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報告書

Momentum exchange functions model for SIMMER-III and SIMMER-IV

飛田 吉春*; 近藤 悟; 鈴木 徹*

JAEA-Research 2024-011, 39 Pages, 2024/10

JAEA-Research-2024-011.pdf:1.67MB

日本原子力研究開発機構が開発したSIMMER-III及びSIMMER-IVは、2次元及び3次元の多速度場・多成分流体力学モデルを空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。多速度場の流動解析においては、流体速度場間及び流体・構造壁間の抵抗や摩擦をモデル化した運動量交換関数(MXFと呼ぶ)が必要となり、これにより溶融炉心物質間の相対運動や運動に伴う反応度効果が精度良く模擬される。SIMMER-III及びSIMMER-IVでは最大8の速度場を使用でき、各速度場は他の速度場及び構造材壁と運動量を交換する。多成分・多速度場流体における運動量交換に関する理論的・実験的知見は限られているため、MXFの定式化は定常二相流に関する工学的相関式に基づいて行った。また、プール流及びチャンネル流における多相流流動様式のモデル化においては、適切な内挿手順を採用することにより流動様式の遷移におけるMXFの連続性を維持した。MXFモデルは、多相流境界面積モデルと合わせて、コード検証(V&V)プログラムを通じて幅広くテストを行った結果、従来のコードにおける2速度場の制約や簡易モデルに伴う問題点の多くを解決できることが示された。

報告書

Multi-phase flow topology and interfacial area model for SIMMER-III and SIMMER-IV

飛田 吉春*; 近藤 悟; 守田 幸路*

JAEA-Research 2024-010, 77 Pages, 2024/10

JAEA-Research-2024-010.pdf:1.6MB

高速炉の炉心崩壊事故解析コードSIMMER-III及びSIMMER-IVの多相流動・境界面積モデルを開発した。複雑な多成分・多相流のトポロジーを体系的に模擬するため、プール流及びチャンネル流に対する流動様式をモデル化するとともに、流動様式の間の円滑な遷移を可能とした。コードの適用性と柔軟性を拡大するために境界面積対流モデルを導入することにより、各流体の境界面積の輸送と履歴を追跡し、それにより過渡現象をより適切に記述できるようになった。流体粒子の分裂・合体、液滴・気泡の生成等の結果生じる境界面積の時間変化は、境界面積対流方程式のソース項としてモデル化した。SIMMER-III及びSIMMER-IVの多成分系においては成分間の全ての可能な接触モードを考慮し、成分間の熱及び質量移行、運動量交換関数の計算に必要な流体-流体間、流体-構造材間の2成分間接触面積を計算する。本研究で開発した境界面積モデルは高速炉安全解析コードとしては世界初のものであり、コード検証(V&V)プログラムを通じて幅広くテストを行った結果、従来のコードにおける簡易モデルに伴う問題点の多くを解決できることが示された。

報告書

Heat transfer coefficients model for SIMMER-III and SIMMER-IV

Brear, D. J.*; 近藤 悟; 曽我部 丞司; 飛田 吉春*; 神山 健司

JAEA-Research 2024-009, 134 Pages, 2024/10

JAEA-Research-2024-009.pdf:2.45MB

SIMMER-III/SIMMER-IVは液体金属高速炉の炉心崩壊事故(CDA)の解析に使用する計算コードである。CDAの事象進展は炉心物質間の熱伝達係数(HTC)により大きく影響される。溶融・固化、蒸発・凝縮といった質量移行現象も熱伝達により支配される。複雑な多相・多成分系においては、一つの流体成分と他の流体又は構造材表面との間での多数の異なるHTCを計算する必要がある。また、多相流の流動様式や構造材の配位に従って異なる伝熱モードを考慮する必要もある。結果として、各計算セルごとに数十のHTCが計算される。本報告書には、SIMMER-III/SIMMER-IVのHTCモデルの役割、選定したHTC相関式とその技術的背景、流動様式の取扱いとHTCの内挿方法、検証及び妥当性確認の成果概要を記載する。

