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小嶋 拓治
no journal, ,
電子ビーム照射により空気中に生成させたラジカルなどの活性種が、共存する微量の環境汚染物質と引き起こす化学反応を利用した環境浄化技術について概説する。放射線を利用する利点,反応機構,使用する電子加速器などに関する概説に続き、主として、酸性雨対策としての火力発電所排煙中の硫黄酸化物・窒素酸化物の除去,光化学スモッグ・地球温暖化対策としての有機溶剤等揮発性有機化合物の分解・除去、健康障害を引き起こすゴミ焼却排煙中のダイオキシン類の分解・無害化などにかかわる研究・技術開発成果について紹介する。また、放射線グラフト重合により製造した有害重金属捕集材料など環境浄化を目的とした材料開発成果についても紹介する。
Sghaier, H.*; 大庭 寛史*; 佐藤 勝也*; 鳴海 一成
no journal, ,
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの染色体と巨大プラスミドが、放射線などによって生じるDNA損傷に対する耐性を付与していることが示されている。しかしながら、微生物の環境耐性形質は、小型のプラスミドによっても規定される場合が多く、デイノコッカス属細菌が、染色体と巨大プラスミド以外に小型のプラスミドを細胞内に保有している理由に興味が持たれる。今回、デイノコッカス属細菌の小型プラスミド、デイノコッカス・グランディス由来pGRA1,デイノコッカス・ラジオプクナンス由来pUE30,デイノコッカス・ジオサーマリス由来pGEC1のDNA塩基配列を決定し、また、既にDNA塩基配列が決定されているデイノコッカス・ラジオデュランスBAA-816株由来のpCP1及びデイノコッカス・ラジオデュランスSark株由来のpUE10の塩基配列をも加えて、これらのプラスミドに存在する遺伝子群の機能を類推した。さらに、上記の解析をもとに、放射線抵抗性細菌の遺伝子操作を容易にするため、ベクター化に最適なプラスミドを提案する。
小嶋 拓治
no journal, ,
食品照射では、照射製品の健全性,安全性,信頼性,経済性あるいは評価の観点から正確な吸収線量評価が重要である。照射製品の品質保証は、国際的に線量測定結果に基づいて行われており、国内あるいは国間の線量値の整合性の確保のため、放射線加工工程における線量測定技術に関する国際規格などの整備、またトレーサビリティあるいは国際的な標準化が進められている。こうした線量測定にかかわる現状を食品照射に関連して述べる。
小嶋 拓治; 田口 光正; 春山 保幸; 羽田 徳之; 須永 博美*; 宮原 誠*
no journal, ,
ばれいしょの照射を対象例として、その照射線量範囲60-150Gyが測定可能で、かつ市販されており取り扱いが簡便な固体状線量計であるアラニン線量計の応用を検討した。線量応答性,精度及び照射温度依存性などに関する実験結果の比較から、フリッケ線量計と同等の基本的線量計特性を持ち、じゃがいもなどの食品照射の工程管理にもその応用が可能と結論された。
小嶋 拓治
no journal, ,
放射線照射により空気や水中に生成するラジカルなどの活性種と共存する極微量環境汚染物との化学反応を利用して汚染物質を分解あるいは除去することができる。このような放射線による環境保全・浄化技術の開発・実用化の国内外の動向について、国際原子力機関の研究協力計画などの活動状況を含めて述べる。
小嶋 拓治
no journal, ,
排煙や排水に放射線を照射すると、その主成分である空気や水中に水酸化ラジカルなどの反応性に富んだ活性種が生成する。これらが、排煙や排水中に極微量含まれる環境汚染物と効率よく化学反応を起こすことを利用して、その結果汚染物を分解あるいは除去することができる。このような放射線化学反応を利用した環境保全技術に関する研究開発成果及びその技術の実用化について概説する。
中川 洋; 城地 保昌*; 片岡 幹雄*; 郷 信広
no journal, ,
タンパク質の構造が揺らぐとき、その動きに伴いタンパク質の体積は変化する。このようなタンパク質の体積揺らぎと、タンパク質内部に存在するキャビティと呼ばれる空間的な空隙の存在との関係が議論されている。キャビティの体積は外部の圧力に敏感に反応し、例えばタンパク質を加圧するとキャビティの体積は減少し、タンパク質の体積揺らぎが小さくなる。タンパク質の動力学転移は構造の非調和的な運動により生じ、このような運動がタンパク質の機能にかかわっていると考えられている。運動の非調和性は、タンパク質全体にわたる低振動運動の特徴であり、タンパク質の体積揺らぎに関与していると考えられる。したがって、タンパク質のキャビティの存在はタンパク質の動力学転移が生じるメカ二ズムに関係していると考えられる。本研究では、Staphylococcal nucleaseを用いて2000気圧の高圧下での分子動力学計算を行った。タンパク質のキャビティと低振動運動及び動力学転移の圧力効果を調べ、それらの関連性からタンパク質の動力学転移が生じるメカ二ズムを明らかにすることを目的とした。分子動力学計算の結果、高圧下では常圧下に比べキャビティの体積や平均自乗揺らぎが減少することがわかった。また主成分解析からは、常圧下では低振動の運動は幾つかのエネルギー極小間をジャンプするような運動が見られるが、高圧下では比較的少数のエネルギー極小にトラップされる傾向にあった。このことは高圧条件下ではタンパク質の非調和的な運動が抑制されることを示唆する。
