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瀧上 眞知子*; 前原 康延*; 長澤 尚胤
Bio Industry, 27(9), p.50 - 55, 2010/09
植物由来の水溶性高分子であるカルボキシメチルセルロース(CMC)に酸水溶液を混合すると、ゲル化することを見いだした。このゲル化メカニズムは、酸処理によりCMC鎖中のカルボキシメチル基のナトリウムが水素に置換され、水素結合に起因した凝集過程を経てゲルが形成していると考えられる。酸の種類,濃度,浸漬時間やカルボキシメチルセルロースの濃度を変化させることにより、柔らかいゲルから硬くて弾力性のあるゲルまで調製可能である。このゲルを、磁気共鳴診断補助用の医療診断用材料等に応用した。弾性ゲルの調製方法並びにその応用例を紹介する。
瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 廣木 章博; 笠井 昇; 吉井 文男; 玉田 正男; 瀧上 昭治*; 柴田 卓弥*; 明田川 康*; 尾崎 益雄*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 35(3), p.647 - 650, 2010/09
家畜尿汚水の二次処理水に含有する腐植様着色物質が含有する排水の処理方法及び処理システムを開発した。本技術は、ビニロン繊維にカチオン性モノマーであるN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを放射線グラフト重合させた繊維状の吸着材を設置した腐植様着色物質を吸着・除去させる排水処理方法であり、脱着による腐植様着色物質の回収並びに繊維状物の繰り返し利用を可能にしたシステムである。ビニロン繊維に線を60kGy照射し、窒素置換した20%のモノマー溶液中で2時間グラフト反応して、グラフト率が約100%から150%有する吸着材を作製した。グラフト率が100%以上有する吸着材は、腐植様着色物質を吸着し、二次処理水の色度を90%以上低下させた。本技術は、家畜汚水,河川,土壌廃水からの腐植酸用物質回収材料として、農業,工業,環境等の広範囲な分野への応用が期待される。
瀧上 眞知子*; 廣木 章博; 長澤 尚胤; 笠原 崇光*; 瀧上 昭治*; 玉田 正男
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(3), p.391 - 394, 2009/09
121Cでの酸加水分解により分子量の異なるカルボキシメチルセルロース(CMC)を調製し、クエン酸と混合、所定温度で保管することで、CMC-酸ゲルを得た。保管している間にカルボキシメチル基末端がNa型からH型に変わることで水素結合形成とCMC分子鎖の絡み合いにより弾性ゲルとなる。今回、弾性ゲルのゲル分率,吸水性及び機械的特性に及ぼす分子量の影響を検討した。その結果、保管時間が一定の場合、分子量の高いCMCほどゲル分率は高くなった。しかし、低分子量CMCであっても混合後の保管時間を長くすると、ゲル分率は高分子量CMCのときと変わらなかった。低分子量CMCゲルは、高分子量のモノに比べ、より柔らかく吸水力が高いことがわかった。高分子量CMCゲルでは、保管時間を長くするとますます硬くなったが、低分子量CMCゲルの柔らかさと高吸水性は、保管時間に依存せず、変化しないことが明らかとなった。
笠原 崇光*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 瀧上 昭治*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(3), p.395 - 398, 2009/09
水溶性の高分子量体であるコンニャクマンナン(KM)の水溶液は粘性が高いため、加工性が悪いといった問題点がある。そこでKMの粘度を調整するため、KM粉末をガラスアンプルに入れ真空中で所定線量の線照射によって分解した。放射線分解したKMをカルボキシメチルセルロース(CMC)に混合して酸処理によりCMCブレンドゲルを形成し、酸処理CMCゲルの物性変化について評価した。10kGy
