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林津 雄厚*; 芹澤 茂*; 山崎 哲夫*; 梅山 信昭*; 森内 茂*; 半田 博之*; 大西 良一*; 竹村 守雄*; 茅野 政道; 永井 晴康; et al.
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
原子力安全技術センターで運用されているSPEEDIの予測精度を評価するために、予測気象場による線量分布予測結果と気象観測データを用いた解析気象場による線量分布解析結果の比較を行った。比較試験は、原子力発電所13施設を対象として2005年4月から1年間週1回の頻度で実施し、日中,夕刻,夜間,朝の時間帯にそれぞれ放射性希ガスを1Bq/hで6時間放出したときの外部被ばく線量分布を求めた。約2500ケースの試験結果を統計解析した結果、次の予測精度情報が得られた。(1)最大線量値の比は対数正規分布を示し、中央値0.77倍,99.7%信頼限界の範囲0.09から6.2,(2)高線量域の方向が3方位内で一致する頻度61%,(3)高線量域の距離の差は正規分布を示し、平均値-0.1km,99.7%信頼限界の範囲-6.2から6.0kmであった。
竹村 守雄
FAPIG, (175), p.3 - 17, 2007/07
設計が進められてきた国際熱核融合実験炉ITERはフランスに建設することが合意され、建設サイトであるカダラッシュへ、このプロジェクトに参加するEU,日本,米国,ロシア,中国,韓国,インド7極の関係者達の移動が、1年前から始まった。本稿は、11月から当地へ単身赴任となり、初めて経験することになった長期海外生活を、個人的な体験,印象を中心として報告するものである。勤務するカダラッシュ研究所,住まいを構えたエクサンプロヴァンスの街,これを取り囲むプロヴァンス地方について紹介するとともに、そこでの生活環境,各種のトラブル,言葉の壁,プロヴァンス各地を訪ねる楽しみ等をまとめた。
中村 博雄; 竹村 守雄*; 山内 通則*; Fischer, U.*; 井田 瑞穂*; 森 清治*; 西谷 健夫; Simakov, S.*; 杉本 昌義
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.1169 - 1172, 2005/11
被引用回数:6 パーセンタイル:40.34(Nuclear Science & Technology)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合材料照射用の中性子源である。IFMIFの液体リチウムターゲットでは、ターゲットアセンブリが中性子照射により放射化する。特に、背面壁の放射化損耗腐食生成物は、Liループに分布するため、装置保守作業時の近接性に影響を与えることが予想される。本論文では、ACT-4コードを用いて、放射化腐食生成物の機器への分布付着に伴う近接性について評価した。背面壁材料は316ステンレス鋼、損耗腐食面積は100平方cm、ループ内表面積は33平方m、損耗腐食速度は1年あたり1ミクロンとし、核データはIEAF-2001を使用し、1年間運転後の放射化レベルを評価した。その結果、1時間あたり10microSvを、近接性の基準値とすれば、放射化腐食性生成物のループへの付着を1%程度に低減すれば、1週間後に8cmまでの近接作業が可能であり、1か月後には、直接手で触れる保守作業が可能であることを示した。
山内 通則*; 竹村 守雄*; 中村 博雄; Fischer, U.*; 井田 瑞穂*; 森 清治*; 佐藤 聡; 西谷 健夫; Simakov, S. P.*; 杉本 昌義
Fusion Science and Technology, 47(4), p.1008 - 1011, 2005/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)IFMIFリチウムループ中では、強力な中性子に照射されたターゲット背壁の放射化と腐食により大量の放射性腐食生成物が発生する。原研で開発された放射化計算コードACT-4, FENDLに基づく核融合炉用放射化断面積ライブラリー及び加速器用放射化断面積ライブラリーIEAF-2001を用いてその量を計算した。その結果、リチウム中の放射性腐食生成物は反応生成物Be-7に比べて非常に少ないことがわかったが、あいにくループの内壁に対する沈着挙動等リチウム中での腐食生成物の化学的特性データがほとんどない。そこで、1年間の運転によりリチウム中に発生した放射性腐食生成物の100%沈着を想定してリチウム配管周りの空間線量率を評価したところ、配管表面での作業のためには1年ほど冷却を待たないと許容線量率以下にならないことがわかった。したがって、保守作業のためには、放射性腐食生成物についても効率の良いリチウム浄化装置が必要である。
中村 博雄; 井田 瑞穂*; 松廣 健二郎; Fischer, U.*; 林 巧; 森 清治*; 中村 博文; 西谷 健夫; 清水 克祐*; Simakov, S.*; et al.
