Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
田中 正暁; 三宅 康洋*
日本機械学会M&M2015材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2015/11
非定常異温度流体混合場と構造材中の非定常熱伝導場を同時に計算する流体-構造熱連成解析(MUGTHESコード)と熱応力解析(FINASコード)による連携解析を実現するためにインターフェースプログラム(MUFIN)を整備した。T字合流配管部を模擬した流体-構造熱連成水流動実験を対象に、MUFINを介したMUGTHESとFINASとの一連の連携解析機能確認を目的とした検証解析を実施し、その適用性を確認した。
田中 正暁; 三宅 康洋*; 唐木田 泰久*
Proceedings of 2nd International Conference on Maintenance Science and Technology (ICMST-Kobe 2014), p.79 - 80, 2014/11
流体-構造熱連成解析と構造中の熱応力解析との連携解析手法を整備するため、独立した両解析コード間のデータのやりとり、プリ・ポスト処理機能を備えたインターフェースプログラムを整備した。T字合流部のサーマルストライピング現象に適用して、現象把握と連携解析機能の有効性について確認した。
土屋 勝彦; 木津 要; 高橋 弘行*; 安藤 俊就*; 松川 誠; 玉井 広史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.922 - 925, 2006/06
被引用回数:1 パーセンタイル:87.36(Engineering, Electrical & Electronic)トカマク国内重点化装置における超伝導トロイダル磁場(TF)コイルの支持構造の最適化を進めている。プラズマ運転シナリオ上、最大の電磁力が加わると考えられる条件での応力や変位を、有限要素法解析により評価した。この評価に基づき、最も変位の低減に有効なコイルケースやシアパネルの配置を検討した結果、アウトボード側斜め下部において、コイルケースやシアパネル構造の増強を行えば、最も効率的に変位を抑えられることを見いだした。また、ボルトやキーの配置及び本数を調整して支持構造の簡素化を図り、構造物の応力/変位が設計基準を満たしていることを確認した。さらに、これまで未評価であった超伝導導体によって構成される巻線部に生じる歪みや、インボード部で巻線が受ける横圧縮力について、最大の電磁力荷重条件において評価した。その結果、導体長手方向の歪みは、熱処理時にコンジットから受ける歪みを緩和する伸び方向が顕著であり、導体の臨界電流劣化に寄与しないことがわかった。また、横圧縮力については、最大経験磁場の箇所で、ニオブアルミ素線の臨界電流値の劣化が始まると報告されている60MPa以下であった。このことから、現設計の支持構造は想定している導体性能に悪影響を及ぼさないことが確認できた。
西原 哲夫; 榊 明裕*; 稲垣 嘉之; 高見 和男*
日本原子力学会和文論文誌, 3(4), p.381 - 387, 2004/12
原研ではHTTR水素製造システムの研究開発を進めている。本システムの主要な機器の1つに、原子炉格納容器を貫通する高温ヘリウム配管に設置する高温隔離弁がある。高温隔離弁はアングル弁を採用し、基本構造の検討を行うとともに、応力解析を行い、構造健全性を確認した。また、許容漏えい率を定め、それを満足するための弁座構造及び締切荷重を決めるための小型要素モデルを用いたヘリウム漏えい試験を行った。くさび型の弁座は締切回数の増加とともに漏えい量が増加したが、平面型の弁座は締切回数によらず漏えい量はほぼ一定であり、許容値を十分満足するものであった。この結果から、高温隔離弁の弁座は平面型を採用し、締切荷重は30MPaに設定した。
土屋 勝彦; 木津 要; 三浦 友史; 安藤 俊就*; 逆井 章; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1427 - 1430, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:87.89(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60改修装置におけるトロイダル磁場(TF)コイルを支持する構造物の一つであるシアパネルは、転倒力に対するコイルの変位を抑えるためコイル間に配され、計測/加熱用ポートなどの周辺機器へのアクセス空間を確保するため、これらの周辺機器の取り付け後に、設置する構造になっている。