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牧野 仁史; 仙波 毅; 柴田 雅博
NEA/RWM/R(2018)7 (Internet), p.315 - 322, 2022/11
原子力機構(JAEA)による先進的なKMSの開発に係る挑戦について、JAEA KMSの開発の背景、開発のアプローチ、開発したプロトタイプの紹介を含めてまとめる。あわせて、JAEA KMSの導入と持続的なメンテナンス等の実施のための挑戦や実務的な課題についてまとめる。
先崎 達也; 荒井 陽一; 矢野 公彦; 佐藤 大輔; 多田 康平; 小木 浩通*; 川野邊 崇之*; 大野 真平; 中村 雅弘; 北脇 慎一; et al.
JAEA-Testing 2022-001, 28 Pages, 2022/05
核燃料サイクル工学研究所B棟における試験、分析の実施により発生し、長期間グローブボックス内に保管していた核燃料物質について、当該施設の廃止措置の決定に伴い、高レベル放射性物質研究施設(CPF)の貯蔵庫においてポリ塩化ビニル製の袋(PVCバッグ)で密封して保管していた。CPF安全作業基準に基づく貯蔵物の定期点検においてPVCバッグが徐々に膨らむ状況が確認されたことから、当該試料中から放射線分解によると思われる何らかのガスが発生していると考えられた。ガスが滞留した状態で放置すると、PVCバッグの破裂・破損に繋がるため、ガスが発生しない状態に安定化する必要があると考えた。安定化処理までの処理フローを確立するため、当該核燃料物質の性状を調査した。また、その結果から模擬物質を選定してモックアップ試験を実施した。性状調査においては放射能分析や成分分析、熱分析を実施した。放射性物質濃度及び組成を明らかにするため、線スペクトロメトリーによる定性分析及び試料溶解による成分分析を実施した。次に、加熱処理による発熱反応を確認するため、酸素をコントロールした条件下で熱分析を実施した。熱分析の結果から有機物含有核燃料物質の組成を推定し、700
Cの熱処理により安定化が可能と判断できたことから、全量を熱処理し安定化処理作業を完了した。核燃料物質の熱処理においては、まずは少量の試料により安全性を確認した後、処理規模をスケールアップした。熱分解処理後の重量減少量の測定により、核燃料物質に混合する有機物が完全に分解できたことを確認した。安定化処理後の核燃料物質はSUS製貯蔵容器に収納してバッグアウトし、CPFの貯蔵庫に貯蔵することで一連の安定化処理作業を完了した。今後の廃止措置においても、性状不明な核燃料物質の安定化処理が必要なケースが想定されることから、安定化処理において得られた知見について報告書にまとめる。
宮崎 康典; 渡部 創; 中村 雅弘; 柴田 淳広; 野村 和則; 甲斐 哲也; Parker, J. D.*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011073_1 - 011073_7, 2021/03
中性子共鳴吸収イメージングを、抽出クロマトグラフィに使用するマイナーアクチノイド回収用CMPO/SiO-Pカラムで形成したEu吸着バンドの観測に適用した。軽水や重水で調製した湿潤カラムと乾燥吸着材を充填した乾燥カラムを比較し、中性子透過を評価した。中性子透過スペクトルから、乾燥カラムは45%、軽水調製カラムは20%、重水調製カラムは40%の中性子透過を確認した。得られた結果から、CMPO/SiO
-Pカラムに形成したEu吸着バンドを観測するには、重水の使用によって、より鮮明になることを明らかにした。今後、カラム操作による吸着バンドのカラム内移行挙動を明らかにする。
山田 知典; 武部 俊彦*; 石塚 一平*; 大道 博行*; 羽成 敏秀; 柴田 卓弥; 大森 信哉*; 黒澤 孝一*; 佐々木 豪*; 中田 正宏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(12), p.1171 - 1179, 2019/12
被引用回数:1 パーセンタイル:14.17(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の炉内構造物及び燃料デブリ取り出しに向けて、レーザーとウォータージェットを組み合わせたはつり除去技術の開発を行った。金属を対象とした除去能力を評価するため、5.5kWの連続発振のファイバーレーザーとパルス噴射のウォータージェットを組み合わせて加工中の様子を観察した。
荒井 陽一; 渡部 創; 大野 真平; 中村 雅弘; 柴田 淳広; 中村 文也*; 新井 剛*; 瀬古 典明*; 保科 宏行*; 羽倉 尚人*; et al.
