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論文

材料の熱膨張差を利用した受動式クリープ疲労試験技術の確立に関する研究

若井 隆純; 安藤 勝訓; 岡島 智史; 豊田 晃大; 小沼 輝充*; 高橋 亮耶*; 浅山 泰

第29回動力・エネルギー技術シンポジウム予稿集(インターネット), 5 Pages, 2025/06

高速炉が設計で想定される期間を超えて供用される場合における構造健全性評価に利用可能な材料監視試験技術として、主として材料の熱膨張差を利用した受動式クリープ疲労試験技術を確立するための研究に取り組んでいる。これまでに、有限要素法による数値解析を援用して設計・製作した試験体を用いた実験を実施し、試験片を座屈させることなく長時間データを取得可能である見通しを得ている。本報では、これらの解析及び実験に加え、実炉への適用を見据えた試験体の改良について述べる。

論文

半減期が長い放射性核種のICP-MSによる定量

浅井 志保*; 堀田 拓摩

分析化学, 73(10-11), p.569 - 578, 2024/10

放射性廃棄物の処分における長期的な安全性を評価するためには、半減期の長い放射性核種(長寿命核種)の存在量を把握する必要がある。特に高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の安全性評価には、これまで、燃焼計算コードによって算出された長寿命核種生成量の推定値が用いられてきた。しかし、長寿命核種の多くは分析実績が少ないことから、推定値の信頼性が十分に検証されていない。本研究では、放射性廃棄物における長期的な処分安全性評価の信頼性向上への貢献を目指して、実際に商用原子炉で使用された核燃料ペレット中に存在する長寿命核種の存在量を定量し、燃焼計算コードの出力値である"ウラン単位質量あたりの生成量"を算出することで推定値を検証した。さらに、測定が難しいとされる長寿命核種の現実的な分析法を提案することも目的とした。本稿では、長寿命核種のうち誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定される$$^{93}$$Zr、$$^{107}$$Pd、および$$^{135}$$Csを対象とし、それらの測定前処理技術を含めた定量法の開発実証例を示す。

論文

Production rates of long-lived radionuclides $$^{10}$$Be and $$^{26}$$Al under direct muon-induced spallation in granite quartz and its implications for past high-energy cosmic ray fluxes

櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.

Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。$$^{10}$$Beや$$^{26}$$Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の$$^{10}$$Beと$$^{26}$$Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。

論文

Positron annihilation study of tungsten exposed to low-energy deuterium plasma

平出 哲也; 古田 光*; 鳥養 佑二*; 藤村 由希; 満汐 孝治*

JJAP Conference Proceedings (Internet), 9, p.011106_1 - 011106_7, 2023/00

低エネルギー重水素プラズマに暴露した多結晶タングステン(ITERグレード)試料を、$$^{22}$$Naを陽電子源として用い、陽電子消滅寿命測定を実施した。重水素プラズマのエネルギーは低いため、その効果は表面付近のみに現れると予測された。しかしながら、プラズマに暴露した試料の陽電子消滅平均寿命は暴露処理していない試料よりも長くなった。さらに、試料が2mm程度の厚みであるにもかかわらず、プラズマを暴露した面ではない反対側の面の測定を実施しても、表面とほぼ同じ結果が得られた。タングステン中に水素や重水素が存在することで欠陥が導入されるという報告は今までにないが、この結果は試料内部において重水素の影響で欠陥が導入された可能性を示している。

論文

Calculation of deuteron-induced reaction cross-sections for nuclear transmutation of long-lived fission products

中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*

NEA/NSC/R(2020)4 (Internet), p.345 - 349, 2022/10

原子炉から発生する長寿命核分裂生成物(LLFP)は安定ないし短寿命な核種へと変換することが強く望まれている。こうした中、近年、高エネルギー粒子による破砕反応によってLLFPを核変換処理することが検討されており、いくつかの実験研究からは重陽子による破砕反応断面積が陽子によるものよりも大きいことが明らかにされている。これらの結果は重陽子ビームによるLLFPの核変換処理が陽子ビームによるものよりも有効である可能性を示唆している。他方、我々はこれまでに重陽子入射反応用の計算コードシステムDEURACSを開発してきた。DEURACSは元々、重陽子加速器中性子源の設計に資するために開発されてきたが、本研究ではDEURACSをLLFPに対する破砕反応断面積の計算に適用する。実験値との比較を通じ、LLFPの核変換応用へのDEURACSの適用性を議論する。

