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論文

各種環境での電気化学測定; 原子力II(地層処分)深部地下環境における炭素鋼の腐食モニタリング

谷口 直樹; 中山 雅

材料と環境, 67(12), p.487 - 494, 2018/12

高レベル放射性廃棄物の地層処分における炭素鋼オーバーパックについて、深部地下環境における腐食挙動のモニタリング手法と測定事例の現状を概説する。交流インピーダンス法を用いた室内試験による腐食モニタリングに関する研究事例より、電極配置などの測定系の代表例を紹介する。また、地下研究施設における工学的スケールでの原位置試験において腐食モニタリングが試みられており、その方法と現状の測定結果について述べる。

論文

酸化剤含有NaOH水溶液中でFeに形成させたFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜中へのD$$_{2}$$Oの拡散浸透挙動

春名 匠*; 宮瀧 裕貴*; 廣畑 洋平*; 柴田 俊夫*; 谷口 直樹; 立川 博一*

材料と環境, 67(9), p.375 - 380, 2018/09

本研究では、酸化剤含有沸騰45mass% NaOH水溶液(424K)中においてFeの浸漬試験を行い緻密な皮膜を形成させる浸漬時間の探索を行うこと、ならびに形成した皮膜に対する室温でのD$$_{2}$$Oの浸透挙動を明らかにすることを目的とした。その結果、以下の知見が得られた。酸化剤含有沸騰NaOH水溶液中に0.4ks以上浸漬したFe表面にはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$が検出され、21.6ksまでは浸漬時間の増加とともに皮膜厚さが放物線則に従って増加した。酸化剤含有沸騰NaOH水溶液中にFeを1.2ksもしくは3.6ks浸漬して形成したFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜にD$$_{2}$$O浸透試験を行った結果、いずれの皮膜に対しても、浸透時間が1000ksまでは、浸透時間の増加とともにD$$_{2}$$O浸透量が増加し、それ以上の浸透時間ではD$$_{2}$$O浸透量が定常値を示した。また3.6ks浸漬して形成した皮膜に対する定常D$$_{2}$$O浸透量の方が大きい値を示した。D$$_{2}$$Oの浸透時間と浸透量の関係をFickの拡散方程式に基づいて解析した結果、1.2ksおよび3.6ks浸漬して形成したFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜に対するD$$_{2}$$Oの拡散係数がそれぞれ5.1$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$および9.9$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$と算出されたため、本Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜に対するD$$_{2}$$Oの拡散係数は5.1$$times$$10$$^{-15}$$ $$sim$$ 9.9$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$の範囲に存在すると推定された。

論文

長期予測の視点から今後の腐食防食技術への期待

谷口 直樹

材料と環境, 65(9), p.363 - 364, 2016/09

本稿は腐食防食学会発行の学術専門誌の巻頭言として投稿するものである。地層処分におけるオーバーパック研究者の立場から数値モデル化、腐食モニタリングについて腐食防食技術向上への期待を述べた。

論文

$$gamma$$線照射下における高pH溶液中での純チタンの腐食挙動

湯川 卓司*; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 谷口 直樹; 立川 博一*

材料と環境2016講演集(CD-ROM), p.359 - 362, 2016/05

$$gamma$$線照射下における模擬地下水溶液中でのチタンの全面腐食速度への溶液pHの影響を検討することを目的として、pHの異なる微量(50mM)の塩化物イオンを含む炭酸水素塩/炭酸塩水溶液中で、$$gamma$$線照射下で純チタン試料の浸漬試験を行い、試験後の溶液中のTiの分析結果から純チタンの腐食速度を測定した。その結果、溶液のpHの増加とともに照射後の溶液中の過酸化水素濃度が増加した。また、過酸化水素濃度の増加に応じて純チタンの腐食速度は増加した。pH12ならびに13の溶液中での照射下での腐食速度は非照射下と比較し5から10倍程度大きかった。