線照射により低分子量化したKMの2%水溶液にCMC粉末を混合し、高分子濃度が10%のブレンド水溶液に調整し、1Mの塩酸で処理した。KMをブレンドすると酸処理CMCゲルと比較してヤング率や破壊強度が高くなり、特に破壊強度が3倍大きくなることを見いだした。また、ブレンドするKMの分子サイズがCMC分子鎖との絡み合いと酸処理によるCMC/KMゲルの凝集構造形成に関連していることを突きとめた。
瀧上 眞知子*; 天田 春代*; 長澤 尚胤; 廣木 章博; 笠井 昇; 吉井 文男; 玉田 正男
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.849 - 852, 2008/12
世界におけるリン資源の枯渇や環境保全の目的である豚尿汚水からのリン除去が問題視されている。これらの問題を解決する手段として、カルボキシメチルセルロース(CMC)と鉄を原料としたゲルを作製し、豚尿汚水からリンを吸着する技術を開発した。三価の鉄イオンを用いるとゲル形成が急激に進むが、二価の鉄イオンでは、ゲル化しなかった。二価の鉄イオンでは、酸とともに加えることによりゲル形成することがわかった。得られたCMC/鉄ゲルは、約80mg/Lのリンを含む豚尿汚水から約97%除去することがわかり、家畜処理材として応用できる見通しを得た。
笠原 崇光*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; Prawitwong, P.*; 瀧上 昭治*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(4), p.927 - 930, 2008/12
水溶性の高分子量体であるコンニャクマンナン(KM)の水溶液は粘性が高いため、加工性が悪いといった問題点がある。そこでKMの粘度を調整するため、KM粉末をガラスアンプルに入れ真空中で所定線量(1, 2, 4, 10, 20, 30kGy)の線照射によって分解した。放射線分解したKMの利用を考慮し、酸処理により形成するカルボキシメチルセルロース(CMC)ゲルに柔らかさを付与するために放射線分解したKMを混合し、そのブレンドゲルの物性について評価した。ブレンドするKMの分子量は、
線照射により11.7
10
から1.0
10
に低下した。低分子量化したKMの2%水溶液にCMC粉末を混合し、高分子濃度が10%の水溶液に調整し、0.5Mの塩酸で8, 16, 32, 64時間処理した。KMをブレンドするとヤング率や破壊強度が高くなり、KMをブレンドして64時間酸処理するとCMC単独ゲルと比較して破壊強度が3倍大きくなることを見いだした。また、酸処理時間が16時間の時に最も強度が高くなることがわかった。CMCゲルに柔らかさと高強度を付与することができた。10kGy照射して分子量2.2
10
を有するKMをブレンドした場合にはCMC単独ゲルより破壊強度が若干低下した。ブレンドするKMの分子サイズがCMC分子鎖との絡み合いと酸処理によるCMCゲルの凝集構造形成に関連していることがわかった。
瀧上 眞知子*; 天田 春代*; 長澤 尚胤; 廣木 章博; 笠井 昇; 吉井 文男; 玉田 正男
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 44, 2008/11
豚尿に含まれるリンの再資源化と排水に含まれるリンの低減を目指して、カルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた新素材を開発した。CMC単独ではリンを吸着することはできないが、アルミニウム及び鉄イオン等の多価の金属を用いることによりCMCのカルボキシル基間に金属イオンを固定することによりリンを吸着できると考えられる。そこで、CMCに塩化第1鉄[以下、Fe(II)]及び塩化第2鉄[以下、Fe(III)]水溶液を加え、ゲルを調製した。豚尿の分析を行って調製した模擬尿及び豚舎で実際に一次処理した豚尿を使用し、リン酸イオン吸着前後のリン酸イオンの分析を、イオンクロマトグラフ及びICPで測定した。Fe(II)を用いて調製したCMCゲルは模擬尿中及び一次処理済み尿汚水中のリン酸イオンを効率よく吸着した。リン酸イオンの濃度は、模擬尿中で457mg/Lから3mg/Lに、尿汚水で78mg/Lから2mg/L以下に減少した。この値は環境排水基準値8mg/Lを十分に満たす値である。
笠原 崇光*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; Prawitwong, P.*; 玉田 正男; 瀧上 昭治*
