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中村 博樹; 町田 昌彦; 加藤 正人
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.16 - 19, 2011/10
MOX燃料の主要成分である二酸化プルトニウムは、第一原理計算による物性予測が失敗する典型例(実験事実としては絶縁体なのに計算では金属と予言してしまうこと)として知られており、本発表ではスピン軌道相互作用を考慮したLDA+法による第一原理計算を行うことで正しい絶縁体状態が再現可能であることを報告する。なお、問題解決に関しては電子の強相関効果に加えて、相対論効果であるスピン軌道相互作用を考慮することが必須であるとわかった。ここで得られた知見により、二酸化プルトニウムの第一原理計算による物性評価の精度が向上し、核燃料開発におけるシミュレーション研究がより重要さを増すと期待できる。なお、本成果は原子力分野の核燃料研究開発における重要な成果である。
内田 哲平; 砂押 剛雄*; 加藤 正人; 小無 健司*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.598 - 602, 2011/10
UOのポテンシャル関数を作成して、分子動力学法を用いてUOの熱膨張,比熱及び熱伝導率の評価を行った。熱膨張率に関しては熱膨張測定試験を行い、MD法と比較を行った結果、よく一致していた。比熱,熱伝導率はSchottky欠陥を導入することで文献値とよく一致した。特に熱伝導率は低温側でSchottky欠陥の影響を受け、欠陥濃度の増加に従って低下した。これは欠陥構造がフォノン振動を散乱しているためであると考えられる。今回作成したUOのポテンシャル関数は十分評価できるものであると考えられる。
石田 恒
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.470 - 476, 2011/10
We have developed an integrated molecular simulation system for biological macromolecules, called SCUBA (Simulation Codes for hUge Biomolecular Assembly) which is designed to run a biomolecule system composed of more than one million particles efficiently on parallel computers. SCUBA is now being used not only for molecular dynamics (MD) simulations but also to determine the 3D structure of supra-macromolecules. For the latter purpose, a new method to fit a high-resolution X-ray structure at a certain reaction state into low-resolution electron microscopy (EM) data at different reaction states has been developed. In our method, the fitting is carried out using MD simulations in explicit water medium; the target function considers restraints to fit the X-ray structure into an EM density map, and the all-atom interactions for all the molecules including the water medium. This method was implemented into SCUBA and applied to ribosome, one of the supra-biomolecules utilized for translating genetic information to the amino acid sequence. The system was composed of more than 2 million atoms. The method showed that SCUBA can carry out the fitting simulation with a high parallelization efficiency ratio of more than 50% using 512 CPU cores of PRIMERGY BX900 supercomputer at the Japan Atomic Energy Agency.
鈴木 知史; 都留 智仁; 加治 芳行
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.34 - 37, 2011/10
照射を受けた圧力容器鋼材では、固溶原子の析出やクラスタリングが観察される。これらのクラスターは照射脆化の原因と考えられている。近年、3次元アトムプローブ(3DAP)によって、Cu, Si, Ni, Mn等のクラスターが観察されている。そこで、本研究では、-Fe中のCu, Si, Ni等の不純物の挙動を明らかにするため密度汎関数法(DFT)計算を実施した。その結果、Cu-Si結合はSi-Si結合より安定であり、Cu-SiとSi-Niの相互作用パラメーターはCu-Niより低い値であった。このことから、CuやNiが存在することにより、Siを含んだクラスターの形成が促進されることがわかった。さらに電子構造により評価を行った結果、CuとSiの共存により、Cu及び隣接するFeのエネルギーが下がり、安定となることがわかった。
松田 規宏; 岩元 洋介; 岩瀬 広*; 坂本 幸夫; 中島 宏; 仁井田 浩二*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.927 - 930, 2011/10
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの精度検証のために、炭素,アルミニウム,銅,鉛の標的に対して、730MeVの陽子入射による広い角度範囲(15-150度)のパイ中間子の生成断面積に関する実験値をもとに実施した。実験で得られた二重微分断面積はPHITSによる計算結果と比較した。PHITSによる二重微分断面積の計算結果は、実験値と比較して全体的に十分な精度で予測している。
森林 健悟
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.893 - 897, 2011/10
This paper develops a Monte Carlo (MC) code for the calculation of the damage and the movement of free and quasi-free electrons, which are produced from the irradiation of X-ray free electron laser (XFEL) light pulses. Ionization processes such as X-ray absorption, Compton scattering, and Auger are treated by MC. On the other hand, the movements of free and quasi- free electrons are controlled by the Newton equations. Electron impact ionization processes occur when quasi-free electrons pass through the cross sections, which is assigned to atoms and ions. In order to confirm the accuracy of the calculations using our MC code, we compare the frequency of photo-electron impact ionization processes calculated by our MC code with that by the rate equations for spherical targets. Then, we have found agreement of 80 % to 90 % for the values of the frequency.
