocarbons in a catalytic reactor; (2) there is little possibility of degradation in detritiation performance due to tritiated hydrocarbons produced in the catalyst reactor are combusted; (3) there is no possibility of uncontrollable rise in temperature of the catalytic reactor by heat of reactions; and (4) saturated water vapor enables to poison the catalyst temporarily and degrades the detritiation performance. Our investigation indicated a saturated water vapor condition without hydrocarbons would be the dominant scenario to determine the amount of catalyst for the design of catalytic reactor of the detritiation system.
上野 有美; 中川 雅博; 佐藤 淳也; 岩井 保則
保健物理, 51(1), p.7 - 11, 2016/03
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、放射性気体廃棄物中の炭素14(C)をCOへ酸化し捕集するため、酸化銅(CuO)触媒を600Cに加熱して使用している。我々は、酸化触媒の加熱温度を低下させ、より安全なCモニタリング手法を確立することを目的として、二酸化ケイ素(SiO)の表面に疎水化処理を施した疎水性パラジウム二酸化ケイ素(Pd/SiO)触媒を新たに開発した。その酸化性能についてCuO触媒,白金アルミナ(Pt/AlO)触媒,パラジウム二酸化ジルコニウム(Pd/ZrO)触媒および親水性Pd/SiO触媒と比較を行った。その結果、疎水性Pd/SiO触媒の酸化性能が最も優れていることが確認できた。現在使用しているCuO触媒を疎水性Pd/SiO触媒に変更することで、管理区域内で使用する加熱炉の温度を600Cから300Cへ低下させることができ、モニタリングの安全性を向上させることが可能となる。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1534 - 1538, 2014/10
被引用回数:8 パーセンタイル:53.13(Nuclear Science & Technology)デュポン社のナフィオンに代表されるイオン電解質膜はトリチウム水処理システムの電解セルに使用する重要な物質である。本研究ではイオン電解質膜であるナフィオンN117CS膜につき1.3810Bq/kgの高濃度トリチウム水に室温にて最長二年間浸漬させ、トリチウムベータ線による膜の劣化を観察した。高濃度トリチウム水に浸漬させた後のナフィオン膜はイオン伝導度が変化した。またラジカル反応により本来透明である膜が黄化する現象が見られた。FT-IR分析の結果、高濃度トリチウム水に浸漬させた後のナフィオン膜内に疎水性の可動性グループの形成が見られた。疎水性グループの形成により伝導度がトリチウム水浸漬後に変化したものと判断される。F NMR分析による高濃度トリチウム水に浸漬させた後のナフィオン膜の構造変化は同じ線量の線照射したものと同様であった。この結果はナフィオン膜フッ素構造の放射線による劣化において、トリチウムベータ線による劣化機構の特異性はないことを示している。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Science and Technology, 66(1), p.214 - 220, 2014/07
被引用回数:4 パーセンタイル:30.8(Nuclear Science & Technology)トリチウム化炭化水素の酸化プロセスに適用できるハニカム型パラジウム触媒を開発した。本研究ではパラジウム担持密度が反応速度に与える影響を精査するため2, 5, 10g/Lの三種類のパラジウム密度を持つ触媒を準備した。本研究では炭化水素としてトリチウム化メタンを使用した。ハニカム型パラジウム触媒におけるトリチウム化メタン酸化の総括反応速度係数を空間速度1000から6300h、メタン濃度0.004から100ppm,触媒温度322から673Kの範囲で流通式反応器を用いて評価した。触媒のパラジウム担持密度がトリチウム化メタン酸化の反応速度に与える影響はわずかであった。試験した空間速度の範囲では総括反応速度係数は空間速度に比例した。総括反応速度係数はメタン濃度が10ppm以下ではメタン濃度に依存しなかった。
岩井 保則; 久保 仁志*; 佐藤 克美; 大嶋 優輔*; 野口 宏史*; 谷内 淳一*
Proceedings of 7th Tokyo Conference on Advanced Catalytic Science and Technology (TOCAT-7) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2014/06