JAERI-Review 2005-005, 40 Pages, 2005/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合炉材料の開発のために、十分な照射体積(500cm)を有し照射量200dpaまで照射可能な強力中性子束(2MW/m)を発生可能な加速器型中性子源である。このような中性子を発生させるために、最大エネルギー40MeV,最大電流250mAの重水素ビームを、最大流速20m/sの液体リチウム流ターゲットに入射させる。ターゲット系では、7Be,トリチウムや放射化腐食生成物等が発生する。また、背面壁は、年間50dpaの中性子照射下で使用する必要がある。本報告では、平成16年度の原研におけるターゲット系の活動主要なトピックスとして、ターゲットアセンブリの熱・熱応力解析、放射化腐食性生物によるリチウムループ近接性の影響評価,トリチウムインベントリと透過量評価を取りまとめた。
竹村 守雄*
JNC TJ9450 2000-002, 112 Pages, 2000/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の6番目の実験として、1992年3月初めから約2ケ月間かけて米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施されたギャップストリーミング実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行されたギャップストリーミング実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。ギャップストリーミング実験は、高速炉原子炉容器上部の中性子束がインクロージャシステムに存在する空隙部を通じての中性子ストリーミングに起因していることから、空隙部の幅、オフセット間隔と中性子ストリーミングの大きさの相関を実験的に把握すると共に、このストリーミング評価に適用される解析手法の精度の検証と向上のためのデータベースを提供するため企画された。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ後方に鉄ライナー付きコンクリート供試体が設置された。コリメータと供試体との間にスペクトルモディファイアを設ける体系と設けない体系とが構成され、軟らかいエネルギースペクトル(実機を模擬)と硬いスペクトルの中性子が供試体に入射された。コンクリート供試体には中央に貫通部があり、コンクリート製シリンダー、円筒状スリーブを挿入組合わせることにより、円環状ギャップの幅とオフセット位置を変えられる構造となっており、供試体の後方において各種検出器を用いた中性子測定が行われた。広いエネルギー範囲にわたる中性子が、ビーム軸に直交する方向での分布及びビーム軸上において、ほぼ全体系において測定された。硬い入射スペクトルのものについてはさらに、高速中性子のビーム軸上でのエネルギースペクトルの測定及びビーム軸に直交する方向の分布の測定が行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団(現核燃
毛利 智聡*; 竹村 守雄*
JNC TJ9450 2000-001, 96 Pages, 2000/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の最後の実験として、1992年6月末から約1ケ月間かけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された新遮蔽材透過実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された新遮蔽材透過実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。新遮蔽材透過実験は、高速炉の遮蔽合理化のための高性能遮蔽材料の開発に資する実験データを取得する目的で企画された。遮蔽材料として水素を含有し中性子遮蔽性能の優れた金属であるジルコニウムハイドライド(ZrH1.7)を対象とした。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ直後に、入射させる中性子スペクトルを模擬するスペクトル・モディファイア、およびジルコニウムハイドライド模擬多重層を設置した実験体系のもと、その後方で各種検出器を用いた中性子測定が行われた。ジルコニウムハイドライド模擬多重層は、既にTSFに存在していたジルコニウムスラブと、水素を含有するポリエチレンスラブを組み合わせて構成された。同様な実験測定がポリエチレンだけの厚いスラブについても実施された。広いエネルギー範囲にわたる中性子束の測定が全8体系で、また高速中性子のエネルギースペクトルの測定も大部分の体系で行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団(現核燃料サイクル開発機構)との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。
