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下平 昌樹; 河 侑成; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄
Journal of Pressure Vessel Technology, 148(2), p.021504_1 - 021504_10, 2026/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00最新の原子炉圧力容器の構造健全性評価においては、マスターカーブ法に基づく正確な破壊靭性参照温度T
の取得が必要である。破壊靭性参照温度T
はMini-C(T)破壊靭性試験片によって取得可能であり、この試験片の寸法や亀裂形状に関しては、ASTM規格のE1921や日本電気協会電気技術規程JEAC4216に規定されている。最近、ASTM E1921では評価の正確性や試験を行う上での利便性を向上させるために、亀裂形状に関する規定の変更が行われてきた。このような規格の改定に伴うMini-C(T)試験片の許容亀裂形状の変化は、亀裂先端の塑性拘束状態を変化させ、T
評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、ASTM E1921やJEAC4216に規定される亀裂形状に関する要求の妥当性について議論するため、Mini-C(T)試験片の亀裂湾曲が破壊靭性評価に及ぼす影響について、ワイブル応力解析を含む有限要素解析によって定量的に評価した。その結果、ASTM E1921-21で定められた最大湾曲を有する亀裂形状の場合、亀裂先端の塑性拘束が弱められ、理想的な直線状亀裂を有するMini-C(T)試験片で得られる破壊靭性値に比べて高めの破壊靭性値が得られる可能性を示した。また、上述の最大湾曲を許容した場合、非保守的なT
が取得されることをワイブル応力解析によって示した。一方、JEAC4216で許容される最大湾曲を有する亀裂形状の場合は、理想的な直線状亀裂の場合と比べてT
の有意な差は見られなかった。
松井 哲也; 下平 昌樹; 山口 義仁; 外山 健; 勝山 仁哉
JAEA-Research 2025-017, 41 Pages, 2026/03
日本原子力研究開発機構安全研究センターでは、2024年度より先進的な検査・構造健全性評価技術に関する基盤研究を進めており、その一環として超音波シミュレータによる模擬探傷画像及び機械学習を活用して超音波探傷結果診断技術を開発予定である。本研究では、そこで用いる超音波シミュレータの適用性を検証するため、シミュレータによるフェーズドアレイ超音波探傷での解析結果と実機事例を比較した。実機事例として、数少ない公開結果である2020年に報告された関西電力大飯発電所3号機加圧器スプレイライン配管溶接部における粒界割れの超音波探傷結果を比較対象とした。配管溶接部に対する入射角45
のフェーズドアレイリニアスキャンを模擬した解析において、亀裂によるコーナーエコー及び端部エコーはその亀裂の位置に正しく検出された。一方、解析において溶接金属部内に強い柱状晶伝搬エコーが検出され、その強度は柱状晶異方性の対称軸角度への依存性が高いことがわかった。また、入射角31
の場合にも強い柱状晶伝搬エコーが得られ、その柱状晶伝搬エコーは亀裂のコーナーエコーと繋がって、配管内表面における亀裂位置から溶接内部にまたがる形状であった。これは、実機事例とよく一致していることから、フェーズドアレイの入射角31
で実測された溶接内部エコーの原因としては柱状晶伝搬エコーも考えられる可能性が示唆された。
下平 昌樹; 河 侑成; 山口 義仁; 端 邦樹; 勝山 仁哉
Proceedings of the ASME 2025 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP2025) (Internet), 8 Pages, 2025/07
原子炉圧力容器(RPV)の構造健全性評価では、RPV中に想定した仮想欠陥を想定した場合の応力拡大係数と、破壊靭性試験片等により求められた破壊靭性値とを比較する。RPV中の仮想欠陥はその大きさが板厚に比べて小さく、塑性拘束が弱い。このような塑性拘束が弱い仮想欠陥から求めた応力拡大係数を、塑性拘束が強い破壊靭性試験片で得られた破壊靭性値と比較することは、過度に保守的な評価結果をもたらす可能性がある。近年、より合理的にRPVの構造健全性を行うための手法としてローカルアプローチに基づく破壊評価手法が提案されている。ローカルアプローチは、塑性拘束状態に依存しないワイブル応力を指標とすることによって、破壊靭性分布を評価可能な手法である。この評価手法を今後RPVに適用していくためには、中性子照射を受けた低合金鋼に対して適切なワイブル応力及び破壊靭性分布が得られることを確認する必要がある。本研究では、ワイブル応力の算出に必要なワイブル形状母数m及びワイブル応力から破壊確率を求めるために必要な尺度母数