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 45, 2008/11
水溶性の高分子量体であるコンニャクマンナン(KM)の水溶液は粘性が高いため、加工性が悪いといった問題点がある。そこでKMの粘度を調整するため、KM粉末をガラスアンプルに入れ、空気中で線照射によって分解した。酸処理により形成するカルボキシメチルセルロース(CMC)ゲルに柔らかさを付与するために、放射線分解したKMをブレンドし、そのゲルの物性評価を行った。ブレンドするKMの分子量は、
線照射により11.7
10
から1.0
10
に低下した。低分子量化したKMの2%水溶液にCMC粉末を混合し、高分子濃度10%の水溶液に調整し、1mol/Lの塩酸で酸処理した。KMをブレンドするとヤング率や破壊強度が高くなり、CMC単独ゲルと比較して破壊強度が3倍大きくなることを見いだした。また、ブレンドするKMの分子サイズがCMC分子鎖との絡み合いと酸処理によるCMCゲルの凝集構造形成に関連していることがわかった。
真壁 岳史*; Prawitwong, P.*; 高橋 亮*; 瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 瀧上 昭治*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(2), p.471 - 474, 2008/06
多糖類で水溶性グルコマンナンであるコンニャクマンナンは高分子量体であるため、低濃度の希薄水溶液でも高粘度を示す。食品,医療分野等のさまざまな分野に応用するうえで粘度を調整する技術が必要とされている。コンニャクマンナンを低分子量化することにより粘度を調整できるが、その溶液物性が非常に重要である。放射線あるいは酸による分解方法を用いて、その分解生成物の溶液物性について評価した。真空中で線を照射すると、線量増加とともに分子量が低下し、初期分子量110万から10kGy照射で22万に低下した。粘性測定の結果から、高分子量のKMは、疑似塑性流動性を示すような非ニュートン流体であるのに対し、低分子量のKMはニュートン流体に変化した。これは溶液中でコイル構造を形成する限界分子サイズを有することを意味することがわかった。
瀧上 眞知子*; 長澤 尚胤; 玉田 正男
工業材料, 56(2), p.62 - 65, 2008/02
カルボキシメチルセルロース(CMC)等の水溶性多糖誘導体が、10%以上のペースト状態で放射線橋かけし、水に不溶な化学ゲルに調製することができ、得られたゲルを酸に浸漬することにより、弾性的な性質を付与することができることを見いだした。その作製方法やその物性について解説した。放射線橋かけCMCゲルでは50%圧縮すると壊れてしまうが、酸処理すると圧縮しても壊れず、荷重を外すと元の形状に戻る。酸処理するとゲルの破壊強度は、放射線橋かけCMCゲルの約200倍の0.5N/mmに大きくなった。また、ゲル分率は、酸の種類にかかわらず、酸の濃度が高くなるのに伴い増加した。TG-DTA測定の結果、酸処理CMCゲルには、CMCそのものの分解温度よりも高温側に、新たなピークが現れたことから、酸処理することにより分子鎖の運動が束縛され、分解温度が高くなったものと考えられる。
瀧上 眞知子*; 天田 春代*; 長澤 尚胤; 八木 敏明; 笠原 崇光*; 瀧上 昭治*; 玉田 正男
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(3), p.713 - 716, 2007/09
カルボキシメチルセルロース(CMC)は水溶性の高分子であり、10%程度のペースト状態で放射線橋かけし、水に不溶な化学ゲルを調製することができる。CMCと酸とを混練するだけで、これまでの放射線橋かけゲルでは作製できない弾力性のあるCMC弾性ゲルを調製できることを見いだした。この新規ゲルは、(1)CMCと酸水溶液とを混練する、(2)上記(1)に線照射する、(3)CMCのペーストに
