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岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; et al.
Radiation Measurements, 134, p.106315_1 - 106315_4, 2020/06
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)ニホンザルのエナメル質中に誘起された炭酸ラジカルと吸収線量の関係(検量線)を電子スピン共鳴(ESR)法で調べた。ニホンザルのエナメル質のESR測定で検出できる線量の下限(検出限界)は33.5mGyであり、ヒトのエナメル質の検出限界と同等であった。作成した検量線を用いて、福島県で捕獲した7頭の野生ニホンザルの線量を評価したところ、45mGyから300mGyの被ばくをしていることがわかった。
関根 由莉奈; 元川 竜平; 香西 直文; 大貫 敏彦; 松村 大樹; 辻 卓也; 河崎 陸*; 秋吉 一成*
Scientific Reports (Internet), 7(1), p.2064_1 - 2064_8, 2017/05
被引用回数:13 パーセンタイル:30.31(Multidisciplinary Sciences)Ca欠損アパタイト材料を用いた汚染水からのSrの有用性について調べた。最初に、同じ2価イオンであるMg
及びCa
存在下でのSr
(0.05mmol/L)の吸着率を調べた。Ca欠損アパタイトは他のイオン存在下においても高いSr
吸着性を維持した。例えば、0.1から1.0mmol/LのMg
及びCa
存在下において80%以上の吸着率を示した。一方、通常のアパタイトでは少量のMg
及びCa
が存在する条件でSr
に対する吸着性は著しく低下した。0.01から10mmol/LのSr
を含む水溶液を用いた吸着評価においても、Ca欠損アパタイトは通常のアパタイトよりも高い吸着性を示した。EXAFSを用いてCa欠損アパタイトにおけるSr
の吸着挙動について評価したところ、通常のアパタイトと比べてSr
が選択的に吸着するサイトが存在することが示唆された。
関根 敏彦; 澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 吉田 勝
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 31(4), p.871 - 874, 2006/12
架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を基材とする電解質膜のメタノール透過特性を調べた。イオン交換容量(IEC)の高い膜ほどメタノール透過係数Pは大きくなり、これは膜が膨潤して親水性領域が広がるため、メタノールの拡散が促されたからだと考えられる。しかし、2.7meq/gと最大のIECを持つ膜においてもPはNafionよりも低く、このことは、架橋PTFE電解質膜は直接メタノール型燃料電池用電解質膜としての高い応用性を有することを意味する。また、IEC=1.2meq/gのときでは、PTFE主鎖の架橋密度が高くなるほどPは低下し、未架橋膜では1.110
cm
/sであったのに対して、400kGy架橋膜では0.3
10
cm
/sになった。膜の膨潤性は、架橋構造の付与,架橋密度の増加により低下し、Pと同様の挙動を示した。この結果から、主鎖骨格への架橋構造の付与により、メタノールの透過経路である親水性領域の拡大が抑制されたことが、Pが低減した理由であると考えられる。
関根 敏彦; 八巻 徹也; 鈴木 晶大*
東京大学アイソトープ総合センターニュース, 37(1), p.2 - 5, 2006/06
本研究では、DMFCへの応用が期待される架橋PTFE電解質膜に対してトリチウムをトレーサーとして用いた水/メタノールの透過実験を行い、それによりメタノール透過機構に関する知見を得たので、その一端を紹介する。放射能既知のトリチウム水及び純水とメタノールから、300Bq/mLの放射能を持つ濃度2mol/Lのメタノール水溶液を調製した。電解質膜で仕切った2室型セルに、トリチウム水をトレーサーとして含むメタノール水溶液と純水をそれぞれ満たし、拡散透析を行った。その結果、Nafionにおけるメタノール拡散は非常に速く、その大部分をPTFE主鎖部が担っている一方、炭化水素系グラフト側鎖とのハイブリッド構造を持つ架橋PTFE電解質膜では、この主鎖部の拡散がほとんど起こらないことが優れたメタノール透過抑制能の起源であることがわかった。今後は、本研究を継続させることでメタノール透過機構を明らかにし、そこで得られた基礎的な知見を膜設計に反映させることによって、さらなる高性能化を目指していく。
