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論文

Internal doses from radionuclides and their health effects following the Fukushima accident

石川 徹夫*; 松本 雅紀*; 佐藤 達彦; 山口 一郎*; 甲斐 倫明*

Journal of Radiological Protection, 38(4), p.1253 - 1268, 2018/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:58.07(Environmental Sciences)

本稿では、内部被ばく線量評価とそれに伴う健康影響研究の現状について解説する。その主な目的は、線量係数の不確定性について議論すること、外部被ばくと内部被ばくの放射線影響の違いについて比較すること、近年の疫学研究の結果をレビューすることである。その際、主に扱う放射性核種は、福島第一原子力発電所の事故による内部被ばく線量を評価する上で重要となる$$^{137}$$Cs, $$^{134}$$Cs, $$^{131}$$Iとした。本解説により、現状の科学的知見に基づく場合、内部被ばくによるリスクは同じ実効線量の外部被ばくによるリスクと比較してほぼ同等かやや低いと考えるのが妥当であると結論づけられた。

論文

Rational evaluation of the therapeutic effect and dosimetry of auger electrons for radionuclide therapy in a cell culture model

篠原 彩花*; 花岡 宏史*; 坂下 哲哉*; 佐藤 達彦; 山口 藍子*; 石岡 典子*; 対馬 義人*

Annals of Nuclear Medicine, 32(2), p.114 - 122, 2018/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:44.01(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)

オージェ放出核種を用いた放射線治療は、高い治療効果と低い正常組織反応を期待できる。本研究では、オージェ放出核種$$^{125}$$Iと$$beta$$線放出核種$$^{131}$$Iを2次元と3次元の培養細胞に取り込ませて、その細胞致死率を測定した。また、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、各条件に対する細胞の吸収線量分布を精度よく計算し、細胞生存率と吸収線量の関係について評価した。その結果、$$^{125}$$I治療は$$^{131}$$I治療と比較して、2次元培養細胞の場合はほぼ同程度の効果が得られるが、3次元培養細胞の場合は治療効果が低いことが分かった。これは、クロスファイア効果と呼ばれる一本の$$beta$$線が複数の細胞をヒットする効果と、薬剤が培養細胞内に均一に分布しない効果に起因すると考えられる。

論文

DARWIN: Dose monitoring system applicable to various radiations with wide energy ranges

佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 山口 恭弘

Radiation Protection Dosimetry, 126(1-4), p.501 - 505, 2007/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:31.41(Environmental Sciences)

高エネルギー加速器施設の作業環境,環境中のバッグランドに存在する中性子,光子,ミューオンによる線量を高感度に測定できる線量測定システムDARWIN(Dose monitoring system Applicable to various Radiations with WIde energy ranges)を開発した。DARWINは、以下に示す4つの特徴を有する。(1)1台で幅広いエネルギーかつ複数の放射線による線量を同時にリアルタイムで測定可能,(2)高精度及び従来の中性子モニタと比べて10倍以上の高感度,(3)ユーザーフレンドリーなインターフェイスによる高い操作性,(4)軽量。本論文では、DARWINの測定原理に関して詳細に説明するとともに、幾つかの加速器施設において行った応答特性試験結果について述べる。

論文

Applicability of particle and heavy ion transport code PHITS to the shielding design of spacecrafts

佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 岩瀬 広*; 中島 宏; 山口 恭弘; Sihver, L.*

Radiation Measurements, 41(9-10), p.1142 - 1146, 2006/10

 被引用回数:30 パーセンタイル:87.57(Nuclear Science & Technology)

宇宙には数多くの重イオンが存在する。したがって、宇宙船を設計する際、重イオンの宇宙船内での輸送を正確に模擬し、宇宙飛行士の線量を評価する必要がある。そこで、原子力機構が他機関と共同して開発している重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、宇宙船内の中性子スペクトル及び宇宙飛行士の線量を評価し、実験値と比較検討した。その結果、計算と実験は極めてよく一致することがわかり、PHITSが宇宙飛行士の線量評価において有用なツールであることが示された。

