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報告書

処分場の緩衝材間隙水の酸化還元電位へのオーバーパック腐食の影響; 重要パラメータの取得及び${it E}$hの予備解析(受託研究)

大塚 伊知郎; 瀧 洋*; 山口 徹治; 飯田 芳久; 山田 文香; 稲田 大介*; 田中 忠夫

JAEA-Research 2008-043, 101 Pages, 2008/03

JAEA-Research-2008-043.pdf:6.24MB

高レベル放射性廃棄物処分場において、緩衝材の間隙に含まれる水(緩衝材間隙水)の酸化還元状態は、放射性核種の化学的性質に影響するため、重要な評価因子である。炭素鋼オーバーパックの腐食が緩衝材間隙水の酸化還元電位(${it E}$h)に与える影響を評価するうえで重要な腐食生成物の熱力学データ,炭素鋼の腐食速度を文献調査及び実験により取得し、カソード反応の定量評価を行った。また、地球化学計算コードPhreeq Cで予察的な解析を行い、詳細な解析を行ううえでの課題を抽出した。結果は以下のようにまとめられる。(1)Fe$$^{2+}$$, FeOH$$^{+}$$, Fe(OH)$$_{2}$$(aq), Fe(OH)$$_{3}$$$$^{-}$$, Fe(OH)$$_{4}$$$$^{2-}$$, Fe$$^{3+}$$, FeS$$_{2}$$, FeCO$$_{3}$$,Fe(OH)$$_{2}$$(s), Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$, Fe$$_{2}$$CO$$_{3}$$(OH)$$_{2}$$, Fe(cr)の熱力学データの最確値及び誤差を文献調査及び実験により取得した。(2)炭素鋼の腐食速度をpHと硫化物イオン濃度の関数として定式化した。(3)ガス蓄積型腐食試験からカソード反応は水素発生反応が支配的であることがわかった。(4)予察的な${it E}$h評価解析から、1000年後の${it E}$hは、約-600mV又は750mVを得たので、CH$$_{4}$$(aq)/CO$$_{3}$$$$^{2-}$$もしくはH$$_{2}$$(aq)/H$$_{2}$$Oに支配されると考えられる。

論文

Development and verification of a reactive transport model for long-term alteration of bentonite-cement-seawater systems

山口 徹治; 山田 文香; 根岸 久美*; 星野 清一; 向井 雅之; 田中 忠夫; 中山 真一

Physics and Chemistry of the Earth, 33(Suppl.1), p.S285 - S294, 2008/00

ベントナイトとセメントが共存する放射性廃棄物処分場の人工バリアシステムの長期的な変質を評価することは安全評価上重要である。これまでに実施してきた研究成果に基づく評価手法整備をさらに進めるため、本研究ではまず、セメント系材料の変質で生成する可能性のある鉱物を既往の知見から選定し、二次鉱物生成モデルを作成した。セメント硬化体の変質試験を実施して、このモデルを検証した。また、既に開発していたベントナイトの透水係数モデルに、温度に依存する粘性項を付加し、この新しいモデルを原環センターが報告していた80$$^{circ}$$Cにおける透水試験の推移と照合することで検証した。さらにこれらのモデルを用いて、セメントとベントナイトが共存する人工バリアシステムの10,000年間に渡る変質を解析し、その計算結果を詳細に検討することにより、温度が変質挙動に強く影響すること、変質はベントナイト中の主要な鉱物の溶解速度が遅いことや、拡散でしか物質が移行しないことにより制限されること、はじめの1,000年間に比べてその後は変質速度が有意に遅くなること、地下水中の塩濃度は変質挙動に複雑な影響を与えることなどを見いだした。

論文

Experimental results of 40-kA Nb$$_{3}$$Al cable-in-conduit conductor for fusion machines

高橋 良和; 杉本 誠; 礒野 高明; 中嶋 秀夫; 安藤 俊就; 押切 雅幸*; 細野 史一*; 和田山 芳英*; 佐々木 知之*; 塙 博美*; et al.