に着目した。中性子照射前後の低合金鋼に対して破壊靭性試験及び有限要素解析を実施することにより、上述のパラメータに対する中性子照射の影響を調べた。その結果、ワイブル応力のばらつきの大きさに相当するm値は、照射の影響をほとんど受けないことがわかった。一方、照射材の破壊靭性分布を精度よく予測するためには、照射後の引張特性の変化を考慮して
を最適化する必要があることがわかった。
河 侑成; 下平 昌樹; 勝山 仁哉
Proceedings of the ASME 2025 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP2025) (Internet), 5 Pages, 2025/07
原子炉圧力容器の構造健全性評価に関して、日本の監視試験計画ではJEAC4201-2007(2013追補版)に従って母材、溶接金属及び溶接熱影響部(継手HAZ)の照射脆化が監視されている。継手HAZは金属組織が非均質であるため、機械的特性のばらつきが大きいことが知られている。本研究では、継手HAZについて、採取位置が異なる試験片ごとに破壊靭性試験を行い、破壊靭性のばらつきの程度を評価することを目的とした。継手HAZ試験片のノッチ位置は3箇所とし、それぞれの合計50本以上の破壊靭性試験を行った。その結果、継手HAZの破壊靭性は3箇所いずれでも母材より優れていること、その中では母材に近い部位の破壊靭性値が他の部位に比べて有意に低いことが分かった。また、ワイブル形状母数を用いて個々の破壊靭性値の分布を確認した結果、母材のワイブル形状母数はほぼ理論的な値を示した一方、継手HAZでは溶接溶融線に近づくほどワイブル形状母数が低くなり、破壊靭性の不確実さが大きくなることが明らかになった。
下平 昌樹; 山口 義仁; 岩田 景子; 勝山 仁哉; 知見 康弘
Proceedings of the ASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/07
日本電気協会規格(JEAC)4206では、加圧熱衝撃事象時の原子炉圧力容器(RPV)の非延性破壊を防止するため、材料の破壊靭性が亀裂先端に生じる応力拡大係数を上回ることが要求されている。破壊靭性は、通常板幅に対して深い亀裂を有するコンパクトテンション(C(T))試験片を用いて評価されるのに対して、応力拡大係数はRPVの板厚に対して浅いステンレスオーバーレイクラッド(クラッド)下亀裂を想定して算出される。さらに、破壊靭性試験は単軸荷重によって行われるのに対して、RPVの想定亀裂には熱応力及び内圧による二軸の荷重が負荷される。このような亀裂深さやクラッドの有無、荷重負荷条件の違いは、亀裂先端の塑性拘束状態を変化させ、破壊靭性値評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、現行のRPVの構造健全性評価手法の保守性を定量的に評価するため、クラッド下亀裂を有する大型試験体を用いた多軸破壊試験を計画している。本報告では、多軸破壊試験の実施に向けた試験体形状や荷重負荷方法の検討内容及び当該試験の参照データとなる予備試験結果について報告する。予備試験では、亀裂の深さや形状を変えた試験体を用いた破壊試験を行い、浅い亀裂を有する試験体ではC(T)試験片に比べて破壊靭性値が高めに評価されることを示した。さらに、亀裂先端の拘束状態に依存せずに破壊靭性値を予測可能なローカルアプローチを用いて多軸試験体で得られる破壊靭性値の予測を行った。その結果、多軸試験体で得られる破壊靭性値は、JEAC4206に基づいて設定される破壊靭性遷移曲線に対して、十分な裕度を有することを示した。
for brittle fracture in ductile-brittle transition temperature region北条 公伸*; 廣田 貴俊*; 名越 康人*; 深堀 拓也*; 清水 万真*; 下平 昌樹; 小川 琢矢*; 八代醍 健志*; 大畑 充*; 南 二三吉*
Proceedings of the ASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP 2024) (Internet), 9 Pages, 2024/07
加圧熱衝撃事象における延性-脆性遷移温度域の原子炉圧力容器の破壊挙動を予測するため、日本溶接協会規格(WES)として塑性拘束補正係数
を導入した評価手法の策定を目指している。WESでは当該評価手法として、簡易法と詳細法の2種類を定める予定である。簡易法による塑性拘束補正係数
の算出では、材料の降伏応力、降伏比、ワイブル形状母数をパラメータとした式を用いる。また、塑性拘束補正係数
は評価対象の欠陥寸法や構造物の板厚にも依存する。本研究では、様々な原子炉圧力容器を対象として簡易法による塑性拘束補正係数
を求めるため、構造物の板厚や亀裂寸法、降伏比やワイブル形状母数を変化させた感度解析を実施した。また、加圧熱衝撃事象は温度変化を伴う事象であることから、ワイブル形状母数等の温度依存性に関する検討も行った。
名越 康人*; 深堀 拓也*; 岡田 裕*; 高橋 昭如*; 下平 昌樹; 上田 貴志*; 小川 琢矢*; 八代醍 健志*; 高橋 由紀夫*; 大畑 充*
