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丸山 龍治; 山崎 大; 海老澤 徹*; 日野 正裕*; 曽山 和彦
no journal, ,
中性子スーパーミラーは、研究用原子炉や核破砕型パルス中性子源で発生する中性子を効率的に実験装置まで輸送し、さらに必要な位置で分岐及び集束させるうえで重要となる中性子光学素子である。J-PARCにおける大強度パルス中性子源等で用いられる中性子光学機器の製造のために、0.2m
の成膜可能面積をもつ大面積イオンビームスパッタ装置が導入され、これを用いてスーパーミラーの開発を行っている。スーパーミラーの高臨界角化においてはNiの全反射臨界角の6.7倍のミラーが、高反射率化においてはNiの3倍の臨界角のもので反射率85%以上のミラーがそれぞれ得られたので、これらの開発方法及び実験結果について報告する。
前川 藤夫
no journal, ,
J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)の1MWパルス核破砕中性子源(JSNS)を構成する主要機器は、平成14, 15年度からの5か年契約で発注が行われ、平成18年度末から19年度初頭の据付完了を目指し、目下製作,据付の最終段階にある。その後、平成19年度にさまざまな試運転を行い、平成20年5月には初の陽子ビームを受け入れ、中性子源の運転を開始する計画である。中性子源本体は、水銀ターゲット,3台(結合型,非結合型,ポイズン型)の極低温水素モデレータ,反射体,ヘリウムベッセル,陽子ビーム窓,中性子ビームシャッター,遮蔽体等で構成され、それぞれの機器に水銀,極低温水素,冷却水,ガス等の供給システムが備わっている。また、水銀ターゲット容器,モデレータ,ベッセル窓等は遠隔操作で交換するため、専用の遠隔操作装置や汎用のマニュピレータも同時に製作している。本発表では、これらのJSNSを構成する主要機器の製作,据付の最新状況を紹介する。
大井 元貴; 酒井 健二; 神永 雅紀; 加藤 崇
no journal, ,
JSNS
SNSなどのパルス中性子源では、冷減速材として液体水素が使用される。液体水素減速材の中性子特性は、水素分子のオルソ・パラ比や温度変化によって変動することが実験的に明らかになっている。特にパルス特性の変化は、加速器トリップや放射線等の影響によって否応なく変化すると予想される。このような問題に対処するために、パルス中性子源診断システムを提案する。本システムは、中性子ビームライン上に小型の中性子検出器を設置して、減速材から放出される中性子スペクトルの連続測定を行い、陽子ビーム電流値や、その他中性子源の状態と合わせて評価することで、減速材から放出される中性子特性の評価を行い、一定時間ごとの減速材内部の状態を記録することで、中性子散乱実験における入射中性子特性の違いを把握することができる。さらに、加速器や中性子源施設の運転情報と減速材内部の情報の時系列を比較してパターン化することで、中性子特性の変化をリアルタイムで予測し、長期間の観測を続けることで、デカップラーやポイゾンの燃焼の過程を追跡することも期待される。
酒井 健二; 木下 秀孝; 甲斐 哲也; 大井 元貴; 星野 吉廣; 神永 雅紀; 加藤 崇
no journal, ,
物質・生命科学実験施設(MLF)は、ミュオンや中性子ビームを安全かつ効率よく利用者に供給する役割を要求される。その実現のために、施設内の線源設備の運転を独自に行うと同時に、加速器や他実験施設との協調制御にも対応できるMLF制御システム(MLF-GCS)の構築を進めてきた。現段階では、概要設計はほぼ終了し、MLF運転状態に基づいた施設全体や各設備の運転項目の最終検討と、それに対するMLF-GCSの役割分担の明確化を進めている。本発表では、MLF-GCSの概要と構築現状について報告する。
中川 洋; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 柴田 薫; 郷 信広; 片岡 幹雄
no journal, ,
タンパク質のボソンピークや動力学転移の水和効果を中性子非弾性散乱により調べた。極低温では3
