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Si同位体濃縮薄膜山田 洋一; 山本 博之; 大場 弘則; 笹瀬 雅人*; 江坂 文孝; 山口 憲司; 鵜殿 治彦*; 社本 真一; 横山 淳; 北條 喜一
no journal, ,
シリコン同位体
Siは中性子照射により
Pに核変換することからドーパントとして機能することが知られている。本研究ではこの現象を応用し、原子力機構において開発された高効率な同位体濃縮法により得られた
Si濃縮SiF
(
Si:
30%)を原料として
Si濃縮薄膜を作製し、高精度ドーピング手法の開発を目指した。作製した薄膜の質量分析の結果から原料とほぼ同じ同位体組成であることを明らかにした。これらの結果と併せて薄膜及び界面の構造,中性子照射に伴う電気特性の変化についても議論する。
大原 高志; 栗原 和男; 日下 勝弘; 細谷 孝明; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 尾関 智二*; 相澤 一也; 森井 幸生; 新井 正敏; et al.
no journal, ,
茨城県生命物質構造解析装置は、J-PARCの物質生命科学実験施設に設置される単結晶回折計で、生体高分子及び有機低分子の構造解析を目的とする。本装置は中性子線源からの距離が40mあり、中性子を効率的に輸送する光学系が必要不可欠である。今回、本装置の中性子光学系として、スーパーミラーガイド管を設計した。ガイドの形状のうち、水平方向には曲率半径4300mのカーブドガイドを用いることで高エネルギーの
線及び中性子線を除去し、さらに先端部のテーパードガイドで中性子を集光する。一方、垂直方向は多段階のテーパードガイドを組合せることでミラー表面での中性子の反射回数を減らし、反射による中性子の減少を抑えた。McSTAS及びIDEASを用いたモンテカルロシミュレーションによって試料位置での中性子の強度などを評価したところ、ストレートガイドを用いた場合と比較して0.7
で2倍、1.0
でも1.6倍のゲインが得られた。
Mn
O
における磁場誘起誘電相転移と格子不整合-整合磁気相転移木村 宏之*; 脇本 秀一; 鎌田 陽一*; 野田 幸男*; 加倉井 和久; 金子 耕士; 目時 直人; 近 圭一郎*
no journal, ,
Mn
O
(
rare earth, Bi, Y)は巨大電気磁気効果(CMR効果)を示す物質として知られている。CMR効果を示す物質の共通な性質として、磁気秩序と誘電秩序が共存するマルチフェロイック状態があるが、二つの秩序の微視的な相関はまだ明らかにされていない。われわれはその微視的相関を明らかにするために、磁場中中性子回折実験を行って、磁場誘起微視的磁性と誘電性との関係を調べた。その結果、磁場印加によって強誘電相が出現するHoMn
O
と、それとは逆に強誘電相が消失するErMn
O
において、誘電相転移と同時に格子不整合-整合磁気相転移が起こることを見いだした。得られた結果から誘電性と磁性の温度-磁場相図を描いてみると、誘電性及び磁性における相境界が完全に一致し、格子整合磁気相でのみ強誘電相が現れることがわかった。このことは、この系で現れる誘電相転移が磁気相転移によって引き起こされ、さらに強誘電相にとって格子整合磁気構造が必須であることを示している。
樹神 克明; 飯久保 智; 田口 富嗣; 社本 真一
no journal, ,
原子対相関関数に対するナノ粒子の有限サイズ効果をさまざまな形状の粒子について、連続体近似を用いて動径分布関数を計算することによって議論した。その結果対相関関数や動径分布関数のふるまいが粒子のサイズ及び形状に依存することがわかった。さらに一般的な回折理論の考察から、この有限サイズ効果を取り入れた対相関関数を用いた構造解析手法(PDF解析)に用いる公式を導出した。このときこの公式内に含まれる補正因子が小角散乱で観測される散乱関数と関連するものであることも同時に証明した。またこうして得られた公式が実際に実験結果を再現できることも確認した。
梶本 亮一; 横尾 哲也*; 中島 健次; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 丸山 龍治; 曽山 和彦; 鈴谷 賢太郎; 猪野 隆*; 大山 研司*; et al.
