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遠藤 章
Annals of the ICRP, 52(4), p.5 - 7, 2024/12
国際放射線防護委員会(ICRP)は、Publication 155において、新生児、1歳、5歳、10歳、15歳の標準男性及び女性の比吸収割合(SAF)データを開発した。SAFは、内部被ばくにおいて、放射性核種が分布する組織及び臓器から放出された放射線のエネルギーのうち、標的となる組織及び臓器の質量あたりに吸収される割合を表し、内部被ばく線量を計算するために不可欠なデータである。このPublication 155で提供されるデータを、すでにPublication 133として公表されている標準成人男性及び女性のSAFデータと組み合わせることにより、環境における公衆の放射性核種の摂取に対して、年齢に応じた線量係数を計算するためのSAFデータセットが完成した。これにより、改良された生物動態モデル及び放射性核種壊変データとともに、新しい線量係数を計算するための重要な構成要素が整った。その成果は、「一般公衆による放射性核種の摂取に対する線量係数」の一連のICRP Publicationとして間もなく提供される予定である。
Martinez, N. E.*; Canoba, A.*; Donaher, S. E.*; Garnier-Laplace, J.*; 木名瀬 栄; Mayall, A.*; Stark, K.*; Whicker, J.*
Annals of the ICRP, 52, p.240 - 248, 2024/00
This paper provides an overview of ecosystem services and an introduction to the ongoing work of ICRP Task Group 125. The mandate of the recently formed ICRP Task Group 125 is to explore and share knowledge on ecosystem services by providing background and general recommendations on how ecosystem services can support a holistic approach to environmental radiological protection (ERP) and, as specifically relevant to ERP, explore how the system of radiological protection contributes to the delivery of sustainable development. ICRP is considering the potential for ES to be useful in RP in support of a more robust approach to ERP.
佐藤 達彦
Annals of the ICRP, 49(1_suppl.), p.185 - 192, 2020/12
宇宙空間には様々な放射線が飛び交っている。それらの中で宇宙放射線防護上重要となるのは、銀河宇宙線,捕捉陽子,太陽高エネルギー粒子である。銀河宇宙線は、太陽系外から飛来する高エネルギー宇宙線で、その強度は約11年周期を持つ。捕捉陽子は、地球磁場に捕捉された陽子で、地球軌道ミッションの線量評価のみで重要となる。太陽高エネルギー粒子は、突発的な太陽フレア事象により太陽から放出される粒子で、場合によっては宇宙飛行士に大きな線量をもたらす。会議では、これら3種類の宇宙線について解説するととも、宇宙放射線防護に関連する宇宙天気研究の最新の動向について紹介する。
斎藤 公明
Annals of the ICRP, 49(2), p.7 - 9, 2020/10
環境中に分布したガンマ線源による外部被ばくに対する線量係数を集約した国際放射線防護委員会(ICRP)Publication 144のGuest Editorialを執筆した。この中で、実効線量の起源とその歴史、執筆者と実効線量との関わり、環境ガンマ線に対する実効線量の特徴、Publication 144の概要についてまとめた。
Petoussi-Henss, N.*; 佐藤 大樹; 遠藤 章; Eckerman, K. F.*; Bolch, W. E.*; Hunt, J.*; Jansen, J. T. M.*; Kim, C. H.*; Lee, C.*; 斎藤 公明; et al.
Annals of the ICRP, 49(2), p.11 - 145, 2020/10
環境に分布する放射性核種からの外部被ばくに対する公衆の線量評価では、公衆を構成する各年齢における代表人の臓器線量および実効線量への換算に利用可能な線量係数の整備が重要となる。この目的のため、原子力機構では大気、土壌、水に分布する光子および電子放出線源による環境放射線場を汎用粒子輸送計算コードPHITSにより解析する手法を開発し、ICRPから提供された新生児、1歳、5歳、10歳、15歳および成人男女の人体数値模型を用いて臓器線量係数を評価した。さらに、Hanyang大学より提供された皮膚線量データおよびICRPの核種崩壊データを用いて、放射性核種毎の実効線量係数を評価した。整備した線量係数は、福島第一原子力発電所事故後の長期に渡った線量評価をはじめ、放射性核種の環境への流出による外部被ばく線量評価に利用可能である。
遠藤 章
Annals of the ICRP, 45(1_suppl.), p.178 - 187, 2016/06
国際放射線防護委員会(ICRP)が提案する臓器・組織の等価線量、実効線量等の防護量は、放射線による人体の被ばくの程度を定量化し、線量の制限や防護の最適化を図るために使われている。人体に対して定義される実用量は測定できないため、国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、測定によって防護量を評価するための実用量を開発した。現在使われている実用量は、30年以上も前に定義されたものである。ICRUは、ICRP 2007年勧告における防護量の変更を契機に実用量の検討を行った。その結果、委員会は現在のものに替わる新たな実用量を提案することとした。エリアモニタリングに対しては、ICRU球のある深さで定義する線量から、粒子フルエンスに基づき防護量と関連付けた量に変更する。本発表では、新たに提案する実用量の定義と、それが線量測定の実務に及ぼす影響について検討した結果を報告する。
遠藤 章; 佐藤 達彦
Annals of the ICRP, 41(3-4), p.142 - 153, 2012/10
宇宙船の内部には、宇宙起源の一次放射線とそれが宇宙船の壁,機器等と相互作用した結果発生するさまざまな二次放射線が混在している。宇宙飛行士の体内の放射線場は、身体の自己遮へいや宇宙線が体内で引き起こす原子核反応により、体外の放射線場とは異なる。物質中における陽子,高エネルギー重イオン、また、それらが原子や原子核との相互作用により生成する二次放射線の輸送をシミュレーションするさまざまな計算コードが、これまでに開発されてきた。これらのコードは、宇宙船や宇宙基地の遮へい計算,放射線検出器の応答評価,臓器線量の解析等、宇宙における放射線防護に利用されている。本発表では、宇宙線の輸送計算に使われる手法と計算コードに焦点をあて、それらを用いた宇宙船内の放射線場の解析,臓器線量や線質係数の評価,ICRPのリファレンスファントムを用いた線量換算係数の計算についてレビューする。