IEEE Transactions on Magnetics, 30(4, Part2), p.2531 - 2534, 1994/07

核融合実験炉のトロイダル磁場コイル用導体として、40kA級Nb$$_{3}$$Alケーブル・イン・コンジット型導体を開発し、その超電導評価試験を行った。この導体は、ITER-CDAの要求磁界11.2Tにおいて、46kAまで通電することができた。また、導体の臨界電流値は、素線のそれと比較すると、製作作業中及びクールダウン中における劣化は認められなかった。また、Nb$$_{3}$$Alは機械的特性が従来のNb$$_{3}$$Snに比べて優れていることから、Nb$$_{3}$$Alは、近い将来、トロイダル磁場コイル用導体の第一候補となると考えられる。

口頭

Development of a coupled mass-transport/chemical reaction code for simulating variation in hydraulic conductivity of bentonite buffer in radioactive waste disposal

山田 文香; 山口 徹治; 前田 敏克; 水野 大; 坂本 好文*; 根岸 久美*; 田中 忠夫; 飯田 芳久

no journal, , 

放射性廃棄物処分場で使用されるセメント系材料を起源とする高アルカリ環境では、廃棄物処分システムにおいて重要な人工バリアとして期待されるベントナイト系緩衝材の長期的な劣化が懸念されている。本研究では、緩衝材の重要なバリア機能である止水性の長期的な変動を予測するため、ベントナイトの変質速度,アルカリ成分の拡散挙動,透水係数に及ぼす溶液組成の影響等を実験により定式化するとともに、緩衝材内における物質移動現象と化学反応現象を連成解析するためのコード(MC-BENT)を開発した。MC-BENTは、実験で得られた定量式を用いて、緩衝材内における止水性の時間・空間的な分布を解析可能とする。ベントナイトの変質速度等で得られた溶液組成や鉱物組成の変遷をMC-BENTで再現計算するなど、コードの検証を実施している。

口頭

Modeling of pore-water chemistry as a common base for understanding dissolution of montmorillonite and mass transport in compacted bentonite

飯田 芳久; 山口 徹治; 山田 文香; 前田 敏克; 坂本 好文*; 水野 大; 田中 忠夫; 中山 真一

no journal, , 

圧縮ベントナイト内におけるモンモリロナイトの溶解実験をアルカリ環境下で行った。実験により得られたモンモリロナイト溶解速度のアルカリ濃度依存性は、粉体試料溶解速度のアルカリ濃度依存性に比べ5$$sim$$10倍高いものであった。このアルカリ濃度依存性の違いは、ベントナイト内部と外部溶液のOH-イオン活量の違いによるものと推定され、その原因として、ドナン効果及びアルカリ-鉱物反応による局所的なOH$$^{-}$$イオンの減少が考えられる。ベントナイト間隙水中のOH$$^{-}$$イオンの活量を見積もるためには、間隙空間内におけるOH$$^{-}$$イオンの濃度分布を知る必要があるが、濃度分布を直接測定することはできない。そのため、間隙構造や表面電荷等の知見を集積し、間隙空間内でのイオン濃度分布のモデル化を行った。また、鉱物の間隙構造及び表面電荷は透水性や拡散性の決定要因となるため、開発したモデルは圧縮体内でのモンモリロナイトの溶解、イオンの拡散及び圧縮体の透水性に関する共通基盤となる。

口頭

放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究; 2006年の現状

田中 忠夫; 山口 徹治; 飯田 芳久; 木村 祐一郎; 瀧 洋; 藤原 武; 上田 正人*; 向井 雅之; 山田 文香; 水野 大; et al.

no journal, , 

地層処分の安全評価における評価期間は数千年以上の長期に及ぶため、評価結果には種々の不確かさが含まれる。本研究は、安全評価結果との相関が高く、しかも現在の知見では不確かさが大きいパラメータについてデータを取得し、パラメータの不確かさを定量化して確率論的安全評価の信頼性向上に資することを目的に実施している。本報告では平成17年度に得た主な成果を発表する。核種移行データ取得に関する研究では、ニオブ溶解度試験及びベントナイト内ヨウ素等拡散試験を進め、地下水や間隙水の組成変動に伴う溶解度及び拡散係数の不確かさを定量的に示した。また、岩石に対するセシウムの分配係数への硝酸塩及び塩水の影響を評価するためのデータを取得した。人工バリア材の長期変質に関する研究では、セメント変質に伴う間隙水組成及び間隙構造の変化を調べるセメント浸漬・拡散試験を実施するとともに、変質挙動及び拡散挙動をモデル化した。また、ベントナイト系緩衝材の長期バリア性能を評価するために整備した計算コード及び実験的に決定した評価パラメータ変動の定量式を用いて、緩衝材中透水係数の時間空間的変動の予測計算結果を例示した。