論文

Positron annihilation lifetime spectroscopy investigation of thermal aging effect for the mechanical properties of hydrogen-absorbed tantalum

石島 暖大; 横山 賢一*; 上野 文義; 阿部 仁

Materials Transactions, 63(4), p.592 - 599, 2022/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:14.89(Materials Science, Multidisciplinary)

水素を吸収したタンタル(Ta)における空孔-水素クラスター生成の挙動と機械的特性に及ぼす熱時効の影響を、陽電子消滅寿命分光法(PALS)と引張試験によって調べた。PALSの結果から、200$$^{circ}$$C以上の時効では8$$sim$$15個の空孔を含む空孔クラスターが発生し、300$$^{circ}$$Cの時効では3時間および6時間充電した試料で空孔-水素クラスターが発生した。また、これらの熱時効条件ではTaの熱時効による延性低下が確認された。これらの結果から、熱時効においてTaに固溶しているHは空孔-水素クラスターを生成し、変形時の転位移動を抑制することで、延性低下を引き起こしていることが推察された。

論文

電気化学的手法を用いた高レベル放射性廃棄物からの長寿命核分裂生成物の分離回収技術

金村 祥平*; 高橋 優也*; 大森 孝*; 野平 俊之*; 坂村 義治*; 松村 達郎

電気化学, 88(3), p.289 - 290, 2020/09

原子力発電所で発生する使用済燃料を再処理すると、高レベル廃液,ガラス固化体等の高レベル放射性廃棄物が発生する。高レベル廃棄物には、白金族元素,レアアース等のレアメタルが含まれる。これらレアメタルの一部は、Pd-107, Cs-135, Se-79, Zr-93といった半減期が数十万年以上の長寿命核分裂生成物(LLFP)であるため、現在は化学的、物理的に地層処分環境では長期間安定なガラス固化体として処分することとなっている。しかし、高レベル廃棄物からのレアメタル回収や、核変換処理による安定核種または短寿命核種への変換が実現すれば、原子力発電の長年の課題であった高レベル廃棄物の大幅な低減と、廃棄物の再資源化が実現できる。ImPACTプログラムにおいて、少量の試薬添加で元素の分離操作が実現でき、二次廃棄物量を低減可能な電気化学プロセスに着目し、電気化学的手法を用いた高レベル廃棄物からのLLFP分離回収プロセスを開発した。この成果が認められ、電気化学会技術賞(棚橋賞)を受賞した。電気化学会の依頼により、学会誌への解説記事を掲載する。本稿では、開発した手法について簡潔に解説した。

論文

Visualizing cation vacancies in Ce:Gd$$_{3}$$Al$$_{2}$$Ga$$_{3}$$O$$_{12}$$ scintillators by gamma-ray-induced positron annihilation lifetime spectroscopy

藤森 公佑*; 北浦 守*; 平 義隆*; 藤本 將輝*; Zen, H.*; 渡邊 真太*; 鎌田 圭*; 岡野 泰彬*; 加藤 政博*; 保坂 将人*; et al.

Applied Physics Express, 13(8), p.085505_1 - 085505_4, 2020/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:29.86(Physics, Applied)

CeドープGd$$_{3}$$Al$$_{2}$$Ga$$_{3}$$O$$_{12}$$(Ce:GAGG)シンチレーターにおける陽イオン空孔の存在を明らかにするために、ガンマ線誘起陽電子消滅寿命測定(GiPALS)法による測定を行った。GAGGおよびCe:GAGGのGiPALSスペクトルに現れる成分は、バルク中と欠陥に捕獲された状態の陽電子消滅であり、その結果2つの指数減衰成分で構成されている。Ce:Y$$_{3}$$Al$$_{5}$$O$$_{12}$$に関する研究から、欠陥に関連する構造はAl/Ga-Oの複空孔に起因するものであることが示唆された。この成分は、Ce, Mg:GAGGの方が小さくなり、その傾向はリン光の原因である浅い電子トラップの抑制と相関していた。酸素空孔は、Al/Ga空孔の電荷を補う役割をしている。欠陥に関連した構造における寿命は、Mg共ドーピングによって大幅に変化し、これは、酸素空孔とともに、Al/GaサイトでのMg$$^{2+}$$イオンとの集合体を考慮することで理解され、その結果、空孔クラスターが形成された。