報告書

SIMMER-III and SIMMER-IV; Computer codes for LMFR core disruptive accident analysis

近藤 悟; 飛田 吉春*; 守田 幸路*; 神山 健司; 山野 秀将; 鈴木 徹*; 田上 浩孝; 曽我部 丞司; 石田 真也

JAEA-Research 2024-008, 235 Pages, 2024/10

JAEA-Research-2024-008.pdf:4.77MB

日本原子力研究開発機構が開発したSIMMER-III及びSIMMER-IVは、2次元/3次元、多速度場、多成分流体力学モデルを空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。従来コードに対して次のような高度化したモデルが採用されている。すなわち、安定かつ頑健な流体力学アルゴリズム、最大8までの多速度場モデル、構造材及び多相流幾何形状の取扱いの改善、熱及び質量移行過程の包括的取扱い、高精度の状態方程式、高精度かつ高効率の中性子束計算モデル、崩壊熱モデルなどである。本報告書ではSIMMER-III及びSIMMER-IVのモデル及び解法の詳細を記述する。別途詳細が報告されている個別モデルについてはその概要をまとめる。なお、コードの検証及び妥当性確認についてはすでに報告済みである。

論文

1F廃炉に向けた放射線源逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor FrontEnd: 廃炉現場で用いるファストデジタルツイン技術

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.

RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R3$$sim$$4年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。

論文

1F廃炉に向けた放射線源逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor:デジタル技術を集約するプラットフォームの現状紹介

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; 山口 隆司; et al.

RIST News, (69), p.2 - 18, 2023/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年度より2年間に渡り、放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間で実施可能とするためのデジタル技術の研究開発を実施してきた。本記事では、上記プロジェクトの成果(以下、前期プロジェクトと呼び、その2年間の研究開発の成果)を紹介する他、令和5年度4月より、新たに開始した継続プロジェクト(以下、後期プロジェクトと呼ぶ)の計画についても報告する。前期プロジェクトにて当初予定していた機械学習技術(LASSO)については、建屋内の複雑な構造情報と汚染源の性質を反映した一つの派生版手法へと結実させた成果を報告する他、実際の原子炉施設での検証結果を示す。更に、開発技術を集約したプラットフォームとしての機能を持つソフトウエア:3D-ADRES-Indoorを紹介し、継続して実施する予定の後期プロジェクトの研究開発計画も紹介する。

論文

Fracture toughness evaluation of the heat-affected zone under the weld overlay cladding in reactor pressure vessel steel

河 侑成; 飛田 徹; 高見澤 悠; 勝山 仁哉

Journal of Pressure Vessel Technology, 145(2), p.021501_1 - 021501_9, 2023/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:26.56(Engineering, Mechanical)

The fracture toughness in the heat-affected zone (HAZ), which is located under the weld overlay cladding on the inner surface of the reactor pressure vessel (RPV), was evaluated by considering the inhomogeneous microstructures of the HAZ. In this regard, 0.4T-C(T) specimens and Mini-C(T) specimens were manufactured to clarify the effect of the HAZ on fracture toughness. First, the fracture toughness was evaluated using 0.4T-C(T) specimens targeted on microstructural distribution due to the cladding bead location. The reference temperature (${it To}$) of HAZ at middle region of cladding bead was 12$$^{circ}$$C higher than that at overlap cladding beads. Second, the fracture toughness was evaluated using Mini-C(T) specimens focused on the microstructural difference with distance from the boundary between the cladding and the base metal. The ${it To}$ value of the central position located at 3 mm to 7 mm from the boundary between the cladding and the base metal was higher than those of the other positions in HAZ. However, the ${it To}$ values of HAZ for both 0.4T-C(T) and Mini-C(T) specimens were significantly lower than that of the base metal at a quarter thickness by 40$$^{circ}$$C$$sim$$60$$^{circ}$$C. Compared with the literature data that indicated fracture toughness at the inner surface without overlay cladding and the base metal at a quarter thickness, this study concluded that the HAZ under the overlay cladding showed no detrimental effect on the conservatism of the structural integrity assessment of RPV steel.

