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森林 健悟
no journal, ,
重粒子線が水に照射されると衝突電離で生じた水イオンの電場で二次電子が粒子線の軌道付近にトラップされることを発見した。このことは古くから知らせているリンドハードの電子ガスモデル及びチャタジーのコアモデルでの結果と共通点があることがわかった。講演では、われわれのシミュレーション結果を示し、リンドハードの電子ガスモデル及びチャタジーのコアモデルでの結果との以下の共通点,相違点を述べる。共通点は、(1)2種類の二次電子、すなわち、1.軌道付近で集団的に運動し、プラズマ振動を起こす電子、2.単独として運動し、遠方まで行く電子を生成すること、(2)二次電子がこの2種類に分かれる境界面があること、(3)プラズマ振動を起こす強い力が軌道付近にあることである。一方、相違点は、われわれのモデルでは、粒子線の種類,エネルギーにより境界ができない場合が存在することである。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。近年成果が上がっている、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、多数のコイル用電源を移動して新しいビームラインの分岐を整備するとともに、装置の移動を行った。また、低速陽電子回折(LEPD)実験装置開発のための予備実験を行い、装置設計を進めている。平成24年度秋のビームタイムより共同利用が再開したポジトロニウム飛行時間測定装置における実験成果の紹介も行う予定である。
深谷 有喜; 前川 雅樹; 望月 出海*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 河裾 厚男
no journal, ,
反射高速陽電子回折(RHEPD)法は、高速(10keV)の陽電子ビームを結晶表面に低視射角で入射させ、その回折パターンと強度分布から結晶表面の原子配置を決定する手法である。陽電子は、電荷の符号が正であるため、結晶表面での屈折率は1以下となる。したがって、RHEPDでは低視射角入射で全反射が起こる。この全反射を用いると、バルクからの影響がなく、精度の高い表面構造の決定が可能である。これまで、線源ベースのRHEPD装置を開発し、さまざまな表面構造解析に適用してきた。2010年から、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設(SPF)の電子線形加速器(LINAC)を用いた高強度・高輝度RHEPD装置の開発に着手した。最近、これまでの線源ベースの実験では観測できなかった、高次ラウエゾーンの回折スポットを明瞭に観測することができた。これにより、通常のロッキング曲線による構造決定の高精度化だけでなく、最表面原子のみを抽出するパターソン解析も可能となる。実際、この回折パターンの強度分布は、仮想的に最表面原子(アドアトム)のみを考慮に入れた動力学的回折理論に基づく強度計算により再現可能である。さらにこの回折パターンは、一回散乱近似による強度計算によっても再現できる。講演では、最近のKEKでのRHEPD実験の成果について報告する。
安居院 あかね; 川合 真大*; 永田 知子*; 水牧 仁一朗*; 泉 雄大*; 池田 直*
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LuFeO
は室温でFe
, Fe
が秩序配列し、T
500Kでは3次元的にも無秩序になる。T=575Kと室温で測定したFe3d-2p発光分光スペクトルを測定した。3次元電荷秩序状態の有無により、スペクトルが変化したので、これを報告する。
濱松 清隆; 林 伸彦; 滝塚 知典*; 小関 隆久
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核燃焼トカマクプラズマにおいてアルフヴェン固有モード(AE)の不安定性に起因するアルファ粒子の径方向異常輸送が懸念されている。この異常輸送によるアルファ加熱の劣化がエネルギー倍増率(Q値)へ及ぼす影響を評価した。この解析のため、アルファ粒子の輸送を解析するFokker-Planck方程式に径方向輸送項を付加して、バルクプラズマの輸送を解析するTOPICSコードに統合した。今回は、異常拡散と異常対流の両方の場合のシミュレーションを行った。その結果、どちらの場合もAEの線形不安定閾値を超えないようにアルファ粒子の空間分布が形成され、Q値の極端な低下を起こさないことを示した。また、そのメカニズムを簡単なモデル方程式を用いて示した。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 金子 耕士; 目時 直人; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦; Fisk, Z.
