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近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:68.14(Physics, Particles & Fields)J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV Hリニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。
近藤 恭弘; 浅野 博之*; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 石山 達也; 伊藤 崇; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 明午 伸一郎; 三浦 昭彦; et al.
Proceedings of 28th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2016) (Internet), p.298 - 300, 2017/05
J-PARC加速器の要素技術開発に必要な3MeV Hリニアックを構築した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用したものを再利用している。設置作業の後、2016年6月からRFQのコンディショニングを開始した。このRFQは様々な問題を克服し、なんとか安定運転に達していたが、2年間運転できなかったので再度コンディショニングが必要であった。現状定格のデューティーファクタでは運転できてはいないが、短パルスならばビーム運転可能となっている。この論文では、この3MeV加速器のコミッショニングと最初の応用例であるレーザー荷電変換試験の現状について述べる。
平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11
単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67
ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のH
ビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百
mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。
浅井 雅人; 塚田 和明; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 市川 隆敏*; 石井 康雄; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 西中 一朗; 永目 諭一郎; et al.
Physical Review C, 87(1), p.014332_1 - 014332_6, 2013/01
被引用回数:6 パーセンタイル:42.24(Physics, Nuclear)Noの基底状態のスピン・パリティ,中性子軌道配位を
崩壊核分光により初めて実験的に同定した。
Noは、これまでにスピン・パリティや一粒子軌道配位が同定された原子核の中で最も中性子数の多い原子核である。本研究により
Noの基底状態と娘核
Fmの231.4keV励起準位の中性子軌道配位が9/2
[615]と同定され、この領域の原子核における中性子一粒子軌道のエネルギー間隔と順序が明らかになった。中性子数
=157における9/2
[615]基底状態の出現は、
=152と
=162に存在する変形殻ギャップ間の中性子軌道のエネルギー順序が中性子数が増えるにつれて大きく変化していることを示唆している。
福本 直之*; 小川 宏明; 永田 正義*; 宇山 忠男*; 柴田 孝俊; 柏 好敏; 鈴木 貞明; 草間 義紀; JFT-2Mグループ
Fusion Engineering and Design, 81(23-24), p.2849 - 2857, 2006/11
被引用回数:10 パーセンタイル:56.09(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mでは、兵庫県立大学との協力研究で先進燃料補給法であるコンパクト・トロイド(CT)入射による粒子補給法の開発を進めてきた。CTプラズマの性能(速度,密度)は、入射装置の生成電源,加速電源の性能に強く依存する。そのため、高性能で安定な電源が必要とされる。JFT-2M用入射装置の加速電源には、電流値400kA,立上がり時間10s以下の高速大電流電源を使用している。通常このような電源のスイッチにはギャップスイッチが使用されるが、JFT-2M用入射装置では放電時のノイズを低減するため、イグナイトロンを使用した設計となっている。そのため、放電回路のインダクタンスの低減と耐電圧から生成電源では6本、加速電源では14本のイグナイトロンを使用する構成となった。これらのイグナイトロンを同時に駆動するために、印加するスタートパルスの波形や電圧を最適化した。その結果、生成電源,加速電源とも1
s以下の精度で放電のタイミングを制御することができた。この電源を使用したCTプラズマの生成加速実験で、生成電源の放電開始から加速電源の放電開始までの遅延時間には最適値があり、1
sの違いにより生成されるCTプラズマの性能が大きく変化することが明らかとなった。
都筑 和泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; Bakhtiari, M.*; 小川 宏明; 栗田 源一; 武智 学; 河西 敏; 佐藤 正泰; 川島 寿人; et al.
