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Smith, M. S.*; Lingerfelt, E. J.*; Buckner, K.*; Nesaraja, C. D.*; 小浦 寛之; Kondev, F.*
no journal, ,
原子核質量データを効率的に利用するためのインターネットツール"nuclearmasses.org"を開発した。このWebツールはPC, Macといったプラットホームに依存しないクライアント/サーバアプリケーションで、原子核質量の多量の測定値,原子核質量の理論モデル、及び原子核の評価済み質量データを自由に利用することが可能である。このツールの用途としては以下のものが挙げられる。(1)基礎・応用科学における原子核質量の広範囲の利用、(2)大規模測定能力、施設、及び新しい結果における物凄い成長、及び、(3)原子核の質量情報を広める既存のシステムの不適当のために。本システムを用いることで、研究者自身による大規模データセットのアップロード、格納、共有、カスタマイズし、これらを平易に可視化することが可能である。
小浦 寛之
no journal, ,
原子質量に関する研究会「Mass Olympics」において、現象論的原子質量公式の概説を行う。まず、球形液滴模型であるワイツゼッカー・ベーテ原子質量公式を手がかりに、球形液滴模型では説明しきれない、球形魔法数,球形-変形状態変化,中性子過剰核における魔法数の変化,ウィグナーエネルギー,クーロン交換エネルギー,変形魔法数などといった原子核質量値の系統的な性質について述べる。そして原子核質量の現象論的研究において重要と思われる点について幾つか挙げていく。さらに、発表者が中心に開発しているKTUY(小浦-橘-宇野-山田)原子質量公式について紹介し、上記について、おおむねよく再現する利点と、一方変形魔法数の出現が十分でないという問題点などを示し、現象論的質量公式の可能性について、他の質量公式と比較しつつ議論を行う。
三輪 幸夫
no journal, ,
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)機構解明に資するために、粒界型応力腐食割れ(IGSCC)挙動に及ぼす環境と応力条件の影響を熱鋭敏化材料と比較した。IASCC感受性挙動を調べるために、約200
Cで約1dpaまで中性子照射したSUS316LN-IG鋼の微小試験片を用い、240
330
Cの溶存酸素を含む高温水中で、ひずみ速度を2.0
10-7s-1
1.0
10-5s-1とした低歪速度試験(SSRT)を実施した。その結果、300及び330
Cの高温水中ではIASCCが発生し、温度が高いほどIASCC感受性が高くなり、より速い歪速度の試験においてもIASCCが発生することを明らかにした。一方、240
Cの高温水中では、高温水の試験結果からIASCC発生が予想された十分に遅いひずみ速度の試験においても、IASCCが発生しなかった。後者の試験条件では、熱鋭敏化材料ではIGSCCを発生することが知られていることから、照射材料と熱鋭敏化材料で環境の影響が異なることを見いだした。照射材の降伏挙動には240
330
Cの試験温度において顕著な違いは観察されず、各温度での塑性変形挙動は真応力-真ひずみ関係で考察すると、照射材料と非照射材料に大きな違いは見られなかった。したがって、IASCC感受性に及ぼすひずみ速度の影響は小さいことが考えられた。照射材では環境の影響が熱鋭敏化材料と異なる理由について、照射誘起偏析による化学組成変化の違いの点から考察した。
thin films吉田 明*; 夏目 聡*; Lee, H.-S.*; 岡田 浩*; 若原 昭浩*; 大島 武; 伊藤 久義
no journal, ,
次世代の宇宙用高効率薄膜太陽電池への応用が期待されるCuInSe
(CIS)半導体へ電子線を照射し電気特性の変化を調べた。RFスパッタ法で作製した多結晶n型CISをCu
Se
とともに550
Cで熱処理することでp型CISを作製し、室温で2MeV電子線を1
10
2
10
/cm
の範囲で照射した。照射した試料の電気抵抗を室温で測定したところ、電子線照射量が1
10
/cm
まではほとんど変化はないが、それ以上の電子線照射量では急激に抵抗値が増加し、2
10
/cm