口頭

炭酸イオンを含む溶液に曝されたセメント硬化体の変質と物質拡散性の変遷

星野 清一; 山口 徹治; 向井 雅之; 山田 文香; 根岸 久美*; 田中 忠夫; 中山 真一

no journal, , 

地層処分システムでバリア材として期待されているベントナイト系緩衝材の長期性能は、廃棄物固形化材,充てん材等で多用されるセメント系材料から浸出する高アルカリ等成分との反応によって低下することが懸念されている。したがって、セメント成分の長期的な浸出挙動を評価することは重要である。処分上環境では、セメント系材料は地下水中の炭酸イオンにより変質し、それに伴いアルカリ成分等物質の拡散性が変化することが想定される。本研究では、炭酸ナトリウム溶液系で、セメント硬化体中におけるトリチウム水の有効拡散係数の変遷を測定するとともに、炭酸ナトリウム溶液との反応による鉱物相や間隙率などの硬化体組織の変化を観察した。その結果、高水セメント比のセメント硬化体中におけるトリチウム水の有効拡散係数は時間とともに低下すること,同時に二次鉱物として炭酸カルシウムが生成することが確認された。有効拡散係数の低下の原因として、炭酸カルシウムの生成によって物質の拡散に寄与する間隙が微細化し間隙率が減少したためであることを明らかにした。

口頭

ベントナイト間隙水の酸化還元電位に対するオーバーパック腐食の影響,2; ガス蓄積型腐食試験による腐食速度及びカソード反応の評価

大塚 伊知郎; 瀧 洋*; 山口 徹治; 飯田 芳久; 山田 文香; 田中 忠夫; 中山 真一; 加藤 修*; 建石 剛*

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分システムにおいては、炭素鋼オーバーパックの腐食が酸化還元電位等の処分環境に影響を及ぼす。本研究では還元性環境での炭素鋼の腐食速度やカソード反応を評価するために、炭素鋼を純水,硫酸ナトリウム水溶液,炭酸水素ナトリウム水溶液に浸漬し、微量ガス成分の散逸を防ぐためにガラスアンプルに封入して腐食試験を行った。腐食反応によって発生したガスの分析から、試験液の組成によらずカソード反応は水素発生反応が支配的であることがわかった。炭素鋼の重量変化から求めた腐食速度は1.4$$mu$$m/yであり、固相の分析で同定されたマグネタイトもしくは水酸化鉄の生成を仮定して水素ガス発生量から求めた等価腐食速度と一致した。以上の結果に基づき、オーバーパックの腐食が処分環境に及ぼす長期的な影響の解析評価に必要なカソード反応及び腐食速度に関する知見を提供した。

口頭

ベントナイト間隙水の酸化還元電位に対するオーバーパック腐食の影響,1; 地球化学シミュレーションによる酸化還元電位評価

山田 文香; 大塚 伊知郎; 山口 徹治; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一

no journal, , 

処分場における炭素鋼オーバーパックの腐食が緩衝材の間隙水の酸化還元電位に及ぼす影響について、地球化学シミュレーション解析を行い、ベントナイト間隙水の酸化還元電位が決まる仕組みや支配的なカソード反応を考察した。地球化学解析にはPHREEQCを用い、腐食速度をパラメータとして、炭素鋼と接触する緩衝材間隙水の酸化還元電位等化学組成の時間変化を計算した。炭素鋼は0.1, 1.0又は10$$mu$$m/yの一定速度で腐食溶解し続けると仮定した。酸化還元電位は腐食速度が0.1又は1.0$$mu$$m/yの場合、CH$$_4$$(aq)/CO$$_3$$$$^2$$$$^-$$の酸化還元対に支配されて-500$$sim$$-600mV, 10$$mu$$m/yの場合、H$$_2$$(aq)/H$$^+$$の酸化還元対に支配されて-750mVとの計算結果を得た。