論文

大気中でFeを高温酸化させた皮膜中へのD$$_{2}$$Oの拡散浸透挙動

春名 匠*; 山本 達也*; 宮入 洋志*; 柴田 俊夫*; 谷口 直樹; 坂巻 景子; 立川 博一*

材料と環境, 64(5), p.201 - 206, 2015/05

オーバーパック候補材料である炭素鋼の酸素欠乏地下水中での腐食速度を推定するための基礎研究として、Feを高温酸化することで作製した酸化皮膜中のD$$_{2}$$Oの拡散係数を決定することを試みた。Fe板を大気中で573K, 723Kまたは873Kで高温酸化させて酸化皮膜を作製した。X線回折およびSEM観察による皮膜性状を確認した後、皮膜にD$$_{2}$$Oを接触させ、5184ksまでの種々の時間保持することでD$$_{2}$$Oを浸透させた。D$$_{2}$$Oを浸透させた試料に昇温脱離ガス分析試験を行い、皮膜中の浸透D$$_{2}$$O量を測定した。573Kおよび723Kで酸化させた試料にはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$単層皮膜が、873Kで酸化させた試料にはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$とFe$$_{2}$$O$$_{3}$$の二層皮膜が確認された。また、D$$_{2}$$O浸透量がD$$_{2}$$O浸透時間の平方根に対して直線関係を示すこと、ならびに長時間浸透させるとD$$_{2}$$O浸透量が定常値を示すことがわかった。Fickの第二法則に基づいて推定された各種酸化皮膜中のD$$_{2}$$Oの拡散係数は、Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜では9.7$$times$$10$$^{-13}$$cm$$^{2.}$$s$$^{-1}$$、Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$皮膜では5.5$$times$$10$$^{-13}$$cm$$^{2.}$$s$$^{-1}$$から2.2$$times$$10$$^{-12}$$cm$$^{2.}$$s$$^{-1}$$であった。

論文

酸素欠乏地下環境における炭素鋼腐食モデリング

柴田 俊夫*; 渡邊 正敏; 谷口 直樹; 清水 亮彦*

材料と環境, 62(2), p.70 - 77, 2013/02

酸素欠乏還元性環境中性水溶液中の炭素鋼はH$$_{2}$$Oと反応してH$$_{2}$$を発生し表面に腐食皮膜を生成する。腐食速度は腐食に伴って生成する腐食皮膜中を反応物質が拡散する速度によって決定される。腐食プロセスに関与する幾つかの拡散種の拡散定数は文献から知ることができた。しかしながら鉄酸化物中のH$$_{2}$$Oの拡散定数は見いだすことができなかったので、適切な仮定を用いて推定した。物質移動論モデルによって炭素鋼の腐食速度をシミュレーションした。腐食皮膜ポア中をH$$_{2}$$O及びFe$$^{2+}$$イオンが液相拡散するモデル、及び腐食皮膜中のH$$_{2}$$O固相拡散モデルについて、表計算ソフトのExcelを用いてシミュレーションを行った。腐食電流密度と腐食減肉厚さの時間的変化やそれらのpH依存性及び温度依存性を検討した。シミュレーション結果を実測値と比較した結果、腐食皮膜中のH$$_{2}$$O固相拡散が酸素欠乏環境における炭素鋼の腐食速度を決定していることが示唆された。

報告書

概要調査段階における設計・性能評価手法の高度化; NUMO-JAEA共同研究報告書(2011年度)(共同研究)

柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 早野 明; 三ツ井 誠一郎; 谷口 直樹; 小田 治恵; 北村 暁; 大澤 英昭; et al.

JAEA-Research 2012-032, 298 Pages, 2012/09

JAEA-Research-2012-032.pdf:33.68MB

原子力機構(JAEA)と原子力発電環境整備機構(NUMO)は、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて、原子力機構が蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定するとともに、必要な開発課題と今後の計画を明らかにすることを目的として、2011年度に共同研究を実施した。実施テーマと概要は以下の通り。(1)対象母岩の選定に関する検討:母岩特性のうち水理に着目し、母岩特性を評価するための項目、及び地下水移行時間の評価手法について、地質環境の調査・評価と関連付けたうえで整理した。(2)シナリオの構築に関する検討:シナリオ構築手順を具体化するとともに、ガラス固化体の溶解と核種の浸出、オーバーパックの腐食、緩衝材の長期変遷について、現象理解に関する最新の知見を構造的に整理した。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討:緩衝材の分配係数と拡散係数、母岩の分配係数を対象として、パラメータ設定の方法論を検討し、その方法論に従った試行を行った。(4)知識情報の品質確保に関する検討:知識情報の品質を確保するための考え方や手法を、(2)シナリオの構築で検討した状態設定に対する論拠に関する情報を例として検討した。

論文

Propagation behaviour of general and localised corrosion of carbon steel in simulated groundwater under aerobic conditions

