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論文

Quantitative visualization of a radioactive plume with harmonizing gamma-ray imaging spectrometry and real-time atmospheric dispersion simulation based on 3D wind observation

永井 晴康; 古田 禄大*; 中山 浩成; 佐藤 大樹

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1345 - 1360, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

放射性プルームの3次元分布を定量的に可視化するとともに放射性核種の放出量を推定する革新的なモニタリング手法を提案し、その実現性を予備的な試験により確認した。提案する手法は、電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)によるガンマ線画像分光測定とドップラーライダーによる3次元風速測定に基づくリアルタイム高分解能大気拡散シミュレーションを組み合わせている。複数箇所に設置したETCCで測定された放射性プルーム中の個々の放射性核種からのラインガンマ線画像とリアルタイム大気拡散計算による大気中濃度分布情報を融合した逆解析により、放射性核種ごとの3次元濃度分布を再構成する。大気拡散シミュレーションと放射線輸送計算で生成した仮想的な実験データを用いた試験により、試作した解析手法が十分な性能を有することを示した。

論文

Neutron-production double-differential cross sections of $$^{rm nat}$$Pb and $$^{209}$$Bi in proton-induced reactions near 100 MeV

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 八島 浩*; 西尾 勝久; 杉原 健太*; $c{C}$elik, Y.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 544, p.165107_1 - 165107_15, 2023/11

入射陽子エネルギー200MeV以下の中性子生成に関する二重微分断面積(DDX)データの不足は、加速器駆動核破砕システム(ADS)の研究開発などの技術応用における核破砕モデルの検証を妨げている。本研究では、このエネルギー領域におけるADS核破砕ターゲット材料のDDX実験データを取得し、解析予測との比較を通じて核破砕モデルに関する課題を明らかにすることを目的とした。実験は、京都大学のFFAG加速器を用いて行った。100MeV領域の$$^{rm nat}$$Pbと$$^{209}$$Biの陽子入射核反応に対するDDXを飛行時間法を用いて30$$^{circ}$$から150$$^{circ}$$の角度範囲で測定した。得られたDDXをモンテカルロ法に基づく種々の核破砕モデル及び評価済み核データライブラリによる計算結果と比較した。DDXの測定値と核破砕モデル及び評価済み核データライブラリに基づく解析値を比較した結果、CEM03.03モデルが実験値に最も近い一致を示した。さらに、100MeV領域における陽子入射中性子生成DDXの再現性向上のために対処すべき複数の課題を明らかにした。

論文

都市域での放射線テロ対策の最前線,2; 局所域高分解能大気拡散・線量評価システムLHADDASの開発と放射線テロ対策への応用

中山 浩成; 佐藤 大樹

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(10), p.621 - 624, 2023/10

局所域高分解能大気拡散・線量評価システムLHADDASは、現実気象条件下で建物影響を考慮した放射性物質の大気拡散の詳細評価が可能なLOHDIM-LES、建物遮蔽効果を考慮して迅速に空間線量率評価が可能なSIBYL、及び都市大気拡散の即時解析が可能なCityLBMの計算コードを統合したシステムであり、ユーザの目的に応じて計算コードの柔軟な選択が可能である。このため、LHADDASは、原子力施設の立地審査のための従来手法に代わるより現実的な事前解析、原子力緊急時対応のための対策立案や影響評価、都市市街地拡散テロにおける即時解析など局所域大気拡散の様々な課題の解決に活用できる。応用事例として、警察庁科学警察研究所との共同研究「LHADDASを用いた放射線テロ対策シミュレーション」の実施内容を紹介する。

論文

SUMRAY: R and Python codes for calculating cancer risk due to radiation exposure of a population

