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竹内 竜史; 露口 耕治*; 尾上 博則; 三枝 博光*; 別府 伸治
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 22(2), p.37 - 52, 2015/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、地層処分システムの長期安全性を評価する上で、累積的・広域的な変化を引き起こす現象について考慮する必要がある。この現象の1つとして、地震に伴う地下水圧の変化が挙げられる。原子力機構が岐阜県東濃地域で実施する地下水圧の長期モニタリングでは、これまでに地震に伴う地下水圧の変化が観測されている。本稿では、地震に伴う地下水圧の変化に関する観測結果を整理するとともに、大局的な地下水流動特性に与える影響について考察を行った。その結果、地下水圧の変化が観測された地震のうち2003年十勝沖地震、2004年の紀伊半島沖の地震、2009年の駿河湾の地震に伴う地下水流動特性の変化は一時的なものであると推測された。一方で、2011年東北地方太平洋沖地震以降の地下水圧の変化については異なる傾向を示している可能性があり、今後も観測を継続する必要がある。また、地震に伴う地下水流動特性の変化を評価する上では、地下水圧の変化のみならず透水係数や動水勾配の変化にも着目することが重要であることを示した。
露口 耕治; 黒岩 弘; 川本 康司; 山田 信人; 大貫 賢二; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 尾方 伸久; 須藤 正大; 見掛 信一郎
JAEA-Technology 2013-044, 89 Pages, 2014/02
本報告書は、深度500m研究アクセス北坑道における先行ボーリング(12MI27号孔, 12MI33号孔)の調査結果を取りまとめたものである。調査では、地質学的,水理学的,地球化学的データを取得するとともに、12MI33号孔では第3段階の再冠水試験のための地下水の水圧・水質モニタリング装置を設置した。調査の結果、割れ目の少ない中粒から粗粒の等粒状組織を示す黒雲母花崗岩が分布し、岩級はCHB級である。また、12MI33号孔では当初モデルで推定していなかった断層ガウジを伴う小規模断層が認められた。主立坑断層に近い12MI27号孔での割れ目密度は、12MI33号孔に比べ大きくなる傾向がある。孔内湧水は両孔ともに少ない。透水係数は、非変質帯で湧水量が少ない区間で4.8E-106.1E-09m/sec、非変質帯で湧水量が多い区間で1.1E-072.7E-07m/secの範囲であった。地下水の水質は、Na, Clに富む水質であった。
下茂 道人*; 熊本 創*; 露口 耕治; 尾上 博則; 三枝 博光; 水野 崇; 大山 卓也
JAEA-Research 2012-043, 98 Pages, 2013/03
本研究では、超深地層研究所計画における地下水流動場の把握を目的とした水理地質構造のモデル化及び地下水流動解析技術の高度化に関する研究開発の一環として、サイトスケール(研究所用地周辺を含む2km四方の領域)に着目し、それを包含するローカルスケール(研究所用地周辺を含む約9km四方の領域)を対象とした水理地質構造モデルの構築及び地下水流動解析を実施した。モデル化・解析の結果、研究坑道の掘削に伴う湧水量や周辺の地下水流動場に影響を与える水理地質構造の推定及び深度1,000mまでの研究坑道の掘削に伴う湧水量や周辺地下水位の低下量を予測することができた。また、研究坑道掘削時のグラウトが周辺の地下水流動場の変化に与える影響の程度を解析的に把握することができた。さらに、研究坑道掘削が地下水の水質分布に与える影響の程度を把握することができた。
丹羽 正和; 竹内 竜史; 尾上 博則; 露口 耕治; 浅森 浩一; 梅田 浩司; 杉原 弘造
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 13(5), p.Q05020_1 - Q05020_15, 2012/05
被引用回数:14 パーセンタイル:38.35(Geochemistry & Geophysics)瑞浪超深地層研究所とその周辺では広域地下水流動研究などのため、複数のボーリング孔で地下水観測を実施しているが、2011年東北地方太平洋沖地震発生後に明瞭な地下水圧の変化が観測された。それによると、研究所用地のごく近傍では最大約15mの水圧上昇を示したが、研究所用地から離れた地域ではすべてのボーリング孔で数十cmから数m程度の水圧低下を示した。地震直後の地下深部における地下水位変化のパターンは、地震直後の体積歪変化の分布パターンと良い相関を示すことが言われている(膨張域で水位低下、収縮域で水位上昇)。地殻変動解析ソフトCoulomb3.1による体積歪の計算結果からは、研究所周辺ではおよそ210strainの膨張を示す。したがって、研究所用地から離れた地域におけるボーリング孔での水位低下は、東北地方太平洋沖地震に伴う体積歪の変化を反映している可能性が高い。一方、研究所用地のごく近傍で地下水位が大幅に上昇した要因としては、坑道掘削により平衡水位が低下していたところへの強制的な地下水の流入、及び、研究所用地を横断する遮水性の断層に微小なクラックが発生(開口)したことによる局所的な透水性の変化が考えられる。
尾上 博則; 竹内 竜史; 武田 匡樹; 大丸 修二; 狩野 智之; 露口 耕治
no journal, ,
本稿では、MIU計画の第2段階でこれまでに実施してきた地下水流動に関する調査研究の成果について紹介した。また、第1段階で構築した水理地質構造モデルの更新方法の考え方に基づきモデル化・解析を実施し、モデル更新方法の考え方の適用性の確認を行った。
露口 耕治; 尾上 博則; 竹内 竜史; 狩野 智之
no journal, ,
2011年3月11日に、太平洋三陸沖を震源地として東北地方太平洋沖地震(以下、本地震)が発生した。日本原子力研究開発機構が岐阜県東濃地域で進めている、超深地層研究所計画及び広域地下水流動研究での、ボーリング孔を利用した地下水圧の長期モニタリングにおいて、本地震に伴う水圧変化が観測された。その変化の傾向は、ボーリング孔と地質構造との位置関係によって大きく異なることが確認された。本稿では、これらのボーリング孔において観測された本地震後の水圧変化について紹介する。
狩野 智之; 露口 耕治; 尾上 博則; 竹内 竜史
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、瑞浪超深地層研究所(以下、研究所)において結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画(以下、MIU計画)を進めている。本計画は、「第1段階: 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階: 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階: 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階及び第3段階における調査研究を進めている。本計画の第2段階は、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を目標の一つとしており、その一環として、地下水の水圧長期モニタリングを実施している。本稿では、MIU計画の第2段階で実施している水圧長期モニタリングで捉えた研究坑道の掘削に伴う地下水の水圧変化について報告する。
岩月 輝希; 佐藤 稔紀; 竹内 竜史; 尾上 博則; 大貫 賢二; 三枝 博光; 長谷川 隆; 黒岩 弘; 露口 耕治; 池田 幸喜; et al.