口頭

放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究; 2007年の現状, セメント系材料の変質評価モデルの構築に関する取り組み

星野 清一; 山田 文香; 根岸 久美*; 向井 雅之; 飯田 芳久; 山口 徹治; 田中 忠夫; 中山 真一

no journal, , 

地層処分システムやTRU廃棄物処分システムにおいてバリア材として期待されているベントナイト系緩衝材の長期性能は、廃棄物固型化材や充てん材等で多用されるセメント系材料から浸出する高アルカリ等セメント成分との反応によって低下することが懸念されている。本研究では、セメント成分の時間,空間的な浸出挙動を評価するため、セメント系材料の長期的な変質とそれに伴う物質移動性の変遷をモデル化するとともに、実験結果との比較によるモデルの検証を進めてきた。セメント系材料の長期的な変質については、地下水による鉱物相及び液相組成の変化を評価可能な二次鉱物生成モデルを構築するとともに、実験結果との整合性から妥当なモデルであることを示した。また、物質の移動性を評価するため、セメント系材料の変質と間隙率等の変化を評価できる間隙変遷モデルを開発した。これら2つのモデルを組み込んだ地球化学反応-物質移動連成解析コードにより、炭酸イオンによって徐々に変質するセメント硬化体の物質移動性(水の有効拡散係数)の変遷を評価した。コードで計算した有効拡散係数の絶対値は、実験結果とおおむね整合している一方で、その経時変化は必ずしも再現されておらず、現状モデルの改良の必要性が示唆された。本報告では、平成18年度までに得られたこれら一連の成果について発表する。

口頭

放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究; 2007年の現状

木村 祐一郎; 山口 徹治; 飯田 芳久; 大塚 伊知郎; 瀧 洋*; 向井 雅之; 山田 文香; 星野 清一; 角脇 三師; 田中 忠夫; et al.

no journal, , 

地層処分の安全評価における評価期間は数千年以上の長期に及ぶため、評価結果には種々の不確かさが含まれる。本研究は、安全評価結果との相関が高く、しかも現在の知見では不確かさが大きいパラメータについてデータを取得し、パラメータの不確かさを定量化して確率論的安全評価の信頼性向上に資することを目的に実施している。本報告では平成18年度に得た主な成果を発表する。核種移行データ取得に関する研究では、地下水や間隙水の組成変動に伴うSeの溶解度及びベントナイト内でのI, Cs等の拡散係数の不確かさを定量的に示した。また、岩石に対するSeの分配係数への硝酸塩及び塩水の影響を評価するためのデータを取得した。人工バリア材の長期変質に関する研究では、処分場環境でのオーバーパックの腐食速度の定式化、並びにセメント系材料からのアルカリ成分等の溶出挙動を評価するためのセメント変質と物質移動性のモデル化とその実験的検証を進めた。また、ベントナイト系緩衝材の長期バリア性能を評価するために整備した計算コード及び実験的に決定した評価パラメータ変動の定量式を用いて、緩衝材中透水係数の長期的変動を予測した。

口頭

セメント-ベントナイトの相互作用による鉱物の変化に関する実験的検討

星野 清一; 山田 文香*; 向井 雅之; 山口 徹治; 田中 忠夫

no journal, , 

セメント-ベントナイトの相互作用による鉱物の変化を明らかにするため、粒状のセメント硬化体及びベントナイトを混合した状態で22$$sim$$365日間変質させ、双方の鉱物を同定した。その結果、変質期間数十日の早い段階から鉱物相の変化が認められた。セメント,ベントナイトともに変質によって初期鉱物が減少し、二次鉱物としてC-S-Hと推定される鉱物が生成することを明らかにした。本結果は、相互の変質によってC-S-H組成の鉱物を生成するとしている多くの計算結果を定性的に支持するものであった。

口頭

放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究2008年の現状; セメントとベントナイトの変質評価に関する研究