論文

1F廃炉に向けた放射線源の逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor:デジタル技術を集約するプラットフォームの開発状況

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; Malins, A.; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; et al.

RIST News, (68), p.3 - 19, 2022/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題の解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年6月より放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間にて実施するためのデジタル技術及びその関連技術の研究開発を開始した。本記事では、上記技術のコアとなる概念(逆推定に用いるLASSO: Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)を紹介するとともに、開発技術を集約したプラットフォーム機能を持つソフトウエア: 3D-ADRES-Indoorの開発進捗と、その活用の際に重要な役割を果たす放射線量の可視化技術等の研究開発の進捗について報告する。

論文

Constraint effect on fracture behavior of underclad crack in reactor pressure vessel

下平 昌樹; 飛田 徹; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 塙 悟史

Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011304_1 - 011304_7, 2022/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.41(Engineering, Mechanical)

JEAC4206-2016における原子炉圧力容器の構造健全性評価では、材料の破壊靭性が、想定欠陥であるクラッド下半楕円亀裂の先端における応力拡大係数よりも高いことが求められている。しかしながら、破壊靭性試験片と想定亀裂の亀裂深さやクラッドの有無といった違いにより、塑性拘束状態や破壊靭性評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、クラッド下亀裂が破壊靭性評価に及ぼす影響を調べるため、3点曲げ破壊靭性試験及び有限要素解析を実施した。その結果、クラッド下亀裂の塑性拘束が表面亀裂のそれに比べて弱いことを解析によって示した。さらに、クラッド下亀裂の弱い塑性拘束の影響により、クラッド下亀裂の破壊靭性が表面亀裂よりも見かけ上高くなることを実験及びローカルアプローチによって明らかにした。

論文

Effect of plastic constraint and cladding on semi-elliptical shaped crack in fracture toughness evaluation for a reactor pressure vessel steel

下平 昌樹; 飛田 徹; 名越 康人*; Lu, K.; 勝山 仁哉

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 8 Pages, 2021/07

JEAC4206-2016における原子炉圧力容器の構造健全性評価では、材料の破壊靭性が、想定欠陥であるクラッド下半楕円亀裂の先端における応力拡大係数よりも高いことが求められている。しかしながら、破壊靭性試験片と想定亀裂の亀裂深さやクラッドの有無といった違いにより、塑性拘束状態や破壊靭性評価に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、半楕円亀裂に対する拘束効果やクラッドが破壊靭性評価に及ぼす影響を調べるため、4点曲げ破壊靭性試験及び有限要素解析を実施した。その結果、半楕円亀裂最深点における見かけの破壊靭性がマスターカーブ法に基づく5%信頼下限を上回り、現行評価手法が保守性を有することを確認した。半楕円亀裂における破壊の起点は亀裂最深点だけでなく試験体表面近傍にも観察された。有限要素解析の結果、半楕円亀裂における塑性拘束は亀裂最深点に比べて表面近傍で弱くなっていることが分かった。また、表面亀裂の場合に比べてクラッド下亀裂の場合には塑性拘束が弱められ、その弱い拘束の影響によりクラッド下亀裂の見かけの破壊靭性が表面亀裂のそれよりも高くなることがローカルアプローチによって示唆された。

論文

Evaluation of brittle crack arrest toughness for highly-irradiated reactor pressure vessel steels