論文

Measurement of response functions of a liquid organic scintillator for neutrons up to 800MeV

佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*; 石橋 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 43(7), p.714 - 719, 2006/07

 被引用回数:34 パーセンタイル:89.07(Nuclear Science & Technology)

800MeVまでの中性子に対するBC501A液体有機シンチレータの応答関数を、放射線医学総合研究所のHIMAC加速器を用いて測定した。高エネルギー中性子は、核子あたり400MeVのCイオン及び800MeVのSiイオンを炭素ターゲットと衝突させ生成した。中性子の運動エネルギーは、飛行時間法を用いて決定した。測定した応答関数と応答関数計算コードSCINFUL-QMDの計算値を比較し、800MeVまでのSCINFUL-QMDコードの精度検証を行った。その結果、SCINFUL-QMDは数百MeVの中性子に対する液体シンチレータの応答関数を精度よく評価できることが明らかとなった。

論文

Development of dose assessment method for high-energy neutrons using intelligent neutron monitor

佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 松藤 成弘*; 佐藤 眞二*; 高田 真志*

NIRS-M-192, p.224 - 225, 2006/05

インテリジェント中性子モニタを用いた線量評価において、検出器である液体有機シンチレータの高エネルギー中性子に対する応答関数の評価が必要となる。この評価のために開発したSCINFUL-QMDコードの計算精度向上のため、荷電粒子に対するシンチレータの発光量を系統的に測定した。実験は、放射線医学総合研究所のHIMACにて行った。荷電粒子は核破砕反応を利用して生成し、飛行時間法によりその運動エネルギーを決定した。得られたデータをもとに新たに発光量データベースを構築し、SCINFUL-QMDに組み込んだ。これにより、SCINFUL-QMDは高エネルギー中性子に対する応答関数も精度良く計算できるようになった。

論文

Development of dose monitoring system applicable to various radiations with wide energy ranges

佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 山口 恭弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 42(9), p.768 - 778, 2005/09

 被引用回数:17 パーセンタイル:73.49(Nuclear Science & Technology)

高エネルギー加速器施設の作業環境,環境中のバッグランドに存在する中性子,光子,ミューオンによる線量を高感度に測定できる線量測定システムDARWIN(Dose monitoring system Applicable to various Radiations with WIde energy raNges)を開発した。この測定システムは、検出器に液体有機シンチレータをLi-6含有ZnS(Ag)シンチレータで取り囲んだホスウィッチ型検出器を用い、各粒子に起因する信号を波形弁別により識別し、これに線量変換係数を乗じることでリアルタイムで線量を評価することができる。実験及び計算により、DARWINは、従来のモニタに比べ感度,適用粒子の多様性及び適用エネルギー範囲の点で優れた特性を有することを明らかにした。

論文

Study on response function of organic liquid scintillator for high-energy neutrons

佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*; 石橋 健二*

AIP Conference Proceedings 769, p.1680 - 1683, 2005/05

高エネルギー中性子に対する有機液体シンチレータの応答関数を評価するために、SCINFUL-QMDコードを開発した。SCINFUL-QMDによる計算結果の妥当性を調べるため、放射線医学総合研究所のHIMACにおいて、有機液体シンチレータの応答関数を測定した。800MeV/uのSiイオン及び400MeV/uのCイオンを、厚い炭素ターゲットに入射させ、核破砕反応により放出された中性子に対して、飛行時間法によりその運動エネルギーを測定し、入射中性子エネルギーごとの応答関数を導出した。実験値とSCINFUL-QMDによる計算値を比較した結果、SCINFUL-QMDは、既存の応答関数計算コードよりも適切に実験値を再現できることがわかった。

論文

Development of dose assessment method for high-energy neutrons using intelligent neutron monitor

佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高田 真志*

NIRS-M-180, p.263 - 264, 2005/05

原研が開発を進めている液体有機シンチレータを用いた中性子モニタによる数百MeV中性子に対する線量評価法を確率するため、放射線医学総合研究所HIMACにてNE213液体有機シンチレータの応答関数測定を行った。800MeV/uのSiイオン及び400MeV/uのCイオンを厚い炭素ターゲットに入射させることにより、高いエネルギーの中性子を生成した。中性子の運動エネルギーは、飛行時間(TOF)法により決定した。中性子とともに生成される$$gamma$$線と荷電粒子イベントは、オフライン解析により除去した。得られた中性子の応答関数データは、シンチレータの応答を中性子線量に換算するG関数導出に利用されるSCINFUL-QMDコードの結果と比較された。両者は非常に良い一致を示した。

論文

Development of neutron-monitor detector using liquid organic scintillator coupled with $$^{6}$$Li+ZnS(Ag) sheet

佐藤 達彦; 遠藤 章; 山口 恭弘; 高橋 史明

Radiation Protection Dosimetry, 110(1-4), p.255 - 261, 2004/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:48.81(Environmental Sciences)

高エネルギー加速器施設における適切な放射線管理を行うため、熱エネルギーから100MeVまで測定可能な中性子モニタ用検出器を開発した。この検出器は、円柱状のガラスセルに封入した液体シンチレータの外周に$$^{6}$$Li含有ZnS(Ag)シートを巻き付けた構造を持つ。幾つかの中性子場を用いて特性試験を行った結果、この検出器は、熱中性子及び数MeV以上の高エネルギー中性子による発光を弁別して測定できることが明らかになった。このことから、本検出器は、広帯域中性子モニタ用検出器として十分な性能を有することが確認できた。

論文

Development of neutron-monitor detectors applicable to energies from thermal to 100MeV

遠藤 章; Kim, E.; 山口 恭弘; 佐藤 達彦; 吉澤 道夫; 田中 進; 中村 尚司; Rasolonjatovo, A. H. D.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.510 - 513, 2004/03

原研・大学プロジェクト共同研究「陽子加速器施設における放射線安全性に関する研究」において実施した、広帯域エネルギー対応中性子モニタ用検出器の開発について報告する。中性子スペクトル測定に用いられる有機液体シンチレータの発光量を、線量に換算するスペクトルを計算し、これを用いて数MeVから100MeVの中性子線量を評価する方法を開発した。また、液体シンチレータとLi-6ガラスシンチレータを組合せ、熱エネルギーから100MeVまでの中性子線量測定に適用可能な複合型検出器を開発した。開発した評価手法の妥当性及び検出器の特性を、TIARA等における照射試験によって確認した。その結果、開発した検出器は、中性子モニタ用検出器として利用可能であることを明らかにした。

論文

Profile of energy deposition in human body irradiated by heavy ions

佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.287 - 290, 2004/03

放射線防護の観点から、重イオン照射による人体内のエネルギー沈着の特徴をモンテカルロシミュレーションにより解析した。その結果、入射エネルギーが非常に高い場合でも、高LET粒子がエネルギー付与に重要な役割を果たしていることが判明した。この結果は、高エネルギーの陽子及び中性子入射に対する解析結果と異なった特徴を示しており、重イオン被ばくによる放射線医学的影響をより詳細に評価する際に極めて有用となる。

論文

Analysis of dose-let distribution in the human body irradiated by high energy hadrons

佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*

Radiation Protection Dosimetry, 106(2), p.145 - 153, 2003/11

 被引用回数:14 パーセンタイル:66.94(Environmental Sciences)

放射線防護の観点から、高エネルギーハドロン照射による人体内のエネルギー沈着の特徴をモンテカルロシミュレーションにより解析した。その結果、高エネルギー中性子及び陽子照射に対して、その沈着エネルギーの80%及び90%以上が低LET粒子により付与されていることが判明した。また、得られたデータは、人体に対する放射線医学的影響をより詳細に評価する際に非常に有用となる。