4meVにボソンピークが観測され、ピーク位置は水和により高エネルギー側へシフトすることがわかった。ボソンピーク近傍のスペクトルが示すタンパク質の低振動モードは調和振動的であり、ピークのシフトからそのばね定数は水和量が多いほど大きくなると言える。これは水素結合を介した水和水とタンパク質の相互作用によってタンパク質の低振動モードのエネルギー地形がより凸凹になったことに起因し、このことはシミュレーションからの理論的な予測(Y.Joti et al.,2005)と一致する。一方、水和量が約0.2(g water/g protein)以上で240K付近において動力学転移が観測された。なぜ動力学転移が水和依存的に生じるのかを調べるために、中性子散乱の同位体効果を利用して水和水のダイナミクスを直接観測した。その結果、転移温度以下の低温では水和量に関係なくタンパク質と水分子の揺らぎの大きさはほぼ同じであった。また転移が生じない低い水和量の場合では転移温度以上でもやはりタンパク質とほぼ同じであった。一方、動力学転移が生じる時には同時に水和水の揺らぎが大きくなっていることが明らかになった。高い水和量で生じるタンパク質表面の水分子の特異的なダイナミクスが、タンパク質と水分子の界面に存在する水素結合ネットワークを介してタンパク質の振動モードと相互作用し、その結果動力学転移が生じると考えている。
栗原 和男; 玉田 太郎; 大原 高志; 黒木 良太
no journal, ,
BIX-3, 4(原子力機構
JRR-3)を用い、2006年度は茨城大学田中助教授ら、大阪府立大学木下助手らと共同で下記タンパク質の中性子回折データを収集し、現在構造精密化中である。ブタ膵臓インスリン(正方晶)では2.5
分解能のデータを得た。この晶系で観測されるpHに依存したヒスチジン残基のコンフォメーション変化をそのプロトン化状態から解析していく。同タンパク質
2Zn含有型結晶では2.0
分解能のデータを得た。インスリンは膵臓でZnイオンと結合した6量体で保存される一方、単量体の形でホルモンとして働くため、正方晶と2Zn含有型での構造比較から生物作用on/off機構の理解を目指す。ウシ膵臓リボヌクレアーゼA(RNA加水分解酵素)では1.5
の高分解能データを取得した。その触媒,基質認識機構での水素・水和水の役割を解明する。ブタ膵臓エラスターゼ(1.75
分解能データ取得)はセリンプロテアーゼの一種で各種炎症性疾患を引き起こし、その阻害剤開発のため構造を基盤とした創薬研究に使われてきた。これは中性子回折法で解析する初めての薬物標的タンパク質で、薬物・タンパク質間相互作用を中性子解析で検証する重要な例となると思われる。
松田 雅昌
no journal, ,
フラストレート反強磁性体は、磁性と構造の自由度が相互に深くかかわり合い、興味ある現象を示すことが大きな特徴である。われわれは、JRR-3の三軸型中性子分光器TAS-1に設置された三次元偏極解析装置(CRYOPAD)を利用して、これらフラストレート反強磁性体の複雑な磁気構造の詳細解析を行っている。今回は、過去2, 3年間に得られた新しい結果の報告を行う。一つがスピネル磁性体CdCr
O
に関する研究であり、Crモーメントが
面内で楕円スパイラル構造を示すことを示した。もう一つはマルチフェロイック物質TbMnO
に関する研究であり、MnモーメントがSDW相からスパイラル相へ連続的に変化することを、偏極度の非対角成分の測定により初めて明らかにした。
CoO
の水和物の超伝導と磁性茂吉 武人*; 横井 麻衣*; 左右田 稔*; 安井 幸夫*; 小林 義明*; 佐藤 正俊*; 井川 直樹; 加倉井 和久
no journal, ,
Na
CoO

H
Oの超伝導発現機構の解明を目指し、中性子散乱や核磁気共鳴(NMR)等を主手段として基礎物性を調べた。NMRのナイトシフトは臨界温度以下でCoO
面に平行,垂直どちらにかけても減少することから、超伝導電子対の対象性がsingletであることが明らかになり、単結晶を用いた中性子非弾性散乱実験の結果からCoO
面内強磁性の揺らぎは非常に小さいことがわかった。また、粉末中性子回折実験結果から水分子による散漫散乱が観察され、また組成によって00
反射の強度比に違いが見られた。これらの結果から超伝導発現に対する水分子やその秩序の役割について発表する。
及川 健一; 前川 藤夫; 原田 正英; 甲斐 哲也; 酒井 健二; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 加藤 崇; et al.