飯田 芳久; 大貫 敏彦; 磯部 博志; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 吉田 英一*; 湯佐 泰久*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.191 - 199, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:80.08(Environmental Sciences)変質過程での花崗岩中の希土類元素の移行挙動を解明するために、東濃ウラン鉱床を対象として、これまで岩石中の希土類元素の分布を研究してきた。試料は土岐花崗岩の変質・未変質部より採取した。希土類元素濃度は中性子放射化分析法により、鉱物相は粉末X線回折法及びSEMにより測定した。元素分析は、ICP発光分析法により行った。変質試料中では、未変質試料に比べ軽希土類元素濃度が高かった。変質・未変質試料中には、一般に希土類元素を含むとされる鉱物が観察されたが、変質試料中にのみCa,希土類元素の炭酸塩鉱物が見られた。変質試料中のCa,軽希土類元素濃度が高いことから、これらの元素が熱水によって移行し、炭酸塩鉱物として結晶化したと考えられる。
大貫 敏彦; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 磯部 博志; 永野 哲志; 坂本 義昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1153 - 1158, 1997/12
被引用回数:23 パーセンタイル:14.56(Nuclear Science & Technology)非晶質鉄鉱物の結晶化過程におけるウランの再分配挙動を、選択的抽出法により検討した。硝酸鉄溶液中に1mg・l1のウランを混合し、PHを6.5に調整して得た初期の沈澱は、全てTAO溶液により溶解した。また、溶液中のウラン濃度は1%以下であった。このことは、ほとんどのウランが非晶質の鉄鉱物に吸着していることを示している。鉄とウランの沈澱は、時間の経過とともに一部がTAO溶液では溶けないで残った。この場合、TAO溶液により抽出されるウランの量は、残査沈澱物の量が増えるに伴い減少した。溶液中のウランの濃度はやはり1%以下であった。これらの結果から、非晶質鉄鉱物の結晶化過程において、ウランは溶液中にはき出されず、結晶質および非晶質の鉄鉱物に吸着していることがわかった。
中山 真一; 佐藤 努; 永野 哲志; 柳瀬 信之; 山口 徹治; 磯部 博志; 大貫 敏彦; 関根 敬一
JAERI-Review 95-011, 94 Pages, 1995/07
環境安全研究部地質環境研究室は、高レベル放射性廃棄物の安全評価および処分システムの性能評価のための基礎研究を担う研究室のひとつであり、放射性核種-地下水-岩石・鉱物間に起こる相互作用、すなわち放射性核種の地球化学的挙動に関して、天然現象の観測および試料の観察に基づく研究(ナチュラルアナログ研究)、ならびに室内における実験的研究を進めてきた。本報告書は、本研究室における研究活動の背景、位置付けおよび成果をまとめたものであり、それを通して、われわれの研究の地球化学的基礎研究としての、かつ地層処分のための研究としての意義を明確にした。またそれとともに廃棄物処分の分野における基礎研究の必要性・重要性を強調した。本報告書は当研究室が拠って立つべき存在意義である。
大貫 敏彦; 村上 隆; 関根 敬一; 柳瀬 信之; 磯部 博志; 小林 義威
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.607 - 614, 1990/00
変質した石英-緑泥石中のウラン系列核種移行挙動をオーストラリア、クーンガウにおける核種濃度分布データを用いて研究した。U/
Uおよび
Th/
U放射能比の分布から、核種の移行は深さにより異なることが明らかとなった。また、
U/
Uと
Th/
Uの関係から、
Uと
Uの遅延係数は異なり
Uの遅延係数が
Uよりも大きかった。その値は深さにより異なり、浅層部では1.1、中層部では1.9であった。X線回折解析より、緑泥石が変質により、カオリナイト-スメクタイトおよびゲータイト、ヘマタイトへ変わっているのが観察された。深さによるウラン系列核種の移行挙動の違いは緑泥石の変質に伴う層構成分質の違いによるものと考えられる。
