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吉田 麻衣子; 本多 充; 成田 絵美*; 林 伸彦; 浦野 創; 仲田 資季; 宮戸 直亮; 竹永 秀信; 井手 俊介; 鎌田 裕
Nuclear Fusion, 55(7), p.073014_1 - 073014_9, 2015/07
被引用回数:14 パーセンタイル:61.44(Physics, Fluids & Plasmas)多くのトカマク装置では電子サイクロトロン加熱(ECH)時に熱や粒子の輸送が増大することが観測されており、ITERではECHを伴う運転シナリオの開発にとって重要な課題となっている。この課題を解決するために、JT-60Uの正磁気シアHモード放電、内部輸送障壁を伴う弱磁気シア放電と負磁気シア放電において、ECH印加時に熱及び粒子輸送が増加しない条件を調査した。その結果、トロイダル回転シアが負の大きい値をとる条件では、電子サイクロトロン加熱時のイオン熱輸送の上昇が抑えられることが分かった。この条件は、イオン温度対電子温度の比や、電子加熱パワーに寄らないことを明らかにした。磁気シアが負の値をとる条件では、その値の大きさに寄らず、電子熱輸送と粒子輸送が増加しないことが分かった。これらの結果は、ITERでのECH加熱シナリオの開発や電子加熱が主体となるITER及び原型炉でのプラズマ輸送特性の予知に重要な知見を与える。
吉田 麻衣子; 井手 俊介; 竹永 秀信; 本多 充; 浦野 創; 小林 貴之; 仲田 資季; 宮戸 直亮; 鎌田 裕
Nuclear Fusion, 53(8), p.083022_1 - 083022_10, 2013/07
被引用回数:7 パーセンタイル:32.21(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60装置の閉じ込め改善モード(H-mode)のプラズマと内部障壁(ITB)を有するプラズマにおいて、電子サイクロトロン加熱(ECH)時のイオン系と電子系の応答特性と輸送について調べ、以下のことを明らかにした。ECHにより電子温度は上昇し、イオン温度は減少する。イオン温度の減少するタイムスケールは、H-modeにおいてはECH入射位置で短く、ITBプラズマにおいてはITBの形成位置で短い。ECHのパワーが増加すると、イオンの熱輸送係数と電子の熱輸送係数はともに増加する。電子密度がピークしている場合に、ECHによる電子密度の減少が起こる。トロイダル回転速度は、ECHを入射すると零回転からプラズマ電流とは逆方向に変化する特性を持つ(ECHによる自発回転の存在)。この回転の変化は、イオン温度の減少や電子温度の上昇のタイムスケールより2倍以上長い。ECH入射付近では、トロイダル回転速度の変化と電子温度の変化は相関しているのに対して、トロイダル回転が変化する半径位置は電子温度やイオン温度が変化する位置より広い。
吉田 麻衣子; 坂本 宜照; 本多 充; 鎌田 裕; 竹永 秀信; 大山 直幸; 浦野 創; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 52(2), p.023024_1 - 023024_9, 2012/02
被引用回数:13 パーセンタイル:51.69(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60装置において、摂動輸送解析と定常輸送解析,LH遷移時のプラズマの応答特性,パラメータスキャンといったさまざまな実験及び解析手法を組合せることで、Hモードプラズマにおけるプラズマコア部と周辺部のトロイダル回転の関係,圧力勾配による自発回転の特性を調べて、次のような結果を得た。(1)自発回転の影響の小さいHモードプラズマでは、コア部と周辺部の回転はほぼ線形に相関しており、LH遷移時の周辺からコアに伝搬する回転の時間変化や、定常状態でのコア部と周辺部の回転の相関は、今まで導出した運動量輸送係数(拡散項と対流項)で説明ができる。(2)自発回転が顕著な場合には、圧力勾配と運動量拡散係数の積で表した残留応力項を考えることで圧力勾配が大きいさまざまなHモードプラズマにおいて、トロイダル回転分布データを再現することを示した。
浦野 創; Saibene, G.*; 大山 直幸; Parail, V.*; de Vries, P.*; Sartori, R.*; 鎌田 裕; 神谷 健作; Loarte, A.*; Lnnroth, J.*; et al.