佐々木 道也*; 古川 恭治*; 佐藤 大樹; 嶋田 和真; 工藤 伸一*; 高木 俊治*; 高原 省五; 甲斐 倫明*

Journal of Radiation Protection and Research, 48(2), p.90 - 99, 2023/06

本論文では、日本保健物理学会で設立した「放射線被ばくに伴うがんリスク推定コードの開発専門研究会(2020-2021年度)」の活動成果である計算コードについて報告する。当該専門研究会では、放射線被ばくに伴うがんリスク推定研究の促進を目的に、計算に使用したアルゴリズムやパラメータを含めてソースコードを明らかにし、コードの改変や再配布を許可するライセンスのもと公開することとした。計算コードはSUMRAYと名付けられ、2種類のコンピュータ言語(RおよびPython)でコーディングされた。本コードは、モンテカルロ法を用いて積算過剰リスクを95%信頼区間とともに計算できる。計算条件を合わせて、SUMRAYの結果とソースコード非公開の既存コードの結果とを比較したところ、信頼区間の範囲内で合理的に一致することを確認した。オープン・ソース・ソフトウェアであるSUMRAYは、放射線被ばくに伴うがんリスク推定研究の共通基盤として利用されることが期待される。

論文

Measurement of double-differential neutron yields for iron, lead, and bismuth induced by 107-MeV protons for research and development of accelerator-driven systems

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

EPJ Web of Conferences, 284, p.01023_1 - 01023_4, 2023/05

加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄,鉛及びビスマスに対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された標的試料に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学によりTTNY及びDDXを求めた。実験で得られたTTNY及びDDXを、モンテカルロ輸送計算コードPHITSによる計算と比較し、PHITSに組み込まれた核反応モデル及び評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEの妥当性を検証するとともに、PHITSによる計算の予測精度を評価した。

論文

Neutron production in the interaction of 200-MeV deuterons with Li, Be, C, Al, Cu, Nb, In, Ta, and Au

渡辺 幸信*; 定松 大樹*; 荒木 祥平; 中野 敬太; 川瀬 頌一郎*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences, 284, p.01041_1 - 01041_4, 2023/05

医療用RIの製造や核融合材料の照射損傷、放射性廃棄物の核変換などの研究において重陽子加速器を用いた高強度中性子源が提案されている。そのような中性子源の設計には重陽子を様々な標的に照射した際の中性子生成データが必要である。しかし、重陽子入射中性子生成二重微分断面積などの実験データは十分でない。そこで本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において幅広い原子番号の標的に対する200MeV重陽子入射中性子生成二重微分断面積の系統的な測定を実施した。200MeVの重陽子ビームをビームスウィンガーマグネット内の薄い標的に照射し、放出される中性子を大きさの異なるEJ301検出器(直径及び厚さが2inchと5inch)を7m、20mの位置にそれぞれ設置し、測定した。測定角度は0度から25度までの5角度とし、中性子エネルギーは飛行時間法で決定した。それぞれの測定データは入射エネルギーの半分あたりに特徴的な幅広なピークを示しており、ピークの収量は標的の質量数に従って単調に増加した。DEURACSとPHITSを用いた理論モデル計算との比較の結果、DEURACSの計算結果はPHITSのものよりも実験値に対してより良い一致を示した。加えて、得られたLi, Be, Cの結果を用いてJENDL/DEU-2020とTENDL-2017の核データライブラリのベンチマークを行った。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential thick target neutron yields for Fe, Pb, and Bi using a fixed-field alternating gradient accelerator at Kyoto University

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:71.05(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。

