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國分 祐司; 藤田 博喜; 中野 政尚; 住谷 秀一
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.384 - 387, 2011/02
東海再処理施設は1977年から2008年度末までに合計で1,140トンの使用済燃料を再処理した。操業の間、放射性廃液を放出承認後、沿岸から約3.7km沖(1991年までは約1.8km)の放出口から合計で4.5PBqのHを放出した。そのため、1978年以来、原子力機構は毎月放出口周辺の海水を採取してきた。海水中の
Hを分析し、液体シンチレーションカウンタにて測定した。すべてのデータを、希釈倍率(放出水濃度を海水中濃度で割った値)の計算に使用した。検出下限以下のデータは9,079件(82.0%)、検出下限を超え40Bq/L(定量下限)以下のデータは、1,964件(17.7%)あった。最大濃度は1979年に放出口直上で採取した海水で1,700Bq/Lであった。さらに、希釈倍率は、240から6,500,000倍であった。すべての濃度は法律に定められる水中の濃度限度(60,000Bq/L)以下であり、環境安全上問題がないことを確認している。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 内田 芳昭; 吉澤 道夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.166 - 169, 2011/02
J-PARCのような大強度陽子加速器施設等における信頼性の高い線量評価のためには、そこで使用される中性子モニターや線量計のエネルギー特性を評価するための20MeVより高エネルギーの中性子校正場が必要である。そこで、原子力機構・高崎量子応用研究所TIARAにおいて45,60,75MeVの中性子場の開発を進めている。校正場を整備するためには、フルエンスの評価とそのモニタ技術の確立が重要である。ここでは、開発した高効率の反跳陽子カウンターテレスコープを用いた絶対測定によるフルエンス評価の結果、及び、ビームを直接モニタするために開発した透過型の中性子フルエンスモニタとその特性評価について報告する。
魚住 祐介*; 岩元 大樹*; 古場 祐介*; 松藤 成弘*; 佐波 俊哉*; 佐藤 大樹; 執行 信寛*; 高田 真志*; 上山 正彦*; 吉岡 正勝*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.114 - 117, 2011/02
重イオン治療における二次的発ガンリスクを評価するために、患者の体内に入射した重イオンにより誘起される二次中性子の線量を知ることは極めて重要である。しかし、さまざまな放射線の混合場である患者体内において、高エネルギー中性子の線量を実験的に求めることは難しく、線量評価はシミュレーションコードに頼らざるを得ない。シミュレーションコードにおける重イオンと生体構成元素の核反応計算の精度向上のため、放射線医学総合研究所の重イオン加速器を用いた中性子生成二重微分断面積の測定を計画している。実験に先駆け既存のシミュレーションコードを用い、最適な実験体系を検討した。これにより、重イオンの輸送経路にある空気及びビームダンプからの寄与が大きく、精度の良い断面積データを取得するためには適切な遮蔽が必要であることがわかった。発表では、断面積測定計画の概要及びシミュレーション解析の結果を示す。
関本 俊*; 宇都宮 敬*; 八島 浩*; 二宮 和彦*; 尾本 隆志*; 中垣 麗子*; 嶋 達志*; 高橋 成人*; 篠原 厚*; 木下 哲一*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.89 - 93, 2011/02
中性子入射反応断面積は、加速器施設の遮蔽設計や宇宙化学における元素合成過程の解明のために必要なデータである。しかし、約100MeV以上のエネルギー領域における実験データは乏しい。本研究では放射化法を用いて、イットリウムとテルビウムに対する287MeV中性子の反応断面積を測定した。実験は大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、Li(p, n)反応により生成した準単色中性子ビームを用い行った。ビーム軸上に設置したイットリウムとテルビウムのサンプルに準単色中性子ビームを照射し、各サンプルの放射能を測定することにより反応断面積を導出した。また、陽子入射反応断面積を得るために、300MeV陽子ビームをサンプルに照射した実験も行った。発表では、得られた中性子入射反応断面積を示すとともに、陽子入射反応との相違点について考察する。
水谷 朋子; 小沼 利光; 菅井 将光*; 渡辺 一*; 森澤 正人; 竹安 正則; 住谷 秀一
