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藤 暢輔; 海老原 充*; 原田 秀郎
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.116 - 117, 2013/11
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)のBL04にANNRIが設置された。ANNRIでは主に核データ, 天体核物理, 元素分析に関する研究開発が行われている。本発表では、MLF及びANNRIの現状を紹介するとともに、元素分析に関するこれまでの実験によって得られた結果について報告する。線計測にゲルマニウム検出器を使用し、MLFで得られるパルス中性子を用いた飛行時間法によりAgとAu試料の測定を行った。試料量は1mgであり、測定時間は約900秒である。飛行時間スペクトル上に存在する共鳴ピーク(Ag: 5.2, 16, 30, 134eVなど,Au: 4.9, 60eVなど)を観測することができた。これにより、ゲルマニウム検出器による飛行時間法を用いた分析が可能であることが示され、飛行時間法と即発線分析を組合せた新しい元素分析法が実現できることを原理実証した。
操上 広志; 北村 哲浩; 山口 正秋; 大西 康夫*
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.149 - 152, 2013/11
河川中の土壌粒子の成分ごとに、河川水中の懸濁濃度を河口からの距離の分布として計算した。その結果、砂成分は河川中に蓄積し、海まで到達しないものの、シルトと粘土成分は海まで到達する結果となり、河川はシルトや粘土を媒体に放射性Csの運搬経路となる試算結果となった。地形勾配が大きい箇所においては顕著な侵食が生じ、地形勾配が緩やな箇所で堆積が生じた。放射性Csの溶存成分は下流になるにつれてわずかに低下し、浮遊物質(細かい土壌粒子)への付着成分の割合が高くなったが、ほとんどがシルト,粘土への付着成分としての輸送であった。
北村 哲浩; 町田 昌彦; 佐藤 治夫; 中山 真一; 油井 三和
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.156 - 157, 2013/11
福島環境動態調査研究Grの解析班では、福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の長期的な分布を予測し、被ばく評価、汚染対策を講じることを目的として、各種解析を進めている。土壌の表層流出に伴う核種移行については、土壌流失予測式USLEを用いた流出解析、河川・河口域における核種移行については河川解析コードTODAM, iRIC, ROMS, SWANを応用した分布解析を行っている。また、計算方法の並列化を含むこれらの各モデルの開発も進めており、それらの概要を述べる。セシウムと土壌の吸着メカニズムについては分子原子レベルの分子挙動計算法を用いた解析を開始しており、その解析結果についても報告する。
小川 達彦; Morev, M. N.*; 小佐古 敏荘*
Transactions of the American Nuclear Society, 109(2, Part 2), p.1253 - 1255, 2013/11
放射線医学総合研究所HIMACにおいて400MeV/uの炭素イオンを厚い鉛ターゲットに照射し、Pb(C,x)反応でのフラグメント生成断面積をエネルギーの関数として32種類の生成核に対して求めることに成功した。実験では、陽子入射でこれまで用いられてきた積層箔法を重イオン入射反応用に改良した新手法を用い、これにより先行研究にほとんどなかった励起関数の測定を可能とした。本実験での測定結果は、薄いターゲットを使用して測定した結果との比較で矛盾なく一致していることから、本測定手法は妥当なものと判断される。実験結果により放射線輸送計算コードPHITSを検証した結果、軽いフラグメントや100MeV/u近くのエネルギーに対して断面積の過小評価がみられた。さらなる解析によりPHITSの物理モデルの欠損、特にマルチフラグメンテーション過程の不足がその理由であることを明らかにした。なお、本発表は2012年に開催された第12回放射線遮へい国際会議における報告がセッション最優秀論文賞に選定されたため、本学会に推薦され、招待講演を行うものである。
山下 真一郎; 逢坂 正彦
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.140 - 142, 2013/11
福島第一原子力発電所14号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップに従い、事故の早期収束に向けた取り組みが進められてきている。多くの研究開発プログラムが同時進行する中、使用済燃料プールから取り出した燃料(一部の燃料については事故時に海水で冷却)については、発電所内にある共用プールに移送し保管・貯蔵することを想定した、燃料集合体の長期健全性評価に関する研究開発が進められている。本研究では、同研究開発の効率的推進に資する基礎基盤研究として、共用プールに長期保管することを想定した燃料集合体構成部材の健全性評価手法の検討とともに、SUS304Lやzircaloy-4等を用いて一部先行的な試験評価を実施した。試験評価の結果、SUS304Lに対する前熱処理の「腐食現象の加速に及ぼす効果」は大きくないことを明らかにするともに、Zircaloy-4に対する定電位腐食試験により「局部的な腐食現象の加速」を可能とする手法の見通しが得られた。
佐藤 大樹; 小嶋 健介; 大泉 昭人; 松田 規宏; 岩元 大樹; 久語 輝彦; 坂本 幸夫*; 遠藤 章; 岡嶋 成晃
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.1261 - 1263, 2013/11