論文

Conversion coefficients from fluence to effective dose for heavy ions with energies up to 3 GeV/A

佐藤 達彦; 津田 修一; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 仁井田 浩二*

Radiation Protection Dosimetry, 106(2), p.137 - 144, 2003/11

 被引用回数:19 パーセンタイル:75.79(Environmental Sciences)

重イオンに対する線量換算係数の評価は、放射線防護の目的から極めて重要である。そこで、最新の重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、3GeV/A以下のエネルギーを持つ陽子,重陽子,$$^{3}$$H,$$^{3}$$He,$$alpha$$粒子,$$^{12}$$C,$$^{20}$$Ne,$$^{40}$$Ar,$$^{40}$$Ca及び$$^{56}$$Feに対する実効線量換算係数を計算した。得られた結果より、重イオンの種類に依存しないフィッティング式を導出し、その精度を検討した。

報告書

東京消防庁特殊災害対策車輌用遮へい体の性能評価

佐藤 達彦; 藤井 克年; 村山 卓; 坂本 幸夫; 山口 恭弘; 佐藤 行雄*; 相馬 信行*; 藤崎 登*; 原 聡*; 相川 行雄*; et al.

JAERI-Tech 2002-028, 20 Pages, 2002/03

JAERI-Tech-2002-028.pdf:5.01MB

東京消防庁は、臨界事故等の放射線災害時の救助活動にも適応可能な、放射線遮へい機能を有する特殊災害対策車輌を設計・製作した。しかし、この車輌ボディに用いた複合遮へい体により中性子または$$gamma$$線の線量がどの程度減衰されるか(線量減衰率)は、近似法を用いて簡易に評価したのみで、より精度の高い評価が必要とされていた。日本原子力研究所は、東京消防庁からの依頼により、この複合遮へい体の性能に関する詳細な評価を行った。評価は、放射線輸送計算コードMCNP4Bを用いたシミュレーションにより行った。また、車輌の側面及び背面に用いた遮へい体の試験体による線量減衰率の測定を行うことにより、計算結果の信頼性を確認した。この結果、最も厚い遮へい体の場合、中性子線源からの線量を10%程度に、$$gamma$$線源からの線量を25%程度に減衰させることが明らかとなった。これは、近似法を用いて簡易に評価した結果とほぼ一致しており、特殊災害対策車は期待されている遮へい性能を有することが明らかとなった。

口頭

広帯域エネルギー対応マルチ放射線モニタDARWINの開発

佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 山口 恭弘

no journal, , 

高エネルギー加速器施設の放射線管理に用いるために、中性子,光子及びミューオンによる線量を同時に高感度で測定可能なモニタDARWINを開発した。DARWINは、従来のモニタと比べて、測定対象粒子の種類及びエネルギー範囲,精度,感度,操作性などの面で格段に優れた特性を持つ。

口頭

高エネルギー中性子用モニタ・線量計の開発

遠藤 章; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 山口 恭弘; 金子 広久; 小田 啓二*; et al.

no journal, , 

平成15$$sim$$17年度にわたり、連携重点研究「陽子加速器施設における線量評価に関する研究」において、高崎研TIARAを利用して行った高エネルギー中性子用モニタ,線量計の開発の成果を報告する。J-PARC等の高エネルギー加速器施設においては、遮蔽体を透過し線量寄与が大きい高エネルギー中性子に対する放射線防護が重要である。そこで、高エネルギー中性子に対して適切な線量応答特性を有する中性子モニタ,個人線量計の開発を進めるとともに、測定値の保証に不可欠な校正技術に関する研究を行った。モニタの開発では、液体シンチレータとデジタルオシロスコープを用いた信号解析技術により、1GeVまでの中性子に適用できるモニタを開発した。個人線量計の開発では、固体飛跡検出器に重水素化物質とポリエチレンから成る二層構造ラジエータを付加することで高エネルギー中性子に対する感度,エネルギー特性を改善する方法を見いだした。これを高速顕微鏡による高速読み取り技術と組合せ、積算型個人線量計として利用できる見通しを得た。校正技術の開発では、TIARA準単色中性子場の特性評価を行い、照射野内外の中性子スペクトル,散乱線の寄与割合等を評価し、今後の校正場構築のための基礎データを取得した。