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UCrSi
は室温でThCr
Si
型の結晶構造をとるが、温度約210Kにおいて一次の構造相転移を示す。これはウランの122化合物では、唯一の構造相転移である。これまで粉末中性子回折実験の結果から、低温では三斜晶系へと転移することが明らかにされてきた。しかし、低温相の構造解析については空間群について低対称なものを仮定しており、問題が指摘されてきた。そこで、単結晶を用いたX線回折実験を行い、詳細な低温相の構造解析を行った。これらの解析結果と合わせ、関連化合物の構造パラメータとの比較を行い、構造パラメータの観点からこの系の特異性について考察を行った。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 松本 裕司; Fisk, Z.
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高圧下磁化測定を中心に行っているウラン化合物の高圧研究の結果を紹介する。特に最近行った高圧下磁化測定用圧力セルの開発の詳細を説明し、ウラン化合物の適用例を示す。ウラン系半導体USについては、圧力で誘起される弱い強磁性状態が金属絶縁体を経て、強い強磁性状態へと変貌することが明らかにされた。さらにウラン系強磁性超伝導物質UGe
では強磁性相境界で現れるメタ磁性と磁化率の極大について、スピンの揺らぎ理論を用いた解析を行った。その結果を紹介する。
水牧 仁一朗*; 吉井 賢資; 林 直顕*; 齊藤 高志*; 島川 祐一*; 竹内 弥生*; 高野 幹夫*
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BaFeOは六方晶ペロブスカイト構造を持ち、含まれる鉄イオンは4+の高酸化数を持つ。この系は高温高圧下で合成され、ネール温度が160K近傍の反強磁性体とされてきた。ところが最近、低温酸化法を用いるとBaFeO
が正方晶となり、酸化物には珍しい強磁性体となることが発見された。本研究では、この物質の詳細な磁気特性の解明と応用面での可能性も検討するため、本系の磁気熱量効果と放射光を用いた電子状態測定の結果を報告する。
岩田 圭弘; 関谷 洋之*; 伊藤 主税
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レーザー共鳴イオン化質量分析法をベースとした高速炉用タギング法破損燃料位置検出(FFDL)システムを実用化するうえで、クリプトン及びキセノンの共鳴イオン化効率向上が要求されている。従来の波長200-300nm紫外光による2光子共鳴励起に代えて、新たに波長100-200nm真空紫外(VUV)光による1光子共鳴励起の適用性を検討している。まずは、同族の希ガス元素の中で共鳴励起波長が最も長くVUV光生成の光学系が容易であるラドンに着目し、クリプトン・キセノン混合ガスセルを用いた共鳴四波混合により波長145.2nm VUV光を生成した。発表では、共鳴四波混合の原理に加えて、クリプトン・キセノン混合比を調整することで位相整合による波長変換効率の向上について詳細を述べる。
米田 安宏; 野口 祐二*; 宮山 勝*; 北中 佑樹*
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BiFeOは抗電場が非常に大きいために自発分極が結晶構造から期待されるほど大きくない。しかし、Mnをドープすることによって良好なヒステリシスが得られる。BiFeO
のMnドープ効果を調べるために、Bi, Fe, Mnの各吸収端でXAFS測定を行い、価数の見積もりと局所構造解析を行った。Mnの価数や局所構造はアニールによって変化していることから、酸素欠損の重要性を示唆している。
鳴海 一雅; 高橋 康之*; 千葉 敦也; 山田 圭介; 的場 史朗; 齋藤 勇一; 石川 法人; 須貝 宏行*; 前田 佳均
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高速クラスターイオン衝撃による固体からの二次電子放出に対する近接効果の起源解明に向けて、ビーム軸に対して45傾けた異なる厚さの非晶質炭素薄膜(厚さ1-100
g/cm
)に同じ速度領域(62.5-250keV/u)で原子番号の異なるイオン(H
, C
)を照射し、解離したイオンが膜中をクーロン反発によって膜厚に依存して核間距離を増加させつつ透過する際に薄膜の前方に放出される二次電子収量
を測定した。近接効果の目安となる二次電子収量比R
=
(2)/2
(1)は、H
では1
R
、C
ではR