中尾 誠*; 竹村 守雄*
JNC TJ9440 2000-005, 157 Pages, 2000/03
JASPER実験シリーズで最も基本的な多重層構成からなる半径方向遮蔽体透過実験の代表的実験体系について、2次元Sn輸送計算コードDORTおよび遮蔽解析用標準群定数ライブラリーJSSTDL-300(JENDL-3.2ベース)を用いた実験解析を実施した。従来これらの体系はDOT3.5コードおよびJSDJ2(JENDL-2ベース)で実験解析が実施されていたが、最新の解析手法でのボナーボール応答計算値(C)は、群定数ライブラリー更新では高く、Snコード更新では低く変化し、最終的に実測値(E)に近づくとともに検出器間でのC/E値の変動幅が小さくなっている傾向を確かめた。またギャップストリーミング実験のコンクリート層透過体系について、前年度課題となっていたJASPER実験解析(DORT/JSDJ2)を良く再現できない原因を解明し、最新手法の適用を行った。この結果、同様なライブラリー更新効果をコンクリート体系についても確かめた。また今回解析を実施した体系の入力データをデータベースに追加し、さらに既存登録データの改訂も行い、解析標準入力データベースの充実を図った。また実験解析に適用している各種処理ルーチン等の入力マニュアルの作成およびその一連のテスト問題の編集を行うとともに、これらを登録し実験解析のデータベースとしてユーザが使いやすくすることを図った。
中尾 誠*; 竹村 守雄*
JNC TJ9440 99-002, 141 Pages, 1999/03
最新の核データライブラリーJENDL-3.2に基づき作成された遮蔽解析用標準群定数ライブラリーJSSTDLを用いて、JASPER実験の実験解析を実施した。新遮蔽材透過実験では、JSSTDLの熱群改訂効果を確認するためポリエチレン体系に再度と適用するとともに、ジルコニウム体系を新たにとりあげた。炉内貯蔵燃料遮蔽評価実験ではIVFSを模擬した増倍層のある実験体系に適用した。さらに中性子検出器応答実験およびギャップストリーミング実験の遮蔽体中のナトリウム窓あるいは狭い空隙からの中性子ストリーミングの模擬実験体系にも適用した。JENDL-2に基づき作成され従来のJASPER実験解析に適用されてきた群定数ライブラリーJSDJ2での、同じ解析手法・入力による実験解析結果と、このJSSTDLでの解析結果との比較検討を行った。ポリエチレン体系ではライブラリーの改訂によりJSSTDLの過大評価は幾分軽減されることを確認したが、前年度までに実施した径方向遮蔽、軸方向遮蔽、IHX等の各実験の実験解析と同様に、全般的にJSSTDLは、JSDJ2に比較し高めの結果をもたらす傾向がみられた。これらの実験解析と並行して、選定された代表的なJASPER実験体系について、その実験解析を再現するのに必要な解析入力等のデータの計算機上への集約・整備を引き続き行った。
中尾 誠*; 竹村 守雄*
JNC TJ9440 99-001, 104 Pages, 1999/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された一連の実験の中の最後の実験として、1992年8月初めから約1ヶ月間をかけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された軸方向遮蔽再実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された軸方向遮蔽再実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。軸方向遮蔽実験は、液体金属冷却高速炉(LMR)の炉心上部へ漏洩する放射線を低減するために燃料集合体上部に設けられる軸方向遮蔽体の遮蔽特性を研究するために、1990年に実地された。この実験結果の検討分析において、軸方向遮蔽模擬供試体のストリーミング特性が周囲を取り囲むコンクリート領域からの散乱中性子による影響の可能性が懸念されることになった。