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岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.
JAEA-Conf 2022-001, p.129 - 133, 2022/11
加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄に対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された鉄標的に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学により鉄標的に対するTTNY及びDDXを求めた。
中山 浩成; 小野寺 直幸; 佐藤 大樹; 永井 晴康; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(10), p.1314 - 1329, 2022/10
被引用回数:2 パーセンタイル:71.47(Nuclear Science & Technology)放射性物質の大気放出に対して、放出点から数km以内の局所域スケールでの放射性物質の複雑な大気濃度分布及び沈着分布を計算するとともに、それらからの放射線について建物による遮蔽効果を考慮して詳細に線量評価が行える解析システム(LHADDAS)を開発した。本システムは、個々の建物の影響を考慮して詳細に拡散計算が行える局所域高分解能大気拡散計算コード(LOHDIM-LES)、都市域に対して迅速に拡散計算が行えるリアルタイム都市大気拡散計算コード(CityLBM)、建物の遮蔽効果を考慮した3次元体系で放射線の挙動を迅速に計算できる線量評価コード(SIBYL)及び計算に必要となるデータベースと入力作成プログラムから構成されている。本解析システムは、原子力施設の安全審査における風洞実験に代わる現実的な評価手法、原子力事故時の施設内外作業員の被ばく線量評価、都市域での放射性物質拡散テロに対する汚染状況把握と被ばく線量評価など、幅広い活用が期待できる。
佐藤 大樹; 佐藤 達彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(8), p.1047 - 1060, 2022/08
被引用回数:1 パーセンタイル:71.47(Nuclear Science & Technology)実験により取得した中性子スペクトルの絶対値を決定する際、測定に広く利用される液体有機シンチレータの中性子応答と検出効率を精度よく評価することが重要となる。本研究では、汎用放射線挙動解析コードPHITSへ中性子検出効率評価コードSCINFUL-QMDの手法を組み込み、任意形状の液体有機シンチレータの中性子応答解析を可能とした。さらに、最新の評価済み核データを参照して、PHITSにおける中性子と水素及び炭素原子核との断面積データベースを更新した。その結果、改良したPHITSの計算により、実験データを従来よりも正確に再現することを確認した。また、100MeV以下の入射中性子エネルギーにおいて、改良したPHITSで計算される中性子検出効率の不確かさは15%未満であることを示した。本成果により、これまでのSCINFUL-QMDでは計算不可能であった複雑なエネルギー分布を持つ中性子源に対する検出効率の評価も可能となり、有機シンチレータを用いた中性子測定を行う研究者に広く活用されることが期待できる。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 15 Pages, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。
中山 浩成; 佐藤 大樹; 永井 晴康; 寺田 宏明
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(9), p.949 - 969, 2021/09
被引用回数:5 パーセンタイル:78.24(Nuclear Science & Technology)局所域高分解能大気拡散モデルLOHDIM-LESに、原子炉建屋などの建物による遮蔽効果を考慮して詳細に線量評価が行える計算手法を導入した。線量計算においては、放射線輸送計算コードPHITSにより、大気拡散モデルの計算格子ごとに地表面沈着・大気中の放射性核種から地上の評価点への線量寄与を計算して整備した応答行列のデータベースを用いた。精度検証として、六ヶ所再処理工場においてアクティブ試験により大気放出された放射性核種の局所域拡散シミュレーションを行った。敷地内のモニタリングポストにおいて得られた空間線量率と比較したところ、良好に一致することを確認した。これにより、詳細線量計算手法を導入したLOHDIM-LESは、建物影響を考慮して空気中濃度や線量を詳細に評価できることを実証した。