1になった。ここで、
(1)と
(2)はそれぞれ同じ速度の単原子イオン,2原子分子イオン衝撃による二次電子収量である。この傾向は、同じ速度領域のエネルギー損失に対する近接効果と同様であり、二次電子放出に対する近接効果の起源には固体中の電子を励起する過程の寄与があることを示しているが、これに加えて励起された電子が表面まで輸送される過程の寄与もあることが明らかになった。さらに、これら2つの寄与は、前者が核間距離が約1nmより小さい場合に、後者は核間距離が約1nmより大きい場合に、それぞれ支配的であることが明らかになった。
森田 陽亮*; 中嶋 薫*; 鈴木 基史*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 辻本 政彦*; 磯田 正二*
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物質中に形成されたイオントラックに関する研究は数多くなされているが、非晶質中に形成されたイオントラックの透過型電子顕微鏡(TEM)による直接観察は、結晶中のイオントラックとは異なり像にコントラストの差がつきにくいことから、ほとんど報告例がない。しかし、われわれのこれまでの研究で、非晶質中に形成されたイオントラックであってもTEMや高角散乱環状暗視野走査透過型顕微鏡法(HAADF-STEM)を用いて直接観察することが可能であることが明らかになった。実際、試料を傾斜させて観察したTEM像からは形成されたイオントラックの長さを求めることができ、また、HAADF-STEM像からはイオントラック内の原子密度分布を知ることができる。本研究では、さまざまな厚さの非晶質SiN
薄膜に種々のエネルギーのC
イオンを照射し、イオントラックの長さやイオントラック内部の原子密度分布がどのように変化するのかを調べたので、その結果を報告する。
白石 淳也; 相羽 信行; 宮戸 直亮; 矢木 雅敏
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抵抗性壁モード(RWM)は、高性能トカマクにおいて到達可能なベータ値を制限する不安定性であるため、その安定化手法の確立は重要な課題である。RWMは、プラズマ回転により安定化されることが明らかになっており、安定化機構の解明が世界各国で活発に行われている。本研究では、実形状トカマク配位において、プラズマ回転の効果を含むRWM解析コードMINERVA/RWMaCを開発した。従来のコードでは、回転の効果は「摂動」として取り扱われてきた。すなわち、回転は線形ダイナミクスにのみ影響を与え、MHD平衡は静止平衡を仮定してきた。MINERVA/RWMaCでは、プラズマ回転に伴う遠心力によるMHD平衡の変化を考慮することができる。MINERVA/RWMaCを用いて、高ベータトカマクを対象にして、平衡分布が変化する効果の数値解析を行った。その結果、遠心力による平衡の変化を考慮することにより、幅広い壁位置において、遠心力を考慮しない場合に比べてRWMの成長率は小さくなることを明らかにした。
矢木 雅敏; 松山 顕之; 滝塚 知典*
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非線形シミュレーションにより定常状態に達した抵抗性バルーニング乱流中に周辺密度ソースを印可し、その後のプラズマ応答を解析する。ある時間帯で周辺密度ソースをオフし、その後の密度分布の時間発展を追跡した。密度揺らぎの(1,0)フーリエ成分(それぞれポロイダル、トロイダルモード数を表している)により渦巻き状の構造が形成され、これがプラズマ中心部と周辺部をつなぎ、長距離相関を生み出す。この揺らぎを通じて非局所輸送が発生することを数値的に見いだした。その後、内部輸送障壁が形成され、そのフットは有利面とよく対応していることを確認した。
坂井 徹; 中野 博生*
no journal, ,
カゴメ格子反強磁性体の磁化過程について、数値的厳密対角化により理論的に研究した。その結果、飽和磁化の3分の2のところで異常なふるまいが現れることが判明した。三角格子反強磁性体との比較についても議論する。
松山 顕之; 矢木 雅敏; 影井 康弘*