そのため、シアパネルとコイル本体を結ぶボルトのモデル化にも充分注意しなければ、有限要素法(FEM)を用いた応力解析による精確な評価を得られない。本論文にて報告するFEMモデルでは、実機と同じ位置に、実際と同じスケール,材質のボルトを要素として与え、典型的な放電シナリオにおいて転倒力が最も大きくなる条件での最大変位,トレスカ応力を評価した。その結果、最大変位は8.8mm、最大トレスカ応力も、接線ポートに隣接するシアパネルを締結するボルトの一つにピークが現れることが明らかになった。これにより、実機に近いモデルに基づく評価の下で、設計目標値である「最大変位10mm以下,最大応力667MPa以下」を満たすことが明らかになった。発表では、さまざまな電磁荷重条件における評価を行い、TFコイルとセンターソレノイドの一体化支持による応力緩和の効果などについて議論する。
山田 進; 清水 大志; 加治 芳行; 蕪木 英雄
計算工学講演会論文集, 7(1), p.167 - 170, 2002/05
日本原子力研究所計算科学技術推進センターでは、科学技術計算に比較的多く現れる連立一次方程式の反復解法等の基本的な数値計算についてメッセージパッシングを用いた並列計算ルーチンを開発している。この並列計算ルーチン群は、並列数値計算ライブラリPARCEL (PARallel Computing ELement)として公開しており、数多くの国内外の大学等の研究機関で利用されている。本研究では、ベクトル並列計算機上でPARCELの連立一次方程式の反復解法を用いてCompact Tension試験片と呼ばれる物体の応力解析計算を行った際の計算時間から本ルーチンの並列性能を評価した。その結果、本ルーチンが優れた並列性能及びベクトル性能を持つことを確認した。また、本ルーチンを用いて亀裂のある多結晶体の応力解析を行い、結晶粒の形と亀裂の位置による応力の変化についても調査した。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 小泉 興一; 中平 昌隆; 高橋 弘行*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.869 - 873, 2001/11
被引用回数:1 パーセンタイル:87.17(Nuclear Science & Technology)ITERの真空容器は2重壁構造を採用して2重壁内側からの溶接ができないため、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込み溶接継手について、継手や溶接金属の疲労試験より疲労特性を明らかにするとともに、有限要素法による継手部の弾塑性応力解析を行い、破壊力学的手法を用いた疲労寿命の予測を行った。得られた結論は以下の通りである。(1)不溶着部はき裂と同様な挙動を示し、溶接継手の疲労寿命の大部分はき裂伝播寿命であった。(2)継手の疲労き裂伝播速度はき裂発生時に加速する。これは不溶着部を切欠きと考えたときの切欠き効果と考えられる。(3)溶金のき裂伝播速度から破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を予測できる。(4)不溶着部の長さが短くても不溶着部は継手の疲労強度を大きく低下させる。
盛合 敦; 小野寺 昭史*; 網田 富士嗣*; 大友 昭敏; 皆川 宣明
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.531 - 533, 2001/05
極限条件下中性子散乱実験で使用される試料加圧装置(高圧セル)の加圧状態におけるシリンダー内部の応力分布を、中性子回折法によって非破壊的に調べた。高圧セルをはじめとする中性子散乱実験で用いられる試料環境を制御する補助機器の設計製作においては、その構造材料としてまず中性子をよく透過する材料を選択しなければならない。高圧セルでは、この条件に加えて、ギガパスカルオーダーの高圧力に耐える材料を選ぶ必要がある。一般的にこのような条件を満たす材料はほとんどないため、材料の選択のみによって高性能の装置を製作をすることは極めて難しく、応力解析がいっそう重要になる。応力解析は有限要素法などの数値シミュレーションが一般的であるが、本研究では近年材料内部の応力状態を非破壊で観察できる方法として注目されている上記の方法によって実測することを試みた。
鷹合 滋樹*; 佐々木 敏彦*; 皆川 宣明; 森井 幸生; 広瀬 幸雄*
日本材料学会第36回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集, p.266 - 271, 2000/09