論文

局所域高分解能大気拡散・線量評価システムLHADDAS; 建物を考慮した詳細な放射性物質の拡散計算に基づく線量評価を初めて実現

中山 浩成; 小野寺 直幸; 佐藤 大樹

Isotope News, (785), p.20 - 23, 2023/02

LHADDASは、現実気象条件下で建物影響を考慮した放射性物質の大気拡散の詳細評価が可能なLOHDIM-LES、建物遮蔽効果を考慮して迅速に空間線量率評価が可能なSIBYL、及び都市大気拡散の即時解析が可能なCityLBMの計算コードを統合したシステムであり、ユーザの目的に応じて計算コードの柔軟な選択が可能である。このため、LHADDASは、原子力施設の立地審査のための従来手法に代わるより現実的な事前解析、原子力緊急時対応のための対策立案や影響評価、都市市街地拡散テロにおける即時解析など局所域大気拡散の様々な課題の解決に活用できる有用性を有する。LHADDASは、放出率・気象データ・地理情報データ・線量率寄与応答関数の入力ファイルの処理や計算条件等の入力データの設定を行うプリプロセス、LOHDIM-LES・CityLBMによる大気拡散計算のためのソルバー、SIBYLによる空間線量率空間分布を詳細評価するポストプロセスの3つのパートにより構成されている。計算シミュレーションに必要な入出力ファイルを整合させ、それらを公開データから生成可能とすることで、簡易工程でシミュレーション実行が可能な統合システムを完成させた。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential neutron yields for iron for research and development of accelerator-driven systems

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.

JAEA-Conf 2022-001, p.129 - 133, 2022/11

加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄に対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された鉄標的に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学により鉄標的に対するTTNY及びDDXを求めた。

論文

Development of local-scale high-resolution atmospheric dispersion and dose assessment system

中山 浩成; 小野寺 直幸; 佐藤 大樹; 永井 晴康; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(10), p.1314 - 1329, 2022/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:86.35(Nuclear Science & Technology)

放射性物質の大気放出に対して、放出点から数km以内の局所域スケールでの放射性物質の複雑な大気濃度分布及び沈着分布を計算するとともに、それらからの放射線について建物による遮蔽効果を考慮して詳細に線量評価が行える解析システム(LHADDAS)を開発した。本システムは、個々の建物の影響を考慮して詳細に拡散計算が行える局所域高分解能大気拡散計算コード(LOHDIM-LES)、都市域に対して迅速に拡散計算が行えるリアルタイム都市大気拡散計算コード(CityLBM)、建物の遮蔽効果を考慮した3次元体系で放射線の挙動を迅速に計算できる線量評価コード(SIBYL)及び計算に必要となるデータベースと入力作成プログラムから構成されている。本解析システムは、原子力施設の安全審査における風洞実験に代わる現実的な評価手法、原子力事故時の施設内外作業員の被ばく線量評価、都市域での放射性物質拡散テロに対する汚染状況把握と被ばく線量評価など、幅広い活用が期待できる。

論文

Improvements in the particle and heavy-ion transport code system (PHITS) for simulating neutron-response functions and detection efficiencies of a liquid organic scintillator

佐藤 大樹; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(8), p.1047 - 1060, 2022/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:86.35(Nuclear Science & Technology)

実験により取得した中性子スペクトルの絶対値を決定する際、測定に広く利用される液体有機シンチレータの中性子応答と検出効率を精度よく評価することが重要となる。本研究では、汎用放射線挙動解析コードPHITSへ中性子検出効率評価コードSCINFUL-QMDの手法を組み込み、任意形状の液体有機シンチレータの中性子応答解析を可能とした。さらに、最新の評価済み核データを参照して、PHITSにおける中性子と水素及び炭素原子核との断面積データベースを更新した。その結果、改良したPHITSの計算により、実験データを従来よりも正確に再現することを確認した。また、100MeV以下の入射中性子エネルギーにおいて、改良したPHITSで計算される中性子検出効率の不確かさは15%未満であることを示した。本成果により、これまでのSCINFUL-QMDでは計算不可能であった複雑なエネルギー分布を持つ中性子源に対する検出効率の評価も可能となり、有機シンチレータを用いた中性子測定を行う研究者に広く活用されることが期待できる。

論文

Development of local-scale high-resolution atmospheric dispersion model using Large-Eddy Simulation, 6; Introduction of detailed dose calculation method

中山 浩成; 佐藤 大樹; 永井 晴康; 寺田 宏明

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(9), p.949 - 969, 2021/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:78.4(Nuclear Science & Technology)