照射後には未照射試料の1000倍にも達することが判明した。さらに、電流-電圧特性の温度依存性を結晶粒界モデルを用いて解析した結果、電子線照射量の増加とともにCIS結晶粒界の障壁高さエネルギーが増加することが明らかとなった。これより、本研究で得られた電子線照射よる電気抵抗の増大は、結晶粒界に多量に生成されたキャリア捕獲中心に起因すると考えられる。
奥野 清
no journal, ,
原子力機構が実施しているITER建設準備のための技術活動の成果について発表する。ITER超伝導コイル・システムは、TFコイル18個, CS1組, PFコイル6個, フィーダ等で構成され、総重量は約10,000tに及ぶ。本システムをITER参加極である日本, EU, 米国, ロシア, 韓国, 中国の6極で分担して調達する。このためのコイル製作技術の確立が各極で産業界と協力して進められている。このうち、日本はトロイダル磁場(TF)コイルの相当部分の調達を分担することが想定され、そのための技術開発を実施している。本開発では、高さ14m,幅9m,コイル1個の重量310tという大きなTFコイルを、所定の精度で製作するための高精度巻線の検討,コイル構造部材の量産技術の実証、及び機械加工・溶接の併用による大型構造材の製作技術の確立などを実施している。これらの検討では、実規模での要素試作による製作プロセスや品質保証技術の確立,量産技術の実証などとともに、日本の産業界を有機的にまとめる製作体制の検討も図っている。
鈴木 優; 櫻井 真治; 芝間 祐介; 松川 誠; 玉井 広史; 小田 泰嗣*; 清水 克佑*
no journal, ,
NCTでは高ベータプラズマのMHD安定性及び垂直位置安定性向上のため、真空容器内のプラズマ直近に安定化板を設置する。そのため、安定化板にはディスラプション等の電磁力に対する十分な強度とプラズマ入熱に対する除熱性能を有した設計が要求される。同時に、運転中やベーキング時の熱伸びを吸収し、容器内コイルや冷却配管等との空間取り合いを考慮した配置設計が必要となる。これらの設計条件を考慮して、安定化板の構造検討を行った。安定化板は、構造強度と一周抵抗確保の両面から、内外壁の板厚を10mmとした二重壁構造を採用した。安定化板の支持構造には、運転中のプラズマ対向面を300
C程度に保持する高温運転条件下での熱変位吸収に有利なクランク支持方式を採用した。クランク支持部の形状・寸法は、プラズマ電流5MAにおける移動ディスラプションと想定されるハロー電流電磁力を考慮して決定した。これによって、真空容器からトラス等の支持脚を設ける従来の支持方式に比べ、空間取り合い及び組立性の観点からも有利な構造となった。さらに、窒素ガスを二重壁間の伝熱媒体とする高温壁運転の採用により、従来の水冷却,窒素ガスベーキング方式に対し、加熱・冷却システムの簡素化が図れた。これらの検討の結果、NCTの運転条件を満足するプラズマ安定化板の構造を設計することができた。
pダイオード中の酸素及びシリコンイオンビーム誘起電流大島 武; 佐藤 隆博; 及川 将一; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 伊藤 久義
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた耐放射線性粒子検出器開発研究の一環として、酸素及びシリコンイオン入射によりSiC n
pダイオード中に誘起される電荷をイオン誘起過渡電流(TIBIC)により調べた。SiC n
pダイオードはp型のSiCエピタキシャル膜状にリンの高温(800
C)注入及び1650
C熱処理によりn
領域を形成することで作製した。作製したn
pダイオードに6MeV
18MeVのシリコン又は6MeV
15MeVの酸素イオンマイクロビームを照射しTIBIC測定を行った。その結果、印加逆方向電圧の増加とともに電界強度が強くなり、空乏層長も伸張することに対応してTIBICシグナルが大きくなり、下降時間が短くなることが観測された。さらにTIBICシグナルを時間積分することで収集電荷量を見積もったところ、イオンの飛程が空乏層長よりも短くなる範囲では収集効率が100%となり、SiCが粒子検出器として応用可能であることが見いだされた。
五十嵐 誉廣; 尾形 修司*
no journal, ,