Fe-Cr/TiNは、分散強化形材料として、優れた耐摩耗性材料として知られている。複合材料の残留応力は構成材料相互間に微視的応力が働き複雑な応力状態となる。介在物を有する材料の応力解析方法には、“Eshalby"の等価介在物法や、“森,田中"の理論による方法により行われる。これらの解析法はX線回折法により実験検証されているが、X線の侵入深さは数10mと極表面近傍であり、自由表面による応力緩和の影響は無視できない。中性子回折法による測定は中性子の侵入深さがFe,Crにおいては波長にもよるがX線に比べ数百から数千倍と深い。内部応力状態及び分散体の平均応力測定が可能である。今回Fe-Cr/TiNを用いTiNの残留応力、変形挙動の解析を中性子回折法が優位な手法である結果を得た。
松井 裕哉; 濱 克宏; 太田 久仁雄; 齊藤 宏; 杉原 弘造
JNC-TN7410 2000-004, 16 Pages, 2000/04
None
月森 和之; 古橋 一郎*
JNC-TN9400 2000-049, 93 Pages, 2000/03
ナトリウム冷却ループ型大型炉の設計において、1次系配管に発生する応力の低減が設計成立の重要な鍵のひとつである。本件は、炉容器と中間熱交換器を結ぶ基本的な配管系として面内S字型のレイアウトを対象として、想定される寸法範囲で弾性計算によるパラメータサーベイを行い、配管ルーティングに依存した発生応力の傾向を把握し、最適のルーティング候補を選定することを目的とする。得られた主要な見解は以下のとおりである。(1)概して、ノズルよりもエルボ部の応力が厳しくなる。炉容器出口ノズルと中間熱交換器入口ノズル間レベル差と炉容器出口ノズルと液面までの距離を大きくすると、エルボの応力は減少する傾向にある。(2)超90度エルボを適用することで、エルボに発生する応力を大幅に低減することが期待できる。暫定的に応力制限を課した場合、超90度エルボ配管引回しは、従来の90度エルボ配管引回しに比べて広い寸法パラメータ範囲で成立する。(3)告示501号ベースでエルボの応力評価を行った場合、エルボ端部で応力強さが最大となる場合、シェル要素による計算された応力よりも過大となる傾向にある。この場合、エルボ中央と端部最大応力の平均を最大値とみなすことで、簡便かつ保守的に最大応力強さを評価できる。(4)従来の90度エルボによる配管引回しでエルボ部の応力強さが最小となるケース(炉容器出口ノズルと中間熱交換器入口ノズル間レベル差V=7m、炉容器出口ノズルと液面までの距離V1=5m)に対して、105度エルボを前提として、ノズル間レベル差の最小化および同寸法で発生応力の大幅低減という2つの観点からそれぞれについて、V=5m,V1=4mおよびV=7m,V1=5mという代替引回しを提示した。いずれの場合もノズル部の応力は、90度エルボ配管引回しに比べて減少する。
加藤 猛彦*; 浅山 泰
JNC-TN9400 2000-047, 114 Pages, 2000/03
溶接時に生じる残留応力を、汎用有限要素コードにより予測することができれば、FBRプラントの強度評価、余寿命評価の信頼性の向上に大きく寄与することができる。本研究では、FINASを用いて残留応力解析を行う手法を検討した。まず、簡易モデルを用いてパラメータを振って予備解析を行い、基本的な手法を提案した。本手法の要点は以下の通りである。(1)熱伝導解析は、予め層数分のモデルを作成しておき、順次データを受け渡す。(2)母材および溶接金属の構成則は多直線近似を用い、硬化則は等方硬化則とする。(3)金属の溶融状態は、応力が発生しないようにユーザサブルーチンで制御する。(4)入熱時の溶接金属の線膨張率は、零と置く。次に、本手法を用いて、狭開先TIG溶接を想定した5層の平板突合せ継手および管の突合せ継手の残留応力を予測し、既往研究結果と比較した。両者は良く一致し、本提案手法の妥当性を確認することができた。
森 康二*; 根山 敦史*; 中川 浩一*
JNC-TJ8400 2000-064, 175 Pages, 2000/03