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 9 Pages, 2024/03
日本溶接協会CAF小委員会では、塑性拘束効果を考慮した破壊評価手法ガイドラインの策定を目指している。この評価手法では、脆性破壊を評価するためのBereminモデルと延性亀裂成長を評価するためのGTNモデルを用いる。そこで、これらの評価モデルの適用性を検証するため、CAF小委員会の参加機関によるベンチマーク解析が行われた。ベンチマーク解析は、各機関が有する有限要素解析コードを用い、2種類の低合金鋼(A及びB)の破壊試験に対して実施されてきた。本発表では、低合金鋼Bに対する解析結果を報告する。Bereminモデルにおいて、一般的なワイブル形状母数(
= 10, 20, 30)を用いた場合、各機関で計算されたワイブル応力が概ね一致することを確認した。また、Toughness Scaling Modelに基づいて、塑性拘束度が異なる2種類の試験片を用いてワイブル形状母数
を算出した。算出されたワイブル形状母数
は解析機関によりばらつきはあったものの、最終的に算出されるワイブル応力は一致することを確認した。GTNモデルに関して、評価に用いるパラメータを1T-C(T)試験片の室温での荷重-変位関係に基づいて最適化した。最適化されたパラメータを用いてGTNモデルに基づき評価されたJ-R曲線が各機関で一致することを確認した。
河 侑成; 下平 昌樹; 勝山 仁哉
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 7 Pages, 2024/03
国内の原子炉圧力容器(RPV)の溶接継手熱影響部(継手HAZ)は監視試験対象部位である。継手HAZ内には非均質に金属組織が分布し、破壊靭性のばらつきが大きいと考えられるものの、HAZ試験片の採取位置における金属組織の違いが機械的特性及び照射脆化感受性に及ぼす影響は詳細に調べられていなかった。本研究では継手HAZの非均質な組織に着目し、まず未照射材について溶接金属と母材の境界からの距離に応じて3箇所(0.5mm, 1mm及び2mm)の継手HAZ、及び母材から採取した微小試験片(Mini-C(T)試験片)を用いて破壊靭性を評価した。その結果、HAZの破壊靭性は母材と比べてばらつきが大きく、特に溶接金属と母材の境界から0.5mmのHAZにおいて破壊靭性のばらつきが最も大きい傾向を示した。HAZに対する破壊靭性参照温度は採取した3箇所の中で有意な差が得られたものの、いずれの破壊靭性参照温度も母材より低く、破壊靭性値が高いことを確認した。本研究結果により、未照射状態では母材が継手HAZを代表して破壊靭性を保守的に評価できることを確認した。
下平 昌樹; 河 侑成; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄
Proceedings of the ASME 2023 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2023) (Internet), 11 Pages, 2023/07
最新の原子炉圧力容器の構造健全性評価においては、マスターカーブ法に基づく正確な破壊靭性参照温度T
の取得が必要である。破壊靭性参照温度T
はMini-C(T)破壊靭性試験片によって取得可能であり、この試験片の寸法や初期亀裂形状に関しては、ASTM規格のE1921や日本電気協会電気技術規程JEAC4216に規定されている。最近、ASTM E1921では評価の正確性や試験を行う上での利便性を向上させるために、何度か予亀裂形状に関する規定の変更が行われてきた。このような規格の改定に伴うMini-C(T)試験片の許容予亀裂形状の変化は、予亀裂先端の塑性拘束状態を変化させ、T
評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、ASTM E1921やJEAC4216に規定される予亀裂形状に関する要求の妥当性について議論するため、Mini-C(T)試験片の予亀裂湾曲が破壊靭性評価に及ぼす影響について、ワイブル応力解析を含む有限要素解析によって定量的に評価した。その結果、ASTM E1921-21で定められた最大湾曲を有する亀裂形状の場合、亀裂先端の塑性拘束が弱められ、理想的な直線状亀裂を有するMini-C(T)試験片で得られる破壊靭性値に比べて高めの破壊靭性値が得られる可能性を示した。また、上述の最大湾曲を許容した場合、非保守的なT
が取得されることをワイブル応力解析によって示した。一方、JEAC4216で許容される最大湾曲を有する亀裂形状の場合は、理想的な直線状亀裂の場合と比べてT
の有意な差は見られなかった。
吉田 健太*; 外山 健*; 井上 耕治*; 永井 康介*; 下平 昌樹
まてりあ, 62(3), p.154 - 158, 2023/03
原子炉圧力容器(RPV)の中性子照射脆化因子の一つである直径3nm程度の微細な転位ループを高精度に分析するために開発したウィークビーム走査透過型電子顕微鏡(WB-STEM)に関する解説を行うとともに、当該手法と3次元アトムプローブ法(APT)及び陽電子消滅法(PAS)を組み合わせた最先端の照射脆化研究について紹介する。WB-STEMは材料内部に存在する特定の格子欠陥に対して最適な電子線の収束角及び検出角を設定することによって、従来透過型電子顕微鏡での観察が困難であった微細な転位ループの定量評価を可能にする手法である。この手法を用いて10