岩田 景子; 端 邦樹; 飛田 徹; 廣田 貴俊*; 高見澤 悠; 知見 康弘; 西山 裕孝

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 7 Pages, 2021/07

The crack arrest fracture toughness, K$$_{Ia}$$, values for highly-irradiated reactor pressure vessel (RPV) steels are estimated according to a linear relationship between crack arrest toughness reference temperature, T$$_{KIa}$$, and the temperature corresponding to a fixed arrest load, equal to 4 kN, T$$_{Fa4kN}$$, obtained by instrumented Charpy impact test. The relationship between T$$_{KIa}$$ derived from the instrumented Chrapy impact test and fracture toughness reference temperature, T$$_{o}$$, was expressed as an equation proposed in a previous report. The coefficients in the equation could be fine-tuned to obtain a better fitting curve using the present experimental data and previous K$$_{Ia}$$ data. The K$$_{Ia}$$ curve for RPV;A533B class1 steels irradiated up to 1.3$$times$$10$$^{20}$$ n/cm$$^{2}$$ (E $$>$$ 1 MeV) was compared with a K$$_{IR}$$ curve defined in JEAC4206-2016. It was shown that the K$$_{IR}$$ curve was always lower than the 1%ile curve of K$$_{Ia}$$ for these irradiated RPV steels. This result indicates that the conservativeness of the method defined in JEAC4206-2016 to evaluate K$$_{Ia}$$ using K$$_{IR}$$ curve is confirmed for highly-irradiated RPV steels.

論文

Fracture toughness in postulated crack area of PTS evaluation in highly-neutron irradiated RPV steel

河 侑成; 下平 昌樹; 高見澤 悠; 飛田 徹; 勝山 仁哉; 西山 裕孝

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 6 Pages, 2021/07

The semi-elliptical crack sized 10 mm in depth $$times$$ 60 mm in length shall be postulated near the inner surface of a reactor pressure vessel (RPV) in pressurized thermal shock events. We investigated the fracture toughness distribution in the postulated crack area under the PTS events of unirradiated and highly-neutron irradiated RPV steels. Vickers hardness in heat-affected zone (HAZ) due to stainless overlay cladding and 10 mm from the cladding were higher than that of a quarter thickness position, where the surveillance specimens are machined, for both unirradiated (E1) and irradiated (up to 1 $$times$$ 10$$^{20}$$ n/cm$$^{2}$$, WIM) materials. Fracture toughness of HAZ and 10 mm from the cladding was higher for the above highly-neutron irradiated material. The same result was obtained in the unirradiated material. Therefore, it was confirmed that fracture toughness obtained from surveillance specimens can provide conservative assessment of structural integrity of RPV.

論文

Constraint effect on fracture mechanics evaluation for an under-clad crack in a reactor pressure vessel steel

下平 昌樹; 飛田 徹; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; 塙 悟史

Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08

JEAC4206「原子炉圧力容器に対する供用期間中の破壊靭性の確認方法」では、加圧熱衝撃事象時の原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価において、原子炉圧力容器内面のステンレスオーバーレイクラッド(クラッド)下亀裂(UCC)を想定し、亀裂先端の応力拡大係数がRPV鋼の破壊靭性値を上回らないことを定めている。本研究では、クラッドの存在が破壊靭性値に与える影響を評価することを目的に、UCCまたは表面亀裂を有する試験体を用いた3点曲げ破壊靭性試験と有限要素解析(FEA)を行い、UCCに対する塑性拘束効果の影響を調べた。その結果、UCCの破壊靭性値が表面亀裂に比べて高いことを実験的に示した。また、有限要素解析により、クラッドの存在によりUCCの塑性拘束効果が弱められることを示した。

報告書

Phase 1 code assessment of SIMMER-III; A Computer program for LMFR core disruptive accident analysis

近藤 悟; 飛田 吉春

JAEA-Research 2019-009, 382 Pages, 2020/03

JAEA-Research-2019-009.pdf:22.82MB

日本原子力研究開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)が開発したSIMMER-IIIは、2次元・多速度場・多成分流体力学を空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。コードの開発と並行して、包括的なコード検証プログラムを、第1期(流体力学個別モデルのverification)及び第2期(炉心崩壊事故における複雑かつ重要な現象についてのvalidation)の2段階に分けて実施してきた。SIMMER-III検証プログラムには欧州の研究開発機関が参加し、第1期の成果は1996年に総合的にとりまとめられた。本報告書は元の1996年の非公式の文書を再生・改訂することにより、第1期検証の研究成果を再編集したものである。第1期検証プログラムでは、流体対流、境界面積及び運動量交換、熱伝達、溶融・固化、蒸発・凝縮の分野で計34のテスト問題の解析が参加機関により分担して実施された。第1期プログラムで明らかとなった課題についてはその後のモデル開発・改良及び第2期プログラムに反映した。本報告書は新たに得られた研究知見に基づいて改訂しているが、参加者による元の解析結果と結論は、批判的な内容を含めて、そのまま記載している。

