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Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
Clays and Clay Minerals, 65(5), p.371 - 375, 2017/11
被引用回数:2 パーセンタイル:79.17(Chemistry, Physical)本論文は、われわれが発表した論文「層状珪酸塩鉱物の放射線による損傷についての第一原理計算評価と放射性セシウムと放射性ストロンチウムの土壌保持物性に対する示唆」へのコメントに対する返答である。コメントでは、ベータ線によるフレンケルタイプの欠損の生成確率の評価が不十分である、と主張されていた。これに対して、われわれは、コメントで考えられている状況は不十分であり、隣接する粘土鉱物まで考えれば評価は妥当であることを述べた。
佐久間 博*; 舘 幸男; 四辻 健治; 末原 茂*; 有馬 立身*; 藤井 直樹*; 河村 雄行*; 本田 明
Clays and Clay Minerals, 65(4), p.252 - 272, 2017/08
被引用回数:1 パーセンタイル:12.59(Chemistry, Physical)層電荷0.33及び0.5を有する4種類のモンモリロナイト・エッジ表面(110), (010), (100)及び(130)の構造と安定性を評価するため、密度汎関数理論に基づく第一原理計算手法を用いて調べた。特にモンモリロナイト層状体が積層した場合の影響を調べるため、単層モデルと積層モデルを設定して、エッジ表面の安定性を比較した。ほとんどのケースで、層状体間の水素結合により、表面エネルギーは単層モデルよりも積層モデルの方が低くなり安定化する。このことは、エッジ面の表面エネルギーは膨潤状態に依存することを示唆している。エッジ面(010)及び(130)の最も低い表面エネルギーは、エッジ面近傍にMgイオンが露出することにより実現される。これらのエッジ面は、エッジにおける局所的な負電荷によって、カチオンに対する強い吸着サイトを有する。
Kerisit, S.*; 奥村 雅彦; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦
Clays and Clay Minerals, 64(4), p.389 - 400, 2016/08
被引用回数:29 パーセンタイル:76.6(Chemistry, Physical)層状珪酸塩鉱物の基盤表面におけるセシウムの吸着特性について、分子動力学法を用いて系統的に評価した。層電荷と八面体構造の組み合わせにより計6種類の層状珪酸塩鉱物について評価を行い、層電荷の大きさが大きいほど吸着が強く、また、八面体構造の違いに起因する基盤表面のシリコン及びアルミニウムの微細な配置の違いが吸着の強さに影響を与えることがわかった。
丹羽 正和; 島田 耕史; 田村 肇*; 柴田 健二*; 末岡 茂; 安江 健一; 石丸 恒存; 梅田 浩司*
Clays and Clay Minerals, 64(2), p.86 - 107, 2016/04
被引用回数:9 パーセンタイル:33.22(Chemistry, Physical)花崗岩中にしばしば発達する熱水変質起源の粘土鉱物脈は、断層活動や地すべりの際のすべり面となり得るので、粘土鉱物脈の性状や分布、発達過程を把握することは、花崗岩地域における原子力施設の耐震安全評価等において非常に重要である。本研究では、敦賀半島に分布する断層ガウジおよび粘土鉱物脈の鉱物分析、およびK-Ar年代測定を行い、粘土鉱物の発達過程について検討した。観察・分析の結果、これらの粘土鉱物は、花崗岩が貫入後、冷却していく過程で形成された地質学的に古いものであることが明らかとなった。
Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦
Clays and Clay Minerals, 64(2), p.108 - 114, 2016/04
被引用回数:6 パーセンタイル:22.16(Chemistry, Physical)東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムと放射性ストロンチウムは表層土壌中粘土鉱物に強く吸着していることがわかっている。住民に対する追加被曝線量低減のため、大規模な除染が行われ、表層土壌が取り除かれ、中間貯蔵施設に長期保存される予定である。しかし、長期保管中の放射性セシウムと放射性ストロンチウムの安定性についてはこれまで議論されてこなかった。そこで、本論文では、粘土鉱物中で放射性セシウムと放射性ストロンチウムが崩壊した場合の粘土鉱物の構造安定性を第一原理分子動力学を用いて評価した。その結果、それらの放射性核種の崩壊によって粘土鉱物の構造が変化してしまう可能性があることがわかった。
Arthur, R. C.*; 笹本 広; Walker, C.; 油井 三和
Clays and Clay Minerals, 59(6), p.626 - 639, 2011/11
