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水野 崇; Milodowski, A. E.*; 岩月 輝希
Chemical Geology, 603, p.120880_1 - 120880_16, 2022/08
被引用回数:4 パーセンタイル:49.72(Geochemistry & Geophysics)本研究は、瑞浪地域の土岐花崗岩中の割れ目を充填する方解石の形成順序と希土類元素およびイットリウム(REY)の分別プロセスに着目している。方解石の結晶形、化学的・同位体的特徴と流体包有物の化学的特徴から、Calcite I (最古)からCalcite IV (最新)まででの4つの世代に区別されることが明らかになった。方解石の析出履歴は、海進に伴う海水の浸透と海退・隆起に伴う地表水の浸透による地下水の進化に支配された古地下水の水文化学組成の変化を反映している。REYの大陸頁岩による正規化パターンを世代毎で見ると、有意なCe異常はなく、負のEu異常、軽REY(LREY)に枯渇するパターンが支配的であることがわかった。これらの特徴は、土岐花崗岩にも共通する。各世代の方解石における特徴の一貫性は、REYが水-岩石反応によって土岐花崗岩から供給されたことを示している。方解石中のCe異常の欠如は、方解石析出時に地下水が還元状態を維持していたことを示す。しかし、方解石中のLREYとHREYの分画は花崗岩中よりも各世代で顕著であった。各世代の方解石が沈殿した古地下水における分画過程は、過去の地下水中のREYシリーズやpHの炭酸錯体の系統的な変動と密接に関連している。本研究で得られた知見は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の長期的な安全性を評価するために重要である。
Yu, Q.*; 大貫 敏彦*; 香西 直文; 坂本 文徳; 田中 万也; 笹木 恵子*
Chemical Geology, 470, p.141 - 151, 2017/10
被引用回数:16 パーセンタイル:52.34(Geochemistry & Geophysics)本研究では、2種類のMn酸化物(トドロカイトとバーネサイト)が持つCs保持能を評価した。トドロカイトには、Csの吸着選択性がバーネサイトよりも高いサイトがあることがわかった。Cs初期濃度10mol/Lで吸着させた後、吸着したCsを1M NaClとNHClで脱離させたところ、約34%のCsが脱離せずにトドロカイトに残った。この値はバーネサイトに残ったCsの割合よりもずっと多かった。これらの結果は、トドロカイトが土壌中の放射性Csの固定に寄与することを強く示唆する。
田中 万也; 田中 雅人*; 渡邊 直子*; 徳永 紘平*; 高橋 嘉夫*
Chemical Geology, 460, p.130 - 137, 2017/06
被引用回数:8 パーセンタイル:31.94(Geochemistry & Geophysics)深海海洋底に存在する鉄マンガン団塊・クラストにはPdが海水に比べてかなり濃集していることが知られている。しかし、こうしたPdの濃集機構はこれまでほとんど研究されてこなかった。そこで本研究ではX線吸収微細構造法を用いて鉄マンガン団塊・クラストの主要構成物質であるマンガン酸化物へのPd吸着機構を調べた。その結果、海水を模擬したNaCl水溶液中では塩化物錯体(Cl配位)であるPdはマンガン酸化物表面に吸着する過程で酸素配位に変化することが明らかとなった。さらに、マンガン酸化物表面に吸着したPdは単核二座配位と二核二座配位の2種類の内圏型錯体を形成することが分かった。これら2種類の内圏型錯体の形成は密度汎関数理論を用いた量子化学計算の結果からも支持された。こうした内圏型錯体の形成は、マンガン酸化物-NaCl水溶液間のPd吸着実験から得られた分配係数が大きいことと調和的であると言える。
宗本 隆志; 大森 一秋*; 岩月 輝希
Chemical Geology, 417, p.58 - 67, 2015/12
被引用回数:33 パーセンタイル:72.88(Geochemistry & Geophysics)水-鉱物反応は地球表層環境における物質移動特性に影響を及ぼす重要な地球科学プロセスである。特に、希土類元素(YREE: La-Lu, Y)の鉱物中への分配挙動は環境条件の変化にしたがって、YREE存在度パターンとして保存されるため、地球科学プロセスを把握するための指標として利用されてきた。本研究では深部花崗岩中の地下水と二次鉱物を対象に地下水の水質条件の変化に伴うYREEの分配挙動の変化について明らかとし、現在から過去までの地下水中の希土類元素の分配挙動の予測を行った。