本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに於けるニアフィールドの耐震安定性の評価を目的として、以下の検討を実施したものである。(1)解析コードの妥当性の検証 本研究で開発してきた三次元有効応力解析コードは、とくに間隙水圧を考慮しない1相系解析機能に対しては、振動実験等による実測データとの比較を通じて検証を行ってきた。本年度は、サイクル機構で別途実施した緩衝材の液状化試験データを用い、間隙水圧の挙動に着目した有効応力解析機能の検証を行った。(2)2000年レポートに対する補足解析 2000年レポートでは代表的な処分場デザインのオプションを念頭に置いたニアフィールド地震応答解析および評価を行い、人工バリアシステムの耐震安定性を確保できる見通しを得ることができた。その一方で、オーバーパック-緩衝材間や緩衝材-岩盤間等の材料不連続面の応答を規定するモデルパラメータが、評価上重要な因子であるとの知見が得られた。今年度は、上記の2000年レポートに示した検討結果を支援するため補足解析を行い、耐震安定性に関する総合的評価を行った。(3)防災研との共同研究取りまとめに対する補足検討 平成4年度から進められてきた人工バリアシステムの耐震安定性評価に関する共同研究は、今年度を目処に成果を取りまとめることとなっている。本研究では、実測されたデータとの比較を通じて、解析コードの検証作業を段階的に進めてきた。本検討では、最新版の解析コードを用いた一連の実験データ解析を改めて行い、上記共同研究の取りまとめに資するデータ整備を行った。
上羽 智之; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
JNC-TN9400 2000-006, 50 Pages, 1999/11
高速炉の被覆管は照射によってスエリングするが、被覆管温度の肉厚方向勾配によってスエリングに肉厚方向差が生じ、被覆管に二次応力が発生すると考えられる。燃料高燃焼度化に伴い被覆管のスエリングが顕著になると、このような二次応力が燃料ピンの健全性に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、スエリング肉厚方向勾配を取り入れた被覆管の照射変形解析を有限要素法解析コードFINASを用いて実施し、この二次応力を評価した。その結果、以下のことが分かった。(1)スエリング肉厚方向差による二次応力は、主としてスエリングの潜伏期間の肉厚方向勾配によって発生する。この二次応力はスエリングで促進される照射クリープによって照射末期には十分緩和される。(2)試行的に二次応力を含めた照射中の被覆管応力計算値の最大値をPNC316の設計引張強さと比較した結果、前者は後者を十分に下回った。(3)応力依存性を考慮したスエリング式を用いて、被覆管の応力がスエリングを促進する場合の二次応力を解析した。その結果、応力によってスエリングは促進するが、同時に照射クリープによる緩和が有効に働き、スエリングに応力依存性が無い場合と到達応力レベルには差がない。
本間 信之*; 千葉 恭彦*; 棚井 憲治
JNC-TN8400 99-048, 85 Pages, 1999/11
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における、人工バリアを構成する要素の一つであるオーバーパックについて、構造強度層に炭素鋼を、耐食層にチタンを用いたチタン-炭素鋼複合オーバーパックの、現有技術での製作可能性を確認するために、その設計および実規模大での試作を行った結果を報告するものである。設計に当たっては、一般の原子力施設に適用される基準により必要な耐圧厚さを計算した。また有限要素法による解析を実施して、結果の妥当性を確認した。また、オーバーパック内部に収納するガラス固化体から発せられる放射線の遮へいについて計算し、オーバーパック遮へい機能の必要性を検討した。結果、オーバーパックには輸送基準を満足するために必要な遮へい機能は与えず、別途搬送用機器等で遮へいする方式が合理的であることを示した。以上の検討をもとに実規模大での複合オーバーパックの試作を行った。耐食層の材質については、超長期の耐腐食性が期待できるチタン材のうちASTMGrade-2材を選択した。チタン耐食層の施工は、オーバーパック円筒部と平面部に分けて実施した。円筒部については内層である炭素鋼容器に円筒形に成形したチタンの外層を焼きばめ挿入する方式を採用した。また蓋部、底部などの平面部については、チタン板材の爆発圧着法による被覆方法を採用した。本体と蓋の封入溶接については、電子ビーム溶接とMAG溶接とを組み合わせて実施した。いずれの工程においても不具合等は確認されず、チタン-炭素鋼複合オーバーパックの現有技術での製作可能性が確認できた。最後に今回の試作結果をふまえ今後検討されるべき課題をまとめた。
西原 哲夫; 岩月 仁*
JAERI-Tech 99-078, p.55 - 0, 1999/11