このため、代表的体系においてコンクリート領域の前面にリチウムパラフィン層を設けた軸方向遮蔽再実験が、急遽企画実施されることになった。この実験では、ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ後方に設置されたスペクトルモディファイアを経て、LMRの炉心上部すなわちガスプレナム領域のスペクトルを模擬した中性子ビームが軸方向遮蔽模擬供試体に入射され、体系後方において各種検出器を用いた中性子測定が行われた。なお、JASPER計画は日米両国のLMRの現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。
竹村 守雄*
PNC TJ9055 98-003, 89 Pages, 1998/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Reseach)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の7番目の実験として、1992年5月初めから約2ヶ月間をかけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された中性子検出器応答実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された中性子検出器応答実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。中性子検出器応答実験は、高速炉原子炉容器内に設置が検討されている中性子検出系(NIS)に関する遮蔽性能と中性子ストリーミング特性を把握すると共に、この中性子輸送評価に適用される解析手法の精度の検証と向上のためのデータベースを提供するため企画された。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shiellding Facility)の実験炉TSF-II(Tower Shiellding Reactor-II)のコリメータ後方に、スペクトルモディファイアおよびNIS近傍のモックアップ-炉内燃料貯蔵槽(IVFS)があるものと無いもの両ケースがあり-が設置され、各種検出器を用いた中性子測定が行われた。広いエネルギー範囲にわたる中性子が、ビーム軸に直交する方向での分布及びビーム軸上において、ほぼ全体系においてボナーボールにより測定された。さらに、高速中性子のビーム軸上でのエネルギースペクトル及び低エネルギー中性子束のビーム軸に直交する方向の分布が、スペクトロメータ及びフィッションチェンバにより測定された。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。
竹村 守雄*
PNC TJ9055 98-002, 111 Pages, 1998/03
最新の核データライブラリーJENDL-3.2に基づき作成された遮蔽解析用標準群定数ライブラリーJSSTDLを用いて、JASPER実験のうちのIVS実験およびIHX実験を対象に、その実験解析を実施した。JENDL-2に基づき作成された従来のJASPER実験解析に適用されてきた群定数ライブラリーJSDJ2での、同じ解析手法・入力による実験解析結果と、このJSSTDLでの解析結果との比較検討を行った。JSSTDLで前年度までに実施した径方向遮蔽、新遮蔽材透過、および軸方向遮蔽の各実験の実験解析と同様に、全般的にJSSTDLは、JSDJ2に比較し高めの結果をもたらす傾向がみられた。本年度とりあげた体系では、ナトリウム深層透過後の高速中性子スペクトルについての解析精度を検討することができた。またナトリウム供試体の変型については、モデルによって解析精度が大きく依存することが確認され、当実験体系からナトリウム断面積の精度を評価するのは容易でないことが明らかとなった。一方、JENDL-3.2から異なる処理コードで作成された群定数の実験解析との比較を行い、JSSTDLでの実験解析の妥当性を確認することができた。これらの実験解析と並行して、選定された代表的なJASPER実験体系について、その実験解析を再現するのに必要な解析入力等のデータの計算機上への集約・整備を引き続き行った。
竹村 守雄*