星野 清一; 角脇 三師; 山田 文香*; 向井 雅之; 飯田 芳久; 山口 徹治; 田中 忠夫; 中山 真一

no journal, , 

放射性廃棄物処分システムでバリア材として期待されているベントナイト系緩衝材の性能は、周辺のセメント系材料からのアルカリ成分によって低下することが懸念されている。本報告では、廃棄物・廃止措置安全評価研究グループが進めているセメントとベントナイトの相互作用による双方の長期的な変質を評価するための一連の検討について、平成19年度に得た主な成果を発表する。セメントについては、開発してきた変質評価コードMC-CEMENTによる変質評価計算について、タイムステップやメッシュの設定など計算条件の最適化を実施した。その結果、硬化体内部への鉱物の溶解・生成の進行状態について試験結果をよりよく再現可能となった。ベントナイトについては、Ca型化率,有効モンモリロナイト密度、及び通水液のイオン強度を変化させた条件で透水係数の測定を実施し、これら3つの因子をパラメータとした透水係数式の定式化に必要な実験データを取得した。さらに、セメント-ベントナイトの相互作用について、接触状態での変質を模擬した評価計算を実施するとともに、粒状のセメント硬化体とベントナイトを混合した系で実験的に相互作用による鉱物の変化を検討した。

口頭

能登半島におけるPM$$_{2.5}$$中炭素成分の$$^{14}$$C分析

山田 怜奈*; 池盛 文数*; 中村 俊夫*; 南 雅代*; 渡邊 隆広; 木ノ内 健人*; 松木 篤*

no journal, , 

炭素はエアロゾル粒子中の主な成分の一つであるが、その種類は多種多様であり、化学種を特定し、起源を推定することが困難とされる。しかし、$$^{14}$$Cを用いることで、それらの発生源を推測することができる。$$^{14}$$Cの半減期は5730年であり、化石燃料中には存在しない。このため$$^{14}$$C測定を行うことで化石燃料の寄与率を推定することができる。我々は能登半島の先端で、他の地域から長距離輸送された化石燃料由来物質、および自然環境やバイオマス燃料から排出された物質の寄与率を調べるため、能登半島でエアロゾル粒子を採集し、$$^{14}$$C測定を行った。能登半島におけるPM$$_{2.5}$$の放射性炭素濃度は、全ての試料で70pMC以上を示した。この結果は、中部日本遠隔地域のエアロゾルに含まれる炭素成分では、化石燃料由来の物質の寄与が小さく、相対的に現代の生物活動、もしくは人為的なバイオマス燃焼由来の物質の寄与が大きいことを示している。

口頭

Source apportionment of carbonaceous matter in PM$$_{2.5}$$ at NOTO peninsula using $$^{14}$$C analysis

山田 怜奈*; 池盛 文数*; 中村 俊夫*; 南 雅代*; 渡邊 隆広; 木ノ内 健人*; 松木 篤*

no journal, , 

環境変動のメカニズムを理解するためにエアロゾル粒子中の主な成分の一つである炭素の寄与率と供給源を明らかにすることが必要である。著者らの最近の研究により、能登半島における微小なエアロゾル粒子には炭素成分がおおよそ50%以上含まれていることが明らかになっている。エアロゾル粒子に含まれる炭素成分は多様であり、それらの化学形態と供給源を推定することは困難であった。そこで、本研究では放射性・安定炭素同位体比を用いて、エアロゾル粒子中の炭素成分の分析を行った。能登半島の先端にある大気観測拠点(NOTOGRO)において、2014年6月26日から7月26日まで一週間ごとにPM$$_{2.5}$$ハイボリュームエアサンプラーを用いてエアロゾル粒子を採取し、炭素同位体比測定を行った。$$^{14}$$C濃度測定は名古屋大学のタンデトロン加速器質量分析計、$$delta$$$$^{13}$$C測定には安定同位体比質量分析計を用いた。採取した4試料の放射性炭素濃度はそれぞれ約70pMC(パーセントモダンカーボン)であった。これらの結果は、化石燃料由来の物質のみではなく、現代の植物の影響や人為的なバイオマス燃焼由来物質の寄与が相対的に大きいことを示す。

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