n/m
程度の低照射量から10
n/m
を上回る高照射量まで複数照射量条件で照射された欧州加圧水型軽水炉の監視試験片中の転位ループを分析し、APTやPASで分析した溶質原子クラスターとの比較を行った。その結果、8.2
10
n/m
から1.2
10
n/m
の高照射量領域において転位ループの数密度が顕著に増加することを明らかにした。また、測定された転位ループ及び溶質原子クラスターの数密度や寸法からモデル式に基づいて、これら微細組織の脆化への寄与を評価し、高照射量領域において転位ループが脆化に大きく寄与する可能性を示した。
下平 昌樹; 飛田 徹; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 塙 悟史
Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011304_1 - 011304_7, 2022/02
被引用回数:5 パーセンタイル:31.68(Engineering, Mechanical)JEAC4206-2016における原子炉圧力容器の構造健全性評価では、材料の破壊靭性が、想定欠陥であるクラッド下半楕円亀裂の先端における応力拡大係数よりも高いことが求められている。しかしながら、破壊靭性試験片と想定亀裂の亀裂深さやクラッドの有無といった違いにより、塑性拘束状態や破壊靭性評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、クラッド下亀裂が破壊靭性評価に及ぼす影響を調べるため、3点曲げ破壊靭性試験及び有限要素解析を実施した。その結果、クラッド下亀裂の塑性拘束が表面亀裂のそれに比べて弱いことを解析によって示した。さらに、クラッド下亀裂の弱い塑性拘束の影響により、クラッド下亀裂の破壊靭性が表面亀裂よりも見かけ上高くなることを実験及びローカルアプローチによって明らかにした。
岩田 景子; 高見澤 悠; 河 侑成; 下平 昌樹; 岡本 芳浩; 本田 充紀; 勝山 仁哉; 西山 裕孝
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.143 - 152, 2022/01
被引用回数:2 パーセンタイル:25.99(Instruments & Instrumentation)The main causes of the irradiation embrittlement of RPVs are the formation of a solute cluster and the matrix defect. To investigate these embrittlement mechanisms, it is necessary to complementarily apply microstructure analyses. The extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) technique can detect changes in the atomic structure because of a vacancy-type defect or interstitial atoms introduced by irradiation around selected atoms. In this study, to investigate such microstructural changes due to irradiation, we performed an EXAFS examination for high-copper RPV steels subjected to ion irradiation. We investigated microstructures of the crystal structure around specific element such as Cu, Mn, and Ni, which are known to be the atoms included in the solute atom clusters and lattice defects such as vacancy-type defects. The results indicated that the solute atoms clusteris thought to aggregate in the Fe matrix while maintaining the bcc structure and that not only a vacancy-type defect but also a tensile configuration-type dumbbell pair could be located around both Cu and Ni atoms.