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.380 - 383, 2011/02
原子力機構サイクル工学研究所は、再処理施設,燃料製造施設,放射性廃棄物処理施設,RI取扱施設を有している。陸上環境では、周辺住民及び環境の安全確保と緊急時への備えとしてエネルギー及び温度補償型NaI(Tl)シンチレーション検出器で空間線量率を連続的に測定している。空間線量率のデータは、テレメータシステムで1分ごとに収集され、解析される。1997年にテレメータシステムが大型計算機からマイクロコンピュータに代わり、特異的な空間線量率の値の監視や解析がリアルタイムにパソコン上で簡単にできるようになった。本報告では、1998年度から2007年度までのサイクル工学研究所周辺の空間線量率の結果をまとめた。1999年のJCO臨界事故の影響を除くと、10年間の各局舎の月平均値は31-48nGy/hであり、長期的な変動は認められなかった。これらのモニタリングデータは、日本国内の観測結果と同程度であった。サイクル工学研究所の施設運転に伴う空間線量率の短期的な上昇は、再処理施設からのKrの放出,MOX燃料又は放射性廃棄物の運搬,放射線測定器校正用のX線発生装置によるものが、それ以外のケースとして、大気中自然放射性核種の降雨洗浄現象やRI投与患者,駐車による遮へいの影響と思われるものが観測された。
佐藤 達彦; 遠藤 章; Zankl, M.*; Petoussi-Henss, N.*; 保田 浩志*; 仁井田 浩二*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.134 - 137, 2011/02
航空機乗務員の被ばく線量を精度よく評価するためには、その被ばく状況に合わせた照射体系に対するフルエンスから実効線量への換算係数が必要となる。そこで、われわれは、航空機高度の被ばく状況を模擬した2種類の照射体系(上半球からの等方照射、及び放射線輸送計算コードPHITSを用いて計算した航空機高度における放射線場)に対する中性子及び陽子フルエンスから実効線量への換算係数を計算した。その計算は、国際放射線防護委員会(ICRP)の新基本勧告に基づき、PHITSとICRP/ICRU標準人体模型を組合せて実施した。発表では、その計算方法及び結果について詳しく説明するとともに、照射体系の違いによる航空機乗務員の被ばく線量の差について検討した結果を紹介する。
助川 篤彦; 滝吉 幸嗣*; 天野 俊雄*; 川崎 弘光*; 奥野 功一*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.36 - 39, 2011/02
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)と超伝導トカマク装置(JT-60SA)の3次元放射線遮へい解析をPHITSコードで実施した。PHITSは高エネルギー粒子輸送及び重イオンの輸送計算可能な汎用コードで、20MeV以下の中性子と光子の輸送については、MCNP-4Cと類似のモデルである。JT-60U装置はトカマク装置であり、運転停止後の放射化量を評価するために精度よく中性子束分布を評価する必要がある。また、JT-60SA装置は超伝導コイルシステムを有するトカマク装置であり、超伝導コイルの核発熱、線量評価のために中性子束分布の評価を必要とする。JT-60SA装置は既存のJT-60建屋を利用するが、JT-60SA装置の年間中性子発生量はJT-60U装置の約50倍増加する。JT-60SA装置では中性子のポートストリーミング等の影響が無視できず、同装置の遮へい構造の検討,核発熱量の精度向上が必要不可欠である。PHITSコードをトカマク型核融合装置に適用するため新たに線源ルーチンを変更し、中性子束分布と光子線束分布の可視化,超伝導コイルの核発熱分布、及び装置周辺の線量率の計算を行い、その初期結果を示した。
落合 謙太郎; 立部 洋介; 近藤 恵太郎; 大西 世紀; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.142 - 145, 2011/02
国際熱核融合実験炉(ITER)のテストブランケットモジュール(TBM)の核解析は輸送計算コードと核データライブラリーを用いて行われる。解析の妥当性を検証するためにはTBM内の中性子スペクトル測定が必要であり、われわれはその測定法としてマルチ箔放射化法を提案している。今回、マルチ箔放射化法によるTBM模擬体系中の中性子スペクトル測定を原子力機構FNS施設で実施し、その測定手法の妥当性について検討した。放射化反応としておもにZr(n,2n)
Zr,
Nb(n,2n)
Nb,
Al(n,
)
Na,
In(n,n')
In,
Ni(n,p)
Co,
Au(n,
)
