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小川 宏明; 杉江 達夫; 河西 敏*; 勝沼 淳*; 原 玲丞*; 武山 芸英*; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1405 - 1409, 2008/12
被引用回数:16 パーセンタイル:69.07(Nuclear Science & Technology)ダイバータ不純物モニターは、ITERのダイバータ部から発光する不純物イオン,重水素及びトリチウムのスペクトル線の強度分布を測定し、不純物制御及びダイバータ制御に使用するデータを提供するための計測装置である。これまで進めてきた光学設計をもとに、シャッターを含めた先端部光学系の機械設計を行い、ITERで想定される核発熱を仮定した熱解析を行った。その結果、十分な冷却流路を確保し、ミラーホルダーを熱伝導率の高い銅合金で製作することにより、ミラーを熱伝導のみで冷却できることを明らかにした。本モニターでは、広い波長範囲(2001000nm)で色収差を補正したカセグレン型集光光学系やマイクロ光学素子(マイクロレトローリフレクターアレイ,マイクロレンズアレイ)等の新しい光学機器を使用する光学設計を採用した。そこで、これらの機器の試作・試験を行った。試作したマイクロレトローリフレクターアレイの反射率は17%(波長:400nm)
27%(波長:850nm)であり、感度較正に必要な反射光強度が得られる見通しであることを確認した。また、試作したカセグレン型望集光光学系の焦点距離は設計値と2%以内で一致しており、良好な結像特性が得られた。
洲 亘; 磯部 兼嗣; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1044 - 1048, 2008/12
被引用回数:48 パーセンタイル:92.85(Nuclear Science & Technology)タングステンでのブリスタリング挙動と滞留挙動の解明が炉心プラズマへの不純物制御やトリチウム滞留量の制御にとって重要である。本研究では、高フラックス・低エネルギーの重水素プラズマ照射によるタングステンのブリスタリングと重水素滞留の温度依存性を調べた。315Kにおいては、入射フルエンスが10D/m
になっても、まれな低ドームのブリスタしか観測されなかった。温度の上昇とともにブリスタの数も増えるし、そのドームも高くなった。500K付近になると、2種類のブリスタが現れた。大きいブリスタ(数十ミクロンまで)と微細なブリスタ(数ミクロン以下)は、両方ともそのドーム高さと外径との比率が従来報告値の一桁以上であった。600K以上になるとブリスタの数が減るが、1000Kにおいてはブリスタが観測されなかった。また、高フルエンス照射後昇温脱離実験により、重水素滞留量が500K付近に最大値を持っていることを確認した。タングステンの温度を制御することで水素同位体プラズマによるブリスタリングと水素滞留を抑制できることを明らかにした。
小西 哲之*; Glugla, M.*; 林 巧
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.954 - 958, 2008/12
被引用回数:20 パーセンタイル:75.81(Nuclear Science & Technology)ITER is the first fusion device equipped with a complete deuterium tritium fuel cycle that continuously provides fuel to the burning plasma while reprocessing its exhaust using 3 kg of tritium on site. For the tritium safety, a multiple barrier concept for confinement with detritiation systems is applied. Major part of the fusion tritium system will be verified with ITER. Toward the DEMO plant that will generate energy and operate its closed fuel cycle, breeding blanket and power train will be the major addition. Although essential process components will be similar to those to be developed for ITER, tritium inventory control and sustain the fuel supply, and minimizing environmental release will bring another level of technical challenge. The dedicated isotope separation system and adequate system for accountancy should be required as a control of tritium production. For the tritium confinement, also blanket, its coolant, and generation systems will be the critical systems.
