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曽野 浩樹; 井澤 一彦; 頼経 勉; 須山 賢也; 外池 幸太郎
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 7 Pages, 2023/10
原子力機構にはこれまで9つの臨界実験装置が建設・運転され、2023年現在、4施設が解体済み、4施設が廃止措置に移行し、原子炉運転を前提に現存するのはSTACYのみである。STACYは「ウラン硝酸溶液燃料を用いる臨界実験装置」から「軽水減速材及びウラン棒状燃料を用いる臨界実験装置」に炉心改造され、2024年の運転再開を予定している。STACY更新炉では、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに向けた燃料デブリ臨界データ取得が当面の目的であるが、その後も次世代軽水炉開発ほか、その他教育訓練運転など様々な利用も見込まれる。これらの活動は、日本だけでなく、国際的な共同研究や共同利用にも役立つものである。
荒木 祥平; 山根 祐一; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Nuclear Science and Engineering, 195(10), p.1107 - 1117, 2021/10
被引用回数:2 パーセンタイル:29.53(Nuclear Science & Technology)燃料デブリのように乱雑な性状をもつ核燃料物質の臨界管理は事故後の安全対策において重要な課題のひとつである。様々な乱雑で管理されていない自然現象をノイズを用いて記述できることから、乱雑な性状をもつ核燃料物質についてもスペクトル分布を持つモデルが適用可能と考えた。本研究では、モデルで表現される核燃料物質について、中性子実効増倍率と減速条件の関係を検討した。減速条件の指標としてコンクリートと核燃料物質の体積比を定めた上で、乱雑化ワイエルストラス関数(RWF)に基づくスペクトル分布を持つモデルから多数の乱雑性状を生成した。生成された各々の乱雑性状について、2群エネルギーモンテカルロ計算により増倍率を計算し、結果を分散,歪み度,尖り度を用いて整理した。これらの統計量は最適減速条件において極値を持つことが見出された。また、モデルで表現される核燃料物質について、増倍率の分布範囲、分布の歪み、外れ値の出現を推定できる可能性が示唆された。
郡司 智; 外池 幸太郎; Clavel, J.-B.*; Duhamel, I.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.51 - 61, 2021/01
被引用回数:1 パーセンタイル:11.54(Nuclear Science & Technology)新しい臨界実験装置STACY更新炉は、燃料デブリに関連する臨界計算の検証に貢献することができ、原子力機構(JAEA)と仏IRSNの共同研究として実験炉心設計が進行中である。この論文では、燃料デブリの溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を模擬した模擬燃料デブリの臨界特性を測定するための新しいSTACYの炉心設計を最適化するために適用される方法を示す。炉心設計がコード検証に関連していることを確認するには、関心のある主要な同位体が持つ反応度価値と、断面積に対する実効増倍率kの感度を評価することが重要である。この研究で説明されている燃料デブリの場合、特にそのコンクリート組成では、ケイ素が断面に対するk感度が最も高くなる核種である。最適なアルゴリズムを使用して評価に最適な炉心設計を効率的に見つけ、ケイ素の捕獲断面積の高い感度を得るために、格子ピッチや炉心の寸法などのいくつかのパラメーターを調整した。これらの最適化手法の適用結果に基づいて、MCCIの興味深い感度フィードバックを得るための新しいSTACYでの燃料デブリの現実的な一連の実験を定義できた。この方法論は、新しいSTACYの他の実験条件を設計するのに役立てることができる。
Simanullang, I.; 山根 祐一; 菊地 丈夫; 外池 幸太郎
Annals of Nuclear Energy, 147, p.107675_1 - 107675_6, 2020/11
被引用回数:2 パーセンタイル:23.17(Nuclear Science & Technology)This study investigated a postulated criticality event that occurred in the fuel debris produced after the loss of the cooling function in a spent fuel pool. The 1/ spectrum model was introduced to overcome this situation considering the difficulties of predicting the random fuel debris distribution. The number of fissions in the first peak power was analyzed using the Nordheim Fuchs model. A total of 100 replicas were considered to investigate the fluctuation of the number of fissions. The results show that the number of fissions per volume varied from 3.78 10 to 1.49 10 (fissions/m). Moreover, the distribution of the number of fissions was positively skewed.