谷口 直樹; 鈴木 宏幸; 川崎 学; 内藤 守正; 小林 正人*; 高橋 里栄子*; 朝野 英一*

Corrosion Engineering, Science and Technology, 46(2), p.117 - 123, 2011/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:44.26(Materials Science, Multidisciplinary)

炭素鋼は高レベル放射性廃棄物地層処分におけるオーバーパック候補材料の一つに選定されている。炭素鋼の腐食は全面腐食と局部腐食の二つに分類される。本研究では酸化性雰囲気における炭素鋼の浸漬試験によって全面腐食と局部腐食の進展挙動を調べた。浸漬試験結果,腐食進展速度は環境条件と鋼種に大きく依存した。しかし、孔食係数(最大腐食深さと平均腐食深さの比)の上限はおよそ平均腐食深さのみから決定されることがわかった。実験データと文献データに基づき、Gumbel分布を用いた極値統計解析を適用することによって平均腐食深さからオーバーパックの最大腐食深さを推定する経験的モデルを提示した。

論文

Long term integrity of overpack closure weld for HLW geological disposal, 2; Corrosion properties under anaerobic conditions

小林 正人*; 横山 裕*; 高橋 里栄子*; 朝野 英一*; 谷口 直樹; 内藤 守正

Corrosion Engineering, Science and Technology, 46(2), p.212 - 216, 2011/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:75.13(Materials Science, Multidisciplinary)

炭素鋼オーバーパックの長期健全性を予測するため、還元条件下での炭素鋼溶接部の腐食挙動が調べられた。本研究で用いた試験片は3つの溶接方法(GTAW, GMAW, EBW)から作成された。各試験片には全面腐食が観察され、溶接部における腐食速度は母材と同等かそれ以下となった。浸漬期間中に吸収された水素量は3年間で2.48$$times$$10$$^{-5}$$ mol kg[Fe]$$^{-1}$$(0.05ppm)以下であり、水素脆化の影響がほとんどない値となった。水素脆化感受性は母材で最も大きく、溶接による悪影響はほとんどないことが示された。溶接された炭素鋼オーバーパックは還元条件下で期待される寿命期間中耐食性を有すると考えられる。

報告書

Horonobe Underground Research Laboratory Project; Synthesis of phase I investigation 2001 - 2005, Volume "Geological disposal research"

藤田 朝雄; 谷口 直樹; 松井 裕哉; 棚井 憲治; 前川 恵輔; 澤田 淳; 牧野 仁史; 笹本 広; 吉川 英樹; 柴田 雅博; et al.

JAEA-Research 2011-001, 193 Pages, 2011/03

JAEA-Research-2011-001.pdf:5.23MB

本報告書では、堆積岩で塩水系地下水を対象とした幌延深地層研究計画において段階的に得られる地質環境条件を一つの適用例として、第1段階である地上からの調査で得られた情報をもとに処分場の設計技術や性能評価技術それぞれの適用性について論じるとともに、必要に応じて実施した技術の改良や代替技術の開発状況を取りまとめた。

論文

低酸素濃度下での模擬地下水の飽和した圧縮ベントナイト中における炭素鋼の腐食挙動

谷口 直樹; 川崎 学; 内藤 守正

材料と環境, 59(11), p.418 - 429, 2010/11

低酸素の濃度下、圧縮ベントナイト中において10年間に渡る炭素鋼の浸漬試験を行った。XRD, XPSにより、ほとんどの条件で腐食生成物として2価鉄の炭酸塩化合物が確認された。炭酸塩濃度の高い溶液中では10年間の試験期間を通して他の条件よりも腐食量は小さくなった。また、50$$^{circ}$$Cの条件では初期の腐食速度は80$$^{circ}$$Cよりも小さいが、数年後にはむしろ大きくなった。これら炭酸塩濃度と温度による長期的な腐食速度への影響は鉄炭酸塩の沈殿・溶解挙動が関連していると推察された。また、初期腐食量と皮膜の保護性の関係を調べると、高炭酸塩溶液を除き初期腐食量の大きいほど皮膜の保護性も高くなる傾向が認められた。実験結果の外挿により炭素鋼の長期的な腐食量を推定すると、推定値の範囲と考古学的鉄製品の腐食量の範囲はおおむね一致した。