原子力施設で発生する水素やその同位体の燃焼処理を目的とした疎水性白金触媒を開発した。TKK-KNOITSという商品名を与えられた新型の疎水性水素燃焼触媒は水素燃焼において空気中の水蒸気や水ミスト、また燃焼反応により生成する水蒸気の影響を受けにくい。よって室温近傍の低温においても高い活性を維持し、水素を燃焼させることが可能である。TKK-KNOITS触媒は他の疎水性触媒と比較して極低濃度から高濃度までの幅広い水素濃度に適用可能であることを明らかとした。従来の高分子を担体とする疎水性白金触媒は高分子に特有の耐熱性の低さから水素燃焼用途に不向きであったが、TKK-KNOITS触媒は無機物質を担体としており、873Kまでの高い耐熱性を有していることを確認した。
山本 剛史; 橋本 慰登*; 芹沢 保典*; 稲本 修治*; 佐藤 和義; 杉江 達夫; 竹内 正樹; 河野 康則
Fusion Engineering and Design, 89(5), p.532 - 535, 2014/05
被引用回数:1 パーセンタイル:8.82(Nuclear Science & Technology)計測装置は、ITERのプラズマ制御や物理研究に欠かすことができない。ITER計測装置の統括制御システムは、ITERの中央制御システムからの指令に基づき、計測装置内の機器の制御を管理する重要なシステムである。著者らは、ITERの規格・基準に従いながら、計測装置の制御に関する要求事項を満たす統括システムを設計した。ITERでは、制御システムの構築にEPICSと呼ばれる制御・通信ライブラリを用いることとなっている。著者らは計測装置内の機器の運転の手順をフローチャートで記述し、それをEPICSへ変換する機能を考案した。これにより運転手順の容易な記述と制御システムの製作者の誤りをできる限り回避することが可能となった。また、中央制御システムとの規定された通信手順を基本に、計測装置に必要な機器の較正のために中央制御システムの制御指令を内部で模擬する機能及び計測機器の設定情報を管理するデータベースを設計した。さらに、ITERや計測機器の運転状態に対応して機器の運転制限値や機器間のインターロックを切り替える仕組みを提案した。
上野 有美; 小嵐 淳; 岩井 保則; 佐藤 淳也; 高橋 照彦; 澤畠 勝紀; 関田 勉; 小林 誠; 角田 昌彦; 菊地 正光
保健物理, 49(1), p.39 - 44, 2014/03
原子力科学研究所第4研究棟(RI施設)では、排気中のCを1か月間連続で捕集し、施設から大気中へ放出されるCのモニタリングを行っている。しかし、CuO触媒を600C以上に加熱する必要があることやモノエタノールアミン(MEA)が毒劇物に指定されていることから、管理区域内でのモニタリング手法として改良の余地が残っている。本試験では、異なる捕集剤を用いた捕集法の比較、使用する捕集剤の量とCO捕集効率の関係についての検討、異なる酸化触媒の異なる温度条件下における酸化性能の比較を行った。CO捕集剤の検討では、MEAに加えて、Carbo-Sorb Eを評価の対象とした。酸化触媒の検討では、CuO触媒に加えて、Ptアルミナ触媒、Pd/ZrO触媒を評価の対象とした。試験の結果、Carbo-Sorb Eはガスの通気による気化量が大きく、1か月の連続捕集には適さず、MEAは1か月間を通して安定したCO捕集能力があることが確認できた。各触媒の酸化効率を比較した結果、Pd/ZrO触媒のCHに対する酸化性能が最も優れており、加熱炉の温度を200C以上下げることができ、モニタリングの安全性を向上できる。
岩井 保則; 佐藤 克美; 河村 繕範; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 88(9-10), p.2319 - 2322, 2013/10
被引用回数:4 パーセンタイル:32.32(Nuclear Science & Technology)核融合炉から発生する高濃度トリチウム水はトリチウム水処理システムにて同位体濃縮・電気分解を行ったのち、水素同位体分離システムにて燃料純度にまで高度同位体濃縮を行うことでトリチウムの閉じ込め・再利用を図る。トリチウム水処理システムでは濃縮トリチウム水の電気分解を高分子電解セルにて行う。高分子電解セルのイオン電解質膜は高濃度トリチウム水と長期間接する代表的高分子膜であり、その放射線耐久性は幅広いアプローチ活動における研究項目となっている。本報告ではイオン電解質膜であるナフィオン膜につき1.3810Bq/kgの高濃度トリチウム水に浸漬させた場合の劣化挙動を調査し、同線量の線・電子線照射結果と比較することでトリチウム線による劣化の特異性の有無を考察した。高濃度トリチウム水浸漬によるイオン電解質膜ナフィオンの劣化について機械的強度・イオン交換能とも線・電子線による同線量照射時の劣化度と同一であることを明確に示し、懸念されていたトリチウムに由来する特異的な劣化は生じないことを明らかとした。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.946 - 950, 2012/08