松本 淳
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.486 - 490, 2011/10
Recently, many three-dimensional structures of ribosome at various functional states have been determined by cryo-electron microscopy (cryo-EM) and reconstruction techniques. However, because of the low signal-to-noise ratio of the EM images, the resolution of the reconstructed 3D structures is low. The main goal of this study is to determine the positions of atoms in the ribosomes whose 3D structures have been determined by cryo-EM, and analyze the conformational differences between them at the atomic level. We make use of the fitting technique and the elastic network normal mode calculations for this purpose. In the fitting technique, the entire atomic structure of the ribosome is translated and rotated as a rigid body so that it overlaps a 3D EM structure at the maximum ratio. The atomic structure of the ribosome solved by X-ray crystallography is then computationally deformed, using a normal mode analysis of the elastic network model, so that it fits the EM structures better.
井戸村 泰宏; Jolliet, S.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.620 - 627, 2011/10
A fusion plasma is an extremely complex physical system consisting of multiple fluids (an electron fluid and other ion fluids) coupled through electromagnetic fields and weak coulomb collisions. Because of its complexities, a direct numerical simulation (DNS) is becoming important not only as a complementary approach to obtain physical understanding but also as an essential tool for predicting turbulent transport in the experiment. In the presentation, an introductive review of simulation models and numerical approaches are given, and a progress in turbulent fusion plasma simulations is presented based on recent verification and validation studies.
都留 智仁; 加治 芳行; 塚田 隆; 渋谷 陽二*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.20 - 23, 2011/10
照射材で観察される転位チャネリングは照射誘起応力腐食割れの主要な応力因子の一つとして注目され、結晶粒界近傍の転位の集積は応力集中を引き起こす。本研究では、原子シミュレーションにより、二次元の多結晶モデルを作成し、応力集中と転位の生成に関する検討を行った。その結果、粒界三重点において弾性変形領域でも非常に高い応力集中が生じることがわかった。初期の塑性変形では、三重点や界面から部分転位が生成され、その後双晶変形が次々と生じることがわかった。さらに、個々の粒内の局所的な応力分布はこれらの塑性変形と相関があることがわかった。
助川 篤彦; 川崎 弘光*; 奥野 功一*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.375 - 381, 2011/10
トカマク型定常炉心試験装置(JT-60SA)といった超伝導トカマク核融合装置の3次元中性子・光子輸送解析を、モンテカルロ計算コードPHITSにより実施した。PHITSを用いた解析結果から、装置ポートストリーミング,建屋ダクトストリーミング,スカイシャイン解析についても適用できることがわかった。PHITSの可視化機能により、超伝導トカマク核融合装置に特有の真空断熱容器の遮へい機能の役割が明らかになった。ストリーミング効果の影響を考慮した超伝導トカマク核融合装置のニュートロニクス解析にはPHITSを含む3次元計算コードが必要不可欠である。
堅田 元喜; 永井 晴康; Zhang, L.*; Held, A.*; Sera, D.*; Klemm, O.*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.530 - 537, 2011/10