Nuclear Fusion, 46(11), p.966 - 971, 2006/11
被引用回数:16 パーセンタイル:47.20(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、発電実証炉のブランケット構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を調べる「先進材料プラズマ試験」を段階的に進めてきた。核融合原型炉では壁安定化効果を利用して規格化ベータ3.55.5程度のプラズマを生成することが想定されているため、フェライト鋼のような強磁性体壁をプラズマに近づけた時のMHD安定化への影響を評価することは応用上重要である。そこで、壁とプラズマとの距離を変え、安定化効果を調べる実験を行った。まずプラズマの位置,圧力をより正確に評価するための平衡計算コードの改良を行った。改良後のコードを実験と比較し、良い一致が見られた。そのうえでプラズマを壁に近づける実験を行い、プラズマ小半径で規格化した壁との距離が1.3程度の範囲までフェライト鋼壁と高規格化ベータプラズマが共存し得ることを実証した。また、壁との距離以外の条件が共通しているデータセットを抽出し、壁に近い配位の方が(1)
限界が上昇する、(2)コラプスに至る時定数が長くなるなど、壁安定化効果の存在を示唆するデータが得られた。
小川 宏明; 小川 俊英; 都筑 和泰; 川島 寿人; 河西 敏*; 柏 好敏; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 柴田 孝俊; 三浦 幸俊; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.209 - 224, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.63(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mでは、コンパクト・トロイド(CT)入射による先進的燃料補給法の開発を進めてきた。JFT-2Mの実験において、初めてHモードプラズマ中にCTを入射することに成功し、Hモードとの両立を確認した。その際の粒子補給効率として最大40%を得た。また、トカマク中でのCTの上下方向のシフトや反射といったトカマク磁場との相互作用に起因するCTの挙動を実験的に解明した。さらにCT入射直後に発生する磁気揺動の解析から、この揺動がCT磁場とトカマク磁場との磁気リコネクションを通じた粒子解放過程に関連することを明らかにした。同時に、入射装置の改良によるCTパラメータ(密度,速度)の向上や湾曲輸送管を用いたCT輸送実験を行い大型装置に適用する際の技術開発を進めた。
都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。
川島 寿人; 仙石 盛夫; 上原 和也; 玉井 広史; 荘司 昭朗*; 小川 宏明; 柴田 孝俊; 山本 正弘*; 三浦 幸俊; 草間 義紀; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.168 - 186, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:23.63(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mトカマクでは、SOL/ダイバータプラズマの物理を理解し、熱・粒子を能動的に制御するための実験研究を進めてきた。1984年のJFT-2M実験開始後10年間は開ダイバータ形状で、ダイバータプラズマの内外非対称性,熱・粒子の輸送,ELM中のSOL電流特性等が明らかとなり物理的理解を進めた。局所排気,境界摂動磁場印加,ダイバータバイアス,周辺加熱などの先進的手法を取り入れ、熱・粒子を能動的に制御できることを実証した。ダイバータでの熱・粒子独立制御性向上を目指し、1995年に熱・粒子束流を考慮しながらダイバータ開口部を狭める閉ダイバータ化を実施した。ダイバータ部から主プラズマ周辺への中性粒子の逆流を抑える遮蔽効果が有効に機能し、主プラズマの高閉じ込め状態を劣化させることなく、ダイバータ板熱負荷を低減するための強力ガスパフが可能となり、n=4
10
m
, T
=4eVまでの低温高密度ダイバータプラズマを実現することができた。また、高閉じ込めモード中、周辺プラズマにおいて特有の揺動が現れることがわかり、閉じ込めとの関係が示唆された。本論文はこれらの成果のレビューである。
星野 克道; 山本 巧; 玉井 広史; 大麻 和美; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 小川 俊英; 荘司 昭朗*; 柴田 孝俊; 菊池 一夫; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.139 - 167, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:16.75(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mで開発されたさまざまな加熱電流駆動装置や外部コイルやダイバーターバイアス装置により得られた成果を先進能動的トカマクプラズマ制御の観点からレビューする。各装置の設計などについても特徴を述べる。この分野でのJFT-2Mの貢献についてまとめる。