正木 翔太*; 塩津 弘之; 大貫 敏彦; 坂本 文徳; 宇都宮 聡*
Chemical Geology, 391, p.33 - 41, 2015/01
被引用回数:10 パーセンタイル:32.73(Geochemistry & Geophysics)酵母はCe酸化物ナノ粒子の存在により特異な有機物を排出した。Ceナノ粒子は酵母の生育への直接的な影響はないものの、グリコシシス酵素を排出した。このことから、Ceナノ粒子は酵母の代謝を変化させることが分かった。
山崎 誠子*; Zwingmann, H.*; 山田 国見*; 田上 高広*; 梅田 浩司
Chemical Geology, 351, p.168 - 174, 2013/08
被引用回数:27 パーセンタイル:61.04(Geochemistry & Geophysics)断層帯の形成について時間的制約を与えることは、構造発達史を理解するうえで重要である。土岐花崗岩の断層ガウジに含まれる粘土鉱物のイライトを対象に、粒度ごとにK-Ar年代測定を実施した。その結果、より細粒の試料でより新しい年代値が得られ、細粒の試料には自生の結晶がより多く含まれていることが示唆された。0.1m未満の粒子の年代値は42.746.5Maを示しており、母岩の冷却史におけるイライトの安定領域と脆性破壊の温度領域とに一致する結果が得られた。
Yu, Q.*; 笹木 圭子*; 田中 万也*; 大貫 敏彦; 平島 剛*
Chemical Geology, 310-311, p.106 - 113, 2012/06
被引用回数:65 パーセンタイル:84.12(Geochemistry & Geophysics)生物起源のMn酸化物の層間の空の吸着サイトの存在とMn(III)の存在がCoの特異的な吸着に寄与していることを、吸着実験及びXAFSによる構造解析から明らかにした。
Jiang, M.; 大貫 敏彦; 香西 直文; 田中 万也; 鈴木 義規*; 坂本 文徳; 上石 瑛伍*; 宇都宮 聡*
Chemical Geology, 277(1-2), p.61 - 69, 2010/10
被引用回数:40 パーセンタイル:68.81(Geochemistry & Geophysics)酵母によるCeの濃集実験をpH3, 4, 5の溶液を用いて行った。溶液にPを添加しないにもかかわらず、細胞表面に針状のナノサイズのCe-リン酸塩鉱物が成長することを確認した。この結果は、細胞表面に吸着したCeが細胞内から浸出したPと結合してナノ鉱物化したことを示している。
大貫 敏彦; 尾崎 卓郎; 香西 直文; 南川 卓也; 坂本 文徳; 酒井 卓郎; 鈴木 義規; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 253(1-2), p.23 - 29, 2008/07
被引用回数:30 パーセンタイル:56.40(Geochemistry & Geophysics)Mn酸化細菌によるMn(II)酸化過程におけるCe(III)の化学状態変化を微生物培養実験及びSEM, PIXE, XANES解析により検討した。その結果、Ce(III)は微生物細胞表面では酸化されず、Mn(II)が酸化されて生じたMn酸化物中でCe(IV)に酸化されることが明らかになった。
村上 隆*; 佐藤 努*; 大貫 敏彦; 磯部 博志*
Chemical Geology, 221(1-2), p.117 - 126, 2005/09
被引用回数:56 パーセンタイル:71.78(Geochemistry & Geophysics)オーストラリア、クンガラウラン鉱床の岩石試料の分析を行い、ウランがリン酸塩鉱物などにナノ粒子化していることを明らかにした。さらに、過去260万年における移行においてナノ粒子化が最も大きな遅延機構であることを明らかにした。
大貫 敏彦; 吉田 崇宏*; 尾崎 卓郎; Samadfam, M.*; 香西 直文; 湯葢 邦夫*; 三頭 聰明*; 笠間 武史*; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 220(3-4), p.237 - 243, 2005/08