International Journal of PIXE, 29(01&02), p.17 - 31, 2019/00
PUREX再処理等の試験研究により、U, Puを含む廃溶媒が発生し、安全な保管や廃棄の観点から、廃溶媒からの核燃料物質の回収は重要なプロセスである。そこで、Pu(IV)の模擬としてZr(IV)を用いて模擬廃溶媒を調製し、固体吸着材による回収法を検討し、イミノ二酢酸を導入した吸着材が廃溶媒中からの核燃料物質回収に有効であるとの結果を得ている。実用化に向けては吸着量の向上が課題であったことから、イミノ二酢酸の導入量を増加させるためにポリマーを被覆した多孔質シリカの利用を検討し、そのポリマーにイミノ二酢酸を導入することで吸着材を合成した。合成した吸着材について、廃溶媒処理への適用性を評価するためには、吸着能力と吸着メカニズムを明らかにする必要がある。そこで、微量元素の測定が可能であるマイクロPIXE分析に着目し、吸着したZrの分布や量を測定することで、吸着材に導入したイミノ二酢酸基の利用効率を評価した。また、吸着材中のイミノ二酢酸に吸着したZr周りの局所構造を明らかとするためにEXAFS分析を実施した。それぞれの分析結果から、本件で合成した吸着材は溶媒中でもZrと吸着反応を示すことを確認したが、沈殿と推察される粒子が観察され、吸着材の合成方法の更なる改善が必要である。
中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
出口 朗*; 梅木 博之*; 植田 浩義*; 宮本 陽一; 柴田 雅博; 内藤 守正; 田中 俊彦*
LBNL-1006984 (Internet), p.12_1 - 12_22, 2016/12
我が国における高レベル放射性廃棄物の地層処分については、1999年に「第2次取りまとめ」として技術的信頼性が取りまとめられたが、その後10年以上が経過するとともに、東北地方太平洋沖地震などの自然事象が発生していることから、政府は、地層処分の技術的信頼性について、改めて最新の科学的知見を反映した再評価を行った。この再評価結果を受け、政府は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」を変更し、国が「科学的有望地」を提示するとともに、国が調査への協力を自治体に申し入れることを定めた。原子力発電環境整備機構(NUMO)および関係研究開発組織(原子力機構および原子力環境整備センター)は、地層処分の技術的信頼性の向上のため研究開発を進めている。また、NUMOは、一般的なセーフティケースの構築を進めている。
後藤 考裕*; 三ツ井 誠一郎; 高瀬 博康*; 黒澤 進*; 稲垣 学*; 柴田 雅博; 石黒 勝彦*
MRS Advances (Internet), 1(63-64), p.4239 - 4245, 2016/00
原子力発電環境整備機構と原子力機構は、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマを対象に2011年度から共同研究を進めている。我々は、この共同研究の一環として、鉄オーバーパックの腐食に伴うFeケイ酸塩の生成やオーバーパックの亀裂内の腐食生成物を通じたSiの移行など、様々なプロセスを考慮したガラス溶解モデルを開発している。モデル開発の目的は、ガラス溶解に関連するプロセスの相対的重要度の評価及び説得力のあるセーフティケースの作成に向けた更なる研究開発課題の特定である。感度解析では、1千年から1千万年を超える範囲のガラス固化体寿命が見積もられた。これはFeケイ酸塩の生成やガラス変質層内の物質移行特性など、主要なプロセスに関する現時点での理解に不確かさによるものである。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 畑山 明聖*; 柴田 崇統*; 山本 崇史*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; et al.