局所域高分解能大気拡散モデルLOHDIM-LESに、原子炉建屋などの建物による遮蔽効果を考慮して詳細に線量評価が行える計算手法を導入した。線量計算においては、放射線輸送計算コードPHITSにより、大気拡散モデルの計算格子ごとに地表面沈着・大気中の放射性核種から地上の評価点への線量寄与を計算して整備した応答行列のデータベースを用いた。精度検証として、六ヶ所再処理工場においてアクティブ試験により大気放出された放射性核種の局所域拡散シミュレーションを行った。敷地内のモニタリングポストにおいて得られた空間線量率と比較したところ、良好に一致することを確認した。これにより、詳細線量計算手法を導入したLOHDIM-LESは、建物影響を考慮して空気中濃度や線量を詳細に評価できることを実証した。

論文

Measurements of displacement cross section of tungsten under 389-MeV proton irradiation and thermal damage recovery

岩元 洋介; 吉田 誠*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 薮内 敦*; 嶋 達志*

Materials Science Forum, 1024, p.95 - 101, 2021/03

核破砕中性子源,加速器駆動システム等における材料の照射損傷の基礎研究、マクロな材料特性研究、機器設計等をまとめた書籍の中で、われわれが主導してきた照射損傷量の指標である原子あたりのはじき出し数(DPA)に関する最新の研究を提示する。本研究では、タングステンのDPAの計算値を検証するため、ギフォード・マクマフォン冷凍機を用いてタングステン線を冷却し、389MeVの陽子照射による、極低温(10K)下の照射欠陥に伴う電気抵抗増加の測定値からはじき出し断面積を導出した。はじき出し断面積の実験値と計算値を比較した結果、これまでの発表者らが銅を用いた実験による検証結果と同様に、従来の照射損傷モデルによる計算値に比べて、最新の非熱的な欠陥再結合補正を考慮した計算値が実験値を良く再現することを明らかにした。また、アニールに伴う照射後の欠陥回復の測定により、60Kでは約20%の欠陥が回復し、原子炉の中性子照射環境と同様の結果となる他、銅の測定結果と比べた場合、タングステンにおける欠陥の回復量が少ないこと等を示した。

論文

Organ doses of the fetus from external environmental exposures

Petoussi-Henss, N.*; 佐藤 大樹; Schlattl, H.*; Zankl, M.*; Spielman, V.*

Radiation and Environmental Biophysics, 60(1), p.93 - 113, 2021/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:27.7(Biology)

環境中の天然及び人工放射性核種に対する公衆の外部被ばく線量評価に資する線量換算係数の整備を進めている。これまでの研究で、年齢別の標準体型人を対象とした線量換算係数データベースを構築した。本研究では、新たに妊婦及び胎児を対象としたデータ整備を実施した。放射性核種は土壌深さ0.5g cm$$^{-2}$$もしくは大気に一様分布していると仮定し、土壌分布に対しては原子力機構の開発する放射線輸送計算コードPHITSを用いて放射線場を解析し、大気分布に対しては既存研究におけるYURIコードの解析結果を採用した。この放射線場中に、妊婦及び胎児の解剖学的構造を精密に再現した人体数値模型を配置し、電子・光子輸送計算コードEGSを用いて臓器吸収線量を計算することで線量換算係数を導出した。本研究で整備した線量換算係数を用いることで、環境に分布した放射性核種の放射能濃度の測定値から迅速に妊婦と胎児の臓器吸収線量を評価することが可能となった。

論文

Simulation code for estimating external gamma-ray doses from a radioactive plume and contaminated ground using a local-scale atmospheric dispersion model

佐藤 大樹; 中山 浩成; 古田 琢哉; 吉廣 保*; 坂本 健作

PLOS ONE (Internet), 16(1), p.e0245932_1 - e0245932_26, 2021/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:32.89(Multidisciplinary Sciences)