Murdoch, D.*; Glugla, M.*; 林 巧; Perevesentsev, A.*; Stephan, Y.*; Taylor, C.*
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1355 - 1358, 2008/12
被引用回数:11 パーセンタイル:57.16(Nuclear Science & Technology)The ITER Nuclear Buildings include the Tokamak, Tritium and Diagnostic Buildings (Tokamak Complex) and the Hot Cell and Low Level Radioactive Waste Buildings. The Tritium Confinement Strategy of the Nuclear Buildings comprises key features of the Atmosphere and Vent Detritiation Systems (ADS/VDS) and the Heating, Ventilation and Air Conditioning (HVAC) Systems. The designs developed during the ITER EDA (Engineering Design Activities) for these systems need to be adapted to the specific conditions of the Cadarache site and modified to conform with the regulatory requirements applicable to Installations Nuclaires de Base (INB), Basic Nuclear Installations in France. The highest priority for such adaptation has been identified as the Tritium Confinement of the Tokamak Complex and the progress in development of a robust, coherent design concept compliant with French practice is described in the paper.
四竈 樹男*; Knitter, R.*; Konys, J.*; 室賀 健夫*; 土谷 邦彦; Mslang, A.*; 河村 弘; 永田 晋二*
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.976 - 982, 2008/12
被引用回数:40 パーセンタイル:90.19(Nuclear Science & Technology)将来の核融合炉がより簡単な構造でかつ予備システムから解放されることが主張されたとしても、機能材料はITERだけでなくITERよりも先の核融合装置に重要な役割を持つ。ITER用テストブランケットモジュール(TBM)の研究は、機能材料の重要性を示している。本論文は、DEMO炉のような発電用核融合炉に適合するための機能性セラミックスの研究開発の現状についてまとめたものである。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:70.80(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
角舘 聡; 武田 信和; 中平 昌隆; 松本 泰弘; 柴沼 清; Tesini, A.*
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1850 - 1855, 2008/12
被引用回数:13 パーセンタイル:62.58(Nuclear Science & Technology)本報では、ITERブランケット遠隔保守機器(保守ロボット)について以下に示す最新の設計及びR&D成果について報告する。(1)ブランケット分割形状の変更により他機器との干渉を回避するため保守ロボットの小型化設計を実施し、軌道回り回転機構歯車にダブルヘリカルギヤの採用等により重量30%減の小型化設計を実現した。(2)ブランケット交換時の視覚情報として3Dシミュレーションモデルを利用した操作系を全体制御系に組込み、真空容器内の周辺状況を把握するためのヒューマンインタフェースを改善し、保守ロボットの操作系を向上させた。(3)保守ロボットで使用される露出した歯車部の潤滑剤(グリース)が真空容器内の機器を汚すことを避ける必要がある。このため、グリースなしのドライ潤滑として耐摩耗特性に優れたDLC(Diamond Like Carbon)膜技術に着目し、歯車への応用を目的にDLC膜の潤滑特性要素試験を実施した。この結果、軟DLCとNi-Cr-Mo材で浸炭処理を施した基材との組合せが最も耐摩耗特性に優れていることが判明した。
田中 知*; 高津 英幸
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.865 - 869, 2008/12