線照射後に酸水溶液中に浸漬する3つの方法で調製できる。生成直後のゲルの圧縮弾性率は酸の濃度が高くなるのに伴い大きくなり、CMCの置換度、分子量や酸の種類、濃度を変化させ、照射を組合せることにより硬さを広範囲に制御できることを見いだした。CMC弾性ゲルの生成前後のIRスペクトルやEDXの測定結果から、この弾性ゲルは、CMCのカルボキシル基の対イオンとして存在していたNaがHに置換することによりカルボキシル基の解離が押さえられ、CMC分子内あるいは分子間の静電的反発が減少して、CMC分子鎖が凝集してできた物理ゲルであると考えられる。このゲルは、新規で簡便な手法で調製でき、広範囲での応用が期待される。
Zhao, C.; 広田 耕一; 田口 光正; 瀧上 真知子*; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 76(1), p.37 - 45, 2007/01
被引用回数:14 パーセンタイル:67.43(Chemistry, Physical)ダイオキシン類の分析廃液の処分を目的とした、放射線処理技術を開発した。具体的には八塩素化ダイオキシンとフランの分解についてエタノール,ノナン及びトルエン溶媒中の分解挙動や分解生成物の同定を行った。この結果、同一線量では極性であるエタノール中の方が八塩素化ダイオキシンやフランが分解しやすいことがわかった。さらに、ノナン及びトルエン中のダイオキシンを含む分析有機廃液に、エタノールを加えて放射線照射を行うことにより、廃液中のダイオキシン類を90%分解し、毒性当量濃度を0にできることを明らかにした。
田口 光正; 善如寺 芳弘*; 瀧上 真知子*; Baldacchino, G.*; 木村 敦; 平塚 浩士*; 南波 秀樹; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 75(5), p.564 - 571, 2006/03
被引用回数:6 パーセンタイル:40.51(Chemistry, Physical)室温大気圧下において、濃度1040mMのフェノール水溶液に2MeVの電子線及び
Co
線を照射した結果、白濁が観測された。この試料溶液の分析により、OHラジカルの付加した生成物と直径100-800nm程度の微粒子の生成が認められた。微粒子の直径は高線量になるに伴い増大し、また、同一線量では、フェノールの初期濃度が高いほど粒径が大きくなった。さらに、線量率を変えて照射した場合、線量率が高くなるに伴い平均粒径が小さくなり、かつ分布幅も狭くなった。また、微粒子は分子量1.9
10
程度の分子から構成されていることがわかった。
木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁己*; 瀧上 眞知子; 島田 好孝*; 小嶋 拓治; 平塚 浩士*; 南波 秀樹
Radiation Physics and Chemistry, 75(1), p.61 - 69, 2006/01
被引用回数:13 パーセンタイル:64.80(Chemistry, Physical)Co
線照射により、水中濃度1
mol dm
の水中
-ノニルフェノール(NPs)は吸収線量が高くなるに従い指数関数的に減少した。OH付加体と推定される分子量236を有する2つの分解生成物が、LC-MS分析により検出された。5000Gy(J kg
)におけるNPsとその照射生成物のエストロジェン活性の消失を、イーストツーハイブリッド法により確認した。これらの結果はNPs処理の放射線利用の基礎データを提供するものである。
瀧上 眞知子; 新井 英彦*; 廣田 耕一; 田口 光正; 箱田 照幸; 小嶋 拓治
環境化学, 14(1), p.13 - 23, 2004/03
日本原子力研究所は高浜クリーンセンターにおいて、ゴミ燃焼ガス中のダイオキシン類を電子ビームを用いて分解する実験を行った。試料の採取と前処理をJIS法にしたがって行うと少なくても2週間が必要である。しかし、排煙から試料を採取するために活性炭繊維からできたダイオキシン類吸着採取フィルタを採用することにより、試料からのダイオキシン類抽出にかかる時間は16時間から2時間半に短縮された。また、クリーンアッププロセスの改良により、JIS法の半分以下の時間でクリーンアップを行うことができた。この方法により、排煙試料の取り扱いに慣れていない実験者でもGC/MS使用を調製することができた。また、JISに比肩する正確さで、試料採取及び前処理を4日間で行うことが可能になった。
阿部 康弘*; 瀧上 眞知子; 杉野 公二*; 田口 光正; 小嶋 拓治; 梅村 智也*; 角田 欣一*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 76(8), p.1681 - 1685, 2003/08