Nuclear Fusion, 51(11), p.113004_1 - 113004_10, 2011/11
被引用回数:10 パーセンタイル:42.63(Physics, Fluids & Plasmas)JET及びJT-60Uにおいてトロイダル磁場リップルのスキャン実験を実施し、トロイダル磁場リップルによる周辺ペデスタル構造への影響を評価した。トロイダル磁場リップルは赤道面外側のセパラトリクス上で定義した。JT-60Uではフェライト鋼導入によってトロイダル磁場リップルはから
に低減し、一方JETではコイル電流の調整によって
から
まで変化させた。JT-60Uではフェライト鋼導入によってペデスタル圧力に大きな差異は見られなかった。同様にJETでもペデスタル部の密度・温度に差異が見られなかった。しかし両装置ともに周辺トロイダル回転速度はリップルの増大とともに逆方向にシフトした。JT-60UではELM周波数がリップルとともに増大したが、JETでは変化が観測されなかった。この装置間比較実験の結果から、
以下のトロイダル磁場リップルは周辺ペデスタル構造に大きな影響を与えないことが示された。しかし、ITERのような低衝突周波数領域での影響については今後の課題である。
田中 康規*; Smirnov, R. D.*; Pigarov, A. Y.*; 竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 上杉 喜彦*; 大野 哲靖*
Journal of Nuclear Materials, 415(Suppl.1), p.S1106 - S1110, 2011/08
被引用回数:8 パーセンタイル:55.43(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク型核融合プラズマ装置の炭素材ダイバータ部には、高エネルギー密度流束が照射されるため、ダイバータ面からカーボンダストが発生する。このカーボンダストの発生は、ダイバータ板・第一壁の損耗,燃料トリチウムの取り込み・放射化,炉心プラズマ中への不純物混入等多くの問題に関与する課題である。このため、このダスト輸送を詳細に把握し制御することが重要である。本報では、ダスト輸送コードDUSTTを改良し、JT-60Uの背景プラズマに対して適用できるようにした。背景プラズマのパラメータはUEDGEコードを用いて計算し、この背景プラズマ中でのダスト粒子の3次元挙動を計算した。本計算においては、ダスト粒子の質量保存,エネルギー保存式も同時に解き、ダスト粒子の半径変化,温度変化も計算している。その結果、ダスト粒子の寿命はその軌道の最終段階でのイオン密度に依存することがわかった。
Litaudon, X.*; 坂本 宜照; de Vries, P. C.*; Salmi, A.*; Tala, T.*; Angioni, C.*; Benkadda, S.*; Beurskens, M. N. A.*; Bourdelle, C.*; Brix, M.*; et al.
Nuclear Fusion, 51(7), p.073020_1 - 073020_13, 2011/07
被引用回数:8 パーセンタイル:35.94(Physics, Fluids & Plasmas)内部輸送障壁の発生機構や構造形成は、装置や運転シナリオによって多様性があることが知られている。その多様性を理解するために、装置サイズがほぼ同じのJT-60と英国のJET装置において、同様の運転シナリオで形成した内部輸送障壁の輸送特性の比較を行った。特に、両装置のプラズマ形状,規格化衝突周波数,規格化ラーモア半径等の無次元変数を揃えた場合に着目した。その結果、内部輸送障壁の形成機構については、共通の形成条件があるが、定常状態での密度分布に大きな差異があることが明らかになった。この差異は、中心付近の磁気シアの違いに起因していると考えられる。
大山 直幸; 竹永 秀信; 鈴木 隆博; 坂本 宜照; 諫山 明彦; JT-60チーム
Plasma and Fusion Research (Internet), 6, p.1402014_1 - 1402014_8, 2011/03
ドップラー反射計としてポロイダル回転速度の評価やプラズマ中の密度揺動の径方向相関の評価のため、周波数跳躍反射計をJT-60Uで開発した。反射計システムは、密度揺動の径方向分布や空間2点の径方向相関を250msで計測することが可能である。密度揺動のドップラーシフトした周波数スペクトルから評価したポロイダル回転速度分布は、プラズマ電流と同方向に回転しているプラズマでは正の電場が、逆方向に回転しているプラズマでは負の電場が形成されることを示した。内部輸送障壁における密度揺動の相関計測の結果、電子サイクロトロン波による中心加熱によって内部輸送障壁が劣化する場合、長距離相関が増加することが明らかになった。
竹永 秀信; 三代 康彦; Bucalossi, J.*; Marty, V.*; 浦野 創; 朝倉 伸幸; 西山 友和; 笹島 唯之; 正木 圭; 神永 敦嗣
Nuclear Fusion, 50(11), p.115003_1 - 115003_10, 2010/11