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ITERで想定される10MAオーダーのプラズマ電流をもつトカマクプラズマのディスラプションでは、逃走電子と熱電子の近接衝突による雪崩機構のため、既存の装置に比べて逃走電子電流が形成されやすいと考えられており、高エネルギー電子による装置損傷が懸念されている。本研究では、摂動磁場による逃走電子制御手法のITERへの外挿を念頭において、磁場揺動による逃走電子損失機構をシミュレーションによって調べた。ITER-likeなMHD平衡に静的な磁気島を重畳した配位を考え、ディスラプション時に磁気面が崩壊した状況をモデル化する。ここでは、適当な初期条件の下で相対論的ドリフト方程式を解き、軌道の性質を特徴づける量としてトロイダル正準運動量やリアプノフ指数を評価した結果を示す。講演では、これらのシミュレーション結果を実験的なディスラプションの状況と対応付けるため、電流拡散方程式と逃走電子発生率の解析モデル、相対論的フォッカープランク方程式の3つで構成される簡略化したディスラプションモデルを解いた結果を相補的に示すことで、既存のJT-60Uクラスの装置とITERにおける逃走電子の閉じ込め特性の差異を議論する。
綿貫 徹; 柏本 史郎*; 山崎 照夫*; 川名 大地*; 町田 晃彦; 田中 幸範*; 石政 勉*; 佐藤 卓*
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Au-Al-Yb準結晶について、X線吸収分光測定を行った結果、Yb価数が2.61価であった。これは中間価数4f電子系が常圧の準結晶において実現した初めて例である。この系は「準」周期アンダーソンモデルを具現化したものであり、周期系での代表的な基底状態であるフェルミ液体及び磁気秩序が自明な基底状態ではないため、特に、遍歴と局在との間の領域での性質は興味深い。磁化測定の結果、帯磁率は100K以上においてCurie-Weiss則に従い、この系のYb 4f電子系が局在的性質を持つことが判明した。100K以下では帯磁率は冷却とともに急激に増大した。20K以下ではベキ発散が観測され、最低温の2Kでもスピン揺らぎが残っていることが判明した。さらに0.38Kまで冷却して比熱測定をした結果、C/Tも冷却とともにベキ発散をし続けた。つまり、極低温においてもフェルミ液体や磁気秩序状態を取らず、非フェルミ液体的挙動を示すことが明らかとなった。
真木 一*; 井上 智貴*; 納身 洋輔*; 西嵜 照和*; 岡安 悟
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フラストレートした秩序状態やガラス的な秩序状態といった概念の議論の中で、凝縮状態に本来備わっているであろう「秩序の堅さ」について再考するため、電荷密度波(CDW)状態の誘電特性を調べている。CDWの低周波誘電応答は、高温では、長距離クーロン相互作用が遮蔽されるため、CDWを弾性体とみなせる。このときCDWの「ばね定数」は、CDW秩序の剛性を現す指標となる。われわれは、擬一次元CDW物質KMoO
において、CDWが示す誘電緩和現象を調べ、整合性ロッキングにもかかわらず鎖間方向でも誘電緩和が生じること、しかも緩和時間は等方的であることなどを示した。つまり、CDW秩序状態は3次元的な剛性を有していると考えられる。低温では伝導電子の減少で遮蔽効果が不十分となり、CDWの弾性消失と誘電率に発散的な増大が現れる。われわれは、この現象も3次元性を有し、鎖方向では誘電性が印加交流電場の大きさに強く依存することから、十分に低温で、CDWに代わりCDWの分域壁が自由度を担い、振動電場に応答するという描像を提唱した。この描像を確かめるため、Moサイトに不純物を混入した試料と電子線で照射損傷を与えた試料での測定を行った。
松尾 衛; 家田 淳一; 前川 禎通
no journal, ,
固体中の電子スピンと磁場の結合については、バンド間遷移効果によってg因子が変調されることが知られている。われわれは、固体中の電子スピンと力学回転の結合が繰り込みを受けることを、力学回転に起因するゲージ場を考慮した、一般化された結晶運動量を用いたk.p摂動によって示す。また、この結果が、既に理論提案されている力学回転によるスピン流生成やESR共鳴周波数シフトの増大をもたらすことを示す。
佐藤 進; 佐甲 博之; 長谷川 勝一; 杉村 仁志; 市川 裕大; 小沢 恭一郎; 木内 隆太*; Hwang, S. H.*; 今井 憲一
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GEM基板を電子増幅部に用いたTPC飛跡検出器を開発しているが、GEM基板にゲート機能を合わせて持つような動作手法を開発している。今回は、エッチングを用いた穴形成をしたGEM基板の作成を試みた。既存のTPCの試作機(ワイヤーを用いたゲート機能を持っている)の形状に合わせるにより、試験が行いやすい形状にした。又、幾つかの穴形状が試験できるように、エッチングの方法を工夫した。透過度を向上するため、できるだけ薄い薄膜を用いて製作した。