Fusion Engineering and Design, 96-97, p.616 - 619, 2015/10
被引用回数:10 パーセンタイル:68(Nuclear Science & Technology)JT-60SAのプラズマ加熱および電流駆動装置として利用する世界最大の負イオン源では、要求値となる22Aの大電流負イオンビームの100秒生成を目指している。そのためには、40cm110cm(全1000穴)のビーム引出面積から生成されるビームの一様性を改善する必要がある。そこで、負イオンビームの親粒子である水素原子および水素イオンをより一様に生成するために、磁場分布・高速電子分布計算結果および実験結果に基づいて、従来の横磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造に改良した。これにより、全プラズマ電極に対する一様な領域は、従来よりも1.5倍まで改良し、この一様な領域からJT-60SAの要求値を満たす22Aのビーム生成を可能にした。このときのビーム電流密度は210A/m
であり、これはITERの負イオン源にて要求される200A/m
をも満たすビーム生成に成功した。
大崎 弘貴; 島崎 洋祐; 角田 淳弥; 柴田 大受; 小西 隆志; 石原 正博
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 8 Pages, 2015/05
超高温ガス炉(VHTR)黒鉛構造物の設計では、高強度で、かつ耐酸化性の高い黒鉛材の使用が望まれる。IG-430(黒鉛材)は、VHTR黒鉛構造物の有望な候補材のひとつであるが、高温ガス炉の設計のための十分なデータベースが存在しない。そこで、本研究では、IG-430の設計データとして最も重要な強度の一つである圧縮強度を測定結果を統計的に評価した。また、IG-430黒鉛構造物の信頼性をHTTRの黒鉛設計基準で用いられている安全率をもとに評価し、VHTR黒鉛構造物としての適用性を検討した。その結果、IG-430は、高温ガス炉で使われている従来の黒鉛材の一つであるIG-110よりも高強度(約11%)で、かつ、低い標準偏差(約27%)を持つことが示された。これは、IG-430中のき裂の伝播が、IG-110中と比較して容易でないためと推定される。また、評価したIG-430の破壊確率が低いことから、IG-430を用いることで黒鉛構造物の信頼性の向上が達成できることが分かった。以上より、IG-430がVHTRの黒鉛構造物に適用できる見通しを得た。
柴田 雅博; 亀井 玄人
日本原子力学会誌ATOMO, 57(4), p.271 - 275, 2015/04
連載講座「放射性廃棄物概論」の一環として、地層処分システムの安全評価に関する一般的な手法と、関連する最新の国際動向等について解説する。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 北村 暁; 吉川 英樹; 小田 治恵; 石寺 孝充; et al.
JAEA-Research 2014-030, 457 Pages, 2015/03
原子力機構(JAEA)がこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、原子力発電環境整備機構(NUMO)が今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定すること等を目的として、2011年度よりJAEAとNUMOは以下の3つのテーマについて共同研究を進めている。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討: 水理地質構造モデル構築手法の事例調査に基づいて、得られた知見を評価ツリーとして整理し、モデルの不確実性やそれらの評価項目への影響等についての検討を行った。(2)シナリオの構築方法に関する検討: 状態設定手順を実務的な観点から、さらに見直すとともに、セメント影響とガラス溶解挙動について、知見の体系的な整理と不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定方法に関する検討: 母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。
江橋 健; 川村 淳*; 稲垣 学*; 小尾 繁*; 柴田 雅博; 板津 透; 仲島 邦彦*; 宮原 要; Apted, M. J.*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1665, p.39 - 45, 2014/07
隆起・侵食が地層処分の安全機能に与える影響については、サイト選定によって回避することが基本であるものの、評価が超長期に渡ることに起因してその不確実性を完全に排除することができず、その影響を仮想的に評価する可能性がある。本研究においては、仮想的な堆積岩分布域を対象として、隆起・侵食に起因する地質環境条件の変化が地層処分の核種移行に与える影響について、より現実に即して評価するためのアプローチを例示した。このアプローチは、既存の概念モデル(モダンアナログ的な観点と地史に基づく外挿の考え方)を応用したものであり、隆起・侵食による地質環境条件の変化に関する組合せを効果的に抽出可能であることに加え、処分事業の初期段階のように情報が限られた段階における地質環境調査や隆起・侵食に関する将来予測に対して、有効なフィードバック情報となりうるものである。
畑中 耕一郎; 柴田 雅博
テキスト「核燃料サイクル」(インターネット), 6 Pages, 2014/06
直接処分の対象となる使用済燃料の特徴を整理するとともに、直接処分に関する諸外国の状況を概観し、全体計画を踏まえたわが国での直接処分に関する研究開発の取り組みの現状について解説する。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 早野 明; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 小田 治恵; 北村 暁; 大澤 英昭; et al.