本研究では、大気および土壌に不均一に分布する放射性核種からのガンマ線による外部被ばく線量評価のための計算モデルSIBYLを開発した。SIBYLは、原子力機構が開発した局所域大気拡散モデルLOHDIM-LESに接続し、LOHDIM-LESが予測した放射性核種の分布に従い地表面での線量率分布を計算できる。原子力緊急時における利用で要求される計算速度と精度を実現するため、汎用放射線輸送計算コードPHITSを用いて膨大な計算資源を要する3次元放射線輸送計算を予め行い、その結果を線量計算に利用するデータベースとして整備した。また、SIBYLは、ビル等の障害物による減衰や地表面の標高変化を考慮した線量評価ができるという特長がある。そこで、排気塔からの$$^{85}$$Krの大気放出および都市部での$$^{137}$$Csの拡散を想定した5ケースに対して、SIBYLで地表面の線量率分布を計算し、その結果をPHITSによる線量率分布の評価結果と比較して、SIBYLの信頼性と性能を検証した。その結果、評価地域の大部分で両者の評価結果は10%以内で一致し、かつSYBILはPHITSに対して約100倍以上高速に線量を評価し、緊急時にも適用可能であることを確認した。

論文

Dose coefficients for external exposures to environmental sources

Petoussi-Henss, N.*; 佐藤 大樹; 遠藤 章; Eckerman, K. F.*; Bolch, W. E.*; Hunt, J.*; Jansen, J. T. M.*; Kim, C. H.*; Lee, C.*; 斎藤 公明; et al.

Annals of the ICRP, 49(2), p.11 - 145, 2020/10

環境に分布する放射性核種からの外部被ばくに対する公衆の線量評価では、公衆を構成する各年齢における代表人の臓器線量および実効線量への換算に利用可能な線量係数の整備が重要となる。この目的のため、原子力機構では大気、土壌、水に分布する光子および電子放出線源による環境放射線場を汎用粒子輸送計算コードPHITSにより解析する手法を開発し、ICRPから提供された新生児、1歳、5歳、10歳、15歳および成人男女の人体数値模型を用いて臓器線量係数を評価した。さらに、Hanyang大学より提供された皮膚線量データおよびICRPの核種崩壊データを用いて、放射性核種毎の実効線量係数を評価した。整備した線量係数は、福島第一原子力発電所事故後の長期に渡った線量評価をはじめ、放射性核種の環境への流出による外部被ばく線量評価に利用可能である。

論文

Study of the Li($$d,xn$$) reaction for the development of accelerator-based neutron sources

渡辺 幸信*; 定松 大樹*; 荒木 祥平*; 中野 敬太*; 川瀬 頌一郎*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences, 239, p.20012_1 - 20012_4, 2020/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:87.03

重陽子ビームによる加速器中性子源は、核分裂生成物の核変換、核融合炉材料試験等の応用分野での利用が検討されている。そこで、このような加速器や中性子源の設計に有益なデータとして、大阪大学核物理研究センターにおいて、200MeV重陽子入射核反応によるリチウムの中性子生成二重微分断面積(DDX)を測定した。実験では液体有機シンチレータEJ301を用いた飛行時間法を適用し、前方0度から25度の範囲で中性子断面積データを取得した。広範なエネルギー範囲のデータを取得するため、直径及び厚さが5.08cmと12.7cmの大きさの異なる2台のシンチレータを標的から7mと20mの地点にそれぞれ設置した。ここで、中性子の検出効率はSCINFUL-QMDコードを用いて導出した。本発表では、実験値と重陽子入射断面積計算コードDEURACS及び粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値との比較について述べる。また、25, 40及び100MeV重陽子入射による実験値を用いて、DDXの入射エネルギー依存性について議論する。

論文

Measurement of defect-induced electrical resistivity change of tungsten wire at cryogenic temperature using high-energy proton irradiation

岩元 洋介; 吉田 誠*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 薮内 敦*; 木野村 淳*; 嶋 達志*