被引用回数:18 パーセンタイル:58.78(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて超音速分子ビーム入射による粒子供給に成功した。パルス入射に対応した主プラズマでの密度上昇が観測された。供給効率は背圧や入射方向(低・高磁場側)に大きく依存しないことを明らかにした。同程度の密度まで到達するために必要な供給量は、ガスパフに比べて小さい。ペレット入射と比較すると、供給位置が浅いにもかかわらずほぼ同じである。時間分解能0.167msの高速カメラで測定した発光分布は、背圧6気圧の方が広がっているが、6気圧と2気圧では同程度の侵入位置を示している。この観測結果は、供給効率の弱い背圧依存性と矛盾しない。発光が示す電離領域の先端は、最初のフレームと2番目のフレームを比べると内側に侵入しており、2番目のフレームではセパラトリックスの直ぐ内側近傍に達している。電離領域は、ビームの大きさから十分に拡大しており、拡大度も2番目のフレームで大きくなっている。この結果は、超音速分子ビームとプラズマの相互作用が、超音速分子ビーム入射による粒子供給分布に大きく影響していることを示している。
田中 謙治*; 川端 一男*; 徳沢 季彦*; 秋山 毅志*; 横山 雅之*; 庄司 主*; Michael, C. A.*; Vyacheslavov, L. N.*; 村上 定義*; 若狭 有光*; et al.
Fusion Science and Technology, 58(1), p.70 - 90, 2010/07
被引用回数:21 パーセンタイル:81.76(Nuclear Science & Technology)LHDプラズマにおける粒子輸送特性を調べた。密度摂動実験から拡散係数と対流速度を導出し、それらのパラメータ依存性を調べるため磁場配位と衝突周波数をスキャンした。磁場配位の効果を調べるためには、磁気軸をR=3.5mから3.9mまで変化させた。磁気軸を変化させることにより、新古典輸送が大きく違ってくるために、その効果を広範囲で調べることが可能である。電子温度依存性と1/
領域とプラトー領域を分けるヘリカル捕捉周波数で規格化した衝突周波数(
)依存性について、中性粒子ビーム入射のパワースキャンを行った。その結果、新古典輸送の寄与が大きい場合はホローな密度分布、寄与が小さいときはピークした分布になることを明らかにした。大きな新古典輸送の寄与は、同じ電子温度では外側シフト配位で見られ、同じ磁気軸では高い電子温度、低い
で観測された。しかしながら、R
=3.5mでは、異なる傾向が観測されており、高い電子温度の時にピークした密度分布が得られた。
Angioni, C.*; Fable, E.*; Greenwald, M.*; Maslov, M.*; Peeters, A. G.*; 竹永 秀信; Weisen, H.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 51(12), p.124017_1 - 124017_14, 2009/12
被引用回数:128 パーセンタイル:97.72(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクプラズマにおける粒子輸送を決定する物理機構について、実験結果と理論予測との比較を行った。ここでは、乱流による粒子対流を引き起こす主な物理機構を理論的に特徴づけるため、ジャイロ運動論的方程式をもとにした簡単な解析的導出法から評価した指標を用いた。最初にトカマクプラズマにおける粒子輸送に関する実験結果を示し、次に理論的な予測との整合性について議論した。異なる領域のもとでは異なるプラズマパラメータ依存性を示すなど、複雑な特徴を示す理論予測と、同じく複雑な特徴を示す実験結果の間で定性的な一致が得られた。一部の実験データに関しては、理論予測と定量的な一致が得られた。これらの結果により、マクロ的な輸送特性とマイクロ乱流特性の直接的な関連を示すと同時に、マクロ不安定性と乱流の枠組みがトカマクプラズマでの粒子輸送をおもに引き起こしているという重要な確証を得た。最終的に、これらの結果が核融合炉での密度分布ピーキング度の予測に与える影響について明らかにした。
吉田 麻衣子; 鎌田 裕; 竹永 秀信; 坂本 宜照; 大山 直幸; 浦野 創; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 49(11), p.115028_1 - 115028_8, 2009/11
被引用回数:22 パーセンタイル:64.66(Physics, Fluids & Plasmas)本発表は、JT-60装置において独自に開発した摂動輸送解析を駆使し、トロイダル回転速度分布の決定要素である「運動量輸送の拡散項」,「非拡散項Vconv」,「自発回転
Vt」を世界で初めて切り分けて評価し、それらの特性を明らかにした。すなわち、Hモードプラズマにおいて、コア部では運動量輸送の拡散係数は熱拡散係数(
i)とともに増加し、その比は
/
i=1-3であった。さらにこの運動量輸送と熱輸送の比はイオン温度の上昇とともに上昇することを見いだした。また運動量輸送の拡散項と非拡散項に相関があり、その比はVconv/
=-0.5
-2であった。NB主加熱のプラズマでは、自発回転と圧力勾配に局所的な関係があり、圧力勾配の増大に伴い自発回転が増大し、その方向は常にプラズマ電流と逆方向であることを見いだした。しかも、さまざまなプラズマ(Lモード,Hモード,順方向回転,逆方向回転)でも、同様の傾向を示していることがわかった。
浦野 創; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 神谷 健作; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 竹永 秀信; 大山 直幸; 松永 剛; et al.