PNC TJ9055 97-002, 112 Pages, 1997/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の6番目の実験として、1992年3月初めから約2ヶ月間かけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施されたギャップストリーミング実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行されたギャップストリーミング実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。ギャップストリーミング実験は、高速炉原子炉容器上部の中性子束がインクロージャシステムに存在する空隙部を通じての中性子ストリーミングに起因していることから、空隙部の幅、オフセット間隔と中性子ストリーミングの大きさの相関を実験的に把握すると共に、このストリーミング評価に適用される解析手法の精度の検証と向上のためのデータベースを提供するため企画された。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ後方に鉄ライナー付きコンクリート供試体が設置された。コリメータと供試体との間にスペクトルモディファイアを設ける体系と設けない体系とが構成され、軟らかいエネルギースペクトル(実機を模擬)と硬いスペクトルの中性子が供試体に入射された。コンクリート供試体には中央に貫通部があり、コンクリート製シリンダー、円筒状スリーブを挿入組合わせることにより、円環状ギャップの幅とオフセット位置を変えられる構造となっており、供試体の後方において各種検出器を用いた中性子測定が行われた。広いエネルギー範囲にわたる中性子が、ビーム軸に直交する方向での分布及びビーム軸上において、ほぼ全体系において測定された。硬い入射スペクトルのものについてはさらに、高速中性子のビーム軸上でのエネルギースペクトルの測定及びビーム軸に直交する方向の分布の測定が行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団との協
竹村 守雄*
PNC TJ9055 97-001, 112 Pages, 1997/03
動燃と米国DOEとの共同研究として実施されてきた日米共同大型遮蔽実験(JASPER)は、実験を成功裡に完了し、遮蔽物理研究の観点からの解析評価もほぼ収束しつつある。このJASPER実験及び解析から得られた成果は、実証炉および大型炉の遮蔽設計の精度を確保するための基本データベースとして、今後最大限有効に活用していくことが望まれている。JASPER実験で得られた豊富な遮蔽研究上の知見を大型炉の遮蔽設計へ有効に反映するためには、遮蔽用群定数ライブラリや解析手法などを最新のもので統一し、また必要に応じて容易に再解析できる解析データシステムを構築するなど、一貫した遮蔽設計基本データベースとして整備する必要がある。本作業の目的は、遮蔽設計基本データベースの整備の一環として、最新の遮蔽用群定数ライブラリ及び最新解析手法によるJASPER遮蔽実験解析を行うとともに、これまでの研究で蓄積してきたJASPERの実験データ及び解析入力データを系統立てて整理することにある。今年度はその2年目として、最新の核データライブラリJENDL-3.2に基づく遮蔽解析用標準群定数ライブラリJSSTDLを用いて、JASPER実験のうちの軸方向遮蔽実験の解析を実施した。従来のJASPER実験解析に適用されてきたJENDL-2に基づく群定数ライブラリJSDJ2による解析結果と比較した結果、全般的にJSSTDLによる解析結果の方がJSDJ2による結果よりも高めとなる傾向がみられた。さらにこの軸方向遮蔽実験解析及び前年度の径方向遮蔽実験でのナトリウム透過解析でのライブラリによる差の原因について、分析を行った。また、前年度選定したJASPER実験体系について、その実験解析を再現するのに必要な解析入力等のデータを、今年度も引き続き計算機上に集約・整備を行った。
毛利 智聡*; 竹村 守雄*
PNC TJ9055 96-002, 142 Pages, 1996/03
最新の核データライブラリーJENDL-3.2に基づき作成された遮蔽解析用標準群定数ライブラリーJSSTDLを用いて、JASPER実験のうちの径方向遮蔽実験(体系II;B4C透過、体系V;Na+B4C透過)および新遮蔽材透過実験(体系III;ポリエチレン透過)を対象に、その実験解析を実施した。JENDL-2に基づき作成され従来のJASPER実験解析に適用されてきた群定数ライブラリーJSDJ2での、同じ解析手法・入力による実験解析結果と、このJSSTDLでの解析結果との比較検討を行った。全般的にJSSTDLは、JSDJ2に比較し高めの結果をもたらす傾向がみられた。増倍層を持つ体系での比較において、ポリエチレンのような減速物質が隣接して増倍層の熱中性子束のレベルが相対的に高いときには、熱群1群構造の解析では、適用するライブラリーにより差が生じる可能性が明らかとなった。またメッシュ分割は、径軸両方向にバランスのとれた設定を行う必要があることを、厚いNa体系で再確認した。一方、これまでのJASPER実験解析について、その実施状況を整理し、重要な実験解析項目を選定するとともに、その実験解析を再現するのに必要な解析入力データ項目を摘出した。選定した体系のうちの一部について、計算機上にデータの集約・整備を行った。