no journal, ,
4次元空間中性子探査装置(4SEASONS、四季)は大強度陽子加速器(J-PARC)の核破砕中性子研究施設に建設されるチョッパー型非弾性散乱装置の一つである。本装置は高温超伝導体及び関連物質のダイナミクスの研究を目的としており、入射エネルギー範囲(
-300meV)や分解能(エネルギー遷移
のとき
-6%)はこれらの系の観測に必要十分な値を選択している。このように分解能を緩和し、かつ高効率の中性子光学デバイスを備えることで試料位置での高い中性子束を実現する。さらに、新型Fermiチョッパー(MAGICチョッパー)によるRRM法測定によって測定効率のさらなる向上を図り、併せて既存のチョッパー型分光器に比べて2桁高い測定効率の実現を目指している。本発表では、本装置の予想性能及び、最近の開発状況について紹介する。
梶本 亮一; 中島 健次; 中村 充孝; 曽山 和彦; 横尾 哲也*; 及川 健一; 新井 正敏
no journal, ,
4次元空間中性子探査装置(4SEASONS、四季)は大強度陽子加速器(J-PARC)の核破砕中性子研究施設に建設されるチョッパー型非弾性散乱装置の一つである。この装置での減速材-試料間の距離(
)は18m、入射中性子のエネルギー範囲は5-300meVであるが、試料位置での中性子線束を増強するために減速材-試料間に収束形状の中性子スーパーミラー・ガイド管を備える予定である。本研究ではMcStasによるモンテカルロ・シミュレーションなどにより、ガイド管のデザインについて検討した。その結果、楕円形状のガイド管配置をとることにより、上記の広いエネルギー範囲にわたって十分な強度ゲインが得られることがわかった。
Y
MnO
の電気分極と磁気構造梶本 亮一; 横尾 哲也*; 古府 麻衣子*; 野田 耕平*; 桑原 英樹*
no journal, ,
MnO
は長周期磁気秩序相で強誘電性を示すことで最近注目されているが、その多くでは自発電気分極
は長周期磁気秩序がらせん秩序となる時に出現している。Eu
Y
MnO
は
K以下で反強磁性転移を示す。
K以下で
軸に平行な自発電気分極が生じるが、その向きは
K以下で
軸方向へと変化する。この電気分極の変化と磁気構造の関係を実験的に調べるためにEu
Y
MnO
の単結晶試料に対して中性子回折実験を行った。磁気反射は
,
の位置に観測された。散乱ベクトル
が
軸にほぼ平行な
と
軸にほぼ平行な
の2つの磁気反射強度の温度変化の比較から磁気構造の変化を考察した。両者ともに
,
で変化が見られ、
の向きの変化に対応してスピンの向きが変化していることがわかった。らせん秩序及びサイン波秩序を仮定したモデルを元に2つの磁気反射強度を解析し、
の向きとの関係について考察した。
鈴木 淳市; 篠原 武尚; 奥 隆之; 清水 裕彦; Pynn, R.*
no journal, ,
われわれはこれまでに磁気屈折集光素子(磁気レンズ)を開発し、単色ビームを利用する集光型偏極中性子小角散乱装置への応用に成功してきたが、現在、この磁気レンズの白色中性子への応用研究に取り組んでいる。磁気レンズは、ビーム経路に物質を有しないので余計な散乱や吸収がない、得られる集光ビームが偏極ビームである、直線配置できる等の利点があるが、ビーム経路に物質を有しない点や直線配置性はBragg条件を満足する最長波長以下の短波長中性子を含む白色中性子利用にとって重要な利点となる。われわれは白色中性子を集光するために飛行時間法と組合せて磁気レンズ内部に発生する磁場勾配を時間的に変化させる方法と磁気レンズの有効長を時間的に変化させる方法の開発に取り組み、最近、その原理実証実験に成功した。また、パルス中性子小角散乱法への応用の可能性の追求も進めており、長波長帯域だけでなく短波長帯域の中性子の集光が、広波長帯域の中性子の同時利用による利得の向上をq分解能の低下なく実現するために極めて有効であることを確認した。
の偏極中性子による5f電子状態の研究目時 直人; 本多 史憲; 金子 耕士; 浄念 信太郎; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 青木 大*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸; 大貫 惇睦