論文

原子炉圧力容器鋼の照射硬化メカニズム究明; 照射温度制御実験

河 侑成; 下平 昌樹; 飛田 徹; 塙 悟史; 山崎 翔太*; 宇野 定則*

2018年度量子科学技術研究開発機構施設共用実施報告書(インターネット), 3 Pages, 2019/09

原子炉圧力容器の母材の内表面から約10mm深さの範囲に生じるステンレスオーバーレイクラッド下溶接熱影響部の照射脆化感受性を調査するための電子線照射試験の準備として、原子炉圧力容器鋼の実機環境相当である290$$^{circ}$$Cを目標とした照射温度の制御実験を実施した。冷却装置や試料固定治具の製作等を行い、電子線照射時の電流値による試料の発熱と熱伝導による冷却のバランスを調整し、照射温度を290$$^{circ}$$Cに制御する条件を調べた。その結果、適切な厚さのステンレススペーサーの使用により、290.6$$^{circ}$$C$$pm$$4.7$$^{circ}$$C範囲で照射温度を制御できることを確認した。

論文

Susceptibility to neutron irradiation embrittlement of heat-affected zone of reactor pressure vessel steels

高見澤 悠; 勝山 仁哉; 河 侑成; 飛田 徹; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄

Proceedings of 2019 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/07

原子炉圧力容器鋼の溶接熱影響部(HAZ)について、実際の原子炉圧力容器を模擬した継手溶接材(継手HAZ)及びHAZの代表的な組織を再現した熱処理材を作製し、JRR-3を用いた中性子照射試験及び照射後試験を実施し、照射前後の微細組織変化及び機械的特性変化を調べた。未照射材において、継手HAZ及び細粒HAZの破壊靭性が母材よりも低く、その要因が島状マルテンサイトやフェライト相の存在に因ることを明らかにした。また、粗粒HAZの中性子照射脆化感受性は母材よりも小さい値を示し、継手HAZ及び細粒HAZは母材と同等であることを明らかにした。

報告書

Mechanical properties database of reactor pressure vessel steels related to fracture toughness evaluation

飛田 徹; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄

JAEA-Data/Code 2018-013, 60 Pages, 2018/11

JAEA-Data-Code-2018-013.pdf:1.67MB

原子炉圧力容器の健全性を判断する上で、破壊靱性をはじめとする材料の機械的特性は重要な情報となる。本レポートは、日本原子力研究開発機構が取得した中性子照射材を含む原子炉圧力容器鋼材の機械的特性、具体的には引張試験, シャルピー衝撃試験, 落重試験及び破壊靱性試験の公開データをまとめたものである。対象とした材料は、初期プラントから最新プラント相当の不純物含有量及び靱性レベルで製造されたJIS SQV2A(ASTM A533B Class1)相当の5種類の原子炉圧力容器鋼である。また母材に加え、原子炉圧力容器の内張りとして用いられている2種類のステンレスオーバーレイクラッド材の機械的特性データについても記載した。これらの機械的特性データは、材料ごとにグラフで整理するとともに今後のデータの活用しやすさを考慮して表形式でリスト化した。

論文

Applicability of miniature compact tension specimens for fracture toughness evaluation of highly neutron irradiated reactor pressure vessel steels

河 侑成; 飛田 徹; 大津 拓与; 高見澤 悠; 西山 裕孝

Journal of Pressure Vessel Technology, 140(5), p.051402_1 - 051402_6, 2018/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:38.35(Engineering, Mechanical)