毛利 智聡*; 竹村 守雄*
PNC TJ9055 96-001, 96 Pages, 1996/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の最後の実験として、1992年6月末から約1ケ月間かけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された新遮蔽材透過実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された新遮蔽材透過実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。新遮蔽材透過実験は、高速炉の遮蔽合理化のための高性能遮蔽材料の開発に資する実験データを取得する目的で企画された。遮蔽材料として水素を含有し中性子遮蔽性能の優れた金属であるジルコニウムハイドライド(ZrH1.7)を対象とした。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ直後に、入射させる中性子スペクトルを模擬するスペクトル・モディファイア、およびジルコニウムハイドライド模擬多重層を設置した実験体系のもと、その後方で各種検出器を用いた中性子測定が行われた。ジルコニウムハイドライド模擬多重層は、既にTSFに存在していたジルコニウムスラブと、水素を含有するポリエチレンスラブを組み合わせて構成された。同様な実験測定がポリエチレンだけの厚いスラブについても実施された。広いエネルギー範囲にわたる中性子束の測定が全8体系で、また高速中性子のエネルギースペクトルの測定も大部分の体系で行われていた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。
庄野 彰; 角田 弘和; 竹村 守雄; 半田 博之
PNC TN9410 95-171, 280 Pages, 1995/06
日米共同高速炉遮蔽ベンチマーク実験(略称JASPER)の実験解析によって得られた成果のエッセンスをまとめた。9年間にわたって蓄積された成果を、(1)バルク遮蔽特性データ(2)遮蔽体形状に依存する遮蔽特性データ(3)遮蔽用核定数に関する検討結果(4)解析手法に関する検討結果の4つの観点から総合的に評価し、JASPERの成果の要点として下記の結論を得た。高速炉の遮蔽研究で重要なBC、黒鉛、ステンレス鋼、ナトリウム等で構成される 種々の形状の遮蔽体に関するバルク遮蔽特性、ストリーミング特性及びそれらに関 する解析精度の評価に有用,情報を多数取得した。遮蔽用核定数が実験解析結果に及ぼす影響を評価し、これに基づいてJSDJ2を標準 的に使用する核定数として選定できた。2次元輸送計算コードを標準的に使用する高速炉遮蔽解析手法が整備された。メッシュ分割法等の各種計算バラメータの適切な設定方法に関する知見、3次元輸 送計算コード及びモンテカルロ計算コードの特長に関する検証データ、解析手法の 改良による解析精度改善等の成果が多数蓄積された。本書のもうひとつの目的は、実験解析成果を把握・活用する際に有用な情報をわかりやすい形で示すことにおいた。そのため、JASPERの実施経緯、実験概要等、関連文献・外部発表等に関する情報を分類して示した。また、本評価作業の対象とした全21項目の実験解析成果を項目毎に一覧表にして整理した。これらはいずれも貴重なデータベースとして活用し得る情報である。
若林 利男*; 竹村 守雄*; 安保 昌憲*; 柴田 邦広*; 福村 信男*
PNC TN941 83-65, 51 Pages, 1983/05
