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論文

Simulation-based dynamic probabilistic risk assessment of an internal flooding-initiated accident in nuclear power plant using THALES2 and RAPID

久保 光太郎; Zheng, X.; 田中 洋一; 玉置 等史; 杉山 智之; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*

Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part O; Journal of Risk and Reliability, 237(5), p.947 - 957, 2023/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:65.59(Engineering, Multidisciplinary)

確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment: PRA)は、大規模かつ複雑なシステムのリスクを評価するために用いられる手法である。しかし、従来のイベントツリーやフォールトツリーを用いたPRAでは、原子力発電所の構造物、系統及び機器が損傷するタイミングを考慮することは困難である。そこで、この課題を解決するために、RAPID(Risk Assessment with Plant Interactive Dynamics)を用いて、熱水力解析と外部事象のシミュレーションを組み合わせた手法を提案した。加圧水型原子炉のタービン建屋内での内部溢水を表現するために、ベルヌーイの定理に基づいた溢水伝播モデルを適用した。加えて、溢水源の流量や緩和システムの故障基準などの不確実さを考慮した。シミュレーションでは、運転員がいくつか簡略化を行うことにより、運転員による溢水源の隔離操作と排水ポンプを用いた回復操作をモデル化した。その結果、隔離と排水を組み合わせることで、溢水発生時の条件付炉心損傷確率を約90%低減できることが示された。

論文

Radiological estimation and validation for the Accelerator-Based Boron Neutron Capture Therapy Facility at the Ibaraki Neutron Medical Research Center

中島 宏; 中村 剛実; 小林 仁*; 田中 進*; 熊田 博明*

NEA/NSC/R(2021)2 (Internet), p.142 - 151, 2021/12

病院に設置可能なホウ素中性子捕捉療法(BNCT)施設の開発を目指して、茨城中性子医学研究センターでは、筑波大学, 日本原子力研究開発機構, 高エネルギー加速器などの協力の下、加速器ベースのBNCT施設が開発されている。本装置は、80kWの最大ビームパワーを持つ陽子加速器と、ターゲット, モデレータ, コリメータ, シールド(TMCS)システムで構成されている。設計概念のために、BNCTビーム条件を満たし、低放射化を達成するために、TMCSシステムにおける放射線挙動はモンテカルロ法により計算され、その結果に基づいてTMCSの構成が最適化された。また、TMCSシステムの放射線計算結果をいくつかの実験により検証し、BNCTへの適用性を示した。本報告では施設開発のための評価と検証についてレビューする。

論文

Enhancement of the treatment of system interactions in a dynamic PRA tool

田中 洋一; 玉置 等史; Zheng, X.; 杉山 智之

Proceedings of 30th European Safety and Reliability Conference and 15th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (ESREL 2020 and PSAM-15) (Internet), p.2195 - 2201, 2020/11

One advantage of dynamic probabilistic risk assessment (PRA) is that it can take into account the timing and ordering of event occurrences based on more explicit simulation of system dynamics. It is expected that dynamic PRA can lead us into a more realistic risk assessment, overcoming some limitations of conventional PRA. Multiple dynamic PRA tools have been developed worldwide, and applied to risk assessment of large industrial facilities such as nuclear power plants and crewed spacecrafts. Japan Atomic Energy Agency has developed the dynamic PRA tool, RAPID (Risk Assessment with Plant Interactive Dynamics), considering the interaction between accident simulation and dysfunctional models of safety-related systems. This paper introduces a recent enhancement of RAPID to treat more complicated simulation interactions from the outside of severe accident codes. It is designed to feed back and forth plant information from simulators to the accident sequence generator. It discusses how the enhancement affects the results of risk assessment, with an example analyzing thermal failure of a safety relief valve in a station blackout accident occurred at a boiling water reactor plant.

論文

Dynamic PRA of flooding-initiated accident scenarios using THALES2-RAPID

久保 光太郎; Zheng, X.; 田中 洋一; 玉置 等史; 杉山 智之; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*

Proceedings of 30th European Safety and Reliability Conference and 15th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (ESREL 2020 and PSAM-15) (Internet), p.2279 - 2286, 2020/11

確率論的リスク評価(PRA)は巨大かつ複雑なシステムをリスクを評価する手法の1つである。従来のPRA手法を用いて外部事象のリスクを評価する場合、構造物、系統及び機器の機能喪失時刻の取扱いが困難である。この解決策として、熱水力解析と外部事象評価シミュレーションをRAPID (Risk Assessment with Plant Interactive Dynamics)コードを用いて結合した。外部事象としてPWRプラントにおけるタービン建屋内での内部溢水を選定し、溢水進展評価にはベルヌーイ則に式を用いた。また、溢水源の流量及び緩和設備の没水基準に関する不確実さを考慮した。回復操作については、運転員による溢水源の隔離とポンプによる排水を仮定とともにモデル化した。結果として、隔離操作が排水と組み合わせることによりより有効になることが示された。