Nuclear Fusion, 49(9), p.095006_1 - 095006_7, 2009/09
被引用回数:6 パーセンタイル:24.73(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクにおけるプラズマ電流分布によるHモードプラズマの熱輸送及び周辺ペデスタル構造への影響について調べた。高のHモードプラズマにおいて高閉じ込め性能が得られることがわかった。電子密度及び電子温度分布が中心ピークする傾向が見られた。コアプラズマの閉じ込め改善度は
に強く依存して増加することがわかった。この高
化による高閉じ込めはコア部の閉じ込め改善によるものであり、周辺ペデスタル圧力に大きな変化は見られなかった。電流分布のスキャン及び電流値のスキャンの両方で、コアプラズマのエネルギー閉じ込め性能はコア部のポロイダル磁場強度の増加に伴って向上することがわかった。磁気シアの影響については今後の課題である。
坂本 宜照; 松永 剛; 大山 直幸; 鈴木 隆博; 相羽 信行; 竹永 秀信; 諫山 明彦; 篠原 孝司; 吉田 麻衣子; 武智 学; et al.
Nuclear Fusion, 49(9), p.095017_1 - 095017_8, 2009/09
被引用回数:27 パーセンタイル:71.38(Physics, Fluids & Plasmas)ITER定常運転や定常核融合炉を目指した炉心プラズマ開発には、7要素(閉じ込め,規格化ベータ値,自発電流割合,非誘導電流駆動割合,燃料純度,放射損失割合,規格化密度)を、バランスよく同時に高めた総合性能プラズマをITERや核融合炉で想定される条件(低運動量入力,電子温度,イオン温度,安全係数5)で実証する必要がある。特に、経済的に優れた定常核融合炉のためには、自発電流割合と規格化ベータ値を同時に高めることが主要課題の一つである。JT-60Uでは、MHD不安定性の導体壁による安定化効果を利用して、高自発電流割合を持つ負磁気シアプラズマの高ベータ化に取り組んだ。その結果、規格化ベータ値2.7(従来の1.5倍)とともに9割の自発電流割合を得た。さらに、ITERの定常運転シナリオに匹敵する高総合性能プラズマを、ITERや核融合炉で想定される条件下で生成した。
居田 克巳*; 坂本 宜照; 吉沼 幹朗*; 竹永 秀信; 永岡 賢一*; 林 伸彦; 大山 直幸; 長壁 正樹*; 横山 雅之*; 舟場 久芳*; et al.