防震板使用炉心における防震板の反応度,防震板近傍の詳細な出力分布および熱中性子束分布を明らかにするためDCA炉心中央9チャンネル重水領域に実験用防震板を配置し,臨界実験を行った。実験用防震板の厚さは5mm,20mm,40mm,80mmで,これらを25cm格子ピッチのふげん型1.2w/o濃縮ウラン97体装荷したDCA炉心の臨界水位の1/2の高さに配置した。臨界水位を高くするため重水中にホウ素10を溶解し(3ppm),かつ冷却材は0%ボイド炉心とした。防震板の反応度の測定は臨界水位差法により測定した。軸方向出力分布は,中心チャンネル燃料集合体の燃料棒4本(第1リング,第2リング各1本,第3リング2本)をガンマスキャンニング装置によりランタン140のFPガンマ線を測定して求めた。軸方向中性子束分布は中心燃料チャンネル,防震板領域の重水中および防震板を設置していない重水中で照射した銅ワイヤの放射化分布より求めた。これらの結果から次のことがわかった。1.防震板の厚みとともに防震板の反応度は単調に増加する。今回の実験の範囲内では防震板の反応度は0.1%Kから1%Kまで変化する。2.防震板による軸方向出力分布のひずみを厚み40mmについて測定した。その結果,最外層燃料は一番大きく内層燃料ほどひずみは小さくなる。出力分布のひずみは内層燃料でピーク値に対し約5%,外層燃料で約10%となる。3.防震板領域における軸方向の重水中および燃料中心領域の熱中性子束分布のひずみは,防震板の厚みの増加とともに大きくなる。厚み40mmの場合熱中性子束分布のひずみはピーク値に対し,重水領域で約30%となるが,燃料領域中央では,約5%となり,燃料中では熱中性子束のひずみは緩和される。
竹村 守雄*; 小綿 泰樹*; 安保 昌憲*; 柴田 邦広*; 北山 一宏*
PNC TN941 83-67, 96 Pages, 1983/04
圧力管型重水炉の実証炉においては、出力調整用制御棒(SUS制御棒)を用いて負荷追従運転を行うことになっている。このためSUS制御棒(以下単に制御棒とよぶ)引抜に伴う制御棒近傍の局所的出力変動に関し、核設計コードの精度評価を行ない燃料設計および負荷追従運転に反映させる必要がある。この精度評価に必要な実験データとして燃料ピンの局所的出力変動および熱中性子束分布を測定した。0.54wt%プルトニウム燃料を部分装荷した25cmピッチ格子のDCA炉心のほぼ中央部に、実証炉に用いる制御棒と同一寸法の74mmのSUS制御棒を炉心下端から505mmの高さに半挿入し、その位置から制御棒を100mm引抜いた場合(反応度で約40●印加)について実験を行った。また、局所出力変動に関してはWIMS―CITATIONコードを用いた3次元拡散計算結果との比較も行った。この結果以下の事項が明らかとなった。燃料集合体内第3リング燃料ピンの局所的出力変動は、制御棒に最も近い燃料ピンで最大となり、その最大出力変動は、制御棒先端の引抜部分のほぼ中間の位置で発生する。ただし、局所出力変動が第3リング燃料ピンで最大となるかどうかはこの実験では明らかではない。制御棒を100mm引抜いた場合、引抜かない場合に比較し、第3リング燃料ピンの最大出力変動比は(1.12+-0.03)である。燃料ピンの局所出力変動が顕著に起る燃料集合体は、制御棒に隣接した集合体およびそれから更に1ピッチ離れた位置の集合体とであるが、隣接燃料集合体でも制御棒からみて裏側の位置にある燃料ピンでの出力変動は2%以下で極めて小さい。第3リング燃料ピンにおける最大出力変動比の計算値は1.168となり、実験値と比べて約4%過大評価する。
若林 利男*; 福村 信男*; 仁紫 明人*; 竹村 守雄*; 戸村 和二*; 北山 一宏*
PNC TN941 83-49, 57 Pages, 1983/04
プルトニウム燃料棒36本及び54本からなる燃料集合体が9体装荷された25cmピッチ格子炉心において,単位格子内熱中性子束分布をDy―A-合金箔を用いた箔放射化法により測定した。使用した燃料は,36本クラスターの場合は0.54wt%PuO/2UO/2,54本クラスターの場合は,0.79wt%PuO/2-UO/2で,重水臨界実験装置(DCA)の中央部9チャンネルにこれらクラスターを装荷して実験を行った。ドライバー燃料として中央部9チャンネルの周囲に1.2%濃縮ウラン28本クラスタを88体装荷した。圧力管内の冷却材ボイド率は0%及び100%であった。熱中性子束分布の測定誤差は,冷却材中で3%,燃料中,圧力管カランドリア管及び重水中で1.5%であり,今までの28本クラスターの単位格子実験の場合と同じ精度で求まった。今回の実験により,36本及び54本等多数本クラスターにおける単位格子内熱中性子束の挙動が明らかになった。今回の実験結果は,3つの計算コード(METHUSELAH―2,WIMS―D,LAMP―DCA)の計算値と比較した。燃料クラスター内平均中性子束の計算値は,METHUSELAH―2の場合には7%,WIMS―Dの場合には6%,LAMP―DCAの場合には5%以内の誤差で実験値と一致することが認められた。