報告書

炭酸塩水溶液及び人工海水における炭素鋼の腐食挙動に及ぼす材料中不純物元素の影響

谷口 直樹; 鈴木 宏幸*; 内藤 守正

JAEA-Research 2009-068, 31 Pages, 2010/03

JAEA-Research-2009-068.pdf:5.08MB

腐食現象は材料と環境の相互作用であり、地層処分環境における炭素鋼オーバーパックの腐食挙動は環境因子の影響だけでなく、材料因子による影響を受ける可能性がある。本研究では炭素鋼中に一般的に含まれる主要な不純物であるC, Si, Mn, P, Sに着目し、炭酸塩水溶液と人工海水を用いて、これらの元素が電気化学的挙動と低酸素濃度下での腐食速度に及ぼす影響を調べた。その結果は以下のようにまとめられる。(1)0.01M炭酸塩(pH10)溶液中での不動態化電流,不動態保持電流に及ぼす不純物元素の影響は小さいことが確認された。(2)Si濃度が比較的高い0.73%と0.97%の条件では不動態皮膜の破壊やアノード溶解の促進が観察された。(3)0.01M炭酸塩(pH10)溶液の飽和した緩衝材共存下では不動態化せず、アノード分極挙動への不純物元素の影響も小さいことが確認された。(4)人工海水中,低酸素濃度下での腐食速度は不純物元素濃度が大きいほど腐食速度は大きくなる傾向があり、P, Mnによる影響が比較的大きくなった。(5)Si, Mn, Pの添加による腐食速度増加はカソード反応である水素発生反応の促進によるものと推察された。

報告書

アンモニア水溶液及びアンモニウムイオンを含む地下水中における純銅の応力腐食割れ挙動

谷口 直樹; 川崎 学; 内藤 守正

JAEA-Research 2009-067, 29 Pages, 2010/03

JAEA-Research-2009-067.pdf:8.68MB

応力腐食割れは一般に割れを伴わない腐食に比較して進展速度が大きく、腐食しろによって貫通を防ぐことは困難である。したがって、オーバーパック材料として銅を適用する場合には応力腐食割れの生起可能性や生起条件を明らかにする必要がある。銅及び銅合金はアンモニアを含む環境において、条件によっては応力腐食割れに対して感受性を示すことが知られている。本研究では、アンモニア溶液中及びアンモニウムイオンを含む地下水を用い、酸化性条件において無酸素銅の低歪速度試験(SSRT)を実施し、応力腐食割れ感受性を検討した。その結果、0.05M及び0.1MのNH$$_{4}$$OH水溶液中では大気平衡における自然電位条件で割れの発生は認められなかった。アンモニウムイオンを含む幌延の地下水条件では-144mV vs. SCEにおいて脆性的な破面と亀裂が観察された。亀裂の形態は粒界割れのほか、浅い粒内割れ、粒界割れから枝分かれした粒内割れが観察された。これらの条件では表面及び亀裂内部において強く密着した腐食生成物が観察されており、変色皮膜破壊機構による応力腐食割れが示唆された。幌延地下水が飽和した緩衝材中では、最大応力,破断伸びなど機械的特性はシリコンオイル中と同程度であり、試験片表面にも応力腐食割れに起因する明瞭な割れは認められなかった。

報告書

高pH化した海水系地下水環境における炭素鋼の局部腐食進展挙動

谷口 直樹; 鈴木 宏幸*; 内藤 守正

JAEA-Research 2009-066, 18 Pages, 2010/03

JAEA-Research-2009-066.pdf:7.96MB

炭素鋼は高pH環境において不動態化し、条件によっては孔食,すきま腐食などの局部腐食を受けることが知られている。一般に局部腐食の進展速度は全面腐食の場合よりも大きく、炭素鋼オーバーパックに局部腐食が生じた場合には短期破損をもたらす可能性がある。孔食・すきま腐食は塩化物イオンに代表される不動態皮膜破壊型の化学種の共存下において発生することが知られている。処分環境では、海水系地下水のような塩化物イオンを含む地下水が人工バリア周辺に施工されるコンクリート構造物中のセメント材料と地下水が接触してそのpHが上昇し、炭素鋼オーバーパックに孔食やすきま腐食をもたらす場合などが想定される。本研究では海水系地下水の一例として幌延の模擬地下水を用い、コンクリートと接触させて高pH化させた条件で孔食,すきま腐食の進展挙動を調べた。その結果、孔食係数(最大腐食深さと平均腐食深さの比)は中性$$sim$$アルカリ性環境や種々の天然水環境で得られた過去のデータの範囲内にあることが確認された。実験データの極値統計解析によりオーバーパックにおける最大腐食深さを推定した結果、推定値はいずれの条件でも従来の孔食・すきま腐食進展に関する経験モデルにより算出される値を超えないことがわかった。