no journal, ,
パルス核破砕中性子源JSNSの出力は、既存の核破砕中性子源の出力を約1桁上回り、試運転を開始した米国SNS(定格2MW)と並び、世界で初めてのMWクラスパルス核破砕中性子源となる。JSNSを安定かつ安全に運転し、ユーザーに高品質,大強度の中性子ビームを提供することが使命となる。そこで、中性子源施設として独自の中性子ビームラインを所有し、自ら責任を持って中性子ビームの質を把握し、より良い中性子ビームの提供を目指すために、中性子源特性試験装置(英語名:NeutrOn Beam-line for Observation and Research Use、略称:NOBORU)を建設する。本装置では「高品質大強度中性子ビーム提供のための中性子源特性測定」を行い、(1)各種運転パラメータと中性子ビームの相関把握,(2)ユーザーに対する中性子ビーム情報提供,(3)中性子源構成機器の健全性確認,(4)中性子源設計の妥当性検証,(5)測定手法開発を行って行く。
武田 全康; 加倉井 和久; 壬生 攻*
no journal, ,
非磁性原子であるSnの単原子層を周期的に挿入したCr(001)/Sn多層膜では、Cr元素が固有に持つフェルミ面のネスティング効果と、Snを挿入したことによる人工的な周期的境界条件との競合によって、バルクとは異なるスピン密度波(SDW)が誘起される。最も大きな特徴は、Sn層によるCrの磁気モーメントのピンニング効果によって、SDWの腹がSnの位置に固定されることである。一方で、本質的にCrのSDWの波長を決定するネスティングベクトルの大きさは温度変化をするため、両者の競合により、SDWの波長が温度変化により不連続に変わること(Phase slip transition)が期待される。10.2nmの人工周期をもつCr/Sn多層膜について、JRR-3のTAS-1とTAS-2分光器を使ってこの相転移の詳細を調べたので、その実験の詳細と結果を報告する。
Si同位体濃縮薄膜山田 洋一; 山本 博之; 大場 弘則; 笹瀬 雅人*; 江坂 文孝; 山口 憲司; 鵜殿 治彦*; 社本 真一; 横山 淳; 北條 喜一
no journal, ,
シリコン同位体
Siは中性子照射により
Pに核変換することからドーパントとして機能することが知られている。本研究ではこの現象を応用し、原子力機構において開発された高効率な同位体濃縮法により得られた
Si濃縮SiF
(
Si:
30%)を原料として
Si濃縮薄膜を作製し、高精度ドーピング手法の開発を目指した。作製した薄膜の質量分析の結果から原料とほぼ同じ同位体組成であることを明らかにした。これらの結果と併せて薄膜及び界面の構造,中性子照射に伴う電気特性の変化についても議論する。
大原 高志; 栗原 和男; 日下 勝弘; 細谷 孝明; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 尾関 智二*; 相澤 一也; 森井 幸生; 新井 正敏; et al.