no journal, ,
スピン偏極中性子散乱実験による遍歴多体5f電子系NpTGa
の磁気構造の研究を紹介し、この手法がアクチノイド化合物の5f電子状態を明らかにするうえでいかに有効かを紹介する。また、講演では遍歴多体5f電子系における多極子秩序について議論する。
奥 隆之; 山田 悟*; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 三島 賢二*; 広田 克也*; 佐藤 広海*; 清水 裕彦
no journal, ,
四極磁石を用いた中性子偏極装置の開発研究を行っている。中性子が四極磁石内に入射すると、磁石が形成する磁場勾配により、正極性成分と負極性成分が空間的に分離する。そこで、そのうちの一成分を抽出することにより、偏極中性子ビームを得るものである。この方法では、中性子が物質により散乱されたり、吸収されたりすることがないため、非常に高い偏極度の中性子ビームを高効率で得ることが可能である。これまでに、四極永久磁石を用いて冷中性子ビームの偏極実験を行った結果、P
0.999の偏極度を達成することに成功した。会議では、実験結果の詳細について発表するほか、この偏極装置の中性子散乱実験への応用方法について議論する予定である。
篠原 武尚; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 岩下 秀徳*; 加美山 隆*; 岩佐 浩克*; 平賀 富士夫*; 鬼柳 善明*; 佐藤 孝一*; 清水 裕彦*
no journal, ,
パルス中性子ビームの集光を目的として、パルス六極電磁石を開発し、その性能評価実験を行った。その結果、パルス中性子の集光を確認し、パルス六極電磁石が中性子磁気レンズとして機能することを実証した。また、パルス電流波形及びタイミングを変化させることにより、集光条件を変化させることが可能であることを示した。
丸山 龍治; 山崎 大; 海老澤 徹*; 日野 正裕*; 曽山 和彦
no journal, ,
中性子スーパーミラーは、研究用原子炉や核破砕型パルス中性子源で発生する中性子を効率的に実験装置まで輸送し、さらに必要な位置で分岐及び集束させるうえで重要となる中性子光学素子である。J-PARCにおける大強度パルス中性子源等で用いられる中性子光学機器の製造のために、0.2m
の成膜可能面積をもつ大面積イオンビームスパッタ装置が導入され、これを用いてスーパーミラーの開発を行っている。スーパーミラーの高臨界角化においてはNiの全反射臨界角の6.7倍のミラーが、高反射率化においてはNiの3倍の臨界角のもので反射率85%以上のミラーがそれぞれ得られたので、これらの開発方法及び実験結果について報告する。
大井 元貴; 酒井 健二; 神永 雅紀; 加藤 崇
no journal, ,
JSNS
SNSなどのパルス中性子源では、冷減速材として液体水素が使用される。液体水素減速材の中性子特性は、水素分子のオルソ・パラ比や温度変化によって変動することが実験的に明らかになっている。特にパルス特性の変化は、加速器トリップや放射線等の影響によって否応なく変化すると予想される。このような問題に対処するために、パルス中性子源診断システムを提案する。本システムは、中性子ビームライン上に小型の中性子検出器を設置して、減速材から放出される中性子スペクトルの連続測定を行い、陽子ビーム電流値や、その他中性子源の状態と合わせて評価することで、減速材から放出される中性子特性の評価を行い、一定時間ごとの減速材内部の状態を記録することで、中性子散乱実験における入射中性子特性の違いを把握することができる。さらに、加速器や中性子源施設の運転情報と減速材内部の情報の時系列を比較してパターン化することで、中性子特性の変化をリアルタイムで予測し、長期間の観測を続けることで、デカップラーやポイゾンの燃焼の過程を追跡することも期待される。
酒井 健二; 木下 秀孝; 甲斐 哲也; 大井 元貴; 星野 吉廣; 神永 雅紀; 加藤 崇