材料特性の解明や新材料の開発において、計算機シミュレーションは重要な位置を占めている。特に近年は材料のナノ分析技術が進み、原子レベルから見た材料特性のモデリングが重要となっている。しかし、実材料の大きさの系を原子レベルで解析することは、近年の計算機性能をもってしても難しい。この問題の解決策の一つが、粗視化粒子/分子動力学ハイブリッド法である。粗視化粒子法は個々の粒子情報を代表点に繰り込むことで、精度の良い粗視化を行うことができる方法である。本講演では粗視化粒子法の紹介,応用性を重視した修正粗視化粒子法について議論を行う。さらに粗視化粒子法と分子動力学法とのハイブリッド化について、その方法や精度について議論する。さらに粗視化粒子/分子動力学ハイブリッド法を用いた応用例を紹介し、大規模シミュレーションにおける本手法の有用性について議論する。
出崎 亮; 後閑 麻代*; 森下 憲雄; 伊藤 久義; 中本 建志*; 荻津 透*; 大畠 洋克*; 木村 誠宏*; 槙田 康博*; 山本 明*
no journal, ,
J-PARCニュートリノビームラインに設置される超伝導磁石システムにおいて電気絶縁材や構造材として使用される高分子材料について、77Kでの
線照射によるガス発生挙動を調べた。その結果、発生するガスのほとんどは水素であること、発生する水素は超臨界ヘリウム精製機の運転にほとんど影響を及ぼさないこと、照射後室温での保持時間の増加とともにガス発生量が増加することが明らかになった。
出崎 亮; 中本 建志*; 荻津 透*; 大畠 洋克*; 木村 誠宏*; 槙田 康博*; 山本 明*; 後閑 麻代*; 森下 憲雄; 伊藤 久義
no journal, ,
J-PARCニュートリノ実験・50GeV-750kW陽子ビームライン用超伝導磁石に使用される高分子材料について、常温及び77Kにおいて
線照射を行い、機械特性の変化を測定した。その結果、高分子材料は十分な耐放射線性を有しており、10年間の運転に相当する吸収線量においても、機械特性の劣化は無視できる程度であることがわかった。
末岡 通治; 川俣 陽一; 栗原 研一
no journal, ,
JT-60では、実験放電中の情報の一つとして、プラズマ断面形状の実時間再構築による動画CGとプラズマ可視テレビ映像を大型ディスプレイで放映している。今回、それら二画面を合成し、さらに磁場揺動信号を音声として加えた一画面情報を記録・保存・配信する「JT-60プラズマ映像データベースシステム」を開発した。本システムは、走査線数縮小処理(ダウンコンバート)
映像音声合成
MPEG2画像圧縮(7MB/60秒放電)
データベース化
WEB登録
要求に応じて配信、の流れを自動的に実行するシステムである。本ポスター講演では、本システムの設計・制作にかかわる詳細とシステムの稼動結果について報告する。
Pensl, G.*; Frank, T.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体の浅い準位及び深い準位を持つ欠陥についてレビューをする。SiC中の炭素サイトに存在する窒素(N)は、浅い準位であるドナー不純物として働くことが知られているが、シリコン(Si)や炭素(C),ネオン(Ne)との共注入を行うと、すべての場合でNの電気的活性化率が減少することが見いだされた。このことはボロンとC共注入で報告されているサイトコンペティションモデルとは相反する結果である。今回の結果を解釈するために、200keV電子線をN注入したSiCへ照射した。200keV電子線がSiC中のCのみをはじき出すことを考慮して解析を行った結果、NとCサイトの空孔の複合欠陥(N
-V
)が生成され、Nドナーの電気的活性化率低減を引き起こしている可能性が示唆された。また、硫黄(S)イオン注入したSiCの深部準位測定(DLTS)測定を行うことで、Sが深い二つの準位を持つドナー不純物として振る舞うことが明らかとなった。
Co
の硬X線MCDの磁場依存性安居院 あかね; 水牧 仁一朗*; 朝日 透*; 籠宮 功*; 松本 幸治*; 佐山 淳一*; 森河 剛*; 逢坂 哲彌*
no journal, ,
希土類遷移金属(RE-TM)アモルファス合金薄膜の強い垂直磁気異方性を垂直磁気記録媒体へ応用し超高密度磁気記録を達成する試行がなされている。本研究では、希土類金属がDy、遷移金属がCoのアモルファス薄膜についてDyの5d電子及びCo 4p電子に着目して元素別ヒステリシス測定を行った。試料として組成比の異なるDy
Co