八巻 徹也; 関根 敏彦; 澤田 真一; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)電解質膜におけるメタノール輸送挙動と架橋構造の関連性について検討を行った。100kGy架橋PTFE電解質膜の室温におけるメタノール透過係数はイオン交換容量とともに高くなり、3.0meq/gの膜で最大値1.810
cm
/sに達した。同条件下のナフィオンが1.9
10
cm
/sを示したのと比較するといずれの膜でも低い値であり、架橋PTFE電解質膜の高いメタノール透過抑制能が明らかになった。この結果を未架橋,400kGy架橋電解質と比較することにより、架橋構造の導入,架橋密度の増加がメタノール透過性を大きく低下させることが確認できた。膨潤度だけでなく、透過係数と分配係数,溶解度から計算されるメタノールの拡散係数も透過抑制能に寄与していることが示唆された。
八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 吉田 勝; 前川 康成; 関根 敏彦; 寺井 隆幸*
no journal, ,
放射線を用いてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に架橋構造を付与し、そこへスチレンをグラフト重合することで作製される燃料電池用電解質膜の物質輸送特性について、特に架橋とプロトン伝導性,メタノール透過性との関係を調べた。実験では、架橋密度の異なる架橋PTFE膜から合成した電解質膜に対し、温湿度制御下の交流インピーダンス測定によるプロトン伝導率,高濃度メタノール水溶液下におけるメタノール透過係数を測定した。プロトン伝導率は架橋密度が高い方が優れており、この結果については、含水による体積変化が抑制され膜内のプロトンが高濃度に存在することによると解釈している。一方、メタノール透過抑制能は、最高で従来膜の10倍まで向上し実用化の要求を満たすことが明らかになった。架橋構造による膨潤抑制と、実験値から計算される拡散係数(透過の速度を表す)の低下との両方が本結果に寄与していることが示唆された。
八巻 徹也; 澤田 真一; 関根 敏彦; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
今回、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)電解質膜のメタノール輸送挙動について、分配係数K,溶解度Sに基づき詳細な検討を行った。1.03.0meq/gのイオン交換容量(IEC)を有する架橋PTFE電解質膜に対し、2mol/Lメタノール水溶液に浸漬したときの膜内における溶液の体積分率をSとした。SはIECの増大に対して増加する傾向を示し、IEC=2.0meq/gの膜ではNafionとほぼ等しくなった。一方Kは、パーベーパレーションを応用した方法により求めた。すなわち、透過したメタノール/水混合蒸気を液体窒素でコールドトラップした溶液の濃度を膜内濃度とし、供給側との濃度比をとった。その結果、Nafionにおいて1を超え、水溶液中のメタノールが選択的に透過するという特性を示唆した。これに対し、架橋PTFE電解質膜ではIEC増加により大きくなるがすべて1以下であり、膜内へのメタノール含浸自体が抑制されることがわかった。以上より、拡散係数DについてはNafion比で1/2
2/3と計算された。架橋PTFE電解質膜における高いメタノール透過抑制能は、主として選択性と拡散速度の違いで説明可能であると考えられる。
八巻 徹也; 澤田 真一; 関根 敏彦; 浅野 雅春; 西村 秀俊*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
前回、放射線による架橋,グラフト重合で作製される架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)電解質膜のメタノール輸送挙動について、メタノールの透過係数Pだけでなく分配係数K
,溶解度Sを求め、それらの値から拡散係数D
を算出した。今回は、トリチウムをトレーサーとして用いることでメタノール透過中における水の拡散係数D
(cm
/s)を求め、さらに検討を進めた。架橋PTFE電解質膜のD
はイオン交換容量によらずNafion以下であり、膜内における物質拡散の抑制が示された。D
がほかの多くの電解質膜と同様に、イオン交換容量の増加とともに高くなる傾向が見られたのに対し、D
はそれほど大きな相関が確認されなかった。メタノール-電解質間の相溶性(