Auを利用した。初期スペクトルは、モンテカルロ計算コードMCNP4Cと核データFENDL-2.1によって求めた中性子スペクトルを用いた。この初期スペクトルと箔放射化測定結果、JENDL-Dosimetry99ファイルから作成したレスポンスを用いて、TBM模擬体系内の中性子スペクトルをアンフォールディング計算コードNEUPACで導出した。マルチ箔放射化法によって求めた模擬体系中の中性子スペクトルはおおむね妥当な結果を示したが、低速中性子スペクトルの評価については、
Au(n,
)
Au以外の実験データの利用が重要であることがわかった。
大西 世紀; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 近藤 恵太郎; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.73 - 76, 2011/02
原子力機構核融合中性子源(FNS)では大型及び小型トリチウムターゲットを用いて中性子実験を行っている。しかしながら近年ITERを目的とした中性子計測機器実験等に用いるビーム中性子場の需要が高まっているのに反し、大型トリチウムターゲットの入手性は悪化している。このため比較的入手性の良い小型トリチウムターゲットを用いてビーム中性子場を構築することを計画している。新しいビーム中性子場を構築するためにコリメータシステムを設計した。コリメータは過去にFNSで用いられたITER遮へい実験で用いられた材料をもとにしている。これらFNSが所有している材料でコリメータ作成を行った場合の、コリメータ出口及び、コリメータ出口から20cm離れた点での中性子スペクトルを計算により評価した。輸送計算コードにはDORTコードを、多群断面積セットにはFENDL/MG-2.1を用い、これらの計算結果を示した。
仁井田 浩二*; 岩瀬 広*; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 松田 規宏; 坂本 幸夫; 中島 宏; Mancusi, D.*; Sihver, L.*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.1 - 6, 2011/02
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、放射線科学,加速器施設の遮へい設計,宇宙放射線場の利用,医療応用,物質研究などさまざまな分野において利用されている。汎用的かつ高信頼性の手軽に利用できるモンテカルロ計算をコンセプトとした開発・改良が、高度情報科学技術研究機構, 原子力機構, 高エネルギー加速器研究機構,チャルマー工科大学を中心として精力的に行われている。また、PHITSコードは組み込み関数により精密な生物学的線量、DPAの計算を行うこともでき、これは他の計算コードに先駆けた機能である。PHITSコード開発の最近の動向として、特にEGS5コードの組み込みと高エネルギー物理への拡張について紹介する。
佐波 俊哉*; 岩元 洋介; 執行 信寛*; 萩原 雅之*; Lee, H.-S.*; Leveling, A.*; Vaziri, K.*; Boehnlein, D.*; Mokhov, N.*; 坂本 幸夫; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.44 - 47, 2011/02
ミュオンは厚い遮へいをすり抜けるため、高エネルギー・大強度加速器施設の遮へい設計において重要な粒子である。本研究では、フェルミ国立加速器研究所のNuMIのアルコーブ及びバイパストンネルにおいて、大強度ミュオンビーム周辺の線量分布の測定を行った。ミュオン,光子,熱・高速中性子の検出器としてルクセルバッチ(OSL, CR39)とTLDバッチ(UD813PQ)を、第2, 3, 4アルコーブに設置した。バイパストンネルにおける中性子及び光子についてはボナー検出器と電離箱を使用して測定を行った。ミュオンの空間分布はMARSコードを使って計算し、実験による結果をよく再現した。
八島 浩*; 春日井 好己; 松田 規宏; 松村 宏*; 岩瀬 広*; 木下 哲一*; Mokhov, N.*; Leveling, A.*; Boehnlein, D.*; Vaziri, K.*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.48 - 51, 2011/02
フェルミ国立加速器研究所の反陽子ターゲットステーションにおいて、放射化試料を使用した遮蔽実験を行い、照射後の残留放射能をGe検出器で測定した。反応率の空間分布は、反陽子ターゲットステーションを構成する鉄遮蔽体及びコンクリート遮蔽体の背後に設置した試料による放射能の結果から得られた。得られた反応率はターゲットの下流に向かって上昇する分布を有しており、高エネルギー加速器施設の遮へい設計によく用いられるMoyerの式と一致した。さらに、この結果から鉄及びコンクリートにおける中性子の減弱距離が得られた。