Nuclear Fusion, 49(9), p.095024_1 - 095024_9, 2009/09
被引用回数:29 パーセンタイル:73.61(Physics, Fluids & Plasmas)LHDヘリオトロン装置とJT-60Uトカマク装置におけるイオン系内部輸送障壁形成と不純物輸送のダイナミックスの比較について分析した。特に、両装置においてイオン温度等を測定する荷電交換分光装置の高性能化が行われ、次のような新しい知見を得ることができた。まず、内部輸送障壁の形成位置について、JT-60Uでは形成位置が外側へ拡大しつつ局在化するが、LHDではターゲットプラズマに依存して内側あるいは外側に移動する。また、不純物輸送に関しては、JT-60Uでは内向きの対流があるのに対して、LHDでは外向きの対流によって不純物ホールが形成されることを明らかにした。LHDにおいて観測された外向きの対流は、新古典理論の予想と相反しており、今後さらなる分析を行う予定である。
吉田 麻衣子; 坂本 宜照; 竹永 秀信; 井手 俊介; 大山 直幸; 小林 貴之; 鎌田 裕; JT-60チーム
Physical Review Letters, 103(6), p.065003_1 - 065003_4, 2009/08
被引用回数:37 パーセンタイル:82.67(Physics, Multidisciplinary)プラズマの回転は、プラズマの閉じ込め改善や安定化に重要な担い手となっている。電子加熱や電流駆動を行うアクチュエータであるECRFは、プラズマ加熱や安定化だけでなく、回転分布を変化させる。しかし、その物理機構は未解明のままであった。JT-60において、ECRFの回転分布への効果を、運動量輸送,圧力勾配が駆動する自発回転,ECRFが駆動する自発回転のそれぞれの効果を切り分けて評価した。その結果、運動量の拡散項と非拡散項は両方ともECRFで増加、すなわち輸送の劣化があることがわかった。ECRFはEC入射位置よりも内側ではプラズマ電流と同じ方向(CO方向)の回転を、EC入射位置より外側ではプラズマ電流とは逆方向(CTR方向)の回転を駆動することがわかった。さらに、このCTR回転は、EC入射付近で起こり、半径外側に向かって伝搬することを観測した。
竹永 秀信; 大山 直幸; 浦野 創; 坂本 宜照; 朝倉 伸幸; 神谷 健作; 三代 康彦; 西山 友和; 笹島 唯之; 正木 圭; et al.
Nuclear Fusion, 49(7), p.075012_1 - 075012_11, 2009/07
被引用回数:9 パーセンタイル:35.32(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて弱磁気シアプラズマの内部輸送障壁(ITB)特性を、周辺粒子供給・電子加熱といった炉心条件下で調べた。最初に、高磁場側ペレット又は超音速分子ビーム(SMBI)のITB特性への影響を調べた。ペレットやSMBIによる周辺粒子供給でも中心のイオン温度は減少しており、減少幅はITB内側で増加した。入射周波数や侵入長を最適化することにより、減少したイオン温度が回復し高いペデスタル圧力と強いITBが維持された。その結果、周辺粒子供給でも、高密度領域において高閉じ込め状態を維持することに成功した。次に、電子サイクロトロン加熱による電子加熱時のITB特性を調べた。電子温度分布の硬直性が強い場合に、電子サイクロトロン加熱によりイオン温度ITBの劣化が観測された。この時、イオンの熱拡散係数は電子の熱拡散係数とともに増加しており、イオンと電子の熱輸送の関連を示している。一方、電子温度分布の硬直性が弱い場合には、イオン温度ITBは変化しないか、もしくはさらに成長することが観測された。イオン温度ITBが変化しない場合はイオン・電子の熱拡散係数の変化はともに小さく、イオンITBがさらに成長した時はイオン・電子の熱拡散係数はともに低減した。密度揺動レベルの変化は小さいが、イオン温度ITBが劣化する場合は密度揺動の径方向相関長が長く、変化しない場合は短くなっていることが観測された。このことは、密度揺動の変化を通してITBの特性が変化していることを示唆している。
宮本 斉児; 中村 幸治*; 林 伸彦; 大山 直幸; 竹永 秀信; 杉江 達夫; 草間 義紀; 芳野 隆治
Proceedings of 36th European Physical Society Conference on Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2009/07