no journal, ,
物質・生命科学実験施設(MLF)は、ミュオンや中性子ビームを安全かつ効率よく利用者に供給する役割を要求される。その実現のために、施設内の線源設備の運転を独自に行うと同時に、加速器や他実験施設との協調制御にも対応できるMLF制御システム(MLF-GCS)の構築を進めてきた。現段階では、概要設計はほぼ終了し、MLF運転状態に基づいた施設全体や各設備の運転項目の最終検討と、それに対するMLF-GCSの役割分担の明確化を進めている。本発表では、MLF-GCSの概要と構築現状について報告する。
高橋 伸明; 柴田 薫; 佐藤 卓*; 新井 正敏; Mezei, F.*
no journal, ,
J-PARC/MLFに設置が計画されている生物試料やソフトマテリアルをターゲットにした低エネルギーダイナミクス解析装置(DIANA)は、3種類の結晶アナライザー(PG, Ge, Si)を搭載する逆転配置型の非弾性散乱装置である。本装置は、パルス中性子源を線源とした飛行時間型分光器であるため、エネルギー分解能は検出器に到達する中性子の飛行時間に依存する。そのため、原子炉に設置される三軸分光器に用いられるエネルギー集光型とは異なる形状のアナライザーが求められる。われわれはDIANAに搭載するアナライザーのために結晶ピースの新しい配置法を構築した。その特長は以下の通りである。(1)異なる飛行距離を有する結晶ピースを経由した中性子が同時刻に検出器に到達する「時間集光性能」を有すること,(2)アナライザー単結晶の熱散漫性散乱に起因するバックグラウンド低減のため、「空間集光性能」を有すること,(3)Q分解能を向上させるため、それぞれの検出器に対応するアナライザーユニットが試料を見込む散乱角を最小になるよう配置位置をデバイ・シェラーコーン上へ補正することである。この配置の設計方法及び、McStasを用いた計算機シミュレーションによる性能評価について考察する。
玉田 太郎
no journal, ,
X線結晶構造解析では1
以上の高分解能でなければ決定できない水素原子の位置決定を、中性子結晶構造解析では通常の分解能(2.5
程度)で容易に決定できる。よって、中性子解析による蛋白質の構造情報から蛋白質を取り巻く水和水の構造や水素結合・プロトン化の状態などの興味深い情報が得られる。しかしながら、中性子線の強度がX線と比べてはるかに弱く回折データ収集には少なくとも2mm
以上の大きさの結晶を必要とすることから、これまでの中性子解析は「水素・水和水がその機能発現に重要な役割を果たす」蛋白質よりも「大きな結晶ができやすい」蛋白質がその解析対象であった。「水素・水和水がその機能発現に重要な役割を果たす」蛋白質を対象とした研究に取り組むために、われわれは「効果的な大型結晶作成技術の開発」、中性子解析に必要な結晶サイズを小さくするために「完全重水素化試料の作成」に取り組んでいる。これらの課題克服により、中性子解析がめざすべき重要な研究対象の1つは「創薬標的蛋白質」である。われわれの試みはまだその緒についたばかりであるが、これまでに得られた結果、及び今後の展開を紹介する。
中川 洋; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 柴田 薫; 郷 信広; 片岡 幹雄
no journal, ,
タンパク質のボソンピークや動力学転移の水和効果を中性子非弾性散乱により調べた。極低温では3
4meVにボソンピークが観測され、ピーク位置は水和により高エネルギー側へシフトすることがわかった。ボソンピーク近傍のスペクトルが示すタンパク質の低振動モードは調和振動的であり、ピークのシフトからそのばね定数は水和量が多いほど大きくなると言える。これは水素結合を介した水和水とタンパク質の相互作用によってタンパク質の低振動モードのエネルギー地形がより凸凹になったことに起因し、このことはシミュレーションからの理論的な予測(Y.Joti et al.,2005)と一致する。一方、水和量が約0.2(g water/g protein)以上で240K付近において動力学転移が観測された。