被引用回数:7 パーセンタイル:48.18(Nuclear Science & Technology)核融合プラントにおける安全性確保のため、異常事象発生時においてもトリチウムを酸化する触媒の性能は維持する必要がある。火災時には電気ケーブル等から有機ガスが発生し、トリチウム酸化触媒の性能を阻害する可能性が指摘されてきた。これを踏まえて、白金アルミナ触媒及び原子力機構が企業と共同開発した疎水性白金触媒H1Pの二種につき、火災時の触媒の活性度変化を実験的に検証した。火災模擬試験から、火災時に発生する主要有機ガスはエチレン,メタン,ベンゼンであることを明らかとした。触媒温度423Kでは試験した二種の触媒とも火災による活性度低下は見られなかった。293Kでは火災初期に有機ガスの燃焼により、触媒の水素酸化反応速度の向上が見られた。H1Pは水分影響で反応速度が一時的に低下するものの、最終的にはもとの反応速度に戻り、火災により不可逆的な触媒性能の低下は生じないことを明らかとした。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Science and Technology, 62(1), p.83 - 88, 2012/07
被引用回数:3 パーセンタイル:24.86(Nuclear Science & Technology)トリチウム閉じ込めにかかわるトリチウム化有機物の化学的現象の解明において、トリチウム化有機物の機能的に閉じ込め、環境へのトリチウム化有機物の放出を低減するための技術開発は核融合の安全上において極めて重要な課題である。トリチウム化有機物の分解除去に適用できるPd/ZrO触媒を開発し、トリチウム化メタンの酸化反応における反応速度の測定を空間速度1200-7000h,メタン濃度0.004-100ppm,温度473-673Kの範囲にて実施した。Pd/ZrO触媒によるトリチウム化メタンの酸化では使用開始初期は顕著に高い反応速度を示すが、触媒を使用しつづけると反応速度は徐々に低減し、最終的に一定の反応速度を示すようになる。この反応速度の低下には触媒表面への水分吸着の影響が示唆された。長期間使用した触媒を用いた場合の総括反応速度係数はメタン濃度には依存せず、顕著な温度依存性を示した。また長期使用触媒の総括反応速度係数は反応ガス中の水蒸気濃度には依存しない傾向が見られた。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2164 - 2167, 2011/10
被引用回数:15 パーセンタイル:73.77(Nuclear Science & Technology)室温・飽和水蒸気雰囲気下で高い水素酸化活性を有する疎水型白金触媒を開発した。アルキルスチレン・ジビニルベンゼン共重合体上に白金を担持した新しいタイプの白金触媒(白金ASDBC触媒)は容積あたりの必要白金担持量が既存の疎水型白金触媒の半分まで低減させることに成功した。3GBq/mのトリチウムガスを用いた室温酸化試験を乾燥及び飽和水蒸気の両雰囲気下で実施した。室温における総括反応速度係数は実験を行った空間速度7500hまでの領域では空間速度に比例した。室温・飽和水蒸気雰囲気下におけるトリチウム酸化では従来触媒で見られた触媒の失活は見られず、高効率にてトリチウムを酸化できることを実証した。
佐藤 和義; 谷口 英二; Pitcher, C. S.*; Walker, C.*; Encheva, A.*; 河野 康則; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1264 - 1267, 2011/10
被引用回数:3 パーセンタイル:25.9(Nuclear Science & Technology)ITERの計測装置は、中性子遮蔽構造を兼ね備えたポートプラグと呼ばれる構造体に組み込まれる。上部ポートプラグは長さ約6m,重量約20tの片持ち構造であるため、構造健全性を評価することは必須である。このため、ITER機構が提案している上部ポートプラグの共通部分の構造に対してディスラプション時における電磁力解析を実施し、その荷重をもとに構造解析を行った。その結果、電磁力,発生応力,変位量ともに大きく、改善が必要なことがわかった。これに対して原子力機構及びITER機構は、応力集中が発生している中間フランジの構造を見直し、その対策を図った。ポートプラグの中間フランジをボルト構造から溶接構造へ変更し、応力解析を行った。その結果、応力,変位量ともに15%低減することを明らかにし、構造健全性を満たす見通しを得た。また、ポートプラグ先端に取り付けられる遮へいブランケットのスリット深さについても着目し、電磁力の低減を図った。スリットの深さを約3倍に広げることで、電磁力を約30%低減できることを明らかにし、設計裕度を確保できる見通しを得た。