JAEA-Research 2013-037, 455 Pages, 2013/12
原子力機構(JAEA)及び原子力発電環境整備機構(NUMO)は、平成24年度に引き続き、JAEAがこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に直接適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくことを目的として、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて検討した。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討については、平成24年度に引き続き、結晶質岩を対象とした地下水移行時間の評価ツリーを拡充するとともに、新たに堆積岩を対象とした評価ツリーを作成した。(2)シナリオの構築に関する検討については、平成24年度の状態設定手順を実務的な観点から見直し、緩衝材を対象として試行した。また、安全機能への不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討については、母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の条件変換手法を含む設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。さらに、溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。
注連本 英典; 山口 正秋; 若杉 圭一郎; 柴田 雅博
JAEA-Research 2013-012, 35 Pages, 2013/10
本研究では天然現象のうち隆起・侵食/気候・海水準変動事象に着目し、地下深部に設置された処分場が地表に近接した場合の影響を定量的に評価すべく、わが国における侵食作用の中で主要、かつ速度が大きいと考えられる河川の侵食作用に注目し、河川侵食により生じる地形変化の概念モデルを流域により異なる河川侵食/堆積のシステムごとに構築した。河川侵食による地形変化の概念モデルは、これまで未着手であった河川の下流河口部、及び源流部を対象として、過去12万年程度の隆起・侵食及び気候・海水準変動の影響による河川の地形変化の記録を模式化することにより概念モデルを構築した。さらに、処分場の地表近接プロセスの評価において必要となる侵食量を見積もるために、沖積層の情報をもとに河川の流路付近の下刻及び側方侵食の深さと幅を分析し、モデルにおけるディメンジョンの設定方法を例示した。源流部の概念モデルでは、中部山岳地帯のDEMデータをもとに谷に関するディメンジョンを例示した。以上の検討を通じて、わが国の河川侵食の特徴を踏まえた地形変化の概念モデルの開発と、河川侵食による処分場の地表近接による影響を評価するための基盤情報を整備した。
若杉 圭一郎; 仲島 邦彦*; 注連本 英典; 柴田 雅博; 山口 正秋
Proceedings of 21st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-21) (DVD-ROM), 9 Pages, 2013/07
我が国において隆起・侵食は、不回避な天然現象の一つとしてシナリオで考慮する必要がある。また、現時点では評価時間のCut-offが定められていないため、超長期の影響も含めた隆起・侵食シナリオに対する評価の信頼性向上が求められている。このため、本研究では、我が国の地質・地形的特徴を考慮したより現実的な評価モデルを設定し、隆起と河川侵食を考慮した安全評価を実施した。さらに、仮想的な線量基準を満たすパラメータの組合せを把握するために、隆起・侵食速度及び透水量係数に着目したBounding解析を実施した。その結果、本解析条件のもとでは、余裕深度処分の安全評価基本シナリオへの線量目安値(10Sv/y)を満たすパラメータの組合せは見いだせなかったものの、すべてのケースにおいて、変動ケースの目安値である300
Sv/yを下回った。さらに詳細分析から、EBSからの放出を加速させても、母岩の安全機能により、核種が処分場近傍に留まることが示された。この結果、隆起・侵食の影響は、原則的に適切なサイト選定と設計によって回避されるべきであり、処分場が地下深部に留まっている間の核種の減衰を期待するしかないことが再確認された。
柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 早野 明; 三ツ井 誠一郎; 谷口 直樹; 小田 治恵; 北村 暁; 大澤 英昭; et al.