論文

A Comparative study of sampling techniques for dynamic probabilistic risk assessment of nuclear power plants

久保 光太郎; Zheng, X.; 田中 洋一; 玉置 等史; 杉山 智之; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*

Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.308 - 315, 2020/10

動的確率論的リスク評価(PRA)PRAは従来のPRA手法の現実性と網羅性を向上させる手法の一つである、しかしながら、それらの向上と引き換えに膨大な計算コストが発生する。本稿では、複数のサンプリング手法を簡易的な事故シーケンスに対する動的PRAに対して適用した。具体的には、モンテカルロ法,ラテン超方格法,格子点サンプリング及び準モンテカルロ法を比較した。その結果、今回の検討の範囲においては、準モンテカルロ法が最も効率的であった。

論文

Retreat from stress; Rattling in a planar coordination

末國 晃一郎*; Lee, C. H.*; 田中 博己*; 西堀 英治*; 中村 篤*; 笠井 秀隆*; 森 仁志*; 臼井 秀知*; 越智 正之*; 長谷川 巧*; et al.

Advanced Materials, 30(13), p.1706230_1 - 1706230_6, 2018/03

 被引用回数:54 パーセンタイル:89.81(Chemistry, Multidisciplinary)

高性能デバイスとしての熱電材料には、高い電気伝導度と低い熱伝導度という相反する要求を同時に満たす必要がある。本研究では、テトラへドライト(Cu,Zn)$$_{12}$$(Sb,As)$$_{4}$$S$$_{13}$$の結晶構造とフォノンダイナミクスを調べ、平面内に配位している銅原子のラットリング運動がフォノンを効率良く散乱することを見出した。これらの知見は、平面配位構造を有する高性能熱電材料の新たな開発指針を与えるものである。

論文

Electronic structure and magnetic properties of the half-metallic ferrimagnet Mn$$_{2}$$VAl probed by soft X-ray spectroscopies

永井 浩大*; 藤原 秀紀*; 荒谷 秀和*; 藤岡 修平*; 右衛門佐 寛*; 中谷 泰博*; 木須 孝幸*; 関山 明*; 黒田 文彬*; 藤井 将*; et al.

Physical Review B, 97(3), p.035143_1 - 035143_8, 2018/01

AA2017-0644.pdf:1.01MB

 被引用回数:22 パーセンタイル:70.74(Materials Science, Multidisciplinary)

フェリ磁性体Mn$$_{2}$$VAl単結晶の電子構造を軟X線吸収磁気円二色性(XMCD)、軟X線共鳴非弾性散乱(RIX)によって調べた。全ての構成元素のXMCD信号を観測した。Mn L$$_{2,3}$$ XMCDの結果は、密度汎関数理論を基にしたスペクトル計算により再現でき、Mn 3$$d$$状態の遍歴的性質が明らかとなった。V L$$_{2,3}$$XMCDの結果はイオンモデル計算によって定性的に説明され、V 3$$d$$電子はかなり局在的である。この描像は、V L$$_{3}$$ RIXSで明らかとなった局所的な$$dd$$遷移と矛盾しない。

論文

Effects of $$gamma$$ irradiation on the adsorption characteristics of xerogel microcapsules

大西 貴士; 田中 康介; 小山 真一; Ou, L. Y.*; 三村 均*

NEA/NSC/R(2017)3, p.463 - 469, 2017/11

資源の有効利用、廃棄物低減のために、無機イオン交換体(タングストリン酸アンモニウム(AMP)またはフェロシアン化銅(KCuFC))をアルギネートゲルで内包するマイクロカプセル(AWP-ALGまたはKCuFC-ALG)、および、アルギネートゲルそのもの(ALG)を用いた核種分離システムの開発を実施している。ALG, AWP-ALGおよびKCuFC-ALGは、それぞれ、Zr, CsおよびPdを選択的に吸着することが明らかになっている。しかしながら、$$gamma$$線照射に伴う吸着特性の変化については、十分に調べられていない。そこで、$$^{60}$$Co線源によって$$gamma$$線を3898kGyまで照射した後、各種マイクロカプセルの吸着特性を評価した。その結果、AWP-ALGまたはKCuFC-ALGは、内包する無機イオン交換体によってCsまたはPdを吸着するため、$$gamma$$線照射を通して吸着特性に変化は見られなかった。一方、ALGは$$gamma$$線照射に伴って放射線分解が進行し、Zrに対する吸着特性が低下した。

論文

iBNCT用線形加速器のビームコミッショニング

内藤 富士雄*; 穴見 昌三*; 池上 清*; 魚田 雅彦*; 大内 利勝*; 大西 貴博*; 大場 俊幸*; 帯名 崇*; 川村 真人*; 熊田 博明*; et al.