報告書

オーバーパックデータベースの作成

谷口 直樹; 中村 有夫*

JAEA-Data/Code 2009-022, 56 Pages, 2010/03

JAEA-Data-Code-2009-022.pdf:14.6MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックには所定の期間、地下水とガラス固化体の接触を確実に防ぐ機能が要求されている。現時点ではオーバーパックの設計寿命を1000年間とし、オーバーパックの設計手法,製作技術等の整備や設計・製作に反映させるための試験,長期信頼性向上のための試験研究等が行われている。これらの成果は、検討を実施した機関により報告書等の形で取りまとめられてはいるものの、実際の処分サイト条件に対応したオーバーパック設計,オーバーパックにかかわる規格や基準の制定のほか、汎用的な用途として有効に活用させていくためには、これらの成果を体系的にとりまとめ、実用的な知識ベースとして整備する必要がある。データベースの基本構造については昨年度検討を行った。現在、主要な試験データである、オーバーパックの腐食データ及び溶接・検査試験データについて集約、入力を進めている。本報では提示内容を検討するとともに、これまでに入力を終了したデータを添付した。

論文

Anodic polarization behavior and film breakdown potential of pure copper in the simulated geological environment containing carbonate

川崎 学; 谷口 直樹; 内藤 守正

Corrosion Engineering, 58(11), p.465 - 482, 2009/11

銅オーバーパックの酸化性雰囲気における腐食挙動に及ぼす環境因子の影響を明らかにすることを目的として、炭酸塩水溶液を用いて動電位法及び定電位法によるアノード分極試験を80$$^{circ}$$Cにて行った。その結果、高炭酸塩濃度,低塩化物イオン濃度,高pH条件ほど不動態化が促進され、皮膜破壊は抑制された。また、硫酸イオンは皮膜破壊を促進する傾向があった。ケイ砂混合ベントナイト中では水溶液中に比べて溶液組成の違いによるアノード分極曲線への影響は小さいことがわかった。また、より温度の低い条件で得られた既往のデータと比較すると、温度が高いほど不動態しやすくなる傾向は認められるものの、皮膜破壊電位Ebへの温度による影響は認められなかった。皮膜破壊電位Ebを皮膜破壊型のイオンと皮膜破壊抑制型のイオンの濃度比、[Cl$$^{-}$$]/[HCO$$_{3}$$$$^{-}$$], [SO$$_{4}$$$$^{2-}$$]/[HCO$$_{3}$$$$^{-}$$]に対して整理すると、この濃度比が高いほどEbは卑化した。また、濃度比がある値以上では活性溶解の領域となり、不動態領域におけるEbの下限値は約-200mV vs. SCEと求められた。定電位試験の結果、Eb以上の電位や、アノード分極曲線における第2のピーク電流が現れる電位以上の条件で孔食又は不均一な腐食が観察された。

論文

炭酸塩を含む地層処分模擬環境における純銅のアノード分極挙動と皮膜破壊電位の検討

川崎 学; 谷口 直樹; 内藤 守正

材料と環境, 58(11), p.386 - 394, 2009/11

銅オーバーパックの酸化性雰囲気における腐食挙動に及ぼす環境因子の影響を明らかにすることを目的として、炭酸塩水溶液を用いて動電位法及び定電位法によるアノード分極試験を80$$^{circ}$$Cにて行った。その結果、高炭酸塩濃度,低塩化物イオン濃度,高pH条件ほど不動態化が促進され、皮膜破壊は抑制された。また、硫酸イオンは皮膜破壊を促進する傾向があった。ケイ砂混合ベントナイト中では水溶液中に比べて溶液組成の違いによるアノード分極曲線への影響は小さいことがわかった。また、より温度の低い条件で得られた既往のデータと比較すると、温度が高いほど不動態しやすくなる傾向は認められるものの、皮膜破壊電位Ebへの温度による影響は認められなかった。皮膜破壊電位Ebを皮膜攻撃型のイオンと皮膜破壊抑制型のイオンの濃度比、[Cl$$^{-}$$]/[HCO$$_{3}$$$$^{-}$$], [SO$$_{4}$$$$^{2-}$$]/[HCO$$_{3}$$$$^{-}$$]に対して整理すると、この濃度比が高いほどEbは卑化した。また、濃度比がある値以上では活性溶解の領域となり、不動態領域におけるEbの下限値は約-200mV vs. SCEと求められた。定電位試験の結果、Eb以上の電位や、アノード分極曲線における第2のピーク電流が現れる電位以上の条件で孔食又は不均一な腐食が観察された。

報告書

幌延深地層研究計画における第2段階の調査研究計画; H20-21

岩月 輝希; 佐藤 治夫; 棚井 憲治; 稲垣 学; 澤田 淳; 新沼 寛明; 石井 英一; 前川 恵輔; 戸村 豪治; 真田 祐幸; et al.