石川 正男; 河野 康則; 今澤 良太; 佐藤 聡; Vayakis, G.*; Bertalot, L.*; 谷塚 英一; 波多江 仰紀; 近藤 貴; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.1286 - 1289, 2011/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.7(Nuclear Science & Technology)ITERにおいて日本が調達するポロイダル偏向計測装置の設計の一環として、中性子輸送モンテカルロコード(MCNP)を用いた中性子解析を行い、運転時における核発熱量を評価した。その結果、水平ポート内に設置される光学ミラーのうち、第2ミラーの核発熱量は、第1ミラーと同程度であることがわかった。これは、同一ポート内に周辺トムソン散乱計測システムやLIDARシステムが設置されることでポロイダル偏光計の光学系のスペースが制限されるために、十分な迷路構造をもった光路が確保できないことや、第2ミラーの設置位置がプラズマに近い場所に配置せざるを得ないことが原因と考えられる。一方で、水平ポート前面に設置されるブランケット遮蔽モジュールが十分な中性子遮蔽性能を有していれば、光学ミラーの核発熱量は効率的に低減できることがわかった。また、ポロイダル偏光計の光学ミラーが設置される上部ポートの上部に配置されるポロイダル磁場コイルの核発熱量を評価した。その結果、中性子遮蔽材が十分に設置された場合、コイルの核発熱量は上限値である1mW/ccに比べて2桁以上小さくなることがわかった。
岩井 保則; 佐藤 克美; 谷内 淳一*; 野口 宏史*; 久保 仁志*; 原田 伸夫*; 大嶋 優輔*; 山西 敏彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(8), p.1184 - 1192, 2011/08
被引用回数:34 パーセンタイル:91.82(Nuclear Science & Technology)微量トリチウムを室温・飽和水蒸気雰囲気下においても効率的に酸化するための無機ベース疎水性白金触媒H1Pを開発した。流通式反応器を用いてトリチウムガスを使用して測定したH1Pの室温における総括反応速度係数は汎用アルミナ白金触媒と比較して高い値を示した。また飽和水蒸気雰囲気下で使用した場合のH1Pの総括反応速度係は、H1Pの優れた疎水性能により乾燥条件下と比較して微小な低下に留まった。反応の律速段階は室温近傍温度では表面反応律速であるが、40C以上ではH1Pの微小細孔の影響で細孔拡散抵抗の寄与が見られた。室温における総括反応速度係数の空間速度依存性及び水素濃度依存性もあわせて定量的に評価した。
岩井 保則; 佐藤 克美; 廣木 章博; 玉田 正男; 林 巧; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 85(7-9), p.1421 - 1425, 2010/12
被引用回数:3 パーセンタイル:23.92(Nuclear Science & Technology)固体高分子電解型高濃度トリチウム水電解システムに使用する高分子材につき耐酸性や耐放射線性を精査した。バイトン,アフラス,変性PPE樹脂,カプトンポリイミドを二年間にわたり高濃度硫酸に浸漬した結果、伸び率等の機械的特性に大きな変化が生じないことを明らかとした。また、1500kGyまで電子線で照射したナフィオン電解膜の室温水蒸気飽和条件におけるイオン伝導度では1000kGyを超える試料で若干の低下が見られた。Oリングシールに使用するゴム材のデュロメータ硬度の放射線影響については1500kGyまで照射したバイトン,アフラス等は若干硬度が上昇することを明らかとしたが、Oリングシールとして十分に使用可能な柔軟性は維持をしていた。放射線照射に伴う架橋や分解の進展により、一般に照射量の上昇とともに大きく増加するゴム材中のトリチウム水滞留量について、バイトンは1500kGyまでトリチウム水滞留量がほぼ一定値に安定することを見いだした。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.332 - 337, 2010/08
室温・飽和水蒸気雰囲気下で高い水素酸化活性を有する疎水型白金触媒を開発した。アルキルスチレン・ジビニルベンゼン共重合体(ASDBC)上に白金を担持した新しいタイプの白金触媒は容積あたりの必要白金担持量が既存の疎水型白金触媒の半分にまで低減が可能である。室温・飽和水蒸気雰囲気下において10000ppmの水素ガスを用いたPt/ASDBC触媒の水素酸化試験では空塔速度320から3300hの範囲で99%を超える水素酸化活性を確認した。触媒を用いた水素酸化反応の律速段階が細孔拡散であるので、放射線照射技術を用いた触媒内細孔の制御を試みた。その結果、電子線照射したPt/ASDBC触媒の水素酸化活性は未照射に比べ向上することを確認した。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
坂中 章悟*; 吾郷 智紀*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; 原田 健太郎*; 平松 成範*; 本田 融*; et al.
Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.205 - 207, 2008/06
コヒーレントX線,フェムト秒X線の発生が可能な次世代放射光源としてエネルギー回収型リニアック(ERL)が提案されており、その実現に向けた要素技術の研究開発が日本国内の複数研究機関の協力のもと進められている。本稿では、ERL放射光源の研究開発の現状を報告する。