篠原 孝司; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 都筑 和泰; 鈴木 貞明; 浦田 一宏*; 伊世井 宣明; 谷 孝志; 菊池 一夫; 柴田 孝俊; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.187 - 196, 2006/02
被引用回数:7 パーセンタイル:45.15(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mではフェライト鋼の挿入によりトロイダル磁場のリップルを低減した。二種の低減法が試された。最初の場合では、フェライト鋼はトロイダルコイルと真空容器に挟まれる空間に設置された。二つ目の場合ではフェライトは真空容器の内面をほぼ全面覆うように設置された。いずれの場合もリップルの低減に成功し、高速イオンの熱負荷の低減を確認した。また、フェライト鋼によって発生する複雑磁場に対応したOFMCコードも作成した。ここではJFT-2Mのフェライト鋼挿入によるリップル低減についてレビューする。
山本 正弘*; 柴田 孝俊; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 木村 晴行; 岡野 文範; 川島 寿人; 鈴木 貞明; 篠原 孝司; JFT-2Mグループ; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.241 - 248, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:16.75(Nuclear Science & Technology)将来の核融合炉における構造材料として低放射化フェライト鋼F82Hの適合性をJFT-2M装置を用いて研究する先進材料プラズマ試験計画についてまとめた。トロイダル磁場リップルの低減を目的としたフェライト鋼板(壁)は、JFT-2M真空容器の外側や内側位置に三段階に分けて設置した。本論文は、これら3回の構造変更における技術的な課題として、フェライト鋼板を適切に固定するための電磁解析,許容誤差を少なくする設置方法,設置時の基準表として真空容器の実際の形状の情報を得るために使用された3次元磁場測定装置に焦点を当てて述べた。錆びやすいフェライト鋼板に対して良好な表面状態を確保するために、設置前の表面処理を念入りに実行した。酸素不純物を低減するために、安全で操作が容易なトリメチルボロンを使用したボロン化処理システムを開発した。
山本 正弘*; 岡野 文範; 都筑 和泰; 小川 宏明; 鈴木 貞明; 柴田 孝俊
JAERI-Tech 2005-061, 11 Pages, 2005/09
先進材料プラズマ試験(AMTEX)を実施するためJFT-2M真空容器内部にフェライト鋼板を設置した。フェライト鋼は錆び易く、かつ表面の不純物吸蔵量も多いことから、フェライト鋼表面をボロンコーティングするためのトリメチルボロン(TMB)を使ったコーティング装置を開発した。コーティング装置で使用されるTMBは毒性があるため、作業者をこの毒性から守るためにヘリウムガスで1%に希釈して使用した。コーティングした膜の一様性や安定性はトカマク真空容器内に設置した試料片を顕微鏡で測定することにより確認した。コーティング膜厚はX線光電子分光装置で測定し、約130nmであった。このボロンコーティングを実施した後のプラズマ実験では、実施前に比べて放射損失は1/3に減少し、また、酸素不純物は1/10に減少した。
山本 正弘*; 都筑 和泰; 木村 晴行; 佐藤 正泰; 柴田 孝俊; 岡野 文範; 鈴木 貞明
JAERI-Tech 2005-060, 16 Pages, 2005/09
低放射化フェライト鋼は、核融合原型炉の構造材候補の一つである。しかしながら、フェライト鋼は強磁性材料であり、プラズマの閉じ込めや安定性が誤差磁場によって損なわれる恐れがある。そこで、プラズマとフェライト鋼との適合性について調査するためにトカマク型核融合装置JFT-2Mにおいて先進材料プラズマ試験(AMTEX)が実施された。AMTEXは、低放射化フェライト鋼板を段階ごとに設置して実施した。第3段階において、フェライト鋼板がブランケット壁を模擬して、真空容器の内壁のほとんど全部を覆うように設置された。この試験において、フェライト鋼板の設置の前・後における磁場強度分布の正確な測定が要求された。それゆえ、トロイダ方向の3次元の磁場分布を測定する装置を開発した。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:44.38(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:73.08(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
都筑 和泰; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 小川 宏明; 木村 晴行; 岡野 文範; 鈴木 貞明; 小又 将夫; 沢畠 正之; 篠原 孝司; et al.