論文

Sensitivity of charged particle activation analysis for long-lived radioactive nuclide determination

大島 真澄*; 山口 友理恵*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 後藤 淳*; 伴場 滋*; Bi, C.*; 森本 隆夫*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.866 - 872, 2019/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:8.72(Nuclear Science & Technology)

長寿命放射性核種35核種の定量のため、8MeV陽子ビームを用いた荷電粒子放射化分析法の分析感度について調査した。それらの核種に対する核反応断面積はALICE-91コードによって見積もり、核異性体生成比は近傍同位体の値からそれらのスピン・パリティの値を考慮して見積もった。その結果、提案する荷電粒子放射化分析法は$$^{135}$$Cs, $$^{244}$$Pu, $$^{129}$$I, $$^{126}$$Sn, $$^{93}$$Mo, $$^{107}$$Pd, $$^{236}$$U, $$^{248}$$Cm, $$^{237}$$Npなどのいくつかの難測定長寿命核種に対して高い感度を示すことが判った。

論文

Zr separation from high-level liquid waste with a novel hydroxyacetoamide type extractant

森田 圭介; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 高橋 優也*; 大森 孝*; 金子 昌章*; 浅野 和仁*

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.464 - 468, 2019/09

高レベル放射性廃液(HLLW)には種々の長半減期核種が含まれており、地層処分における環境影響を低減させる観点からマイナーアクチノイドと長寿命核分裂生成物(LLFP)を分離し核変換することが望ましい。原子力機構と東芝はHLLWからLLFPであるSe, Zr, Pd及びCsの分離法を開発した。我々は新規ヒドロキシアセトアミド型抽出剤${it N,N}$-ジドデシル-2-ヒドロキシアセトアミド(HAA)を用いたHLLWからのZrの抽出挙動について詳細に検討を行った。HAA抽出系はZrに高い選択性を示し、抽出序列はZr $$>$$ Mo $$>$$ Pd $$>$$ Ag $$approx$$ Sb $$>$$ Sn $$>$$ Lns $$>$$ Feであることを確認した。また、抽出化学種をZr(HAA)$$_{3}$$(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$(HNO$$_{3}$$)$$_{x}$$と同定し、ミキサセトラを用いた連続向流抽出によって模擬HLLWからZrとMoが定量的に抽出可能であることを実証した。

論文

処分と資源化; より安全な処分と安心できるリサイクル

西原 健司

ImPACT藤田プログラム公開成果報告会「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」 成果報告書・資料集, p.28 - 31, 2019/03

本プロジェクトでは従来の高レベル放射性廃棄物に含まれていた長寿命の核分裂生成物(LLFP)を分離し短寿命化するとともに、資源化可能な元素を分離する。LLFPの短寿命化によって、地層処分に代わり、数十mの浅い地中に安全要求を満たして処分できる可能性があることが示された。また、資源化可能な元素を安心して再利用できるように、考え得る被ばく経路に対して評価を行い、安全な放射能濃度を推定した。

論文

高レベル放射性廃棄物の処分負荷低減

西原 健司

ImPACT藤田プログラム公開成果報告会「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」 成果報告書・資料集, p.130 - 133, 2019/03

高レベル放射性廃棄物には様々な特性の物質が含まれている。これらを特性ごとに分離し、適切に対処することで処分場の負荷を低減することができる。本プロジェクトではこれらのうち長寿命の核分裂生成物(LLFP)の短寿命化に取り組んだが、この技術が実現されると、高レベル放射性廃棄物は放射能が小さい新しい放射性廃棄物となる。新しい放射性廃棄物の処分方法を検討した結果、現在、低レベル放射性廃棄物に対して検討されている中深度処分が適している可能性があることが分かった。中深度処分は、従来の高レベル放射性廃棄物に適している地層処分に比べ、浅い場所に小規模に処分する方法である。これを新しい放射性廃棄物に適用した場合の安全性評価を実施し、今回、本プロジェクトが取り組んだ4つのLLFPについては、安全に処分できる可能性があることが分かった。