アモルファス薄膜をCr(20nm)を下地層としSi基板上にマグネトロンスパッタリング法で成膜した。試料最表面は酸化防止のためSiN(5nm)を成膜した。Dy L2,3及びCo K吸収端MCD測定は蛍光収量法で大型放射光施設SPring-8 BL39XUで行った。磁気円二色性は移相子で左右円偏光切り替えて室温で測定した。MCDの測定からTb 5d, Co 4pのモーメンに関する元素別ヒステリシスループは磁場の変化に対して急峻に反転していることがわかった。これに対して全磁化VSMの反転が磁場変化に対してゆっくり起こっていることがわかった。一般に、おもに磁性を担うDy4f及びCo3d電子は局在した電子であり互いに直接には関与しあわないが、遍歴的なバンド電子であるDy 5d及びCo 4p電子を媒体として結びついていると考えられる。これらTb 5d, Co 4p電子がどのような機構で磁気的性質と結びついているか考察する。
Peterson, B. J.*; Alekseyev, A. G.*; 木島 滋; 芦川 直子*; Parchamy, H.*; 笹尾 真実子*; 三浦 幸俊
no journal, ,
プラズマの放射する広い波長範囲の電磁波や高エネルギー粒子のエネルギーを薄膜で吸収することがイメージング・ボロメータの基本原理である。エネルギー吸収の結果発生した薄膜の温度変化を真空容器の外に設けた赤外線カメラによって測定する。核融合炉に必要な放射損失や損失
粒子計測への適用を目指してイメージング・ボロメータの開発を行っている。放射損失計測の場合、ピンホールカメラの背後に置いた薄膜には放射損失分布の二次元画像が映し出される。損失
粒子の計測の場合には、薄膜の一方向で多重膜の厚さを変化させてエネルギーの弁別を行い、残る一方向でピッチ角の分解を行う。大型ヘリカル装置及びJT-60Uトカマクにおけるイメージング・ボロメータ計測,較正実験,イオンビーム装置を用いた損失
粒子計測検出部の予備実験、及びITER用イメージング・ボロメータと損失
粒子計測の設計などを中心に報告する。
飛田 健次
no journal, ,
球状トカマク炉は、ARIES-STの設計例に見られるように20mに及ぶその高さが特徴的であり、現在のコンパクトな球状トカマク実験装置と比べて巨大である。従来のトカマク炉設計と同等の除熱技術に依存する限り、球状トカマク炉が巨大になることは自明であり、コンパクトな炉を目指すのであれば超高熱負荷をハンドルするブランケット技術の開発が不可欠になる。球状トカマクのような低アスペクト比領域には、高楕円度での安定性,高ベータ限界といった炉心プラズマに関連したメリットに加えて、磁気エネルギーの大幅低下によるトロイダル磁場コイルの軽量化,高稼働率を実現しうるセクター一括引き抜き保守方式との整合など炉設計上の大きなメリットがある。将来のトカマク炉は必然的に高ベータ化による経済性向上を目指すと考えてよく、球状トカマク研究は、当面、従来のトカマク研究ではカバーできない高ベータ領域の知見先取りの役割を果たしうる。特に、新古典テアリングモード及び抵抗性壁モードの抑制による定常高ベータ領域へのアクセスの研究は将来のトカマク炉の開発路線(低アスペクト比化)を判断するうえで不可欠である。高ベータプラズマに対する不安要因の一つは、高エネルギー粒子起因のMHDモード(高エネルギー粒子モード)の出現である。高エネルギー粒子モードはMAST, NSTXでしばしば観測されており、このような高エネルギー粒子研究は、高ベータトカマク炉におけるアルファ粒子挙動を予見する役割を担いうる。
W/
Reジェネレーター橋本 和幸; 菱沼 行男*; 石川 幸治*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*; 内田 昇二*; 松岡 弘充
no journal, ,
レニウム-188は、高エネルギーの
線を放出する等がん治療用として優れた核特性を持ち、さらに、
W(半減期69.4日)の娘核種として生成し、入手が容易であるため、がん治療用RIとして注目されている。しかしながら、得られる
Wの比放射能が低いため、アルミナカラムを使用した従来のジェネレーターでは、カラム容積が大きくなり、溶出した
Reの放射能濃度が低くなる問題点がある。
Reの放射能濃度の向上を目指して、旧原研と化研が共同で開発したモリブデンの吸着容量がアルミナの100倍以上もあるジルコニウム系無機高分子PZCの
W/
Reジェネレーターへの応用可能かどうか、基礎的な検討を行った。