放射性物質等の環境負荷物質の移行解明を目的に、ガス・粒子状物質とその移行媒体となる水、そしてエネルギーの移動を厳密に計算する精緻な大気-土壌-植生1次元モデルを開発した。このモデルは、大気から植物へのガス状・粒子状物質の沈着を、葉の形状や葉面積の植物種による違いを含めて計算することができる。さまざまな環境条件でのモデルの性能評価試験によって、開発したモデルが乾燥・温帯気候下の裸地面や植生地での水や熱,ガス状・粒子状物質のフラックス,土壌中の温度や水分量,CO濃度等の観測結果を良好に再現することを示した。
小林 卓也; 印 貞治*; 石川 洋一*; 川村 英之; 中山 智治*; 島 茂樹*; 淡路 敏之*; 外川 織彦
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.682 - 687, 2011/10
青森県六ヶ所村に立地する使用済燃料再処理施設は、近い将来に稼動する。再処理施設の通常運転時には、放射性廃液が海洋放出口から計画的に沿岸域に放出される。放出された放射性核種は、海洋中を物理・化学・生物過程を経て移行する。そのため再処理施設から沿岸海洋へ通常放出される放射性核種の移行挙動を理解することは、環境安全の観点からも重要である。そこで、海洋大循環モデルと海洋中放射性物質移行モデルから構成される六ヶ所海域における放射性核種の移行挙動を予測する計算システムを開発した。海洋大循環モデルは、4次元データ同化手法と3段のネスティング手法を用いるために高速の計算機環境が必要である。海洋中放射性物質移行モデルには、溶存態と懸濁態との吸脱着過程を取り扱う吸脱着モデルと、鉛直重力噴流モデルをコード化した。適用計算として2007年の海況場を再現し、仮想的な放射性物質の拡散実験を実施した。
佐藤 達彦; 遠藤 章; 仁井田 浩二*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.432 - 436, 2011/10
ミューオン及びパイオンに対するフルエンスから実効線量への換算係数は、航空機乗務員の被ばく線量評価の際に不可欠となる。また、近年、国際放射線防護委員会(ICRP)の新基本勧告が発刊され、実効線量の定義が改訂された。そこで、われわれは、ICRPの新基本勧告に基づき、粒子輸送計算コードPHITSを用いて、100GeVまでのミューオン及びパイオンに対する実効線量換算係数を計算した。得られた結果を、他の粒子輸送計算コードを用いて計算した結果と比較したところ、両者は、極めて高エネルギーのミューオンに対する換算係数を除いて、よく一致することがわかった。高エネルギー領域における不一致の原因は、PHITSにデルタ線生成過程が組み込まれていないことに起因すると思われる。得られた計算結果は、放射線医学総合研究所で開発している航路線量計算プログラムJISCARD-EXに組み込まれ、日本の航空会社による航空機乗務員の被ばく線量管理に利用される予定である。
原田 正英; 前川 藤夫; 及川 健一; 明午 伸一郎; 高田 弘; 二川 正敏
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.872 - 878, 2011/10
JSNS設計前段階において、20MeV以上のエネルギー領域に対応する、信頼生が高く使いやすい粒子輸送計算コードがなかった。そのため、J-PARCプロジェクトの進行とともに、NMTC/JAMコード(現在は、PHITSコード)を開発してきた。JSNSの中性子特性の最適化を目的として、PHITSコードを用いた中性子工学設計を実施した。すなわち、複雑な計算形状モデルを構築するとともに、数千に及ぶ計算ケースを実行した。また、中性子特性の最適化のみならず、遮蔽評価や核発熱評価などにもPHITSコードを用いた。その結果、JSNSはシミュレーションにより核設計を行った世界初の施設の一つとなった。これらの計算において、エネルギー範囲がGeVからmeVまでの12桁に及ぶことや中性子強度が10桁以上減衰することは、特筆すべきことである。これまでの計算の信頼性を確認するために、中性子スペクトル, 線量, 残留放射能などを測定した。その結果、測定値は、計算値と良い一致を示し、このような核破砕中性子源設計計算において、PHITSコードが十分信頼できることを確認した。
永井 晴康; 小林 卓也; 都築 克紀; 寺田 宏明
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.556 - 567, 2011/10
環境研究のための局地から領域スケールの結合モデルを構築するために、汎用モデル結合プログラム(JAEAカップラー)を開発した。この結合モデルでは、各モデル計算を並列計算機の異なるプロセッサーで実行し、カップラーが各モデルの実行制御とモデル間のデータ交換をMPIを用いて行う。カップラーは、モデルごとに異なる空間,時間,物理変数を補間しながら対象とするモデルへのデータ配信を行う。JAEAカップラーを用いて、領域スケールの水循環及び物質輸送の結合モデルシステムを構築した。試験計算として、豪雨後の水の移動と仮想的に大気に放出した溶存物質の輸送計算を実施した結果、結合計算における各モデル間のデータ交換が正常に実行され、対象とした現象もおおむね再現していることを確認した。
高橋 史明; 佐藤 薫; 遠藤 章; 小野 孝二*; 吉武 貴康*; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 伴 信彦*; 甲斐 倫明*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.153 - 159, 2011/10
CT検査は医療行為における有用な診断法となっているが、比較的高い被ばく線量を受けることから、適切な線量管理の必要性が指摘されている。そのため、CT検査における被ばく線量を評価するシステムが、これまでに開発されている。これらのシステムは、モンテカルロ計算で解析した線量データを利用しているが、これにかかわる計算技術,CT検査に用いる装置は常に進歩している。このような背景から、最新の計算技術を利用して、種々の撮影条件に適用できる線量評価システムWAZA-ARIの開発を進めている。WAZA-ARIでは、基盤となる臓器線量データとして、計算コードPHITSと精密人体モデルJMファントムで解析したデータを用いている。JMファントムは平均的な日本人の体格,臓器質量を模擬するモデルであるが、実際の被験者はさまざまな体形,体格を有することから、人体構造の違いによる臓器線量の変化を把握しておくことは重要である。本研究では、異なる人体構造を模擬するICRPの標準ファントムなどを用いた線量解析の結果について述べる。