パラメータ)から、膜内のメタノールはスルホン酸基と強く相互作用していることが示唆されており、その拡散についても、スルホン酸基の形成する親水性領域の変化から直接的な影響を受けると考えられる。
関根 敏彦; 澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
直接メタノール型燃料電池用の高分子電解質膜(ナフィオン膜と放射線グラフト電解質膜)における水輸送特性を追跡するための唯一の方法として、トレーサー透過法の利用を発想している。本研究では、トリチウム水(HTO)トレーサーによる膜透過試験の応用可能性について、重酸素水(HO)の結果と比較しながら検討した。簡単な同位体交換理論に従い、HTO透過係数の測定値P(HTO)は実験で使用した試験水溶液中のH
OとCH
OHの存在比に依存すると仮定することによって、実質的なHTO透過係数P(HTO)
を計算した。ここで重要なのは、P(HTO)
とP(H
O)との間に非常に小さいが有意な差が確認されたことである。この結果は、膜内スルホン酸基との水素結合の強弱でT/H同位体交換速度が異なり、それが結果としてHTO輸送を決定づけていることを示唆している。
関根 敏彦; 澤田 真一; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜へのスチレンのイオンビームグラフト重合に対し、反応性の向上とラジカル重合速度則に基づく解析を試みた。3.7MeV/nN, 3.8MeV/n
Ne, 3.8MeV/n
Ar, 3.5MeV/n
Xeイオンをフルエンス3
10
又は3
10
ions/cm
でETFE膜へ照射した後、温度60
Cのスチレン溶液(20vol%)に浸漬し、1-24時間のグラフト重合を行った。グラフト重合の反応性は、ポリスチレンの貧溶媒であるイソプロパノールと水を反応溶液に混入させるとともに、イオン照射から反応までの時間を短縮し、重合に利用できる活性種の濃度を高く維持することで、グラフト率を従来の2倍以上に高めることができた。また、その反応速度について、膜の重量増加率の時間変化に対し、初期重合速度,停止反応速度,遅延時間を含む理論式で曲線フィッティングをかけることで評価した。
線グラフト重合の結果と比較して非常に高い初期重合速度,停止反応速度はイオンビームによる高密度のラジカル生成が要因であることがわかった。
八巻 徹也; 関根 敏彦; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
no journal, ,
トリチウム水(HTO)と重酸素水(HO)における同位体効果に起因した拡散挙動の違いを利用して、高分子電解質膜内の水を取り巻く環境を理解できると考えた。この発想をもとに、本研究では、HTO又はH
Oを含む水,メタノール水溶液を用いて、ナフィオン膜とわれわれが独自の手法で合成した架橋フッ素系電解質膜における水輸送の解析を試みた。この解析では、各トレーサーの拡散係数Dを求め比較することで、スルホン酸基と水との間に働く水素結合の強さやプロトン伝導経路であるイオンクラスター構造を反映した水の状態を知ることができた。
関根 敏彦; 澤田 真一; 八巻 徹也; 越川 博; 鈴木 晶大*; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
重イオンビーム照射グラフト重合法を利用して円柱状トラック中に伝導性のポリスチレンスルホン酸グラフト鎖を導入し、高導電性を持つ燃料電池電解質膜の開発を目指している。本研究では、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体膜を基材とするイオントラック電解質膜において、異なるトラック構造を有する電解質膜のプロトン伝導度を調べた。ここでトラック構造(半径と数密度)は、イオン種、加速エネルギー及びフルエンスを変えることで制御した。同じイオン交換容量の電解質膜では、膜内に占めるトラックの体積分率が小さいほど
は上昇した。このことは、体積分率が低くなるとスルホン酸基は高密度に集積されるため、スルホン酸基間のプロトン移動が促進されるからであると考えられる。
八巻 徹也; 関根 敏彦; 澤田 真一; 越川 博; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
no journal, ,
直径が数nmから数百nmに及ぶ高速イオンの潜在飛跡に直接グラフト重合を施すことで、その円柱状領域にスルホン酸基を集積させたナノ構造制御電解質膜が作製できる。今回われわれは、この電解質膜の特性に対する照射イオン依存性に着目し、特に寸法安定性の観点から詳細を検討したので報告する。実験では、照射イオンビームを56MeV N, 150MeV