被引用回数:14 パーセンタイル:65.14(Nuclear Science & Technology)ITER計画が建設段階に入ろうとしており、また、並行して、日欧協力の下、幅広いアプローチ活動が開始されており、世界の核融合計画は新たな段階に移ろうとしている。我が国の原子力委員会では、このような動きを受けて、第三段階基本計画のレビューを行い、同基本計画設定後の10年間の研究開発活動を評価するとともに、今後の研究開発活動の進め方を検討した。その中で、ITERの運転開始後7, 8年後にはITERの技術目標が達成しうるであろうとの判断の下、核融合エネルギー利用の早期実現を目指して、ITERの次の段階である原型炉に対して必要となる研究開発のポルトフォリオとロードマップを提示した。本論文では、このような我が国の核融合政策の下に、おもに核融合炉工学の観点から、原型炉に向けて必要となる最小限の研究開発項目とロードマップを示し、その中で、ITER計画や幅広いアプローチ活動の役割を論じる。
川島 寿人; 清水 勝宏; 滝塚 知典; 朝倉 伸幸; 櫻井 真治; 松川 誠; 藤田 隆明
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1643 - 1647, 2008/12
被引用回数:18 パーセンタイル:72.65(Nuclear Science & Technology)ITERの支援及びDEMO炉に向けた定常高ベータ化を目指し、JT-60の超伝導化改修装置JT-60SAの設計が進んでいる。われわれは、ITERの下、シングルヌルダイバータ配位を模擬し、適合する下側ダイバータ形状で高い熱,粒子制御性を得るため、ダイバータコードSOLDOR/NEUT2Dを用いて最適化設計の検討を行っている。SOLへの損失パワーを37MW(加熱入力の90%)とした場合、「V型コーナー」を有する垂直ダイバータ板形状において、ガスパフによる非接触化によってダイバータ板熱負荷を5.8MW/mまで低減できることがわかった。これにより、定常運転で想定されるCFC材ダイバータ板の許容熱負荷15MW/m
に比べ十分小さくできた。一方、ダイバータ排気による非接触から接触状態などへの粒子制御性は、ダイバータ板上のストライク点とダイバータ板最下端までの距離(ストライク点距離)を20mmから120mmに上げることによって改善されることを明らかにした。これは、短いストライク点距離で非接触状態が強く主プラズマに影響する場合、ストライク点を上げることによって回復が見込まれる。
伊尾木 公裕*; Barabash, V.*; Cordier, J.*; 榎枝 幹男; Federici, G.*; Kim, B. C.*; Mazul, I.*; Merola, M.*; 森本 将明*; 中平 昌隆*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.787 - 794, 2008/12
被引用回数:20 パーセンタイル:75.81(Nuclear Science & Technology)本論文はITER真空容器,ブランケット・リミタなど炉内機器、及びダイバータに関する活動状況について報告する。主な成果は以下の通りである。(1)真空容器の設計は製作性,組立工程,コストを考慮してより詳細な設計を実施した。参加極の協力のもと実施された製作性研究の結果、通常の真空容器セクター設計がほぼ完了した。(2)6極のブランケットモジュール調達分担が決まり、ブランケットモジュール設計は参加極の協力により進展した。事前評価試験のためのモックアップの製作が進んでおり、2007年から2008年にかけて試験される予定である。(3)ダイバータに関する活動もITERプロジェクトスケジュールに従い、調達に向けて進展した。
谷川 博康; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 幸野 豊*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1471 - 1476, 2008/12
被引用回数:80 パーセンタイル:97.42(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は、核融合ブランケットシステムに用いられる構造材料の第一候補材として知られている。日本で開発が進められている低放射化フェライト鋼F82Hは、高温強度と溶接性を重視して成分調整が計られた鋼である。そのデータベースは、存在する低放射化フェライト鋼のうちで最も充実している。本論文は、F82Hの開発状況をレビューし、近年の日本における研究開発から示されたITER-TBM製作に向けた技術的課題を整理し示すことを目的とする。
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 大楽 正幸; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1097 - 1101, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.65(Nuclear Science & Technology)核融合炉用プラズマ対向機器(PFC)開発の一環として、原子力機構では加圧水冷却による高性能冷却管の開発を進めている。その中で冷却管内面にネジ状フィンにより除熱性能を高めた冷却管を核融合原型炉DEMOへの適用を提案している。この冷却管のフィンは単純なネジ切り加工により形成するため、スクリュウ管と呼んでいる。原子力機構におけるDEMO設計ではダイバータ冷却条件は、プラントの発電効率向上に寄与するため、圧力4MPaで出口温度200Cを想定している。本研究ではスクリュウ管の限界熱流束(CHF)に対するサブクール度の影響をDEMO冷却条件に相当する実験条件において実験的に調べた結果を報告する。冷却管はDEMOダイバータでの構造材候補のF82Hの代わりに純銅製を使用した。入口温度を室温(出口サブクール度200K)から180