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.061003_1 - 061003_5, 2020/02

核破砕中性子源における高エネルギー放射線環境下のターゲット材料の寿命を予測するため、原子あたりのはじき出し数(DPA)を導出できるPHITS等の放射線挙動計算コードが使用されている。本研究では、タングステンのDPAの計算値を検証するため、ギフォード・マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置に直径0.25mmのタングステン線を装着し、389MeVの陽子を照射して、はじき出し断面積に関係付けられる極低温(10K)下の照射欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。これまで実施された1.1GeV及び1.9GeV陽子照射によるタングステンの電気抵抗率の測定結果と比較した結果、核反応により生成する二次粒子が陽子エネルギーの増加に伴い、照射結果に伴う電気抵抗率が増加することがわかった。

論文

Organ and detriment-weighted dose rate coefficients for exposure to radionuclide-contaminated soil considering body morphometries that differ from reference conditions; Adults and children

Kofler, C.*; Domal, S.*; 佐藤 大樹; Dewji, S.*; Eckerman, K.*; Bolch, W. E.*

Radiation and Environmental Biophysics, 58(4), p.477 - 492, 2019/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:39.63(Biology)

現行の放射線防護における線量評価では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定義する実効線量等を用いる。この実効線量は、ICRPが定義する各年齢の標準体型を模擬する人体模型により計算される臓器吸収線量から導出される。一方、標準体型から逸脱した個人を考慮した線量推定において、標準体型に基づく実効線量の適用の妥当性が議論されてきた。本研究では、標準体型以外の人体模型により、臓器線量を基本として実効線量と同様の手法で導出される損害加重線量を解析した。ここでは、土壌に沈着した放射性核種からの外部被ばく条件に対し、米国立健康統計学センターが報告する身長及び体重を網羅した351体の人体数値模型を適用した。また、ICRPが与える核種崩壊データベースから、33種類の核種を評価対象とした。その結果、環境での外部被ばくで問題となる$$^{89}$$Sr, $$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs及び$$^{131}$$Iに対して、1歳児の実効線量と損害加重線量は5%以内で一致した。一方、年齢とともに、標準体型からの逸脱による実効線量と損害加重線量の差は大きくなり、成人では+15%から-40%の偏差を持つことが明らかになった。本データは、個人の体格特性に着目する線量再構築や疫学調査における線量推定の精度を向上させるものである。

論文

陽子入射反応における最前方方向の中性子生成二重微分断面積の測定

佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦

2017年度量子科学技術研究開発機構施設共用実施報告書(インターネット), 1 Pages, 2019/08

数10MeV以上のエネルギー領域での陽子入射反応における前方方向の中性子生成に関して、理論模型および核データともに実験データの不足から予測精度の検証が十分になされていない。本研究では、原子力機構が開発している汎用放射線輸送計算コードPHITSの精度向上に資するため、最前方方向(入射軸に対して0$$^{circ}$$方向)の中性子生成二重微分断面積の系統的な実験データ整備を進めている。平成28年度までに20, 34, 48, 63および78MeV陽子入射の測定を実施したが、絶対値に関する精度改善のため34MeV陽子入射に対しては、より薄い標的を採用して再測定した。実験では、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所TIARAのAVFサイクロトロンから供給される陽子ビームをC, Al, FeおよびPb標的に入射し、生成中性子を最前方方向に開いたコリメータを通して測定室に導き、シンチレーション検出器で測定した。また、PHITSでは、核内カスケード模型に基づくINCLおよび評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEにより、中性子生成の計算を行った。実験値と計算値との比較から、INCLはすべての反応に対して実験値よりも大きな値を与え、JENDL-4.0/HEはFeの結果を良好に再現するが、Alに対しては過大評価し、Pbに対しては過小評価した。本実験により、数10MeV領域の系統的な実験データ整備が完了したため、今後は断面積の入射エネルギー依存性等を解析し、計算コードの高度化に貢献する。

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