放射性物質の放出により汚染された環境の修復に向けた除染計画の立案に資するため、除染前後の空間線量率の計算から除染効果を評価するソフトウェアCDEを開発した。CDEは、土壌と大気からなる無限平板体系に配置した線源から周囲の領域への単位放射能あたりの線量寄与割合のデータベース(応答関数)に除染対象地区における放射能分布をかけあわせ、空間線量率を計算する。応答関数は、線源核種である放射性セシウムが土壌表面に分布している場合のほか、土壌中に存在する場合についても、複数の深さに対して評価している。空間線量率の計算精度検証のために、実際の除染モデル地区の地形及び放射能分布を入力したCDEの計算結果と、NaI(Tl)サーベイメータによる実測値を比較した。その結果、両者は非常によい一致を示した。このことから、CDEの予測精度は十分であり、今後の除染計画の立案に活用できることが確認された。なお、本発表は、2012年9月に開催された第12回放射線遮蔽国際会議(ICRS-12)における口頭発表が、"Best paper of the session"に選出されたため、米国原子力学会(ANS)に推薦され招待講演を行うものである。
北村 哲浩; 山口 正秋; 小田 好博; 操上 広志; 大西 康夫*
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.153 - 155, 2013/11
東京電力福島第一原子力発電所事故後に地表に降下した放射性セシウムを対象に、主要な移行経路の一つと考えられる土砂移動(侵食,運搬,堆積)を考慮した移行解析を行った。解析は土壌流亡予測式(USLE)と地理情報システム(GIS)のモデル構築機能を使用し構築したモデルで行った。事故後2年後, 6年後, 21年後の空間線量率の計算を行い、経済産業省の予測値と比較した。その結果、比較的高い線量の範囲について同一の減少傾向が見られたが、減少率は本モデルの予測値の方が小さくなった。また、解析結果の一部を加工計算し、河川解析用の境界条件を与えた。
奥田 英二; 伊藤 主税; 高松 操; 芦田 貴志; 伊東 秀明; 長井 秋則
no journal, ,
高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置であるMARICO-2試料部が原子炉容器内で屈曲し、燃料交換機能を阻害するとともに、炉心上部機構を損傷させたことが確認されている。「常陽」の復旧作業は、(1)旧炉心上部機構のジャッキアップ、(2)旧炉心上部機構の引抜・収納、(3)MARICO-2試料部の回収、(4)新炉心上部機構の装荷のステップで進められる。炉心上部機構の交換やMARICO-2試料部の回収は、あらかじめ想定されたものではないことに加え、高温・高線量等の高速炉特有の作業環境を考慮して実施する必要がある。現在、2014年に計画されている復旧作業に向け、治具類の設計・製作を進めているところであり、本作業の完遂及び蓄積された経験は、「常陽」の復旧のみならず、稀少な知見として、ナトリウム冷却型高速炉における原子炉容器内保守・補修技術開発に大きく資するものと期待される。
伊藤 主税; 西村 昭彦; 大場 弘則; 若井田 育夫; 内藤 裕之; 杉山 僚; 茶谷 恵治
no journal, ,
福島第一原子力発電所の燃料デブリの位置や状況の把握を目的として、水中観察とレーザー分光が可能な新型光ファイバプローブを開発している。ファイバスコープ技術とレーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を用いた遠隔・水中分光技術を組み合せ、10-10Sv/hの高放射線環境下で適用できる耐放射線性を備える。複合型光ファイバを用いた防水スコープを試作して水中観察試験によりその成立性を確認した。また、光ファイバを用いた遠隔LIBSによる水中の固体元素分析技術を開発し、水中の純鉄とステンレス鋼を判別できることを確認した。耐放射線性については、純粋石英コア光ファイバにヒドロキシ基を含有させた光ファイバの線照射試験により積算線量100万Gyまで映像が取得できることを確認し、さらに、800nm前後の近赤外線を用いれば100万Gyまで映像の劣化が生じないことを把握した。今後は、プロトタイプを試作し、放射線環境下での観察・元素分析性能を実証していく。
相楽 洋*; 芝 知宙*; 富川 裕文; 石見 明洋; 堀 啓一郎; 齊藤 正樹*
no journal, ,
福島第一原子力発電所1, 2及び3号機における溶融燃料の核物質計量管理について、様々な技術のフィージビリティスタディが実施されている。技術の一つとして、低揮発性FPのパッシブガンマスペクトロメトリによる推定手法のフィージビリティスタディが、TMI-2での経験を参照しつつ進められており、FPとアクチニドのインベントリーの相関関係についてBWR特有の軸方向中性子スペクトル,ボイド率,燃焼度,濃縮度分布に関する感度解析、球モデルの溶融燃料からの漏えい線について検討を実施してきた。本発表では、核物質量を求めるのに利用する低揮発性かつ高エネルギーを放出するFP放射能量の決定のために実施した仮想キャニスタ中の溶融燃料からの漏えい線の数値シミュレーション結果等について報告する。
奥村 雅彦; 中村 博樹; 町田 昌彦
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムは、表層土壌に吸着されており、国は大規模な除染を行っている。しかし、除染の結果排出される除去土壌は膨大な量にのぼり、仮置き場、中間貯蔵施設、最終処分場の設置など、新たな社会問題となっている。このような現状において、中間貯蔵施設の設計や除去土壌の減容化手法の開発等に向けて、土壌へのセシウム吸着様態の解明が求められている。そこで、我々は、セシウムを強く吸着することが知られている雲母粘土鉱物の特殊吸着サイト「ほつれたエッジサイト」に着目し、第一原理計算を用いてその吸着機構の解明を目指した。その結果、イオン半径と粘土鉱物の空孔サイズの合致によるものであることを、明らかにした。