C(出口サブクール度60K)まで上昇させることによりスクリュウ管のCHFは半減するものの、入口温度180
C(出口サブクール度60K)でも以前として、平滑円管の2倍以上の限界熱流束を有していることを明らかにした。
栗原 研一; Lister, J. B.*; Humphreys, D. A.*; Ferron, J. R.*; Treutterer, W.*; Sartori, F.*; Felton, R.*; Brmond, S.*; Moreau, P.*; JET-EFDA Contributors*
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.959 - 970, 2008/12
被引用回数:28 パーセンタイル:83.84(Nuclear Science & Technology)ITER建設が開始され将来の核融合発電炉に向けて一歩前進した現在、既存の大型中型トカマク装置は、残された重大な課題である「高性能プラズマ(高圧力,高自発電流割合)の生成と定常維持及び不安定性の完全回避」の方策を見いだすことが求められている。さらにその方策をITERにおける燃焼プラズマ実験で検証されることが必要である。これらの課題が発電炉への主たる障害であることはいわば共通認識であるので、ITERにおけるプラズマ制御システムは、既存のトカマク実験で得られた経験を外挿できる機能と、将来の新たな知見に柔軟に適応できる構造(制御システムの進化)という重要な2面を合わせ持たなければならない。このような趣旨から、まず現在稼働している装置におけるプラズマ制御システムの特徴や機能をソフト/ハード両面からレビューする。次にITERのCODAC設計から要求事項をサーベイする。さらに、プラズマ制御システムにおける柔軟構造の意味を、将来の要求を想定しながら議論する。最後に、将来のプラズマ制御システム像を描き出す。
中道 勝; 石塚 悦男; 島川 聡司; 菅 智史*
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1321 - 1325, 2008/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.27(Nuclear Science & Technology)国際熱核融合実験炉(ITER)では、原型炉用ブランケット開発のため、テストブランケットモジュール(TBM)を取付けトリチウム生成・回収特性などを評価する。このTBM開発のため、材料試験炉(JMTR)を用いて、ITERパルス運転を模擬した照射試験(ブランケット照射試験)が計画されており、その照射試験体開発のため、耐放射線性を有する小型モータの開発を実施した。本モータ開発においては、構成部材を耐放射線性の高い材料に変更することに加えて、有機系潤滑剤を使用しない構造にすることによって、耐放射線性を格段に向上させることに成功した。照射試験の結果、本モータは、市販モータの仕様限度の約700倍の線照射量まで照射しても健全であることが明らかになった。
中平 昌隆; 武田 信和; 角舘 聡; 小野塚 正紀*
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1578 - 1582, 2008/12
被引用回数:5 パーセンタイル:33.53(Nuclear Science & Technology)ITER真空容器の構造と製作法は国際チームで検討されてきたが、製作上の課題を有し、コスト削減が望まれる。本論文では、日本の提案する製作法と現設計の差異を示し、実規模部分モデルにおける一連の製作方法を紹介する。また、実規模部分モデルの製作試験から得られた結果として、非破壊試験,溶接変形,製作上明らかとなった課題などを提示する。
岩井 保則; 廣木 章博; 八木 敏明*; 玉田 正男; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1410 - 1413, 2008/12
被引用回数:7 パーセンタイル:43.14(Nuclear Science & Technology)核融合炉プラントのトリチウム水処理システムを構成する固体高分子電解槽の放射線耐久性を精査した。固体高分子電解槽の水電解機能を担うナフィオンN117イオン交換膜について、浸漬条件下にて国際熱核融合実験炉における使用時の線量上限値530kGyを越える線量の線や電子線を照射した結果、1600kGyにおいても機械的強度やイオン交換能について設計要求値以上の放射線耐久性を有することを確認した。使用時の線量上限値530kGyまで固体高分子電解槽の電解性能を維持するためには、商用電解槽において電気絶縁に使用されているテフロンを1500kGyにおいても放射線耐久性を有するポリイミド材に交換することを提案した。Oリングに用いられるゴム材については、1500kGyにおいても機械的強度が変化せず、放射線劣化に伴う有機物の溶出も小さいバイトンが最適であることを明らかとした。