no journal, ,
茨城県生命物質構造解析装置は、J-PARCの物質生命科学実験施設に設置される単結晶回折計で、生体高分子及び有機低分子の構造解析を目的とする。本装置は中性子線源からの距離が40mあり、中性子を効率的に輸送する光学系が必要不可欠である。今回、本装置の中性子光学系として、スーパーミラーガイド管を設計した。ガイドの形状のうち、水平方向には曲率半径4300mのカーブドガイドを用いることで高エネルギーの
線及び中性子線を除去し、さらに先端部のテーパードガイドで中性子を集光する。一方、垂直方向は多段階のテーパードガイドを組合せることでミラー表面での中性子の反射回数を減らし、反射による中性子の減少を抑えた。McSTAS及びIDEASを用いたモンテカルロシミュレーションによって試料位置での中性子の強度などを評価したところ、ストレートガイドを用いた場合と比較して0.7
で2倍、1.0
でも1.6倍のゲインが得られた。
Mn
O
における磁場誘起誘電相転移と格子不整合-整合磁気相転移木村 宏之*; 脇本 秀一; 鎌田 陽一*; 野田 幸男*; 加倉井 和久; 金子 耕士; 目時 直人; 近 圭一郎*
no journal, ,
Mn
O
(
rare earth, Bi, Y)は巨大電気磁気効果(CMR効果)を示す物質として知られている。CMR効果を示す物質の共通な性質として、磁気秩序と誘電秩序が共存するマルチフェロイック状態があるが、二つの秩序の微視的な相関はまだ明らかにされていない。われわれはその微視的相関を明らかにするために、磁場中中性子回折実験を行って、磁場誘起微視的磁性と誘電性との関係を調べた。その結果、磁場印加によって強誘電相が出現するHoMn
O
と、それとは逆に強誘電相が消失するErMn
O
において、誘電相転移と同時に格子不整合-整合磁気相転移が起こることを見いだした。得られた結果から誘電性と磁性の温度-磁場相図を描いてみると、誘電性及び磁性における相境界が完全に一致し、格子整合磁気相でのみ強誘電相が現れることがわかった。このことは、この系で現れる誘電相転移が磁気相転移によって引き起こされ、さらに強誘電相にとって格子整合磁気構造が必須であることを示している。
樹神 克明; 飯久保 智; 田口 富嗣; 社本 真一
no journal, ,
原子対相関関数に対するナノ粒子の有限サイズ効果をさまざまな形状の粒子について、連続体近似を用いて動径分布関数を計算することによって議論した。その結果対相関関数や動径分布関数のふるまいが粒子のサイズ及び形状に依存することがわかった。さらに一般的な回折理論の考察から、この有限サイズ効果を取り入れた対相関関数を用いた構造解析手法(PDF解析)に用いる公式を導出した。このときこの公式内に含まれる補正因子が小角散乱で観測される散乱関数と関連するものであることも同時に証明した。またこうして得られた公式が実際に実験結果を再現できることも確認した。
梶本 亮一; 横尾 哲也*; 中島 健次; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 丸山 龍治; 曽山 和彦; 鈴谷 賢太郎; 猪野 隆*; 大山 研司*; et al.
no journal, ,
4次元空間中性子探査装置(4SEASONS、四季)は大強度陽子加速器(J-PARC)の核破砕中性子研究施設に建設されるチョッパー型非弾性散乱装置の一つである。本装置は高温超伝導体及び関連物質のダイナミクスの研究を目的としており、入射エネルギー範囲(
-300meV)や分解能(エネルギー遷移
のとき
-6%)はこれらの系の観測に必要十分な値を選択している。このように分解能を緩和し、かつ高効率の中性子光学デバイスを備えることで試料位置での高い中性子束を実現する。さらに、新型Fermiチョッパー(MAGICチョッパー)によるRRM法測定によって測定効率のさらなる向上を図り、併せて既存のチョッパー型分光器に比べて2桁高い測定効率の実現を目指している。本発表では、本装置の予想性能及び、最近の開発状況について紹介する。
梶本 亮一; 中島 健次; 中村 充孝; 曽山 和彦; 横尾 哲也*; 及川 健一; 新井 正敏
no journal, ,
4次元空間中性子探査装置(4SEASONS、四季)は大強度陽子加速器(J-PARC)の核破砕中性子研究施設に建設されるチョッパー型非弾性散乱装置の一つである。この装置での減速材-試料間の距離(