河 侑成; 下平 昌樹; 高見澤 悠; 飛田 徹; 勝山 仁哉; 西山 裕孝
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 6 Pages, 2021/07
The semi-elliptical crack sized 10 mm in depth
60 mm in length shall be postulated near the inner surface of a reactor pressure vessel (RPV) in pressurized thermal shock events. We investigated the fracture toughness distribution in the postulated crack area under the PTS events of unirradiated and highly-neutron irradiated RPV steels. Vickers hardness in heat-affected zone (HAZ) due to stainless overlay cladding and 10 mm from the cladding were higher than that of a quarter thickness position, where the surveillance specimens are machined, for both unirradiated (E1) and irradiated (up to 1
10
n/cm
, WIM) materials. Fracture toughness of HAZ and 10 mm from the cladding was higher for the above highly-neutron irradiated material. The same result was obtained in the unirradiated material. Therefore, it was confirmed that fracture toughness obtained from surveillance specimens can provide conservative assessment of structural integrity of RPV.
下平 昌樹; 飛田 徹; 名越 康人*; Lu, K.; 勝山 仁哉
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 8 Pages, 2021/07
JEAC4206-2016における原子炉圧力容器の構造健全性評価では、材料の破壊靭性が、想定欠陥であるクラッド下半楕円亀裂の先端における応力拡大係数よりも高いことが求められている。しかしながら、破壊靭性試験片と想定亀裂の亀裂深さやクラッドの有無といった違いにより、塑性拘束状態や破壊靭性評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、半楕円亀裂に対する拘束効果やクラッドが破壊靭性評価に及ぼす影響を調べるため、4点曲げ破壊靭性試験及び有限要素解析を実施した。その結果、半楕円亀裂最深点における見かけの破壊靭性がマスターカーブ法に基づく5%信頼下限を上回り、現行評価手法が保守性を有することを確認した。半楕円亀裂における破壊の起点は亀裂最深点だけでなく試験体表面近傍にも観察された。有限要素解析の結果、半楕円亀裂における塑性拘束は亀裂最深点に比べて表面近傍で弱くなっていることが分かった。また、表面亀裂の場合に比べてクラッド下亀裂の場合には塑性拘束が弱められ、その弱い拘束の影響によりクラッド下亀裂の見かけの破壊靭性が表面亀裂のそれよりも高くなることがローカルアプローチによって示唆された。
下平 昌樹; 飛田 徹; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 塙 悟史
Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08
JEAC4206「原子炉圧力容器に対する供用期間中の破壊靭性の確認方法」では、加圧熱衝撃事象時の原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価において、原子炉圧力容器内面のステンレスオーバーレイクラッド(クラッド)下亀裂(UCC)を想定し、亀裂先端の応力拡大係数がRPV鋼の破壊靭性値を上回らないことを定めている。本研究では、クラッドの存在が破壊靭性値に与える影響を評価することを目的に、UCCまたは表面亀裂を有する試験体を用いた3点曲げ破壊靭性試験と有限要素解析(FEA)を行い、UCCに対する塑性拘束効果の影響を調べた。その結果、UCCの破壊靭性値が表面亀裂に比べて高いことを実験的に示した。また、有限要素解析により、クラッドの存在によりUCCの塑性拘束効果が弱められることを示した。
河 侑成; 下平 昌樹; 飛田 徹; 塙 悟史; 山崎 翔太*; 宇野 定則*
2018年度量子科学技術研究開発機構施設共用実施報告書(インターネット), 3 Pages, 2019/09