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.177 - 181, 2003/03
被引用回数:9 パーセンタイル:52.55(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉の候補材料であるが、ステンレス鋼と比較して錆びやすく酸素の吸蔵量も大きい。そのため、実際に装置に導入する場合、設置作業中の錆びの発生やそれに伴う真空特性の劣化が懸念される。また、プラズマ実験中は、物理及び化学スパッタリングによる不純物放出も懸念される。JFT-2Mにおいては、先進材料プラズマ試験の第二段階においてフェライト鋼を真空容器内に部分的に設置し、真空特性,及びプラズマ実験中の不純物放出が問題にならないレベルであることを実証してきた。第三段階ではフェライト鋼を全面的に設置したが、表面積が大きく設置作業期間も長いので、より大きな影響がでる可能性がある。実験に先立ち予備排気試験を行い、2か月程度大気にさらしたフェライト鋼が問題なく排気できることを確認した。講演では第三段階の初期結果も示し、不純物放出の観点からの低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を議論する。
都筑 和泰; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 伊世井 宣明; 木村 晴行; 小川 宏明; 宮地 謙吾; 山本 正弘; 柴田 孝俊
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1386 - 1390, 2002/12
被引用回数:15 パーセンタイル:66.93(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は原型炉の構造材の候補材料であるが、強磁性体であるため、閉じ込め,安定性の劣化が懸念されている。そのため、プラズマへの適用性を実証していくことが不可欠であり、JFT-2Mにおいては三段階で試験を進めることになっている。これまでに第二段階であるフェライト鋼板の真空容器内部分的設置による適合性予備試験を終了したが、プラズマに対する悪影響は観測されておらず、トロイダル磁場リップルの低減が可能であるなど、むしろプラズマの改善に役立つことが実証されている。第三段階では、リップルの理想的な低減と、プラズマ安定性への影響のさらなる理解を目標にフェライト鋼板を真空容器内に全面的に設置することになっており、現在設置工事を行っている。また、リップルの実測、及び誤差磁場の計測のため高精度の磁場計測器を開発し、設置前の磁場測定まで終了した。リップル率,誤差磁場成分とも十分な精度で参照データを取得できた。
都筑 和泰; 伊世井 宣明; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 木村 晴行; 小川 宏明; 三浦 幸俊; 小川 俊英; 柴田 孝俊; 秋山 隆*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 78(5), p.455 - 461, 2002/05
JFT-2Mにおいては、核融合原型炉の構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼(F82H)のプラズマへの適用性を調べる実験を段階的に進めている。本実験では、最終段階の真空容器内壁の全面フェライト鋼化の前段階として、フェライト鋼板を真空容器内に部分的に設置し、不純物放出、及び磁気的影響の予備的評価を行った。また表面特性改善のため、その場ボロン化設備を新設した。真空排気,プラズマ生成は、設置前と同様の手法で行い、不純物放出,プラズマ制御への影響が小さいことを確認した。またプラズマ安定性を調べる実験を行い、磁気的特性がロックトモードに悪影響を与えないことを示した。一連のデータ取得後ボロンコーティングを行い、その有効性を確認したボロン化後、=2.7の高規格化
プラズマの生成を行うことができ、プラズマ高性能化にとっても有望な結果を得た。
柴田 孝俊; 秋山 隆*; 伊世井 宣明; 川島 寿人; 木村 晴行; 宮地 謙吾; 岡野 文範; 佐藤 正泰; 鈴木 貞明; 都筑 和泰; et al.
Proceedings of 19th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE), p.360 - 363, 2002/00
JFT-2Mでは、原型炉の構造材料として低放射化フェライト鋼(F82H)を使用することができるかどうか立証するために、Advanced Material Tokamak Experiments(AMTEX)を段階的に実施している。本発表では、AMTEX計画の第2段階のフェライト鋼板壁を真空容器内壁へ部分的に設置したが、そのときに行ったフェライト鋼板壁の設計,構造,設置及び調整に関する技術的検討,試験・検査等の詳細を発表する。また、AMTEX計画の第3段階のフェライト鋼板壁を真空容器内壁へ全面設置する計画について発表する。