論文

放射性廃棄物の処分と分離変換; ソースタームから考える処分

西原 健司

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 25(2), p.131 - 134, 2018/12

高レベル放射性廃棄物の処分場設計と安全評価において放射線量のソースタームを減少させることの効果を考える。分離変換技術ではどのようにソースタームを減少させるかを示し、その処分場への影響を紹介する。また、分離変換技術の費用と開発段階を概観する。

論文

Role of breakup processes in deuteron-induced spallation reactions at 100-200 MeV/nucleon

中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*

Physical Review C, 98(4), p.044606_1 - 044606_8, 2018/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:72.92(Physics, Nuclear)

近年、長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換処理に中高エネルギーにおける重陽子入射核破砕反応を利用することが提案されている。重陽子ビームを用いた核変換システムの設計研究のためには、LLFPに対する精度の良い重陽子入射反応断面積のデータが不可欠である。本研究では、核子当たり100-200MeVでの$$^{93}$$Zrおよび$$^{107}$$Pdに対する重陽子入射反応からの残留核生成断面積を、分解過程を明示的に考慮した計算コードDEURACSで計算した。その結果、計算値は実験データを定量的に良く再現した。また、成分に分けた解析から、非弾性分解後の核子吸収過程が残留核生成に大きな寄与を果たしていることがわかった。こうした結果は、重陽子入射反応における残留核生成の精度の良い予測のためには分解過程を考慮することが本質的に重要であることを強く示すものである。

論文

Method to reduce long-lived fission products by nuclear transmutations with fast spectrum reactors

千葉 敏*; 若林 利男*; 舘 義昭; 高木 直行*; 寺島 敦仁*; 奥村 森*; 吉田 正*

Scientific Reports (Internet), 7(1), p.13961_1 - 13961_10, 2017/10

 被引用回数:51 パーセンタイル:97.93(Multidisciplinary Sciences)

放射性廃棄物の課題を克服するため、高速炉中性子を利用した6種の長寿命核分裂生成物を元素分離で核変換する技術の開発を進めている。効果的かつ効率的な核変換のため、重水素化イットリウムを減速材としたシステムを考案した。モンテカルロコードMVP-II/MVP-BURNを使った核変換率とサポートファクタの評価を行った。高速炉炉心のブランケット領域および反射体領域に重水素化イットリウムと装荷した場合、すべての核種の実効半減期が10$$^{6}$$から10$$^{2}$$へ劇的に低減し、サポートファクタも1を上回ることが確認できた。この高速中性子を利用した核変換システムは放射性廃棄物の低減に大きく貢献する。

論文

長寿命核種の分離変換技術の現状,1; 分離変換の意義と分離変換システム

湊 和生; 辻本 和文; 田辺 博三*; 藤村 幸治*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 59(8), p.475 - 479, 2017/08

本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第1回にあたる本稿では、分離変換の意義は何であるのかを解説するとともに、分離変換を効果的・効率的に行うために研究開発が進められている分離変換のシステムについて解説する。分離変換の意義については、放射性廃棄物を経口摂取した場合の被ばく線量で定義される潜在的有害度低減の観点から、使用済み燃料の潜在的有害度が原料とした天然ウランの潜在的有害度を下回るまでに要する時間はおよそ10万年であるが、再処理後は約1万年、分離変換後は数百年まで短縮されることを示した。また、潜在的な吸入摂取毒性の低減にはMAの分離変換の効果が顕著であることから、数十万年の超長期にわたる人間活動や地殻変動の予測等に相当の不確実性が伴うことから、分離変換は処分場影響の不確実性低減にも寄与すると考えられることを示した。分離変換システムについては、総合的なシステムとして分離変換技術を捉えた場合、比較的有望な概念として考えられている発電用の高速炉を用いたシステム(高速炉利用型)と核変換専用の小規模な燃料サイクルを商用発電サイクルに付加したシステム(階層型)を紹介するとともに、プルトニウムや核分裂生成物を核変換対象とするその他のシステムも紹介した。