燃料供給,ダイバーター排気,荷電交換による浸透,壁の吸蔵等の中性粒子の動的過程のため、ITERプラズマの振舞、例えばプラズマ電流立ち下げ時のH-L逆遷移などの解析は複雑なものとなる。最近、われわれは、L-H及びH-L遷移時のプラズマの振る舞いを記述する比較的簡便なモデルを開発し、TSCコードに組み込んだ。このモデルをJT-60Uの実験結果と比較した。この実験では、電子サイクロトロン(EC)波入射によってHモード遷移が起こっており、NBIによる中性粒子の影響を受けずに、閉じ込めの変化が中性粒子に及ぼす影響を見ることができる。シミュレーションの結果、実験のD信号から推測される中性粒子の挙動をある程度説明できることが示された。このモデルは、さらなる改良が必要ではあるが、ITERのシナリオ開発に有用であると結論できる。
竹永 秀信; 川島 寿人; 西尾 敏; 飛田 健次
Fusion Science and Technology, 57(1), p.94 - 102, 2009/06
被引用回数:5 パーセンタイル:36.93(Nuclear Science & Technology)定常核融合炉での効率的な燃料供給シナリオについて、SlimCS設計パラメータ(2.95GW出力)を用いて考察した。トリチウムは少ない供給量で高い密度を維持するために主プラズマへ供給し、重水素は高密度とダイバータでの高リサイクリングを維持するために主プラズマ及び周辺プラズマへ供給する。主プラズマ供給粒子の閉じ込め時間を2s,周辺プラズマ供給粒子の閉じ込め時間を2ms,ダイバータでの排気効率を3%と仮定した場合の粒子バランスについて考察した。トリチウムに関しては、主プラズマへの供給率が2.510
/sの場合に定格出力に必要なトリチウム密度が維持される。重水素に関しては、主プラズマでの重水素密度を維持するための主プラズマへの供給率1.4
10
/sと、高リサイクリングを維持するための周辺プラズマへの供給率3.6
10
/sが必要である。結果として、重水素の総供給率はトリチウムの供給率より1桁以上大きくなっている。さらに、粒子閉じ込め時間を変化させた場合の供給量の変化を明らかにするとともに、トリチウムリテンションの許容値について考察した。
竹永 秀信; JT-60チーム
Journal of Nuclear Materials, 390-391, p.869 - 875, 2009/06
被引用回数:8 パーセンタイル:50.97(Materials Science, Multidisciplinary)燃料粒子密度は燃焼プラズマにおいて外部制御可能な数少ない物理量であり、燃焼プラズマの制御手法を開発するためには、粒子制御性の解明が重要である。最初に、密度分布を決定する機構及び密度分布と不純物蓄積との関係を調べた。乱流輸送の指標で規格化した衝突周波数が減少すると密度分布がピークすることが観測され、乱流輸送による内向き対流粒子束が密度分布決定に大きく影響していることを明らかにした。また、逆方向プラズマ回転時に密度分布がピークする傾向が観測されており、ほかのパラメータ依存性も存在する。ピークした密度分布では、炭素蓄積は観測されなかったが、タングステン蓄積が観測された。次に、粒子供給の閉じ込め特性への影響を新たに導入したガスジェット入射装置を用いて明らかにした。ガスジェットにより規格化半径0.8においてイオン温度が急激に減少することが観測され、ペレット入射装置同様ペデスタルより内側へ直接影響を与えている。しかしながら、閉じ込め特性はペレット入射装置と異なり密度が上昇するとともに劣化した。この閉じ込め劣化により、DT核融合反応率の温度依存性を考慮して燃焼プラズマを模擬する実験においては、粒子供給で密度を上げても模擬核融合増倍率は減少した。
大山 直幸; 諫山 明彦; 松永 剛; 鈴木 隆博; 竹永 秀信; 坂本 宜照; 仲野 友英; 鎌田 裕; 井手 俊介; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 49(6), p.065026_1 - 065026_10, 2009/06
被引用回数:38 パーセンタイル:81.16(Physics, Fluids & Plasmas)ITERハイブリッドシナリオのためのJT-60Uにおける長パルス放電の性能と維持時間が改善した。ダイバータリサイクリングの上昇によって放電後半にペデスタル部の密度が上昇しても、中心加熱NBIユニットを用いることで中心部でピークした密度分布を維持することができた。規格化ベータ値2.6、熱化プラズマの閉じ込め改善度1以上をITERで想定される低いトロイダル回転速度でも25秒間(電流拡散時間の14倍)維持することができた。この放電では、規格化ベータ値と熱化プラズマの閉じ込め改善度の積は2.6と高いことにより、エネルギー増倍率の指標であるGファクターは0.25(ITERの標準運転では0.2)に到達した。また、ピークした圧力分布によって自発電流割合も0.43以上である。