中川 洋; 柴田 薫; 城地 保昌*; 徳久 淳師*; 片岡 幹雄*; 郷 信広
no journal, ,
タンパク質のダイナミクスは機能に重要である。タンパク質のダイナミクスの性質を理解するために、日本のつくばのKENSに設置されてあるLAM-40分光器を用いて非干渉性中性子非弾性散乱によりスタフィロコッカルヌクレアーゼのダイナミクスの水和と温度の影響を調べた。乾燥状態と重水水和及び軽水水和のタンパク質の非弾性散乱をさまざまな温度で測定した。乾燥状態の低温での非弾性散乱スペクトルには3meV付近にピークが観測された。このピークは水和することで高振動側へのシフトが観測された。このことは振動周波数分布が水和で変化することを示している。高温でのデバイワーラーファクターの異常な現象は、動力学転移と言われる平均自乗変位の増加を意味する。これは準弾性散乱の現象が現れることを示す。動力学転移温度よりも高温での運動の性質は準弾性散乱の解析により特徴付けられる。動力学転移は水和したタンパク質で顕著になる。このことは水和水がタンパク質のダイナミクスに強く影響していることを示している。水和水からの散乱プロファイルは軽水水和から重水水和のタンパク質の散乱を引くことによって得られる。水和水とタンパク質のダイナミクスの関係を議論する。
坂本 宜照; 井手 俊介; 吉田 麻衣子; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 鎌田 裕
no journal, ,
トロイダル回転やその勾配は、プラズマの輸送や安定性に大きな影響を与える要素の一つである。現在のトカマク装置では中性粒子ビーム入射により大きなトロイダル回転速度を発生/制御することができるが、核融合炉では、運動量入力が小さいためそれらは困難である。そこでJT-60Uでは電子サイクロトロン(EC)波入射によるトロイダル回転速度分布の応答を調べた。中性粒子ビームパワー入力の小さなLモードプラズマの中心付近にEC波入射を行ったところ、トロイダル回転がプラズマ電流方向に変化した。変化した領域は電子温度の上昇が観測された領域に対応している。さらに低域混成波とEC波を同時に入射しつつ入射パワーを変化させたデータから、電子圧力の増大に伴いトロイダル回転速度の変化量が増大することを明らかにした。またEC波をプラズマ周辺部に入射した場合に、トロイダル回転の変化が周辺から中心へ伝搬することを観測した。その伝播速度は電子温度の伝播速度より3-5倍遅い。さらにトロイダル回転速度の変化量が中心に伝搬するに従い増大することが明らかになり、内向きの運動量ピンチがあることを示唆している。
及川 聡洋; 嶋田 道也; Polevoi, A. R.*
no journal, ,
ITERの定常運転シナリオではプラズマ電流9MAを中性粒子ビーム(NB),高周波,自発電流といった非誘導電流の組合せでまかなう必要がある。ITER運転開始時における加熱電流駆動装置はNB,イオンサイクロトロン波,電子サイクロトロン波であるが、予定されている入射パワー増力時には、プラズマ周辺部で高い電流駆動効率を得られる低域混成波(LH)入射装置も候補となっている。従来の検討例では、NB入射機器(1MeV, 16.5MW)を2基,33.7MWのLH波入射(5GHz)を用いて、Q=5と完全電流駆動(NBCD2.67MA, LHCD2.37MA, 自発電流3.96MA)を満たすシナリオが得られているが、この計算ではLH駆動電流分布は人為的に与えられていた。そこで、今回、ACCOMEコード(LH光線追跡+1次元フォッカープランク方程式)を用い、現状のLHランチャー設計に基づいてITER定常運転シナリオにおけるLH電流駆動を評価した。従来の検討例のプラズマの温度密度分布に基づきLH駆動電流分布を計算し、LH駆動電流は規格化小半径0.6にピークを持つ分布となること、LHの最大入射パワー40MWによる駆動電流は1.1MAであること,捕捉粒子効果が重要であることを明らかにした。また、LHランチャーパラメータを調整しLH波発射スペクトルを変えることにより約二倍のLH駆動電流が得られる可能性を示した。
Tian, R.; 宮崎 明美; 松原 仁; 中島 憲宏; 谷 正之
no journal, ,