Ar, 450MeV
Xeの3種に変化させ、潜在飛跡ができる限り重ならず互いに孤立するよう、それぞれ3.0
10
, 3.0
10
, 3.0
10
ions/cm
のフルエンスで照射した。既報に従い、イオン交換容量(IEC)が0.8-1.4meq/gの電解質膜を作製し、それらの面積変化率を調べたところ、同じIECの下でも照射イオンによって大きく異なるという興味深い結果が得られた。潜在飛跡の直径と照射フルエンスから計算されるプロトン伝導性部が膜全体に占める割合によって、この結果を説明することができた。
八巻 徹也; 関根 敏彦*; 澤田 真一; 越川 博; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
no journal, ,
高速重イオンの潜在飛跡に直接グラフト重合を施すことで、その円柱状領域にスルホン酸基を集積させたナノ構造制御電解質膜が作製できる。今回われわれは、この電解質膜の特性に対する照射イオン依存性に着目し、特に寸法安定性の観点から詳細を検討したので報告する。実験では、照射イオンビームを56MeV N, 150MeV
Ar, 450MeV
Xeの3種に変化させ、潜在飛跡ができる限り重ならず互いに孤立するよう、それぞれ3.0
10
, 3.0
10
, 3.0
10
ions/cm
のフルエンスで照射した。既報に従い、イオン交換容量(IEC)が0.8-1.4meq/gの電解質膜を作製し、それらの面積変化率を調べたところ、同じIECの下でも照射イオンによって大きく異なるという興味深い結果が得られた。潜在飛跡の直径と照射フルエンスから計算されるプロトン伝導性部が膜全体に占める割合によって、この結果を説明することができた。
八巻 徹也; 関根 敏彦*; 澤田 真一; 越川 博; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 浅野 雅春; 前川 康成
no journal, ,
直径が数nmから数百nmに及ぶ高速イオンの潜在飛跡に直接グラフト重合を施すことで、その円柱状領域にスルホン酸基を集積させたナノ構造制御電解質膜が作製できる。今回われわれは、この電解質膜の特性に対する照射イオン依存性に着目し、特にプロトン伝導性の観点から詳細を検討したので報告する。実験では、照射イオンビームを56MeV N, 150MeV
Ar, 450MeV
Xeの3種に変化させ、潜在飛跡ができる限り重ならず互いに孤立するよう、それぞれ3.0
10
, 3.0
10
, 3.0
10
ions/cm
のフルエンスで照射した。既報に従い、イオン交換容量(IEC)が0.8-1.4meq/gの電解質膜を作製し、それらのプロトン伝導率(温度80
C, 相対湿度95%)を調べたところ、同じIECの下でも照射イオンによって大きく異なるという興味深い結果が得られた。IECと潜在飛跡の直径、照射フルエンスから計算されるスルホン酸基の局所的な導入量(密度)によって、この結果を説明することができた。
八巻 徹也; 関根 敏彦*; 澤田 真一; 越川 博; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 浅野 雅春; 前川 康成
no journal, ,
今回我々は、高エネルギー重イオンビームで得られるナノ構造制御電解質膜に対し、潜在飛跡グラフト重合の特異性及びその膜性能との関連性について整理する。既報に従い、56MeV N, 150MeV
Ar, 450MeV
Xeを照射した後、スチレンのグラフト重合、グラフト鎖のスルホン化を経て、電解質膜を作製した。温度80
C、相対湿度(R.H.)95%の条件でプロトン伝導率
を調べたところ、同じイオン交換容量(IEC)の下でも照射イオンによって大きく異なるという興味深い結果が得られた。IECと潜在飛跡の直径、照射フルエンスから計算されるスルホン酸基の局所的な導入量(密度)によって、この結果を説明することができた。一方、低R.H.の条件で
は大きく低下するが、IECを高めることによりR.H. 50%においてナフィオンに匹敵する0.02S/cmが得られた。IEC依存性は顕著であり、0.83mmol/gから1.8mmol/gへのIEC増大によって、R.H. 30%下でも
は1桁以上高くなった。高IEC下に伴うスルホン酸基の集積による影響が強く現れていると考えられ、照射フルエンスや飛跡構造を制御することの有効性が示唆された。