WのPZCカラムへの吸着収率,
Reのカラムからの長期溶離安定性,
WのPZCカラムからの脱離の確認、そして、PZCから溶離した
ReのHydroxyethylidene Diphosphonic Acid(HEDP)とMercaptoacetyltriglycine(MAG3)への標識を試みた結果、長期間における
WのPZCへの安定した吸着,
ReのPZCからの溶離安定性及び良好な標識率が確認でき実用化の可能性が示唆された。
山岸 信寛; 青柳 哲雄; 長谷川 幸弘; 中島 憲宏; 谷 正之
no journal, ,
システム計算科学センターでは、ITBLプロジェクトの目的の1つである仮想研究環境の実現のため、基盤ソフトウェアとしてITBLシステム基盤ソフトウェアを開発した。本ソフトウェアの通信機構である Starpc(Seamless Thinking Aid Remote Procedure Call)は、複数の組織に所属する研究者が、ファイアウォールを越えてプログラム, データ, 計算機等の資源や、研究成果を共有するために必要な通信機能を備えている。本発表では、パネルやリーフレットを用いた説明及びデモンストレーションにより、ITBLシステム基盤ソフトウェアにおける通信機構の構造,機能及び特徴を説明する。
高野 克敏; 堤 史明; 河野 勝己; 濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 奥野 清
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、ITER超伝導コイルで使用される構造材料のデータベース構築及び建設期における構造材料の品質管理を効率よく実施するため、三台の極低温試験装置を新たに設置した。一方、極低温試験装置の軸心の検査については、これまで、あまりデータが公表されておらず、測定上の問題点も不明である。そこで、JIS Z 2277, JIS Z 2283に従い、4枚のひずみゲージを添付した検定用試験片を製作し、室温,液体ヘリウム中におけるこれらの試験装置の軸心を検査した。偏心度の測定では、試験片チャック方式に依存した問題のあることが示され、独自のデータ処理の手法を見いだした。その結果、試験装置の軸心はJIS規格で規定されている偏心度を満たすことを確認した。
杉本 誠; 喜多村 和憲; 濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 奥野 清
no journal, ,
ITERトロイダル磁場(TF)コイルの主要構成機器であるコイル巻線及びコイル構造物の調達準備として、巻線製作のスキームを具体化する検討を行っている。コイル巻線は、巻線後熱処理した導体をラジアル・プレートに収納し、これを積層し含浸する。これらのプロセスに必要な加工装置を検討した。さらに本プロセスの後、コイル巻線とコイル容器を一体化する工程で必要な加工装置と巻線支持治具の詳細検討を行い、巻線・コイル容器の一体化手法を具体化した。これら一連の巻線調達スキームを検討した結果、製作スケジュールや工場内レイアウトを明確にし、コイル調達準備として実施すべき試作項目を明らかにした。本件では、これらの成果を発表する。
西田 明美
no journal, ,
ここ数年、原子力プラントにおいて予期しえなかった事象が相次いで起こり、その安全保守性に対して従来以上に高い信頼性が求められている。しかしながら、実際の原子力プラント等を用いた保全管理実験や経年運転検証実験には膨大な費用と年月が必要である。そこで、進展著しい計算科学の力を活用して安全かつ効率的に原子力プラントの保全性評価を行おうという試みがなされるようになってきている。センターでは、将来的な原子力耐震情報管制システム構築を見据え、原子力プラント3次元シミュレーションの研究開発に取り組んでいる。3次元仮想振動台と呼んでいる本技術は、原子力プラントの機器,建屋,地盤の連成を考慮した実環境下での原子力プラント全体規模の数値シミュレーションを最終目標とする。本発表では、東京工業大学で開催された「シェル・空間構造物の応答制御と減衰に関する研究」WSにおいて、3次元仮想振動台実現のための要素技術として研究開発された組立構造解析法の並列分散環境におけるシステム構築について述べ、約2億自由度を有する実プラント主要冷却設備への適用例を示し、中期計画の中で達成された成果の普及に貢献する。