岩元 洋介; 吉田 誠*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 薮内 敦*; 嶋 達志*
Materials Science Forum, 1024, p.95 - 101, 2021/03
核破砕中性子源,加速器駆動システム等における材料の照射損傷の基礎研究、マクロな材料特性研究、機器設計等をまとめた書籍の中で、われわれが主導してきた照射損傷量の指標である原子あたりのはじき出し数(DPA)に関する最新の研究を提示する。本研究では、タングステンのDPAの計算値を検証するため、ギフォード・マクマフォン冷凍機を用いてタングステン線を冷却し、389MeVの陽子照射による、極低温(10K)下の照射欠陥に伴う電気抵抗増加の測定値からはじき出し断面積を導出した。はじき出し断面積の実験値と計算値を比較した結果、これまでの発表者らが銅を用いた実験による検証結果と同様に、従来の照射損傷モデルによる計算値に比べて、最新の非熱的な欠陥再結合補正を考慮した計算値が実験値を良く再現することを明らかにした。また、アニールに伴う照射後の欠陥回復の測定により、60Kでは約20%の欠陥が回復し、原子炉の中性子照射環境と同様の結果となる他、銅の測定結果と比べた場合、タングステンにおける欠陥の回復量が少ないこと等を示した。
Petoussi-Henss, N.*; 佐藤 大樹; Schlattl, H.*; Zankl, M.*; Spielman, V.*
Radiation and Environmental Biophysics, 60(1), p.93 - 113, 2021/03
被引用回数:2 パーセンタイル:46.57(Biology)環境中の天然及び人工放射性核種に対する公衆の外部被ばく線量評価に資する線量換算係数の整備を進めている。これまでの研究で、年齢別の標準体型人を対象とした線量換算係数データベースを構築した。本研究では、新たに妊婦及び胎児を対象としたデータ整備を実施した。放射性核種は土壌深さ0.5g cmもしくは大気に一様分布していると仮定し、土壌分布に対しては原子力機構の開発する放射線輸送計算コードPHITSを用いて放射線場を解析し、大気分布に対しては既存研究におけるYURIコードの解析結果を採用した。この放射線場中に、妊婦及び胎児の解剖学的構造を精密に再現した人体数値模型を配置し、電子・光子輸送計算コードEGSを用いて臓器吸収線量を計算することで線量換算係数を導出した。本研究で整備した線量換算係数を用いることで、環境に分布した放射性核種の放射能濃度の測定値から迅速に妊婦と胎児の臓器吸収線量を評価することが可能となった。
佐藤 大樹; 中山 浩成; 古田 琢哉; 吉廣 保*; 坂本 健作
PLOS ONE (Internet), 16(1), p.e0245932_1 - e0245932_26, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:53.86(Multidisciplinary Sciences)本研究では、大気および土壌に不均一に分布する放射性核種からのガンマ線による外部被ばく線量評価のための計算モデルSIBYLを開発した。SIBYLは、原子力機構が開発した局所域大気拡散モデルLOHDIM-LESに接続し、LOHDIM-LESが予測した放射性核種の分布に従い地表面での線量率分布を計算できる。原子力緊急時における利用で要求される計算速度と精度を実現するため、汎用放射線輸送計算コードPHITSを用いて膨大な計算資源を要する3次元放射線輸送計算を予め行い、その結果を線量計算に利用するデータベースとして整備した。また、SIBYLは、ビル等の障害物による減衰や地表面の標高変化を考慮した線量評価ができるという特長がある。そこで、排気塔からのKrの大気放出および都市部での
Csの拡散を想定した5ケースに対して、SIBYLで地表面の線量率分布を計算し、その結果をPHITSによる線量率分布の評価結果と比較して、SIBYLの信頼性と性能を検証した。その結果、評価地域の大部分で両者の評価結果は10%以内で一致し、かつSYBILはPHITSに対して約100倍以上高速に線量を評価し、緊急時にも適用可能であることを確認した。
渡辺 幸信*; 定松 大樹*; 荒木 祥平*; 中野 敬太*; 川瀬 頌一郎*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.