萩原 雅之*; 佐波 俊哉*; 岩元 洋介; 荒川 弘之*; 執行 信寛*; Mokhov, N.*; Leveling, A.*; Boehnlein, D.*; Vaziri, K.*; 中村 尚司*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.52 - 56, 2011/02
反陽子ターゲットステーションでは、約75kW、1.6s(2.2秒間隔)のパルス状の陽子がターゲットに撃ち込まれ、大強度の瞬間的な中性子場(バースト中性子)が形成される。バースト中性子が持続される
sに満たない短い時間で、従来のボナー測定法を用いることは、信号の数え落とし問題からも非常に難しい。本研究では、バースト中性子場における中性子スペクトルを測定するため、電流読取型ボナー測定法の開発を行った。ターゲットの直上、ダンプの直上にあたる遮蔽体の外側で中性子スペクトルの測定を行ったところ、体系の相違に大きく依存する熱中性子フラックスの違いを除き、MARSによる計算結果と精度よく一致した。
松田 規宏; 春日井 好己; 松村 宏*; 八島 浩*; 岩瀬 広*; 木下 哲一*; 佐波 俊哉*; Mokhov, N.*; Leveling, A.*; Boehnlein, D.*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.57 - 60, 2011/02
フェルミ国立加速器研究所の反陽子ターゲットからは、120GeVにまで加速された陽子が撃ち込まれることにより反陽子だけでなくさまざまな二次粒子が生成される。ここで得られた実験データは、汎用モンテカルロ計算コードの精度検証に使用することができる。本研究では、二次元簡易体系による反応率の空間分布をPHITS, MARS, MCNPXコードを用いて計算した。鉄中の実験結果が計算結果との比較に使用され、両者の結果から得られた鉄中における中性子の減弱距離はよく一致することがわかった。
高橋 史明; 遠藤 章; 佐藤 薫; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 小野 孝二*; 吉武 貴康*; 伴 信彦*; 甲斐 倫明*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.517 - 520, 2011/02
CT検査の被験者に対する不要な被ばくを避けるため、画像の撮影条件に基づく線量評価システムが既に開発されている。これらシステムの多くは、数学人体模型で解析した臓器線量をデータベースとして利用する。近年、線量評価での数値解析技術の進展,CT機器の性能の向上が図られてきた。そこで、これらの最新の技術を反映した線量計測システムWAZA-ARIを開発するための研究を遂行している。基本となる臓器線量データは、数学人体模型と比較して、人体構造をより精密に表現する男性のボクセルファントム(JMファントム)で計算する。CT装置内の放射線輸送はPHITSコードで模擬し、X線管からの光子放出はサブルーチンを用いた線源モデルで設定する。ここで、線源モデルは、最近の多くの機種が採用しているヘリカルスキャンのX線管移動も定義できる。そのため、WAZA-ARIシステムは、適切な人体及び線源モデルにより計算された臓器線量に基づく線量評価が可能となる。
佐藤 大樹; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 佐波 俊哉*; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 坂本 幸夫; 中根 佳弘; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.20 - 23, 2011/02
大阪大学核物理研究センター(RCNP)の準単色中性子場において、約100MeV以上の中間エネルギー領域での中性子弾性散乱断面積の測定手法を開発した。Li(p,n)反応を用い生成した準単色中性子ビームは、コリメータを通して約10m下流の散乱サンプルに導かれる。サンプルに入射した中性子は、原子核との相互作用により散乱され、散乱角度ごとに設置された液体有機シンチレータにより検出される。この際、シンチレータに到達するまでの飛行時間(TOF)を測定することにより、弾性散乱イベントと非弾性散乱イベントを弁別する。弾性散乱イベントと近いTOFを示す低励起準位からの非弾性散乱イベントは、核反応計算コードTALYSを用いて補正した。134MeV中性子の炭素原子核に対する弾性散乱断面積における補正量は10%以下であった。得られた実験データを反跳陽子法により取得されたデータと比較したところ、両者はよく一致した。このことから、本研究で開発した測定手法により、複雑な測定系と強力なビーム強度を必要とする反跳陽子法と同程度の精度で、中間エネルギー領域の中性子弾性散乱断面積を導出できることがわかった。