原子炉圧力容器の母材の内表面から約10mm深さの範囲に生じるステンレスオーバーレイクラッド下溶接熱影響部の照射脆化感受性を調査するための電子線照射試験の準備として、原子炉圧力容器鋼の実機環境相当である290
Cを目標とした照射温度の制御実験を実施した。冷却装置や試料固定治具の製作等を行い、電子線照射時の電流値による試料の発熱と熱伝導による冷却のバランスを調整し、照射温度を290
Cに制御する条件を調べた。その結果、適切な厚さのステンレススペーサーの使用により、290.6
C
4.7
C範囲で照射温度を制御できることを確認した。
下平 昌樹; 河 侑成; 高見澤 悠; 外山 健*; Du, Y.*; 嶋田 雄介*; 吉田 健太*; 永井 康介*; 勝山 仁哉
no journal, ,
金属組織の違いが照射脆化感受性に及ぼす影響を調べるため、1970年代に運転を開始したプラントを模擬した銅含有量が高い原子炉圧力容器(RPV)鋼の溶接熱影響部(HAZ)及び母材部について、材料試験炉で中性子照射された材料を対象に、3次元アトムプローブ(APT)及び走査透過電子顕微鏡(STEM)により、溶質原子クラスタ及び転位ループの分析を実施した。APTを用いて異なる照射量ごとに溶質原子クラスタの数密度及び寸法を調べた結果、いずれの照射量でもHAZと母材部で顕著な違いは見られなかった。また、STEMにより中性子照射量が高い(約10
n/cm
)試料中の転位ループを観察した結果、HAZと母材部で顕著な違いは見られなかった。以上の結果から、本研究で用いたRPV鋼において、HAZにおける母材部との金属組織の違いは、微細組織の性状に対してほとんど影響しないことが明らかになった。
下平 昌樹; 塩谷 光平; 河 侑成; 高見澤 悠; 山口 義仁; 岩田 景子; 真野 晃宏; 外山 健
no journal, ,
経年劣化研究グループでは、原子炉構造材料の健全性評価や経年劣化評価手法の信頼性向上及び国による発電用原子炉に対する規制活動における技術的判断等に資することを目的として、主に軽水炉の一次系冷却水バウンダリ機器である原子炉圧力容器や配管等を対象とした材料劣化(照射脆化や応力腐食割れ等)等に関する研究を実施している。原子炉圧力容器の健全性評価に関して、確率論的破壊力学解析による加圧熱衝撃時の破損確率の定量評価や、分子動力学法による照射脆化機構に関する微細組織の障害物強度の評価を行った。また、原子力科学研究所の試験研究炉JRR-3を活用し、原子炉圧力容器鋼を対象とした中性子照射及び照射後試験を実施した。原子炉配管の健全性評価に関して、溶接残留応力や硬さの分布を考慮し、破損確率の評価を行った。以上の健全性評価手法の高度化に関する研究に加えて、機器中の欠陥を検出するための非破壊検査技術に関する研究も実施している。非破壊検査精度の向上に資するため、機械学習に基づき超音波探傷画像から欠陥の位置や寸法を推定するためのツールの開発を進めており、その教師データとするための超音波探傷シミュレーションを行った。
岩田 景子; 端 邦樹; 山口 義仁; 高見澤 悠; 河 侑成; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
原子力機構安全研究センター経年劣化研究グループでは健全性評価や経年劣化評価手法の信頼性向上及び発電用原子炉に対する規制活動における技術的判断等に資することを目的として、原子炉圧力容器や配管等を対象とした材料劣化(照射脆化や応力腐食割れ等)等に関する研究を実施している。原子炉圧力容器の照射脆化と健全性評価に関する研究では、確率論的破壊力学解析により、加圧熱衝撃時の原子炉圧力容器の破損確率を定量的に評価した。また有限要素解析を用いた微小試験片技術に関する研究では、破壊靭性試験方法の規格で定められる亀裂形状に関する規定について微小試験片に対応する亀裂湾曲を想定したモデルを有限要素解析により評価し、破壊靭性評価結果に及ぼす影響の大きさを検証した。原子炉配管等に関する研究では配管溶接時の入熱等の溶接条件が及ぼす溶接残留応力分布や硬さ分布を実験と有限要素解析の両面から評価した。また炉心からの中性子照射を長期間受ける構造材料の経年劣化事象を適切に評価するための技術基盤の整備や知見の拡充を目的として、材料照射試験設備の整備を進めている。JRR3にて実際に照射を実施し、現在照射後試験をWASTEFにて継続中である。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
中性子照射を受けた原子炉圧力容器(RPV)鋼には自己格子間型転位ループ(DL)やCu等からなる溶質原子クラスター(SC)が形成され、RPV鋼の照射脆化(硬化)の主因となることが知られている。従来はDL、SCはそれぞれ単独に存在すると考えられていたが、近年、DL/SC複合体としても存在する可能性が強いことが分かってきた。そのため、DL/SC複合体が照射硬化に及ぼす影響の評価が求められる。その端緒として、本研究では、分子動力学法を用いてDL/Cuクラスター複合体の転位運動に対する抵抗力(障害物強度)を評価した。まず純Cuクラスターの障害物強度を評価して先行研究と比較し、評価手法の妥当性を確認した。DL/Cuクラスター複合体に関しても解析を実施しており、講演ではその障害物強度も報告する。