原子力プラントは、圧力容器,中間熱交換器など多数の複雑な部品からなる大規模組立構造物であり、それぞれが互いに連成することによって外力に抵抗する。したがって、原子力プラントの各部品が他の部品、あるいは全体に及ぼす影響を明らかにすることは、構造工学上極めて重要な課題である。従来、このような問題を取り扱う場合、原子力プラントは、一体構造物と仮定され、各部品間に生じる相互作用力を加味した全体挙動の評価は不可能であった。本研究では、原子炉と一次冷却系に対して、ITBLグリッド環境の利用による部品間接続を加味した三次元有限要素法の構築を試みた。本発表では、ITBLグリッド環境における原子力プラント全体解析実現のためのシステム構成概念、及び、部品間接続の取り扱いについて述べる。
宮崎 明美; Tian, R.; 松原 仁; 中島 憲宏; 谷 正之
no journal, ,
原子力プラントは、圧力容器,中間熱交換器など多数の複雑な部品からなる大規模組立構造物であり、それぞれが互いに連成することによって外力に抵抗する。したがって、原子力プラントの各部品が他の部品、あるいは全体に及ぼす影響を明らかにすることは、構造工学上極めて重要な課題である。従来、このような問題を取り扱う場合、原子力プラントは、一体構造物と仮定され、各部品間に生じる相互作用力を加味した全体挙動の評価は不可能であった。本研究では、ITBLグリッド環境の利用による部品間接続を加味した三次元有限要素法の構築を試みた。本発表では、静的外力作用時における原子炉と一次冷却系全体構造の応力・ひずみ状態をシミユレーションした結果を示し、原子力プラント全体解析の実現可能性について述べる。
栗原 研一; 川俣 陽一; 末岡 通治; 細山 博己; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 井手 俊介; 鎌田 裕
no journal, ,
トカマク型核融合装置において、トロイダル電流場を表す特殊関数の級数形式で電流分布厳密解を構成した後、内部の力学的平衡条件及び外部電磁気計測条件から高速に電流分布を再構築する新しい方法「境界付き固有関数展開法」の研究開発報告である。昨年は、平衡条件を組込むことで、MSE信号を使わずに外部の磁場計測だけでピークから凹状まで通常想定されるあらゆる電流分布を精度よく再構築できることを示した。これを踏まえて今学会では、信号ノイズの電流分布再構築誤差への影響,負敷シア放電や電流ホールなどの特殊な分布を持つ実験の生データを用いた再構築結果、非線形最適化問題における反復解法の高速化などについて報告する。
羽島 良一; 高橋 俊晴*; 永井 良治; 沢村 勝; 菊澤 信宏; 西森 信行; 飯島 北斗; 西谷 智博; 奥田 修一*; 峰原 英介
no journal, ,
原子力機構エネルギー回収型リニアック(JAEA-ERL)におけるコヒーレント放射光発生実験の報告を行う。ERL周回軌道中の偏向磁石からのシンクロトロン放射光を分光測定した結果、コヒーレント成分を確認した。放射光のコヒーレント成分はミリ波領域にあり、電子バンチ長を5-10psのガウシアン分布と仮定した計算結果とよく一致した。
大島 貴幸; 清野 公広; 坂田 信也; 佐藤 稔; 小関 隆久
no journal, ,
既存の大容量の計測データ収集システムTMDS/FDSはSBus搭載のワークステーションとVMEバス規格のモジュールで構築されているが、規格が古くなり多チャネル化,高速処理化が困難になっており、次期システムへの更新が不可欠な状況になっている。そこで、PXI規格(CompactPCI規格及びPCI規格準拠)に基づいた次期の大容量データ収集システムのプロトタイプ(P-MDAS)を開発した。ダミーデータを用いた実行性能の検証を行い、より高速サンプリング(1MS/s,1
sサンプリング)で長時間データ収集(65秒)が得られた。P-MDASは、プラズマ放電時間の伸張化及びデータ量の増加に対応し、多チャネルで65秒放電全時間にわたる高速,高精度サンプリング処理等の実現が期待される。
北村 智; 鹿園 直哉; 田中 淳
no journal, ,
イオンビームを用いた植物機能解析の一環として、植物色素フラボノイドの細胞内輸送・蓄積に必須の遺伝子TT19を、モデル植物シロイヌナズナから単離することに成功した。TT19遺伝子産物の機能を知るために行った生理学的,遺伝学的,細胞生物学的解析結果を報告し、今まで未解明であったフラボノイド細胞内輸送・蓄積機構について考察する。
井田 真人
no journal, ,
キャビテーション問題等で現れる、体積振動し相互作用する複数気泡系に関して、その振動位相と共振周波数について議論し、気泡の持つ隠れた複雑性を明らかにする。シンプルな理論モデルを用い、気泡間距離の関数として示された共振周波数が特異な振る舞い「擬交差」(avoided crossing)を示す場合があることを示す。さらに、擬交差が起こるパラメータ領域において、気泡間である種の状態交換が行われることを示す。この状態交換が起こる点は、われわれが既報で提案した概念「遷移周波数」を観察することで明確に決定することができる。
Avramov, P.