被引用回数:5 パーセンタイル:26.25(Chemistry, Multidisciplinary)フェノール,ブチルフェノール(BuP),ビスフェノールA(BPA)等のフェノール系内分泌攪乱物質(P-EDCs)50M水溶液の分解を過マンガン酸カリウム(KMnO
)を用いて行い、
Co
線照射により生成したOHラジカルによるP-EDCsの分解と比較した。種々の有機酸及び無機炭素が、KMnO
及びOHラジカルによるP-EDCsの分解で生成した。KMnO
処理では、有機酸及び無機炭素は芳香族環の直接開裂で形成され、OHラジカル処理の場合にはOHラジカルの芳香族環への付加・置換反応に続く芳香族環の開裂により形成される。一方、BuP及びBPAを完全に取り除くために必要とされる電子数で分解効率の比較を行うと、KMnO
はOHラジカルとほぼ同等であったが、フェノールの100%分解では、KMnO
はOHラジカルの3倍量必要であった。しかし、フェノールを完全に有機酸及び無機炭素に変化させるために必要な電子数は720
Mであり、両処理で同等であった。
廣田 耕一; 箱田 照幸; 田口 光正; 瀧上 眞知子; Kim, H.; 小嶋 拓治
Environmental Science & Technology, 37(14), p.3164 - 3170, 2003/07
被引用回数:43 パーセンタイル:64.80(Engineering, Environmental)温度200Cのごみ燃焼排煙中のダイオキシン類の削減を目的に、電子ビームを応用した。その結果、1000m
N/hの排煙に対して14kGy照射することにより90%以上の分解率が得られた。ダイオキシン類の分解は、OHラジカルとの反応によって開始され、エ-テル結合の解離,ベンゼン環の開環,脱塩素が引き続き起こると考えられる。フランの場合は脱塩素化により低塩素化フランの生成を伴うため、ダイオキシンと比べ低分解率となった。
小嶋 拓治; 廣田 耕一; 田口 光正; 箱田 照幸; 瀧上 眞知子
Proceedings of 25th JAIF-KAIF Seminar on Nuclear Industry, p.193 - 201, 2003/00
電子ビームによる排煙中ダイオキシンの分解除去技術を温度200C排煙流速1,000 m
N/hの実ごみ排煙を用いて開発した。照射前後のダイオキシン毒性等価濃度比として求めた分解率は、線量15kGy以上で90%以上であった。この処理条件では、日本におけるダイオキシン対策特別措置法の基準値を満たすことができる。ダイオキシンの分解機構を解明するとともに、分解生成物が外因性内分泌撹乱物質様活性の観点から無毒性になっていることを確認した。
廣田 耕一; 箱田 照幸; 田口 光正; 瀧上 眞知子*; 小嶋 拓治
Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
流量1,000m/hN,温度200度の条件で、ダイオキシン類を含むごみ燃焼排煙に電子ビームを照射した。その結果、吸収線量の増加に伴いダイオキシン類の分解率が高くなり、14kGyでその値は90%に達した。また、ダイオキシンとフランの分解挙動について考察を行った。
S.Ngamnit*; 瀧上 眞知子*; P.Suchada*; S.Orawan*; C.Saovapong*; 伊藤 均
Biocontrol Science, 4(2), p.109 - 113, 1999/00
廃糖蜜の発酵排液中の黒褐色色素は一般的微生物では分解が困難である。この黒褐色排液をAspergillus usamii及びCoriolus versicolorにより効率良く脱色処理するためにCイオンビームまたは
線により脱色能の優れた変異株の分離を試みた。その結果、イオンビーム照射により得られたA.usamiiの変異株は8倍希釈した排液を2~3日で40~42%脱色したのに対し親株では30%にすぎなかった。一方、C.versicolorの変異株では5~6日培養で約70%脱色したのに対し、親株の脱色率は51%であった。廃糖蜜の発酵排液の処理法としては、A.usamiiの変異株で脱色処理して得られた菌糸を家畜飼料として有効利用して、残りの処理排液を再度C.versicolorの変異株で処理するのが実用的と思われる。