原田 正英; 及川 健一; 春日井 好己; 前川 藤夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.94 - 97, 2011/02
NOBORUは、JSNS/J-PARCに設置された23本のうちの一つのビームラインであり、中性子源特性測定と様々なテスト実験を行うことを目的としている。NOBORUでは、1MWにおいて、大きな中性子ビームサイズを扱うために、十分な遮蔽が必要であった。本研究において、NOBORUの遮蔽構造を決定するために、遮蔽計算を駆使した。遮蔽計算では、様々なビームライン機器によって生じる中性子ビーム損失を考慮した。その結果、J-PARCで適用しているすべての線量限度を満たす遮蔽構造を決定することができた。そして、運転時において、NOBORUNの実験室内での線量測定を行った。測定結果は、2倍の範囲内で、計算値と良い一致を示すことがわかった。さらに、中性子シャッターの遮蔽効果とTチョッパーの残留放射能についても評価した。
田中 忠夫; 島田 太郎; 伊東 岳志*; 平野 貴弘*; 助川 武則
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.408 - 411, 2011/02
日本では、原子炉施設解体後の敷地は有効活用することを基本方針としている。敷地解放にあたっては、有意な残存放射能がないことを事前に確認しなければならない。本研究では、原子炉施設についての代表的な指標核種の1つであるCs-137を対象として、敷地に残存する核種濃度を保守的かつ合理的に評価する手法を提案するとともに、その妥当性を試験により確認した。あらかじめ測定対象と定義した範囲内に存在するすべてのCs-137が、その範囲で検出器から最も遠い表面に点線源で存在すると仮定する。このような体系で、Cs-137線源が有意に検出される時間をMonte Carlo計算等によって推定する。推定した必要計測時間以上の測定で検出されなければ、点線源相当のCs-137は対象範囲内に残存しないことが証明できる。そこで、計算による計測時間判断の妥当性を確認するため、可搬型Ge検出器を用いて、敷地に設置した密封Cs-137線源の計測試験を実施した。計算から推定した検出時間は実測時間とおおむね一致し、計測時間変動幅を許容しても、提案した手法は汚染のないことの判断に適用できる可能性があることを示した。
辻村 憲雄; 吉田 忠義
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.202 - 205, 2011/02
原子力機構核燃料サイクル工学研究所の再処理工場では、臨界警報装置を1984年から設置,運用している。高経年化のため、従来検出器に代わる新しい臨界警報装置用検出器を開発した。新しい検出器は、プラスチックシンチレータと、カドミウムを内張りしたポリエチレン減速材からなり、線だけでなく中性子にも感度を持つ。試作した検出器について、パルス炉で作動試験を実施し、満足な性能を確認した。市販用検出器について、現在、再処理工場において実証試験中であり、2009年10月から運転を開始する予定である。
近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 立部 洋介; 八木 貴宏; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 佐藤 聡; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.61 - 64, 2011/02
原子力機構の核融合中性子源施設FNSでは、DT中性子による核融合炉材料の積分実験が数多く実施され、核データの精度検証に大きな成果を挙げてきた。DD中性子に起因する核データをより効果的に検証するため、われわれは新たにFNSのDD中性子源を用いた積分実験を開始した。本会議ではDD中性子によるベリリウム積分実験について報告する。実験では直径63cm,厚さ45cmのベリリウム疑似円筒体系をDD中性子源から20cmの位置に構築し、体系内におけるIn(n,n')
In,
Au(n,
)
Au,
Li(n,
)T反応率と
Uの核分裂率を測定した。測定値はMCNP5コードと最新の評価済み核データライブラリ(JENDL-3.3, ENDF/B-VII.0, JEFF-3.1)を用いた計算値と比較した。その結果、0.3MeV以上の中性子に感度のあるInの反応率について、実験値と計算値の系統的な違いが見られた。解析の結果、この違いは3MeV付近の弾性散乱断面積と(n,2n)反応のしきいエネルギー付近の断面積に起因することがわかった。一方、低エネルギー中性子に感度のあるAu, Li,
Uの反応率の計算値は大きな過大評価傾向を示した。この傾向はDT中性子のベンチマーク実験で見られたものとほぼ同様で、その原因はまだ明らかになっていない。