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1244 - 1246, 2016/11

いばらき中性子医療研究センターのホウ素中性子捕獲療法(iBNCT)システムは線形加速器で加速された8MeVの陽子をBe標的に照射し、中性子を発生させる。この線形加速器システムはイオン源, RFQ, DTL, ビーム輸送系と標的で構成されている。このシステムによる中性子の発生は2015年末に確認されているが、その後システムの安定性とビーム強度を共に高めるため多くの改修を施した。そして本格的なビームコミッショニングを2016年5月中旬から開始する。その作業の進展状況と結果を報告する。

論文

Stabilization of a high-order harmonic generation seeded extreme ultraviolet free electron laser by time-synchronization control with electro-optic sampling

冨澤 宏光*; 佐藤 尭洋*; 小川 奏*; 渡川 和晃*; 田中 隆次*; 原 徹*; 矢橋 牧名*; 田中 均*; 石川 哲也*; 富樫 格*; et al.

High Power Laser Science and Engineering, 3, p.e14_1 - e14_10, 2015/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.07(Optics)

自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.2nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約25%に向上し、最大出力20$$mu$$Jが得られた。また、検討中の水の窓領域でのシードFELについても報告する。

報告書

概要調査段階における設計・性能評価手法の高度化,3; NUMO-JAEA共同研究報告書(2013年度)(共同研究)

柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 北村 暁; 吉川 英樹; 小田 治恵; 石寺 孝充; et al.

JAEA-Research 2014-030, 457 Pages, 2015/03

JAEA-Research-2014-030.pdf:199.23MB

原子力機構(JAEA)がこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、原子力発電環境整備機構(NUMO)が今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定すること等を目的として、2011年度よりJAEAとNUMOは以下の3つのテーマについて共同研究を進めている。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討: 水理地質構造モデル構築手法の事例調査に基づいて、得られた知見を評価ツリーとして整理し、モデルの不確実性やそれらの評価項目への影響等についての検討を行った。(2)シナリオの構築方法に関する検討: 状態設定手順を実務的な観点から、さらに見直すとともに、セメント影響とガラス溶解挙動について、知見の体系的な整理と不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定方法に関する検討: 母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。

論文

Full-coherent free electron laser seeded by 13th- and 15th-order harmonics of near-infrared femtosecond laser pulses

佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 富樫 格*; 深見 健司*; et al.

Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 46(16), p.164006_1 - 164006_6, 2013/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:18.94(Optics)

自由電子レーザー(FEL)は、自己増幅自発放射方式を用いているため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のない極端紫外領域のシード型FELの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.7nm)、15次高調波(波長53.4nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。また、シードFEL光のコントラスト比についても検討した。この結果について発表する。

論文

Compact XFEL and AMO sciences; SACLA and SCSS

矢橋 牧名*; 田中 均*; 田中 隆次*; 冨澤 宏光*; 富樫 格*; 永園 充*; 石川 哲也*; Harries, J.; 彦坂 泰正*; 菱川 明栄*; et al.

Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 46(16), p.164001_1 - 164001_19, 2013/08

 被引用回数:71 パーセンタイル:95.06(Optics)

The concept, design, and performance of Japan's compact FEL facilities, the SPring-8 Compact SASE Source test accelerator (SCSS) and SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser (SACLA), and their applications are reviewed. At SCSS, intense, ultrafast FEL pulses at extreme ultraviolet (EUV) wavelengths have been utilized for investigating various multiphoton processes in atoms, molecules and clusters by means of ion and electron spectroscopy. The quantum optical effect superfluorescence has been observed with EUV excitation. A pump-probe technique combining FEL pulses with near infrared laser pulses has been realized to study the ultrafast dynamics of atoms, molecules and clusters in the sub-picosecond regime. At SACLA, deep inner-shell multiphoton ionization by intense X-ray free-electron laser pulses has been investigated. The development of seeded FEL sources for producing transversely and temporally coherent light, as well as the expected impact on advanced science are discussed.

論文

Full-coherent HHG-seeded EUV-FEL locked by EOS timing feedback

小川 奏*; 佐藤 尭洋*; 松原 伸一*; 岡安 雄一*; 富樫 格*; 渡部 貴宏*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; et al.