no journal, ,
炭素とシリコンからなる多岐の新奇ナノ構造の分子構造と電子構造を半経験法,非経験的密度汎関数法,ポストハートリーフォック法を用いて研究した。内部に空洞を持つ炭素ナノ構造の化学的反応性を予測するのに有効なモデルを詳細に調べ、実験データと比較した。キラル及び非キラルな本来の単層炭素ナノチューブ,単層炭化シリコンナノチューブについて、ガウス型の基底系を用いて周期的境界条件の下での密度汎関数法による計算を行うために、新奇な密度汎関数ポテンシャルを使った。特定のスラブモデルを詳細に調べ、部分的にシリコンに置換した単層炭素ナノチューブの電子構造を予測するとともに、幾つかの重要なトンネル分光の実験結果を説明した。ナノチューブのバンドギャップ制御に関する予測をした。さらに、非経験的分子動力学的シミュレーションにより、低エネルギーのプロトンとC
及びC
F
との相互作用を研究し、また、フッ素化したフラーレンの技術的応用について予測した。
小瀧 秀行; 益田 伸一*; 神門 正城; 近藤 修司; 金沢 修平; 本間 隆之; 中島 一久
no journal, ,
レーザープラズマ相互作用による準単色エネルギー電子ビーム発生が世界中で研究されており、最近、幾つかの実験データが出始めているが、発生機構についてはわかっておらず、安定な電子ビーム発生はできていない。われわれは、シングルレーザーパルスにおける単色エネルギー電子ビーム発生についての、理論的研究及び粒子シミュレーションによる研究,実験研究を行い、それぞれが非常によく一致した。単色エネルギーの電子ビームを発生させるには、プラズマ中の電子のトラップと加速の機構を分離する必要がある。レーザートリガーによる電子トラップは、オプティカルインジェクションとして知られている。しかし、現在、提唱されている方法は、実験が難しく成功していない。高強度レーザーからの高強度電子ビーム発生の可能性について研究した。高強度レーザーパルスとプラズマとの相互作用により、プラズマ中の電子を電子ビームとして取り出すことが可能である。このとき、レーザーを2パルスを衝突させることで、高品質の電子ビーム生成が可能となる。理論解析を行い、さらに1D PICシミュレーションにより、これについての高エネルギー電子発生のシミュレーションを行った結果、高品質の電子ビーム発生を確認した。この理論解析とシミュレーション結果は非常によく一致した。これにより、高エネルギー高品質電子ビーム発生の可能性を示唆することができた。
遺伝子の放射線応答プロモーターの解析大庭 寛史*; 佐藤 勝也*; 柳沢 忠*; 鳴海 一成
no journal, ,
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの優れたDNA二本鎖切断修復には、DNA損傷が生じた後に合成されるタンパク質が必要である。これまでに、デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線抵抗性に中心的役割を担う新規放射線誘導性タンパク質PprAを同定した。しかしながら、放射線応答の分子機構を明らかにすることが重要であるにもかかわらず、放射線誘導性タンパク質の放射線応答プロモーターについてほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、
遺伝子プロモーターの放射線応答機構について解析を行った。放射線応答に関与するプロモーター領域を同定するため、ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイにより、放射線照射による
遺伝子プロモーター活性変動を解析した。遠位のプロモーターは-208から-156領域に、近位のプロモーターは-57から-22領域に存在すること、そして、-57から-38領域が最小必要プロモーター領域であることを明らかにした。さらに、部位特異的変異導入法による解析から、-33位のチミンが放射線応答プロモーターの主要な塩基であることを明らかにした。また、
遺伝子産物は放射線応答において上位制御因子と考えられているが、
遺伝子破壊株における
遺伝子プロモーター活性を解析したところ、
遺伝子発現は
遺伝子産物によりプロモーターレベルで制御されていることが明らかになった。