なぜ動力学転移が水和依存的に生じるのかを調べるために、中性子散乱の同位体効果を利用して水和水のダイナミクスを直接観測した。その結果、転移温度以下の低温では水和量に関係なくタンパク質と水分子の揺らぎの大きさはほぼ同じであった。また転移が生じない低い水和量の場合では転移温度以上でもやはりタンパク質とほぼ同じであった。一方、動力学転移が生じる時には同時に水和水の揺らぎが大きくなっていることが明らかになった。高い水和量で生じるタンパク質表面の水分子の特異的なダイナミクスが、タンパク質と水分子の界面に存在する水素結合ネットワークを介してタンパク質の振動モードと相互作用し、その結果動力学転移が生じると考えている。
栗原 和男; 玉田 太郎; 大原 高志; 黒木 良太
no journal, ,
BIX-3, 4(原子力機構
JRR-3)を用い、2006年度は茨城大学田中助教授ら、大阪府立大学木下助手らと共同で下記タンパク質の中性子回折データを収集し、現在構造精密化中である。ブタ膵臓インスリン(正方晶)では2.5
分解能のデータを得た。この晶系で観測されるpHに依存したヒスチジン残基のコンフォメーション変化をそのプロトン化状態から解析していく。同タンパク質
2Zn含有型結晶では2.0
分解能のデータを得た。インスリンは膵臓でZnイオンと結合した6量体で保存される一方、単量体の形でホルモンとして働くため、正方晶と2Zn含有型での構造比較から生物作用on/off機構の理解を目指す。ウシ膵臓リボヌクレアーゼA(RNA加水分解酵素)では1.5
の高分解能データを取得した。その触媒,基質認識機構での水素・水和水の役割を解明する。ブタ膵臓エラスターゼ(1.75
分解能データ取得)はセリンプロテアーゼの一種で各種炎症性疾患を引き起こし、その阻害剤開発のため構造を基盤とした創薬研究に使われてきた。これは中性子回折法で解析する初めての薬物標的タンパク質で、薬物・タンパク質間相互作用を中性子解析で検証する重要な例となると思われる。
松田 雅昌
no journal, ,
フラストレート反強磁性体は、磁性と構造の自由度が相互に深くかかわり合い、興味ある現象を示すことが大きな特徴である。われわれは、JRR-3の三軸型中性子分光器TAS-1に設置された三次元偏極解析装置(CRYOPAD)を利用して、これらフラストレート反強磁性体の複雑な磁気構造の詳細解析を行っている。今回は、過去2, 3年間に得られた新しい結果の報告を行う。一つがスピネル磁性体CdCr
O
に関する研究であり、Crモーメントが
面内で楕円スパイラル構造を示すことを示した。もう一つはマルチフェロイック物質TbMnO
に関する研究であり、MnモーメントがSDW相からスパイラル相へ連続的に変化することを、偏極度の非対角成分の測定により初めて明らかにした。
N
微粒子の偏極中性子回折法による磁気形状因子の測定石井 佑弥; 老谷 聖樹; 武田 全康; 加倉井 和久; 菊池 隆之; 奥 隆之; 篠原 武尚; 鈴木 淳市; 佐々木 勇治*; 岸本 幹雄*; et al.
no journal, ,
現在使用されている磁気テープ材料は粒径100nm程度の針状メタルが使用されているが、さらに高容量化・高密度化のために微細化又は球状化が必要である。窒化鉄Fe
N
は最近20nm程度の球状試料が得られるようになり、次世代の磁気テープ材料として有望である。ところが、一般的に強磁性体が微粒子状になると熱振動により自発磁化が減少し、磁気モーメントの値が小さくなることが知られている(超常磁性)。さらに、磁気テープ材料としてのFe
N
は酸化防止のためラミネート層を持っており、通常の磁気測定法では正確な磁化の値を決めることが難しい。そこでFe
N
微粒子の正確な磁気モーメントの大きさを決定するために、偏極中性子回折法を用いた磁気形状因子の測定を行った。実験は試料に1Tの磁場をかけて磁化を飽和させて行った。スピンフリッパーを用いて飽和磁化と中性子スピンの向きを平行(ON)/反平行(OFF)にすることで回折強度に差が現れる。もし結晶構造因子が既知であれば、ON/OFFの各ピークでの反転比(flipping ratio)を測定することで磁気形状因子を求めることができる。