)は18m、入射中性子のエネルギー範囲は5-300meVであるが、試料位置での中性子線束を増強するために減速材-試料間に収束形状の中性子スーパーミラー・ガイド管を備える予定である。本研究ではMcStasによるモンテカルロ・シミュレーションなどにより、ガイド管のデザインについて検討した。その結果、楕円形状のガイド管配置をとることにより、上記の広いエネルギー範囲にわたって十分な強度ゲインが得られることがわかった。
Y
MnO
の電気分極と磁気構造梶本 亮一; 横尾 哲也*; 古府 麻衣子*; 野田 耕平*; 桑原 英樹*
no journal, ,
MnO
は長周期磁気秩序相で強誘電性を示すことで最近注目されているが、その多くでは自発電気分極
は長周期磁気秩序がらせん秩序となる時に出現している。Eu
Y
MnO
は
K以下で反強磁性転移を示す。
K以下で
軸に平行な自発電気分極が生じるが、その向きは
K以下で
軸方向へと変化する。この電気分極の変化と磁気構造の関係を実験的に調べるためにEu
Y
MnO
の単結晶試料に対して中性子回折実験を行った。磁気反射は
,
の位置に観測された。散乱ベクトル
が
軸にほぼ平行な
と
軸にほぼ平行な
の2つの磁気反射強度の温度変化の比較から磁気構造の変化を考察した。両者ともに
,
で変化が見られ、
の向きの変化に対応してスピンの向きが変化していることがわかった。らせん秩序及びサイン波秩序を仮定したモデルを元に2つの磁気反射強度を解析し、
の向きとの関係について考察した。
山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*; 橋本 竹治
no journal, ,
中性子,X線を使った超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10
mの5桁に渡る空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K
Nb
O
を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。また、ニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態と類似したフラクタル構造を有すると考えられる、ポーラスシリカの構造を原子力機構所属の中性子小角散乱装置SANS-J-IIに新たに導入された集光型デバイスを活用して観察した。その結果、ポーラスシリカとニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態は同程度のフラクタル次元を有することが確認され、これまで困難であったコロイド状態におけるナノシートの空間分布の可視化という問題に対し、ポーラスシリカの顕微鏡観察との対比という方法により解決の糸口をつかんだので、その成果についても報告する。
岩瀬 裕希; 小泉 智
no journal, ,
JRR-3において実現した集光型偏極中性子超小角散乱装置SANS-J-IIと二結晶型中性子超小角散乱装置PNOを併用して、赤血球の階層構造と機能の相関について研究を行った。赤血球、及びその主な構成要素のサイズは、数ナノメートルから数マイクロメートルと広い空間スケールに渡る。SANS-J-IIとPNOを併用することで、これらの構造を万遍なく捉えることが可能となる。さらに各構成要素を選択的にその場観測するために、溶媒コントラスト変化法を活用した。中性子超小角散乱法によるその場観察に加え、光学顕微鏡による観察も相補的に行った。測定の結果、赤血球の外径だけでなく、赤血球の細胞膜の厚み,赤血球内のヘモグロビンの分布の様子、さらに赤血球内の含水率を定量化することに成功した。これらはSANS-J-IIとPNOの併用による広範囲波数Q領域測定と、中性子散乱の最大の特徴であるコントラスト変化法を組合せることで、初めて得られた成果であり、中性子科学会年会で発表することに値する成果であると考え、今回発表を行う。
Sb
Te
のナノ構造社本 真一; 樹神 克明; 飯久保 智; 田口 富嗣; 山田 昇*; Proffen, T.*
no journal, ,
パルス中性子の特徴を利用した構造解析法の一つである結晶PDF解析法を用いた研究例として、光相変化記録材料DVD-RAMとして実用化されているGe
Sb
Te
の結晶相とナノ相の局所構造解析を紹介する。ナノ相は格子定数が広がっており、GeSb
Te
と思われ、この異なる組成が結晶成長の核となる理由から、この系では核生成により結晶成長を起こすことがわかった。またそのアモルファス中に埋もれたナノ粒子の粒径分布を求める新しい試みについても報告する。