JAEA-Research 2009-002, 156 Pages, 2009/05

JAEA-Research-2009-002.pdf:12.86MB

「高レベル放射性廃棄物の地層処分基盤研究開発に関する全体計画」及び研究技術開発の現状に基づいて既往の研究計画を更新し、幌延深地層研究計画第2段階における平成20$$sim$$21年度の具体的な研究計画を作成した。計画検討にあたっては、施設建設工程などの制約条件を踏まえたうえで、深地層の科学的研究,地層処分研究開発にかかわる研究技術開発(地質環境特性調査評価技術,地下施設建設に伴う地質環境変化の調査評価技術,深地層における工学技術,地層処分に必要な工学技術,安全評価技術など)の今後の実施計画として、ボーリング調査計画やモニタリング計画,工学試験などの計画検討を行ったうえで、各課題の現中期計画終了時の達成目標を明確化した。

報告書

硫化物を含む人工海水における純銅の応力腐食割れ挙動に及ぼす電位と材質の影響

谷口 直樹; 川崎 学; 内藤 守正

JAEA-Research 2008-118, 33 Pages, 2009/03

JAEA-Research-2008-118.pdf:19.96MB

一般に、純銅は酸素を含まない天然水環境で熱力学的に安定であり、水の還元による腐食は生じない。しかし、硫化物を含む環境では熱力学的な安定性を失って硫化銅として腐食し、条件によっては応力腐食割れ(SCC)に対して感受性を示す。本研究では、硫化ナトリウムを含む人工海水中において純銅の低歪速度試験を実施し、応力腐食割れ感受性に及ぼす電位,材質の影響を検討した。その結果は以下のようにまとめられる。(1)低酸素濃度下での自然電位, Ecorrより+100mV及び+300mV貴な電位では、自然電位の場合よりもSCC感受性は低下した。しかし、Ecorrより700mV貴な電位では、Ecorr+100mV, Ecorr+300mVの場合よりもSCC感受性は大きくなった。(2)リン脱酸銅と無酸素銅を比べると、無酸素銅のほうが亀裂は発生しやすい傾向が認められたが、引張強さ,全伸びなど機械的特性に違いはなかった。(3)緩衝材共存下でのSSRTを行うため、試験片に装着する試験カラムを作成した。これを用いたリン脱酸銅に対する試験の結果、Na$$_{2}$$S濃度0.001M, -420mV vs. SCE(窒素雰囲気での自然電位に相当)において応力腐食割れの発生は認められなかった。

報告書

オーバーパックデータベースの基本構造の検討

谷口 直樹; 中村 有夫*

JAEA-Data/Code 2008-032, 13 Pages, 2009/03

JAEA-Data-Code-2008-032.pdf:1.56MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックには所定の期間、地下水とガラス固化体の接触を防ぐ機能が要求されている。現時点では高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックには所定の期間、地下水とガラス固化体の接触を確実に防ぐ機能が要求されている。現時点ではオーバーパックの設計寿命を1000年間とし、オーバーパックの設計手法,製作技術等の整備や設計・製作に反映させるための試験,長期信頼性向上のための試験研究等が行われている。これらの成果は、検討を実施した機関により報告書等の形で取りまとめられてはいるものの、実際の処分サイト条件に対応したオーバーパック設計、オーバーパックにかかわる規格や基準の制定のほか、汎用的な用途として有効に活用させていくためには、これらの成果を体系的にとりまとめ、実用的な知識ベースとして整備する必要がある。そこで、これまでに検討されてきたオーバーパック設計の考え方,設計・製作にかかわる技術,オーバーパックの基本特性に関する試験データなどを体系的にとりまとめるデータベースとしての検討を行っている。本報ではこのオーバーパックデータベースの基本構造と、市販のデータベースソフトウエアを用いた検討状況を報告する。また、データベース上で提示する予定の試験データや技術メニューの一部を例示した。

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