荒木 祥平; 郡司 智; 外池 幸太郎; 小林 冬実; 井澤 一彦; 小川 和彦
Proceedings of European Research Reactor Conference 2020 (RRFM 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/10
原子力機構では、定常臨界実験装置STACYを更新することにより、ウラン燃料棒と軽水減速材で炉心を構成する新たな臨界実験装置を整備している。ウラン燃料棒はロシアのNCCP社で製造された。更新後、最初の実験キャンペーンとして、燃料デブリ模擬臨界実験を予定しており、そこで得られる実験データは、福島第一原子力発電所燃料デブリ取出しに係る臨界解析手法の検証に用いられる。STACY更新炉は汎用の臨界実験装置であり、軽水炉の炉心・燃料設計の高度化、臨界安全評価・管理の高度化、基礎的な炉物理研究、人材育成など、広い用途に供される。
荒木 祥平; 山根 祐一; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Transition To A Scalable Nuclear Future (PHYSOR 2020) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2020/03
本研究は1/fノイズモデルに従う乱雑化体系の実効増倍率に対するの影響を調査したものである。2群のモンテカルロ計算を用いて乱雑体系の増倍率を計算し、1/f乱雑体系の空間分布の非均一さがとともに増加するため、増倍率分布の標準偏差がとともに増加することを明らかにした。
長家 康展; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
燃料デブリ体系に対する臨界安全解析のために新規モンテカルロ計算ソルバーSolomonを開発した。Solomonは、通常の臨界安全解析だけでなく、燃料デブリを含む損傷した原子炉の炉心の臨界安全解析もできるように設計されている。本論文では、Solomon開発の現状について述べ、乱雑化ワイエルシュトラス関数モデル, ボクセル形状を重ね合わせた乱雑化ワイエルシュトラス関数モデルの応用について紹介する。
渡邉 友章; 大久保 清志*; 荒木 祥平; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/09
The fuel debris produced by the accident of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) is probably in a state of mixture of burned fuels with different burnups each other. In such a case, the mixing ratio of burned fuels in fuel debris would affect its criticality. This report shows computation results of criticality characteristics of fuel-debris compositions prepared by mixing nuclide compositions of burned fuels in various patterns based on a fuel loading pattern. The results indicate that fuel debris is potentially subcritical when 1-cycle fuels, whose average burnup is several GWd/t, are included homogeneously in fuel debris because remaining Gd and Gd in 1-cycle fuels works to reduce neutron multiplication. The results also indicate that Gd/U ratio well characterize criticality of fuel debris.
郡司 智; Clavel, J.-B.*; 外池 幸太郎; Duhamel, I.*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 11 Pages, 2019/09
臨界実験施設STACY更新炉は、燃料デブリに関する臨界計算の検証に貢献することができる。実験炉心設計はJAEA/IRSNの共同研究で進行中である。本論文では、溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)デブリの擬似燃料デブリの臨界特性を測定するためのSTACY更新炉の実験炉心構成の設計を最適化するために適用した方法を示した。炉心構成がコード検証に資することを確認するために、模擬デブリに含まれる同位体の反応度価値と反応断面積に対するkeff感度を評価することが重要である。Siの捕獲反応の感度を最大化するために、例えば格子ピッチまたはコア寸法などのコア構成の複数のパラメータを最適化するアルゴリズムを使用して最適な炉心構成を効率的に研究した。
井澤 一彦; 石井 淳一; 大久保 卓哉; 小川 和彦; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
日本原子力研究開発機構は臨界実験装置STACYを非均質体系に変更する更新計画を進めている。更新されたSTACYでは、福島第一原子力発電所事故によって生成された燃料デブリを想定した臨界解析結果の検証のための実験が計画されている。STACY更新炉の初臨界は2021年初めに予定されている。初臨界後は、STACYでは「基本炉心」を構成し、運転員の習熟と実験結果の不確かさを把握するための一連の運転が行われる。STACY更新炉の初臨界に先立ち、基本炉心の核特性を把握するための一連の核特性解析を行った。本発表では、基本炉心の炉心構成条件を示すとともに、新規制基準のもとで炉心に課される諸条件をあきらかにする。