口頭

Simulating gamma spectrometers with PHITS; Examples of LaBr$$_{3}$$(Ce) airborne detector and shielded HPGe detector inside a vehicle

Malins, A.; 越智 康太郎; 眞田 幸尚; 山口 一郎*; 佐藤 達彦

no journal, , 

This talk will present two examples of using PHITS for simulating gamma ray spectroscopy. The first example concerns a LaBr$$_{3}$$(Ce) detector used in unmanned helicopter radiation surveys in Fukushima Prefecture. The second example concerns the modelling of a HPGe gamma spectrometer inside a monitoring vehicle. The purpose of this talk is to demonstrate the capabilities of PHITS, including recent developments, for modelling gamma spectrometers.

口頭

地震性地殻変動と大規模ラハールによって規制された開析谷埋積シークエンス; 南海トラフ沿岸,宿毛臨海低地において採取されたSKMコアの解析例

七山 太*; 山口 龍彦*; 中西 利典; 辻 智大*; 池田 倫治*; 近藤 康生*; 三輪 美智子*; 杉山 真二*; 木村 一成*

no journal, , 

南海トラフ巨大地震によって沈降が予測されている宿毛臨海低地において沖積コアを採取し、LGMの開析谷を埋積する沖積層の特徴と堆積シークエンスの検討を実施した。松田川開析谷はLGMに形成され、その後の後氷期海進により、9.8kaに標高-30mに海水が到達し、エスチュアリー環境へと変化した。その後も海水準は上昇し続けて内湾泥底環境となり、7.5kaに最高水深時となった。7.3kaに起こった南九州の鬼界カルデラ噴火により、給源に近い宿毛湾周辺においてもK-Ah火山灰が厚く降灰し、その直後に大規模なラハールが発生した。その直後から水中二次堆積物が急激に堆積した。7.0ka以降にデルタの成長が他の地域に先行して活発化したが、これは大規模なK-Ah火山灰の影響と考えられる。SKMコアから得られた過去1万年間の海面変動情報に基づくならば、宿毛湾地域は南海トラフ巨大地震によって一時的に地盤沈下するものの、長期的に見るとそれらの沈降量は相殺されると理解される。

口頭

Middle Holocene changes in relative sea-level on western Shikoku Island, Japan

山口 龍彦*; 辻 智大*; 七山 太*; 中西 利典; 池田 倫治*; 近藤 康生*; 三輪 美智子*; 濱田 洋平*

no journal, , 

四国は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う南海トラフの北西150kmに位置している。この構造運動によって、島の変形, 巨大地震, 津波などが発生してきたが、完新世中期のテクトニクスはまだよく理解されていない。沿岸堆積物に記録されている相対的な海水準(RSL)の変化は、地震の隆起と沈降を示唆する。8-4cal kBPの間のRSLの変化を推測するために、四国南西部宿毛のSKMコア(Tsuji et al., 2018、JpGU、MIS11-P19)および四島北部の6本のコア(Yasuhara et al., 2005、Palaeo3; Yasuhara and Seto、2006、Paleontol. Res.)を用いた。これらから古水深とRSLを推定するために、貝形虫群集組成とモダンアナログ法を用いた。SKMコアは、主に砂礫, 火山灰, 泥で構成されおり、放射性炭素年代測定法を使用して、その堆積年代が詳細に調べられている(Nakanishi et al., 2019、Radiocarbon)。これらの結果を総合して、8-4cal kBPにおいて四国周辺のRSLの標高差を検知することに成功した。これらはフィリピン海プレートの収束による島の傾斜を示唆すると考えられる。

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