被引用回数:53 パーセンタイル:69.69(Geochemistry & Geophysics)6価ウランの微生物及びカオリナイトとの相互作用について、吸着,脱離実験を行った。その結果、ウランはカオリナイトに比べて微生物表面官能基に強く吸着することがわかった。さらに、微生物とカオリナイトとの混合物へのウランの吸着実験を行い、ウランが微生物に選択的に吸着していることを電子顕微鏡による分析から明らかにした。選択的吸着には微生物表面のリン酸基が関与することが示唆された。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文; 尾崎 卓郎; 吉田 崇宏; 鳴海 一成; 若井 栄一; 酒井 卓郎; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 212(3-4), p.279 - 290, 2004/12
被引用回数:17 パーセンタイル:33.45(Geochemistry & Geophysics)Coの酵母への濃集過程において酵母細胞に存在するCo及び他の元素の量をMicro-PIXEにより検討した。その結果、Coの濃集過程において細胞内のFe濃度が増加すること、及びK濃度が減少することがわかった。この結果から、酵母への毒性金属の濃集は、他の元素の挙動に影響を与えることが明らかとなった。
吉田 崇宏; 尾崎 卓郎; 大貫 敏彦; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 212(3-4), p.239 - 246, 2004/12
被引用回数:46 パーセンタイル:63.21(Geochemistry & Geophysics)シデロフォアの一種であるデスフェリオキサミン(DFO)存在下で11種の希土類元素(La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er)の-AlOと細胞への吸着実験をpH7.1で行った。Ceを除いてLaからErまで原子番号が増加するにつれて吸着率が減少した。Ceの吸着率は隣接する希土類元素LaとPrと比較して著しく低くなった。還元剤を添加した系ではLa, Ce, Prの吸着率が連続的に減少した。X線吸収端近傍スペクトル(XANES)分析により、DFO錯体中のCeは4価で存在することがわかった。サイクリックボルタンメトリーでDFO錯体系のCe(IV)/Ce(III)の酸化還元電位を測定したところ、標準酸化還元電位(+1.7V)より1.5V程度低下することがわかった。希土類元素-DFO錯体の錯体安定度は原子番号が大きくなるにつれて増加することより、固相への希土類元素の吸着率が錯体安定度が大きくなるにつれて減少することが考えられる。また、DFOはCe(III)と比較してCe(IV)との親和性が高いために、酸化的環境でCe(IV)を安定化させ、隣接希土類元素と比較して固相による吸着を妨げる影響を及ぼすことが示唆された。
大貫 敏彦; 香西 直文; Samadfam, M.; 安田 良; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋; 村上 隆*
Chemical Geology, 211(1-2), p.1 - 14, 2004/11
被引用回数:49 パーセンタイル:65.07(Geochemistry & Geophysics)Uのアパタイトへの濃集機構を解明するため、吸着実験を行った。その結果、アパタイト表面にウラニルリン酸塩鉱物であるサレアイトが生成した。溶液中の化学組成からサレアイトの生成について検討した結果、不飽和であることがわかった。SEM及びRBSによる分析から表面におけるUとアパタイト層の間に溶解層が形成されていることがわかった。これらの結果から、アパタイトの溶解層における部分的な過飽和状態によるサレアイトの生成が支配的な機構であることがわかった。
高橋 嘉夫*; 吉田 英一; Sato, Nana*; 濱 克宏; 湯佐 泰久; 清水 洋
Chemical Geology, 184(3-4), p.311 - 335, 2002/00
被引用回数:142 パーセンタイル:90.47(Geochemistry & Geophysics)地下深部における希土類元素の挙動を把握するために、土岐花崗岩・瑞浪層群および地下水中の希土類元素の分布パターンを調査した。その結果、今回分析を行った全ての岩石および地下水についてテトラド効果が認められた。岩石、地下水に認められるWまたはM型のテトラド効果から、瑞浪層群中に存在する希土類元素は、土岐花崗岩から地下水により供給された可能性があることが考えられた。