外池 幸太郎; 渡邉 友章; 郡司 智; 山根 祐一; 長家 康展; 梅田 幹; 井澤 一彦; 小川 和彦
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理は、臨界を防止する決定論的な管理ではなく、臨界による影響を緩和するリスクの考え方に基づいた管理になる可能性がある。この課題に取り組むため、原子力規制委員会・規制庁は、2014年から、日本原子力研究開発機構に委託して研究開発を進めてきている。燃料デブリの臨界特性解析、臨界解析コードの整備、臨界実験の準備、リスク解析手法の開発の進捗について報告する。
山根 祐一; 沼田 良明*; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 10 Pages, 2019/09
福島第一原子力発電所での燃料デブリの取り扱いにおける臨界安全のため、その形状変化の反応度効果について調査し、開発した手順の検証のために仮想的なシナリオの試解析を行った。
郡司 智; 外池 幸太郎; 井澤 一彦; 曽野 浩樹
Progress in Nuclear Energy, 101(Part C), p.321 - 328, 2017/11
被引用回数:3 パーセンタイル:28.18(Nuclear Science & Technology)燃料デブリ、特にMCCI(溶融炉心コンクリート相互作用)生成物の臨界安全性は、福島第一原子力発電所廃炉における主要な安全課題のひとつである。燃料デブリが臨界なのか未臨界であるのかは依然として不確かである。その組成、位置、中性子減速条件などは未だ確認できていない。燃料デブリの臨界制御にあたって、冷却水中に混ぜる中性子毒物の有効性は不確実である。そこで日本原子力研究開発機構(JAEA)では、そのような組成・中性子減速など取りうる条件を広くカバーし、燃料デブリのサンプルが取得され、その条件が判明した場合の臨界特性の評価に寄与する解析データベースを構築する。この計算モデルには、臨界実験によって明らかにされるべき不確かさも含まれる。これらの実験は、改造されたSTACY(定常臨界実験装置)と燃料デブリ組成を模擬したサンプルを用いて実施される予定である。各々のサンプルは、その外形はSTACYの燃料棒と同等で同じくジルカロイ被覆されたものである。この論文では、MCCI生成物を模擬したサンプルの反応度価値を測定するための実験炉心構成の研究について報告している。一連の実験における計算モデルで考慮されるパラメータは次のとおりである:(1)3, 4, 5wt.%のU濃縮度を持つ二酸化ウラン、(2)0, 20, 40, 60及び80%のコンクリート体積割合、並びに(3)0-80%のサンプルの空隙率。この測定実験は、減速不足および加減速の条件で実施できると結論付けられた。また、実験に必要なサンプル量が推定された。
小澤 麻由美; 深谷 洋行; 佐藤 真人; 蒲原 佳子*; 須山 賢也; 外池 幸太郎; 大木 恵一; 梅田 幹
Proceedings of 53rd Annual Meeting of Hot Laboratories and Remote Handling Working Group (HOTLAB 2016) (Internet), 9 Pages, 2016/11
For criticality safety of used nuclear fuel, it is necessary to determine amounts of such rare earth elements as gadolinium(Gd), samarium(Sm), europium(Eu) since those rare earth elements involve the isotopes having particularly large neutron absorption cross sections. However, it is difficult to measure those isotopes simultaneously by mass spectrometry because some of them have same mass numbers. Thus fine chemical separation of those rare earth elements is indispensable for accurate determination prior to measurement. The conventional separation method with anion exchange resin has been utilized in JAEA mainly for the separation of uranium and plutonium. Therefore rare earth elements such as Gd, Sm and Eu except Nd are wasted without being separated in the conventional method. The authors have examined to improve the conventional method in order to separate those rare earth elements mutually.
郡司 智; 外池 幸太郎; 井澤 一彦; 曽野 浩樹
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.3927 - 3936, 2016/05