The applicability of miniature compact tension (Mini-C(T)) specimens to fracture toughness evaluation of neutron-irradiated reactor pressure vessel (RPV) steels was investigated. Three types of RPV steels neutron-irradiated to a high-fluence region were prepared and manufactured as Mini-C(T) specimens according to Japan Electric Association Code (JEAC) 4216-2015. Through careful selection of the test temperature by considering previously obtained mechanical properties data, valid fracture toughness, and reference temperature T$$_{o}$$ was obtained with a relatively small number of specimens. Comparing the fracture toughness and T$$_{o}$$ values determined using other larger specimens with those determined using the Mini-C(T) specimens, T$$_{o}$$ values of both unirradiated and irradiated Mini-C(T) specimens were found to be the acceptable margin of error. The scatter of 1T-equivalent fracture toughness values of both unirradiated and irradiated materials obtained using Mini-C(T) specimens did not differ significantly from the values obtained using larger specimens. The correlation between the Charpy 41J transition temperature (T$$_{41J}$$) and the T$$_{o}$$ values agreed very well with that of the data in the literature, regardless of specimen size and fracture toughness of the materials before irradiation. Based on these findings, it was concluded that Mini-C(T) specimens can be applied to fracture toughness evaluation of neutron-irradiated materials without significant specimen size dependence.

論文

Fracture toughness evaluation of heat-affected zone under weld overlay cladding in reactor pressure vessel steel

河 侑成; 飛田 徹; 高見澤 悠; 塙 悟史; 西山 裕孝

Proceedings of 2018 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2018), 6 Pages, 2018/07

An evaluation of the fracture toughness of the heat-affected zone (HAZ), which is located under the weld overlay cladding of a reactor pressure vessel (RPV), was performed. Considering inhomogeneous microstructures of the HAZ, 0.4T-C(T) specimens were manufactured from the cladding strips locations, and Mini-C(T) specimens were fabricated from the distanced location as well as under the cladding. The reference temperature (T$$_{o}$$) values of HAZ for both 0.4T-C(T) and Mini-C(T) specimens were significantly lower than that of the base metal at a quarter thickness by 40$$^{circ}$$C$$sim$$60$$^{circ}$$C. Compared to the literature data that indicated fracture toughness at the surface without overlay cladding and base metal of a quarter thickness in a pressure vessel plate, this study concluded that the welding thermal history showed no significant effect on the fracture toughness of the inner surface of RPV steel.

報告書

原子炉圧力容器鋼における高温予荷重(WPS)効果確認試験(受託研究)

知見 康弘; 岩田 景子; 飛田 徹; 大津 拓与; 高見澤 悠; 吉本 賢太郎*; 村上 毅*; 塙 悟史; 西山 裕孝

JAEA-Research 2017-018, 122 Pages, 2018/03

JAEA-Research-2017-018.pdf:44.03MB

原子炉圧力容器の加圧熱衝撃(Pressurized Thermal Shock: PTS)事象に対する構造健全性評価に与える影響項目の一つである高温予荷重(Warm Pre-stress: WPS)効果は、高温時に予め荷重を受けた場合に、冷却中の荷重減少過程では破壊が生じず、低温での再負荷時の破壊靱性が見かけ上増加する現象である。WPS効果については、主として弾性データによって再負荷時の見かけの破壊靱性を予測するための工学的評価モデルが提案されているが、試験片の寸法効果や表面亀裂に対して必要となる弾塑性評価は考慮されていない。本研究では、実機におけるPTS時の過渡事象を模擬した荷重-温度履歴を与える試験(WPS効果確認試験)を行い、WPS効果に対する試験片寸法や荷重-温度履歴の影響を確認するとともに、工学的評価モデルの検証を行った。再負荷時の見かけの破壊靭性について、予荷重時の塑性の程度が高くなると試験結果は工学的評価モデルによる予測結果を下回る傾向が見られた。比較的高い予荷重条件に対しては、塑性成分等を考慮することにより工学的評価モデルの高精度化が可能となる見通しが得られた。

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