被引用回数:16 パーセンタイル:46.47(Chemistry, Physical)高レベル放射性廃棄物の地層処分において、地下坑道の掘削、施工段階での湧水対策としてセメント系グラウトが用いられた場合、岩盤の長期的な劣化等による化学場の変化が予想される。化学場の変化は、地層処分の性能評価における核種移行評価に影響を与えるため重要である。沸石類は、セメント系グラウトと岩盤との反応で生ずる変質生成物の一つである。化学場の長期的な変化を評価する場合、沸石類のような変質生成物に対する熱力学データが必要となる。本報告では、沸石類を対象に、信頼性の高い熱力学データを整備するため、既往の経験的な計算手法を改良し、実験値との整合性の高い、より信頼性の高いデータを導出するモデルを提案した。また、本モデルを用いることで、沸石類以外の重要な変質生成物(粘土鉱物等)の熱力学データ導出への適用可能性も示唆された。
永野 哲志; 三田村 久吉; 中山 真一; 中嶋 悟*
Clays and Clay Minerals, 47(6), p.748 - 754, 1999/00
被引用回数:16 パーセンタイル:44.89(Chemistry, Physical)岩石中に風化生成物として生成する鉄鉱物による放射性核種の固定機構を調べるために、ネオジムと鉄との共沈・結晶化の実験を行った。ネオジムはアメリシウムなど3価のTRU元素と類似の化学的挙動をとるとされる元素である。非晶質の水酸化鉄中に安定に保持されたネオジムは、鉄鉱物の結晶化に伴い赤鉄鉱の結晶格子中に取り込まれることはあるものの、概して、非晶質相にとどまったまま鉄鉱物の結晶化を妨げる効果を持つことが示された。放射性廃棄物の地中処分においては、鉄鋼物は人工バリア材の腐食生成物としても生成されるため、本研究で得られた結果は処分場周辺で想定される腐食生成物と核種との相互作用を調べる研究にも役立つであろう。
村上 隆*; 磯部 博志; 佐藤 努; 大貫 敏彦
Clays and Clay Minerals, 44(2), p.244 - 256, 1996/00
被引用回数:53 パーセンタイル:84.2(Chemistry, Physical)オーストラリア、クンガラウラン鉱床におけるウランの再分配機構解明のため、鉱床周辺地域の母岩中に含まれる緑泥石の風化過程について調べた。その結果、緑泥石は風化が進行するにつれて、緑泥石/バーミキュライト混合層鉱物、バーミキュライト、カオリナイトと変化し、その変化の過程で、鉄やマグネシウムを容脱していることが明らかとなった。また、ここで溶脱された鉄は、鉱物粒子間や片理に鉄鉱物として再結晶化し、固化帯における主成分鉱物にまで進化していることも明らかとなった。放射性核種の地層中での移行を定量的に評価する場合には、本研究で示されるような地質学的な時間スケールでの鉱物の変質を十分考慮する必要があると考えられる。
佐藤 努; 村上 隆*; 渡辺 隆*
Clays and Clay Minerals, 44(4), p.460 - 469, 1996/00
被引用回数:37 パーセンタイル:75.64(Chemistry, Physical)新第三紀堆積岩中の続成起源のスメクタイトとイライト/スメクタイト混合層鉱物(I/S)のスメクタイト層の層電荷の変化について、X線回折分析による膨張挙動テストにより調べた。その結果、モンモリロナイト様の性質を持つ前駆スメクタイトが、イライト化の始まる前に一部バイデライト様の性質を持つ層に変化することが明らかとなった。また、I/Sのスメクタイト層は、続成変質が進行するにしたがって、層電荷が上昇するという事実も実証された。変質が進行するにつれて生成したバイデライト様の層は、優先的に消滅し、その後に規則型のI/Sの出現が確認された。以上の事実から、I/Sの反応に対しては、バイデライト様の層の出現とその電荷の上昇が影響を与えることがわかった。
永野 哲志; 中嶋 悟*; 中山 真一; 妹尾 宗明
Clays and Clay Minerals, 42(2), p.226 - 234, 1994/00
被引用回数:34 パーセンタイル:75.75(Chemistry, Physical)地下水から放射性核種を共沈・固定する場として、鉄の沈澱・結晶化に関する速度論的研究を沈澱物の色の変化に着眼して行った。褐色の非晶質鉄水酸化物は熟成条件により黄色の針鉄鉱、赤色の赤鉄鉱及びこれらの混合相に結晶化する。肉眼で観察される変色の様子を色彩色差計で測定した値を基にa-b
座標系で表記すると、針鉄鉱と赤鉄鉱では異なるパターンを示し、a
-b
座標上で結晶生成物が識別できることがわかった。針鉄鉱ではb
値(黄色度を表す)と結晶化度がよい相関を持つことからb
値を基に針鉄鉱の結晶化曲線を作成した。結晶化曲線からこの反応が一次反応であることを推定し反応速度定数を求めた。この定数は熟成温度が高いほど、またpHが高いほど大きな値を示した。反応速度のpH依存性及び温度依存性は針鉄鉱の結晶化に関する従来からのモデル(非晶質鉄水酸化物の溶解、溶解した成分の再沈澱)を支持するものである。
永野 哲志; 中嶋 悟*; 中山 真一; 長田 和男*; 妹尾 宗明
Clays and Clay Minerals, 40(5), p.600 - 607, 1992/00
被引用回数:32 パーセンタイル:74.78(Chemistry, Physical)高レベル廃棄物処分場周辺及び核種の移行経路となる岩石亀裂中には、人工バリア材や含鉄鉱物から溶出した鉄が酸化物・水酸化物として多量に存在する。放射性核種はこれらの鉄化合物に固定されることが期待されるが、その固定能は鉄化合物の種類だけでなく結晶性にも大きく左右される。従って、結晶性を含めた鉄化合物の存在形態を把握することは重要な課題である。本研究はこれらの目的のために固定能の大きいと考えられるゲーサイト(FeOOH)について、結晶化に伴う色の変化を測色法、可視及び赤外分光法等の手法により定量的に調べたものである。