MCCI生成物を含む燃料デブリの臨界安全性は福島第一原子力発電所の廃炉に関して重要な課題のひとつである。燃料デブリの臨界あるいは未臨界状態はまだわからない。なぜならその組成、位置、中性子減速条件などがまだ確認できないからである。また、燃料デブリの臨界管理に冷却水中への中性子毒物が効果的かどうかもわからない。原子力機構による解析計算のデータベースは整備中である、これは燃料デブリがとりうる組成や中性子減速条件などを幅広くカバーして、燃料デブリのサンプルや条件がわかったときに、臨界特性を評価する助けとなる。解析計算もまた不確かさを持っているがこれは原子力機構が計画しているSTACYの更新と燃料デブリの組成を模擬したサンプルによる臨界試験によって明らかにされる。この報告では、MCCI生成物を模擬したサンプルの反応度測定のための実験炉心構成の検討について紹介する。本研究でのサンプルの計算はモデルウラン酸化物燃料(Uの濃縮度は3, 4, 5重量%)とコンクリートを含む。減速不足、過減速の双方の条件での測定が可能であることが結論付けられた。また、サンプルの必要量についても見積もられた。
名内 泰志*; 竹澤 宏樹*; 外池 幸太郎
日本原子力学会誌ATOMO, 58(4), p.247 - 252, 2016/04
臨界安全国際会議ICNC2015が2015年9月に米国で開催された。冒頭の全体会合では、臨界安全を確実に実施しつつ進歩させるために、人材育成や知識継承が目下の課題であることが強調された。本報告では、解析コード・核データ、臨界安全管理実務、標準・評価手法整備、使用済燃料の臨界安全、不確かさ・感度解析、臨界実験、臨界事故評価、専門家育成、及び核分裂性物質の保管・輸送・処分の9つの口頭発表セッションの概要を述べる。ポスター発表も加えて発表件数は170件を超え、参加者数は米,英,仏,日等から200人余であった。
井澤 一彦; 外池 幸太郎; Leclaire, N.*; Duhamel, I.*
Proceedings of International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2015) (DVD-ROM), p.965 - 976, 2015/09
原子力機構では、福島第一原子力発電所で発生した燃料デブリの臨界特性に係る解析を臨界実験により検証するため、定常臨界実験装置(STACY)の更新作業を進めている。更新後は、まず燃料デブリ模擬材を含まない炉心で精度の高い臨界実験を行い、基準となる炉心を確立する必要がある。原子力機構は、フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)と協力して基準炉心の設計を進めている。設計検討にあたり、格子板と棒状燃料の製作精度に着目し、各パラメータが中性子実効増倍率に及ぼす影響を、基準となる3種類の格子間隔の炉心(1.15cm, 1.5cm, 2.55cm)において解析した。解析には、これらのパラメータのSTACY更新炉における製作精度が現行のSTACYと同等であると仮定し、それらが中性子実効増倍率に及ぼす影響をモンテカルロコードMCNP5の摂動計算機能を使用して評価した。核データには、評価済み核データライブラリJENDL-4.0を使用した。
外池 幸太郎; 山根 祐一; 梅田 幹; 井澤 一彦; 曽野 浩樹
Proceedings of International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2015) (DVD-ROM), p.20 - 27, 2015/09
安全規制の観点で、福島第一原子力発電所における燃料デブリの臨界管理は、臨界を防止する決定論的な管理ではなく、臨界の影響を緩和するリスク管理の形態をとることになろう。原子力規制委員会・規制庁はこの課題に取組むために研究計画を策定した。日本原子力研究開発機構の安全研究センターでは、同規制委員会・規制庁の委託を受け、燃料デブリの臨界特性の解析、臨界リスク評価手法の開発、及びこれらを支援する臨界実験の準備を開始した。
外池 幸太郎; 大久保 清志; 高田 友幸*
Proceedings of International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2015) (DVD-ROM), p.292 - 300, 2015/09
福島第一原子力発電所13号機の原子炉には溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を経て生じた多孔質の燃料デブリが相当量存在しているかもしれない。このような核分裂性物質を含む低密度のMCCI生成物は、中性子減速能が大きいことから、特に冠水状態において、臨界管理に十分に配慮しなければならない。本発表ではMCCI生成物の臨界特性を解析した結果を示すが、これは廃炉作業中の臨界リスク評価に資するものである。解析結果は、コンクリート中に結合したあるいはコンクリート中に閉じ込められた水分が、臨界の発生確率の観点及び冷却水への中性子毒物注入による影響緩和の実効性の観点で、リスクを押し上げることを示唆している。
井澤 一彦; 外池 幸太郎; 曽野 浩樹; 三好 慶典
JAEA-Conf 2014-003, Appendix (CD-ROM), 13 Pages, 2015/03
炉物理研究における臨界実験の重要性にもかかわらず、世界の熱体系臨界実験装置の数は減少の傾向にある。一方、軽水炉時代の長期化に伴い、高燃焼度燃料開発、使用済燃料貯蔵における燃焼度クレジットの導入、過酷事故によって生成される燃料デブリの臨界安全等、熱体系における重要な研究テーマが登場してきている。日本原子力研究開発機構はこの状況を鑑み、定常臨界実験装置STACYを更新し、熱体系臨界実験の中核的基盤施設として新たな研究ニーズに対応して行く計画である。更新後のSTACYは、最優先の任務として、福島第一原子力発電所事故によって生成された燃料デブリの臨界安全研究のための臨界実験を実施する。本報告では、福島第一原子力発電所事故後の日本原子力研究開発機構の臨界安全研究方針について紹介し、STACY更新炉が燃料デブリ取り出し作業の臨界安全性を確実にするために果たすべき役割について述べる。