HTTR水素製造システムでは、905、4.1MPaの高温高圧下で格納容器隔離弁が使用されるが、本条件で使用可能な弁はない。また、原子力製鉄プロジェクトでの隔離弁の開発成果から、いくつかの検討課題も報告されている。そこで、HTTR用高温隔離弁の概念設計を行い、3次元弾性応力解析により構造健全性を確認した。次に、弁座盛金材料として、ステライト合金及びニッケル基超合金について、溶接施工性、時効特性等の予備調査を行い、使用可能性について検討した。その結果、長時間時効、ヘリウム雰囲気での特性等を把握することが必要不可欠であることがわかった。そこで、これらの問題を解決するための試験計画を立案した。
森井 幸生; 皆川 宣明
結晶解析ハンドブック, p.472 - 476, 1999/09
材料開発、新物質の理解にはその構造を原子的尺度で解明し、それに基づいた物質諸性質を理解することが必要である。X線、中性子線等を用いた回折結晶学の歴史は古く、物質の構造に関し最も信頼し得る結果を与えてくれる手段を提供する学問として発展し、その実績もあり、広く利用されてきた。最近の結晶学における新しい成果や技術を時代の要求に即応して、ハンドブックの形に集大成することとなった。ここでは中性子回折法による残留応力解析装置に関して、その原理、特徴、手法、測定例などを簡潔に記し、入門者のためのハンドブックとした。
森下 正樹
JNC-TN9400 99-041, 187 Pages, 1999/05
現行の配管耐震設計手法には必要以上の安全裕度が含まれていると認識されている。そこで、高速炉の主冷却系配管の設計例を対象とした耐震解析を行い、種々の基準による強度評価を実施するとともに、実際の配管の耐力を評価し、基準が有している裕度の定量化を試みた。また、現行の許容値を緩和した場合の配管設計への影響や合理化効果を検討した。その結果、以下の点が明らかになった。a)非線型時刻歴解析による応答と(設計許容値から安全裕度を除いて求めた)真の強度を比較すると、本検討で取り上げた設計例の配管は、現行の設計手法(床応答解析と高温構造設計方針を使用)で許容される地震力の、数倍から20倍程度の地震力を与えて、初めて破損する。b)ASME新基準と非線形時刻歴解析による評価とは比較的対応性が良い。従って、ASME新基準による許容限界が今後の基準合理化に向けての目安目標となろう。c)ASME新基準相当の合理化基準を適用する場合、許容応力が高いため設計において応力を抑えるための対策(サポート設置や板厚増)を施す必要はほとんど無くなる可能性がある。但し、固有振動数をある程度に確保する必要があり、そのためのサポートは必要である。
笠原 直人; Yacumpai, A.*; 高正 英樹*
JNC-TN9400 99-019, 34 Pages, 1999/02
原子力プラントの中で温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。この現象はサマールストライピングと称され、熱流体と構造が複雑に関連し合う現象であることから、従来はモックアップ実験による評価が行われており、簡便で合理的な設計評価法が必要とされていた。これに対し、温度ゆらぎの振幅は流体から構造材への伝達過程において、乱流混合、分子拡散、非定常熱伝達、および熱伝導による温度除荷の各要因によって減衰し、その特性は周波数依存であることが解明されてきている。筆者らは、このうち非定常熱伝達と温度除荷の効果に着目し、両者による温度振幅の減衰効果を温度ゆらぎ周波数の関数として定量的に記述した構造応答線図を開発した。さらに本線図を設計へ応用するため、無次元数を導入することによって線図の一般化表示を行った。無次元化された構造応答線図の妥当性は、有限要素解析の結果との比較により検証した。本線図を利用することによって、流体温度ゆらぎ振幅から非定常熱伝達と温度除荷による減衰効果を考慮した熱応力の振幅を簡易に評価することが可能となる。
菊池 茂人*; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男
JAERI-Tech 98-059, 75 Pages, 1999/01
ペブル状の増殖材、増倍材が採用される増殖ブランケットの熱・応力解析では、ペブル充填層に特有な熱・機械特性、すなわち、ペブル充填層の伝熱特性が圧縮応力の状態により変化する特性や、せん断力により容易に破壊(流れ)が生じる等の粉体としての機械特性を考慮する必要がある。ここでは、地盤(土壌)解析に使用される弾塑性モデルの一つであるドラッカー・プラガー/キャップモデルを採用するとともに、熱・変位連成解析により伝熱特性の圧縮応力依存性を考慮して、定常時ITER増殖ブランケットの熱・応力解析を行った。解析に必要な、ペブル充填層の熱・機械データは、文献に記載されるペブル充填層の応力-ひずみ測定試験と熱特性測定試験の結果を基に評価した。解析により、現設計のITER増殖ブランケットは、温度の設計条件を満たすことを示した。