EPJ Web of Conferences, 239, p.20012_1 - 20012_4, 2020/09
被引用回数:1 パーセンタイル:79.71重陽子ビームによる加速器中性子源は、核分裂生成物の核変換、核融合炉材料試験等の応用分野での利用が検討されている。そこで、このような加速器や中性子源の設計に有益なデータとして、大阪大学核物理研究センターにおいて、200MeV重陽子入射核反応によるリチウムの中性子生成二重微分断面積(DDX)を測定した。実験では液体有機シンチレータEJ301を用いた飛行時間法を適用し、前方0度から25度の範囲で中性子断面積データを取得した。広範なエネルギー範囲のデータを取得するため、直径及び厚さが5.08cmと12.7cmの大きさの異なる2台のシンチレータを標的から7mと20mの地点にそれぞれ設置した。ここで、中性子の検出効率はSCINFUL-QMDコードを用いて導出した。本発表では、実験値と重陽子入射断面積計算コードDEURACS及び粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値との比較について述べる。また、25, 40及び100MeV重陽子入射による実験値を用いて、DDXの入射エネルギー依存性について議論する。
岩元 洋介; 吉田 誠*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 薮内 敦*; 木野村 淳*; 嶋 達志*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.061003_1 - 061003_5, 2020/02
核破砕中性子源における高エネルギー放射線環境下のターゲット材料の寿命を予測するため、原子あたりのはじき出し数(DPA)を導出できるPHITS等の放射線挙動計算コードが使用されている。本研究では、タングステンのDPAの計算値を検証するため、ギフォード・マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置に直径0.25mmのタングステン線を装着し、389MeVの陽子を照射して、はじき出し断面積に関係付けられる極低温(10K)下の照射欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。これまで実施された1.1GeV及び1.9GeV陽子照射によるタングステンの電気抵抗率の測定結果と比較した結果、核反応により生成する二次粒子が陽子エネルギーの増加に伴い、照射結果に伴う電気抵抗率が増加することがわかった。
Kofler, C.*; Domal, S.*; 佐藤 大樹; Dewji, S.*; Eckerman, K.*; Bolch, W. E.*
Radiation and Environmental Biophysics, 58(4), p.477 - 492, 2019/11
被引用回数:4 パーセンタイル:35.61(Biology)現行の放射線防護における線量評価では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定義する実効線量等を用いる。この実効線量は、ICRPが定義する各年齢の標準体型を模擬する人体模型により計算される臓器吸収線量から導出される。一方、標準体型から逸脱した個人を考慮した線量推定において、標準体型に基づく実効線量の適用の妥当性が議論されてきた。本研究では、標準体型以外の人体模型により、臓器線量を基本として実効線量と同様の手法で導出される損害加重線量を解析した。ここでは、土壌に沈着した放射性核種からの外部被ばく条件に対し、米国立健康統計学センターが報告する身長及び体重を網羅した351体の人体数値模型を適用した。また、ICRPが与える核種崩壊データベースから、33種類の核種を評価対象とした。その結果、環境での外部被ばくで問題となるSr,
Sr,
Cs及び
Iに対して、1歳児の実効線量と損害加重線量は5%以内で一致した。一方、年齢とともに、標準体型からの逸脱による実効線量と損害加重線量の差は大きくなり、成人では+15%から-40%の偏差を持つことが明らかになった。本データは、個人の体格特性に着目する線量再構築や疫学調査における線量推定の精度を向上させるものである。
佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦
2017年度量子科学技術研究開発機構施設共用実施報告書(インターネット), 1 Pages, 2019/08
数10MeV以上のエネルギー領域での陽子入射反応における前方方向の中性子生成に関して、理論模型および核データともに実験データの不足から予測精度の検証が十分になされていない。本研究では、原子力機構が開発している汎用放射線輸送計算コードPHITSの精度向上に資するため、最前方方向(入射軸に対して0方向)の中性子生成二重微分断面積の系統的な実験データ整備を進めている。平成28年度までに20, 34, 48, 63および78MeV陽子入射の測定を実施したが、絶対値に関する精度改善のため34MeV陽子入射に対しては、より薄い標的を採用して再測定した。実験では、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所TIARAのAVFサイクロトロンから供給される陽子ビームをC, Al, FeおよびPb標的に入射し、生成中性子を最前方方向に開いたコリメータを通して測定室に導き、シンチレーション検出器で測定した。また、PHITSでは、核内カスケード模型に基づくINCLおよび評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEにより、中性子生成の計算を行った。実験値と計算値との比較から、INCLはすべての反応に対して実験値よりも大きな値を与え、JENDL-4.0/HEはFeの結果を良好に再現するが、Alに対しては過大評価し、Pbに対しては過小評価した。本実験により、数10MeV領域の系統的な実験データ整備が完了したため、今後は断面積の入射エネルギー依存性等を解析し、計算コードの高度化に貢献する。
佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 920, p.22 - 36, 2019/03
被引用回数:4 パーセンタイル:50.24(Instruments & Instrumentation)原子力機構が中心となり開発を進める粒子輸送計算コードPHITSは、加速器施設の遮蔽設計をはじめとして、多くの分野で利用されている。しかし、PHITSで用いられる核反応模型や核データは、陽子入射反応における最前方方向の中性子生成を適切に再現できないことが知られていた。そこで、本研究では、PHITSによる計算モデルの高精度化に資するため、20から78MeVの 陽子入射によるC,
Al,
Feおよび
Pbの最前方方向における中性子生成二重微分断面積の実験データを取得した。量子科学技術研究開発機構のイオン照射研究施設(TIARA)において、サイクロトンから供給される陽子と標的物質との核反応で生成した中性子のうち、最前方方向に開くコリメータを通したフラックスと運動エネルギーを測定した。実験結果をPHITSの計算結果と比較したところ、計算で用いるINCLおよびJENDL-4.0/HEは原子核の離散的なエネルギー準位間の遷移を考慮していないため、軽核で観測されたピーク構造を再現できないことが分かった。また、エネルギー積分断面積に対して、JENDL-4.0/HEは実験値とファクター2以内で一致するが、INCLは最大で6倍程度大きな値を与えることが分かった。
Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*
Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11
一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。
岩元 洋介; 吉田 誠*; 義家 敏正*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 嶋 達志*
Journal of Nuclear Materials, 508, p.195 - 202, 2018/09
被引用回数:11 パーセンタイル:80.55(Materials Science, Multidisciplinary)加速器施設の材料損傷評価で使用される放射線輸送計算コードのはじき出し損傷モデルを検証するため、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設において、極低温下での200MeV陽子照射による、はじき出し断面積の導出に必要な金属試料の照射欠陥に伴う電気抵抗増加を測定した。照射装置は、GM冷凍機を用いて2つの照射試料を同時に熱伝導冷却する構造とし、熱伝導と電気的絶縁性に優れた2枚の窒化アルミ板により、照射試料となる直径250mのアルミニウム及び銅線を挟み込む構造とした。その結果、ビーム強度3nA以下において温度5K以下を保ちつつ、欠陥に伴う金属の電気抵抗率増加の測定に成功した。また、照射前後の電気抵抗率変化、陽子フルエンス及びフレンケル対あたりの抵抗率増加から導出したはじき出し断面積は欠陥生成率を考慮したPHITSの計算値に近いことがわかった。
岩元 洋介; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 中本 建志*; 吉田 誠*; 石 禎浩*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 八島 浩*; et al.
Proceedings of 61st ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2018) (Internet), p.116 - 121, 2018/07
放射線挙動計算コードPHITSにより放射線照射による材料損傷評価の基礎データを解析するため、入射粒子と核反応から生成する二次粒子によるターゲット1次はじき出し原子(PKA)のエネルギーを考慮した照射損傷モデルを開発した。このモデルを用いた解析により、100MeV以上の高エネルギー陽子による照射損傷において、二次粒子により生成したターゲットPKAの寄与が入射陽子によるPKAの寄与に比べて大きいことがわかった。また、高エネルギー陽子照射に対する照射損傷モデルを検証するため、サンプルを極低温まで冷却するギフォード-マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置を開発した。本装置を用いて、125及び200MeV陽子を照射した銅とアルミニウムについて、はじき出し断面積に関連する極低温での欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。実験値と計算値の比較の結果、欠陥生成効率を考慮したはじき出し損傷の計算値が実験値を良く再現することがわかった。
荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.