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、坑道の閉鎖(埋戻し)後までの地質環境特性を理解するための調査解析技術の構築を目的として、研究坑道の再冠水試験を計画した。計画では、深度500m研究アクセス北坑道の一部に地下水湧水による冠水が可能な冠水坑道および周辺の観測用ボーリング孔を設け、地下水の水圧回復およびそれに伴う水質変化、埋戻し材、セメント材料と地下水の反応による水質変化、坑道周辺岩盤の応力再配分や損傷領域の変化を把握する予定である。また、予測解析により、坑道再冠水時の周辺の水圧応答、水質変化を推測しており、今後、再冠水試験で得られる知見に基づき解析手法の妥当性の確認、改良を行っていく。
露口 耕治*; 竹内 竜史; 尾上 博則; 佐藤 成二; 大貫 賢二; 別府 伸治; 尾方 伸久
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、地層処分研究開発の基盤となる深地層の科学的研究の一環として、岐阜県の東濃地域において超深地層研究所計画及び広域地下水流動研究を進めている。これらの研究では、各々瑞浪超深地層研究所における研究坑道の掘削に伴う周辺の地下水流動場の変化の把握および土岐花崗岩における水理学的・地球化学的な基礎情報および地下水流動解析結果の妥当性確認のためのデータ取得を主な目的として、地上及び研究坑道から掘削されたボーリング孔を利用して、地下水圧の長期モニタリングを実施している。本研究では、2011年3月11日に発生した三陸沖を震源域とする東北地方太平洋沖地震に伴う水圧変化について整理した。
狩野 智之; 露口 耕治; 尾上 博則; 佐藤 成二; 大貫 賢二; 竹内 竜史
no journal, ,
本研究では、超深地層研究所計画の第2段階で研究坑道の掘削に伴う地下水の水圧変化を把握するための水圧長期モニタリングを実施しており、観測結果から研究坑道掘削及び地震動に起因する水圧変化が断層等の地質構造で区画される領域ごとに異なることが明らかになった。
露口 耕治; 尾上 博則; 丹羽 正和; 竹内 竜史; 狩野 智之
no journal, ,
2011年3月11日に、太平洋三陸沖を震源地として東北地方太平洋沖地震(以下、本地震)が発生した。日本原子力研究開発機構が岐阜県東濃地域で進めている、超深地層研究所計画及び広域地下水流動研究での、ボーリング孔を利用した地下水圧の長期モニタリングにおいて、本地震に伴う水圧変化が観測された。その変化の傾向は、ボーリング孔と地質構造との位置関係によって大きく異なることが確認された。本稿では、これらのボーリング孔において観測された本地震後の水圧変化について紹介する。
萩原 大樹; 露口 耕治; 竹内 竜史; 新宮 信也; 岩月 輝希
no journal, ,
地震時及びその前後には、岩盤中の地下水に水理学的応答や水質変化が観測されることがあり、その要因として岩盤の透水性の変化や透水性割れ目に沿った深層地下水や浅層地下水の移動などが挙げられている。本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺の地下水について、東北地方太平洋沖地震及び岐阜県美濃東部を震源とする地震に伴う地下水の水圧・水質変化とその要因を考察した。その結果、地震後に地下水の水圧・水質変化が認められ、地下水の水圧上昇により、地下深部の地下水の流入の可能性が示唆された。
新宮 信也; 萩原 大樹; 大森 一秋; 福田 朱里; 露口 耕治; 岩月 輝希
no journal, ,
日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市において実施している超深地層研究所計画では、第1段階(地表からの調査予測研究段階)、第2段階(研究坑道の掘削を伴う研究段階)、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の各段階において、結晶質岩(花崗岩)を対象とした深部地質環境の調査・解析・評価技術の整備を進めている。現在、研究坑道の建設は主立坑,換気立坑とも深度500mに到達し、深度500mステージの水平坑道の掘削を進めている。本報告では、研究坑道掘削時における地下水の地球化学調査において経験した幾つかの事例を紹介し、第1段階,第2段階の地下水の地球化学調査における留意点について述べる。