中村 博雄; Agostini, P.*; 荒 邦章; Cevolani, S.*; 千田 輝夫*; Ciotti, M.*; 深田 智*; 古谷 一幸*; Garin, P.*; Gessii, A.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1007 - 1014, 2008/12
被引用回数:20 パーセンタイル:75.81(Nuclear Science & Technology)本報告では、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウム(Li)ターゲットの最近の設計について述べる。IFMIFは、核融合材料照射のための加速器型中性子源である。中性子は、重陽子ビームを液体Li流に照射して発生させる。ターゲット系の主な設計要求は、1GW/mの熱負荷除熱のための流速10m/sから20m/sで安定なLi流を実現することである。そのため、2段絞りのノズル及び曲面流が採用され、流動特性は水とLi流実験で確証された。純化系は、コールドトラップ及び2種類のホットトラップから構成されており、トリチウム,ベリリウム7,酸素,窒素,炭素等を、許容量以下に制御する。窒素は10ppm以下に、トリチウムは1ppm以下である。また、信頼性のある長期運転のため、自由表面計測など種々の計測器が設置される。ターゲットアセンブリの背面壁は、50dpa/yの中性子照射を受けるため、遠隔操作で交換可能な構造が不可欠であり、2つの方式が検討中である。
浅井 啓輔*; 湯川 恭平*; 井口 哲夫*; 直井 紀拓*; 渡辺 賢一*; 河原林 順*; 山内 通則*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1818 - 1821, 2008/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)DTプラズマ中のD/T比は、DD/DT反応によって発生するDD中性子(2.45MeV)とDT中性子(14.1MeV)の測定によりそれらの中性子強度比から求めることができ、測定にはDT中性子中の微量なDD中性子の検出が鍵となる。本研究では、TOF法をベースに、飛行時間を測定するシンチレータ対の前に中性子散乱体(水)を挿入した多重散乱飛行時間中性子スペクトロメータ(MS-TOF)の開発を行っている。本システムは、ビームライン上にアクティブな検出器を持たないことと中性子散乱体中の水素原子核がDT中性子よりもDD中性子に対して大きな弾性散乱断面積を有することを利用して、シンチレータ対に入射する中性子束のDD/DT中性子強度比を向上させることができ、微量DD中性子の検出に有利である。今回は、日本原子力研究開発機構核融合中性子源施設FNSの加速器DT中性子源を用いて、本システムによるDT中性子ビーム中の微量DD中性子検出を試みた。その結果、DT中性子ピークとともにDD中性子ピークも観測できた。また予備的ながら、使用した中性子ビーム中のDD/DT中性子強度比を評価し、妥当な結果を得た。
今野 力; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1774 - 1781, 2008/12
被引用回数:14 パーセンタイル:65.14(Nuclear Science & Technology)原子力機構FNSではこれまでにDT中性子による数多くの核データ検証積分ベンチマーク実験(単純組成・単純形状実験,飛行時間法実験,増殖ブランケット実験)を行ってきた。ここ数年で、新たに核データライブラリーJENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1及びENDF/B-VII.0が公開されているが、積分ベンチマーク実験の解析を通して、これらの核データライブラリーの妥当性検証を行うことが不可欠である。そこで、われわれは原子力機構FNSで実施した種々のベンチマーク実験の解析をFENDL-2.1及び他の最新の核データライブラリーを用いて行った。この解析にはモンテカルロコードMCNP-4Cを用いた。得られた計算結果を実験結果と比較するとともに、計算結果どうしの比較も行った。一部の実験を除いてJENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1及びENDF/B-VII.0の計算結果はほとんど一致し、実験結果をよく再現した。
林 巧; 鈴木 卓美; 山田 正行; 洲 亘; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1429 - 1432, 2008/12
被引用回数:31 パーセンタイル:85.58(Nuclear Science & Technology)ITER施設では、その標準設計にて約3kgのトリチウムを30以上のZrCo水素化物ベッドに保管する。トリチウム貯蔵ベッドの安全設計・安全運転は施設の総合的な安全性の向上のための最も重要なポイントの1つである。原子力機構・トリチウム工学研究Grでは多くのZrCoトリチウムベッドを使用してきており、約20年に渡りトリチウム安全取扱経験を蓄積しつつある。これらの経験から、安全設計上考慮すべき事項は、通常の過温,過圧及びトリチウムリークの防止とともに、崩壊熱の伝達やHeの挙動などトリチウムの崩壊の効果である。安全運転に関しては、水素化-脱水素化サイクルと、急速回収や冷却能力の低下などの非常事態での性能である。本報告は、これらにかかわる経験をまとめ、将来の核融合炉の安全の向上に資する。