EPJ Web of Conferences, 146, p.11027_1 - 11027_4, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.08近年、核融合マテリアルの損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで、本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、100MeVの重陽子入射によるリチウム、ベリリウム及び炭素の中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、0から25
の間の6角度とし、飛行時間法により中性子エネルギーを導出した。中性子検出器に、大きさの異なる3台の液体有機シンチレータNE213(直径及び厚さが2インチ, 5インチ, 10インチ)を用い、中性子の飛行距離をそれぞれ7, 24, 74mとした。中性子検出効率は、SCINFUL-QMDコードの計算により導出した。実験結果から、中性子エネルギー強度分布は、重陽子入射エネルギーの半分のエネルギーにおいて、重陽子ブレークアップ過程に起因するなだらかなピーク構造を持つことがわかった。また、PHITSによる計算値は、理論モデルの不備から実験値をよく再現しないことがわかった。
岩元 洋介; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩瀬 広*; 嶋 達志*; 中村 尚司*
EPJ Web of Conferences, 153, p.08019_1 - 08019_3, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03100-400MeVの準単色中性子照射場の開発のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の100mトンネルにおいて、Li(p,n)反応から生成する中性子及び中性子場に混在する目的外放射線の
線のエネルギースペクトルを測定した。飛行時間法を用いて3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを測定し、放射線線量モニターDARWINの自動アンフォールディング機能を用いて0.1MeV以上の
線エネルギースペクトルを測定した。中性子スペクトルについて、3MeV以上の中性子収量に対するピーク成分である単色中性子収量の比は0.38-0.48であった。また、入射陽子エネルギー200MeV以上において、
崩壊に伴う70MeV程度の高エネルギー
線を実測した。246MeV
Li(p,n)反応について、70MeV近傍における中性子収量と
線収量は同程度であった。一方、全エネルギー領域の中性子線量に対する
線線量の比は0.014と、
線の全体の線量に対する寄与は小さいことがわかった。
Theis, C.*; Carbonez, P.*; Feldbaumer, E.*; Forkel-Wirth, D.*; Jaegerhofer, L.*; Pangallo, M.*; Perrin, D.*; Urscheler, C.*; Roesler, S.*; Vincke, H.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 153, p.08018_1 - 08018_5, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03欧州原子核研究機構(CERN)の放射線モニタとして、中性子、陽子、線等の様々な放射線に対して有感な空気入り電離箱PTW-34031(PMI)が使用されている。PMIの各放射線に対する応答関数の計算では、CERNが開発を支援している放射線輸送計算コードFLUKAが用いられている。本研究では、このうち高エネルギー中性子に対するPMIの応答関数の精度検証のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の
Li(p,n)反応を利用した準単色中性子照射場において、100-392MeVの準単色中性子に対するPMIの応答関数を測定した。その結果、200MeV以下の準単色中性子照射において、中性子エネルギースペクトルの測定値を線源としたFLUKAによる応答関数の計算値と実験値はよく一致しすることがわかった。一方、250及び392MeVの場合、中性子場に
Li(p,n)反応から生成する
の崩壊に伴う
線が混在するため、中性子のみを線源とした計算値は実験値を過小評価することがわかった。
松本 哲郎*; 増田 明彦*; 西山 潤*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 八島 浩*; 嶋 達志*; et al.
EPJ Web of Conferences, 153, p.08016_1 - 08016_3, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03200MeV以上の準単色中性子に対するコンクリート及び鉄遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルをボナー球スペクトルメータ(BSS)を用いて測定した。246及び389MeVの陽子-Li反応を用いて準単色中性子を生成し、コンクリート及び鉄遮蔽体の厚さを、それぞれ25-300cm及び10-100cmとした。100-387MeVのエネルギーを持つ準単色中性子を用いて実測したBSSの応答関数とアンフォールディングコードMAXEDを用いて、遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルを導出した。その際、放射線輸送計算コードMCNPXを用いてBSSと遮蔽体の間の中性子多重散乱の効果を評価し、中性子エネルギースペクトルの補正を行った。その結果、エネルギースペクトルの実験値からコンクリート及び鉄遮蔽体の厚さに対する線量当量の変化を得ることができた。また、244MeVの中性子をコンクリートへ入射した場合、50cm以下の厚さにおいて線量当量に対する中性子多重散乱の影響が大きいことがわかった。