Proceedings of 10th Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim and 18th OptoElectronics and Communications Conference and Photonics in Switching 2013 (CLEO-PR & OECC/PS 2013) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2013/06

自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.5nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約24%に向上し、最大出力20$$mu$$Jが得られた。この結果について発表する。

論文

High intense full-coherent radiation of free electron laser seeded by high-order harmonics in extreme-ultraviolet region

富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.

Proceedings of Ultrafast Optics IX (CD-ROM), 2 Pages, 2013/03

自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。

論文

Single crystal growth and transport properties of RRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$ (R = La and Pr)

迫田 將仁*; 久保田 和宏*; 田中 修平*; 松岡 英一*; 菅原 仁*; 松田 達磨; 芳賀 芳範

Journal of the Physical Society of Japan, 81(Suppl.B), p.SB011_1 - SB011_4, 2012/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.18(Physics, Multidisciplinary)

We have succeeded in growing single crystals of RRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$ (R =La and Pr), and measured their electrical resistivity and Hall effect to gain the deeper insight of the physical properties of CeRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$ which exhibits an unusual long-range order (LRO) below $$T_0 sim$$ 27 K. The temperature dependences of the electrical resistivity of both LaRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$ and PrRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$ show the typical metallic behavior without any phase transition. The Hall effect measurements reveal that the carrier number of CeRu2Al10 in the LRO region is about 30 times smaller than that of LaRu$$_{2}$$Al$$_{10}$$, indicating highly different electronic states between these compounds below $$T_0$$.

論文

Morphology-controlled synthesis of Mo compounds from a nitric acid solution by the microwave heating and/or Zr-addition

逢坂 正彦; 田中 康介; 関根 伸一; 圷 葉子; 鈴木 達也*; 三村 均*

Journal of Nuclear Materials, 427(1-3), p.384 - 388, 2012/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:31.65(Materials Science, Multidisciplinary)

高レベル廃液からの核分裂生成物Moの有効利用のため、マイクロ波加熱による形態制御された硝酸溶液からのMo化合物合成を研究した。マイクロ波加熱合成粉末の結晶性及び結晶成長を著しく加速することがわかった。少量のZr添加により六方晶MoO$$_{3}$$粉末の合成が促進された。さらに、Zr添加にマイクロ波加熱を加えることにより、特異的な雲丹様の形状を有する六方晶MoO$$_{3}$$結晶が合成された。本方法は、形態制御の実践面・性能面において、高レベル廃棄物からのMoの効果的有効利用に有効である。

論文

Extreme ultraviolet free electron laser seeded by high-order harmonic

富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.

Proceedings of 11th International School and Symposium on Synchrotron Radiation in Natural Science (ISSRNS 2012), p.1 - 21, 2012/05

自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。

論文

Reformation of hazardous wastes into useful supporting materials for fast reactor fuels

逢坂 正彦; 三輪 周平; 田中 康介; 圷 葉子; 池田 芳*; 三村 均*; 鈴木 達也*; 臼杵 俊之; 矢野 豊彦*

Annals of Nuclear Energy, 38(12), p.2661 - 2666, 2011/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.18(Nuclear Science & Technology)

放射性廃棄物からの回収Mo及びアスベスト有害廃棄物からの回収マグネシウム珪素酸化物の有効利用に関する新規概念を提案する。それぞれを導入した高速炉サイクルシステムについて述べる。幾つかの基礎サイクル技術に関する研究を行った。LIX63マイクロカプセルと3級ピリジン樹脂によるMoの分離に関する基礎的特長の研究を行った。Mo含有硝酸溶液からのシンプルなMo原料粉末の化学合成法に関する基礎実験を行った。焼結特性に与える回収Mo中の不純物の影響について実験的に検討した。

論文

High field magnetoresistance and de Haas-van Alphen effect in LaRu$$_2$$Al$$_{10}$$

迫田 將仁*; 田中 修平*; 松岡 英一*; 菅原 仁*; 播磨 尚朝*; 本多 史憲*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦; 松田 達磨; 芳賀 芳範

Journal of the Physical Society of Japan, 80(8), p.084716_1 - 084716_5, 2011/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:50.53(Physics, Multidisciplinary)

Magnetoresistance and de Haas-van Alphen (dHvA) effect were studied to investigate Fermi surface topology in LaRu$$_2$$Al$$_{10}$$. From the positive magnetoresistance in a wide angular region, this compound is regarded as a compensated metal. On the other hand, dHvA measurement shows several Fermi surface branches with a cyclotron effective mass close to the electron rest mass. The Fermi surface topology was well explained by the band calculations.

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