JAEA-Research 2012-032, 298 Pages, 2012/09
原子力機構(JAEA)と原子力発電環境整備機構(NUMO)は、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて、原子力機構が蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定するとともに、必要な開発課題と今後の計画を明らかにすることを目的として、2011年度に共同研究を実施した。実施テーマと概要は以下の通り。(1)対象母岩の選定に関する検討:母岩特性のうち水理に着目し、母岩特性を評価するための項目、及び地下水移行時間の評価手法について、地質環境の調査・評価と関連付けたうえで整理した。(2)シナリオの構築に関する検討:シナリオ構築手順を具体化するとともに、ガラス固化体の溶解と核種の浸出、オーバーパックの腐食、緩衝材の長期変遷について、現象理解に関する最新の知見を構造的に整理した。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討:緩衝材の分配係数と拡散係数、母岩の分配係数を対象として、パラメータ設定の方法論を検討し、その方法論に従った試行を行った。(4)知識情報の品質確保に関する検討:知識情報の品質を確保するための考え方や手法を、(2)シナリオの構築で検討した状態設定に対する論拠に関する情報を例として検討した。
稲垣 学*; 田中 達也*; 橋本 秀爾*; 前川 恵輔; 柴田 雅博
JAEA-Research 2011-056, 37 Pages, 2012/03
我が国の地層処分事業は段階的に進められ、精密調査地区の選定段階においては、地下施設の基本レイアウトの設定、長期安全性に関する予備的評価等が行われる予定である。このためには、地上からの調査による限られた情報に基づいて、さまざまな不確実性や、地質構造や地質環境の不均質性を考慮した、評価対象とする地域の水理地質構造モデルの構築方法、さらに、処分施設に必要となる地下深部の空間的な広がりを考慮した、好ましい性能の岩盤領域(母岩)の把握方法等について、技術的な見通しを得るために、具体的なアプローチ、方法論を検討しておくことが重要である。本研究は、精密調査地区選定段階において地層処分施設の設定に好ましいということを判断するための指標について検討を行い、どのような手法と指標で評価することが有効となりえそうかという技術的課題について、幌延深地層研究計画における調査データを例題として用いた検討を実施し、手法の有効性の確認と課題の抽出を行った。
若杉 圭一郎; 小尾 繁*; 柴田 雅博
JAEA-Research 2011-006, 31 Pages, 2011/06
地層処分の安全評価では、国際的に合意された方法論に則りシナリオやモデルを構築し、これを用いて安全性が確保されていることを影響解析により確認してきたが、システム全体で安全確保を達成することが地層処分の基本概念であるため、個別の安全機能の性能やその多重性について研究された例は少なかった。このため、本研究では、地層処分の安全機能の多重性について理解するため、安全機能の個別の性能や相互補完の関係を明らかにするための手法を構築するとともに、これに基づき、人工バリアの安全機能に着目し検討を行った。その結果、安全機能を一つだけ考慮する場合、ガラスの溶解速度は線量を大きく低減させた。さらに、安全機能間の相対的重要度の関係や安全機能の相互補完の組合せを明らかにした。さらに、安全機能が発揮される条件を定量的に把握するために、上述の離散的な解析を補完したBounding Analysisを実施した。その結果、ガラスの閉じ込め性能と緩衝材の閉じ込め性能のそれぞれが発揮される条件を明らかにした。このような知見は、地層処分システムを構成するシステム要素の安全機能に対する性能要求を検討するうえで、重要な知見になると考えられる。