中山 浩成; 永井 晴康
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.463 - 469, 2011/10
大気・陸域・海洋での放射性物質の移行挙動を包括的に予測できるSPEEDI-MPにおいて、Large-Eddy Simulation (LES)モデルによる都市大気拡散予測システムの開発とその導入を目指している。今回は、高解像度化された立方形状の建物が整形配列された建物群内での点源拡散された場合を対象にしたLES解析を行い、拡散数値シミュレーションの妥当性並びに物質拡散過程を調べた。その結果、まず、平均濃度や濃度変動分布並びに濃度フラックスなどが拡散風洞実験結果と良好な対応性を示すことが確認された。さらに、個々の建物から生成される剥離や循環流などの局所的乱流場の影響により、拡散物質が周辺の建物後流域に巻き込まれることにより徐々に拡がっていく挙動などが明らかにされた。
Jolliet, S.; 井戸村 泰宏
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.85 - 89, 2011/10
In this talk, the numerical implementation of the global Eulerian gyrokinetic code GT5D will be presented. GT5D solves the vlasov-maxwell system (including coulomb collisions and a heat source and sink operator) in 5D, which requires huge CPU ressources. In particular, the implementation of a straight-field-line solver, reducing the memory of the field equation matrix by orders of magnitude, will be detailed. This scheme takes advantage of the alignment of the turbulence with the magnetic field lines to suppress small parallel wavelengths with a fourier filter. In addition, weak and strong scalings, as well as a plasma size scaling will be presented.
岩元 洋介; 仁井田 浩二*; 佐藤 達彦; 松田 規宏; 岩瀬 広*; 中島 宏; 坂本 幸夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.931 - 935, 2011/10
エネルギー20MeV以下の中性子の輸送現象及びその影響評価の取り扱いに関して、PHITSコードに"イベントジェネレータモード(E-mode)"が導入された。E-modeでは中性子入射反応の評価済み核データと蒸発モデルを組合せることで、低エネルギー領域でもエネルギーと運動量保存が成り立つように、衝突によるすべての放出核子と残留核の相互関係を記述できる。それゆえE-modeは低エネルギー中性子入射反応における生成荷電粒子の微視的エネルギー付与分布を計算できる。このE-modeの検証のため、E-modeを用いて低エネルギー中性子入射反応により生成する放射化断面積を計算し、実験データ及びFENDLやJENDLといった評価済み放射化断面積ライブラリとの比較検証を行い、実験データやライブラリデータとの再現性を確認した。熱中性子入射反応により生成する荷電粒子のエネルギー付与分布を計算できることは、中性子補足療法(BNCT)や半導体のソフトエラー解析への新しいアプローチとなる。
Mohammadi, A.; 木名瀬 栄; 斎藤 公明
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.365 - 368, 2011/10
ICRP proposed the reference animals and plants using simplified phantoms, such as ellipsoids and spheres, and assessed absorbed fractions (AFs) for the whole bodies. In this study, photon and electron AFs in whole body of voxel-based frog and mouse phantoms were evaluated and compared with AFs in simplified phantoms. The evaluations were done by Monte Carlo methods for voxel-based and simplified phantoms. There were very small differences (less than 2%) between whole-body AFs in voxel-based and simplified mouse phantoms however the differences were up to 24% for the voxel-based and the Reference Frog phantoms. Whole-body AFs in voxel-based and simplified phantoms demonstrated that not only mass but also shape of whole body effected on AFs significantly. The results of this study suggest the replacement of the Reference Animal phantoms by voxel-based animal phantoms to improve the accuracy of the whole-body AFs.