論文

地層処分人工バリアの設定値に関する考察,1; ガラス固化体の溶解寿命

大江 俊昭*; 若杉 圭一郎

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(1), p.27 - 32, 2017/06

地層処分におけるガラス固化体の溶解寿命を再評価した。我が国での地層処分の技術的可能性を論じた報告では、時間と共に処分温度が低下することや表面積が減少することなどを無視しているため、ガラス固化体の溶解寿命は約7万年と過小評価されている。しかし、これらの変化は物理的に確実に起こるものであるので、これらを無視せずに再評価を試みた。表面積の変化を考慮するために亀裂を有するガラス固化体を3つのモデル、すなわち、単一平板、単一粒径の小球群、べき乗粒径分布を持つ小球群、で表現した。すべてのモデルの全体積は円柱状のガラス固化体と同じで、製造時の割れを考慮して全表面積は円柱状のそれの10倍とした。寿命評価の結果、初期量の50%が溶解するまでの時間は、3つのモデルとも10万年を超え、溶解寿命は26-70万年となった。これから、従来の評価ではガラス固化体が核種を保持する能力が過小評価されていることが判った。

論文

Positron annihilation in the near surface of room temperature ionic liquids

平出 哲也; O'Rourke, B. E.*; 小林 慶規*

Journal of Physics; Conference Series, 791(1), p.012029_1 - 012029_4, 2017/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:71.48(Physics, Multidisciplinary)

イオン液体である、N,N,N-trimethyl-N-propylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (TMPA-TFSI)について、産総研に整備された垂直型の低速陽電子ビームを用いて、液面近傍における陽電子消滅率の測定を試みた。イオン液体の蒸気圧は非常に小さく、真空容器内にそのままイオン液体を配置することで、液面表面近傍の陽電子消滅率の測定を行うことが可能である。本測定は、イオン液体表面近傍における最初の陽電子消滅率の測定となる。その結果、三重項ポジトロニウムの消滅率が表面に近いほど大きくなることが分かった。

論文

Current activities and future plans for nuclear data measurements at J-PARC

木村 敦; 原田 秀郎; 中村 詔司; 岩本 修; 藤 暢輔; 小泉 光生; 北谷 文人; 古高 和禎; 井頭 政之*; 片渕 竜也*; et al.

European Physical Journal A, 51(12), p.180_1 - 180_8, 2015/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.63(Physics, Nuclear)

In order to improve the data accuracy of neutron-capture cross sections of minor actinides (MAs) and long-lived fission products (LLFPs), a new experimental instrument named "Accurate Neutron-Nucleus Reaction measurement Instrument (ANNRI)" has been constructed in the Materials and Life science experimental Facility (MLF) at the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC), and measurements of neutron-capture cross sections of MAs, LLFPs and some stable isotopes with high intensity pulsed neutrons have been started. The analyses for $$^{244}$$Cm, $$^{246}$$Cm, $$^{241}$$Am and $$^{237}$$Np were finished; those for $$^{129}$$I, $$^{107}$$Pd, $$^{99}$$Tc, $$^{93}$$Zr and some stable isotopes are in progress. These results will make significant contributions in the field of developing innovative nuclear systems.

論文

弾性応力下におけるマルテンサイト鋼中の水素起因格子欠陥の形成促進と水素脆化

土信田 知樹*; 鈴木 啓史*; 高井 健一*; 平出 哲也; 大島 永康*

NanotechJapan Bulletin (インターネット), 8(3), 5 Pages, 2015/07

水素を含んだ鉄鋼材料は含まないものに比べ、応力付与によって延性低下が著しく進展し、より破断しやすくなる(水素脆化問題)。水素脆化の機構は、材料中の格子欠陥形成と深く関係するとされているが、一般に格子欠陥の実験的評価が難しいため不明な点も多い。本研究課題では、水素脆化と格子欠陥との関係を明らかにするために、昇温脱離分析(TDA)と陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)とを用いて、一定弾性応力下に保持された鉄鋼材料(焼戻しマルテンサイト鋼)の水素チャージによって形成する格子欠陥の検出を試みた。この結果、弾性応力下であっても水素をチャージすることで鋼中での原子空孔生成が著しく促進されること、さらに生成した空孔型欠陥が鋼の延性低下をもたらすことを明らかにした。

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