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論文

アクセス解析・テキストマイニングによる放射能汚染対策に係るニーズ抽出

新里 忠史; 上川 努*; 大木 法子*

情報地質, 35(4), p.99 - 108, 2024/12

本論では、原子力機構が運営する「根拠情報Q&Aサイト」を対象としたアクセス解析および原子力機構が自治体担当者を対象に実施した調査研究の説明会における速記録データを対象としたテキストマイニングを実施し、放射能汚染対策に係るニーズの抽出を試みた。その結果、アクセス解析については、福島第一原子力発電所(1F)事故から10年以上が経過しても、環境および農林水産物の放射性セシウム濃度、放射能汚染の程度の指標や避難難指示解除の基準として利用される空間線量率について、データや情報提供に係るニーズの示唆される結果が得られた。テキストマイニングでは、浜通り北部の自治体では水域と水産物、中通りの自治体では森林域と林産物に係るセシウム濃度と空間線量率、浜通り南部の自治体では、森林やため池に係る除染と空間線量率に係るデータ取得と調査、および除染後の空間線量率の変化に関する調査データ取得といったニーズが推測された。また、将来よりも現時点の放射能汚染の状況について、調査データに基づく情報提供に係るニーズが推測された。

論文

Critical experiment plans on the new STACY to clarify the criticality characteristics of the molten core-concrete interaction products

郡司 智; 荒木 祥平; 井澤 一彦; 須山 賢也

Proceedings of International Conference on Physics of Reactors (PHYSOR 2024) (Internet), p.227 - 236, 2024/04

東京電力福島第一原子力発電所事故では大量の燃料デブリが発生したと考えられている。特に、溶融炉心-コンクリート相互作用(MCCI)の生成物であるコンクリート成分を含む燃料デブリの臨界特性はこれまで十分に調査されていない。本研究では、コンクリートを含む模擬燃料デブリ試料を用いた臨界集合体での臨界実験を計画するため、コンクリート成分におけるSi断面およびCa断面の実効増倍率に対する感度を、試作試料の元素分析に基づき計算解析を用いて評価した。これらの感度計算は、試料の装荷方法および組成ごとに実施・評価された。我々は、$$^{40}$$Ca捕捉反応の感度のエネルギープロファイルに注目し、試料組成や中性子減速条件によって感度エネルギープロファイルの形状が変化することを確認した。異なる実験ケースで得られた感度の傾向を明らかにすることで、各実験法の特徴を知見として得た。試料中のコンクリートの量を増やし、実験炉心構成における中性子減速条件を変更した場合にも、同様に感度エネルギープロファイルの形状に変化が生じることがわかった。この結果は、核分裂性物質を含まないコンクリート試料を用いた実施可能な臨界実験により、MCCI製品の核的特性を再現できる可能性を示す。

報告書

原子力緊急時支援・研修センターの活動(令和4年度)

原子力緊急時支援・研修センター

JAEA-Review 2023-026, 54 Pages, 2023/12

JAEA-Review-2023-026.pdf:3.26MB

日本原子力研究開発機構は「災害対策基本法」及び「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に基づき、指定公共機関(国や地方公共団体と協力して緊急事態等に対処する機関)として国及び地方公共団体等に対し、原子力災害または放射線災害への対処において、技術支援をする責務を有している。このため、日本原子力研究開発機構は原子力緊急時支援対策規程、防災業務計画及び国民保護業務計画を作成し、それらに基づき、原子力緊急時支援・研修センター(NEAT)は緊急時には支援活動の中心となり、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のための自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施している。本報告は、原子力緊急時支援・研修センターが令和4年度に実施した活動実績を記載する。

論文

Arrangements for telephone consultation on radiation health effects in a nuclear emergency in Japan; Lessons learned from the nuclear accident in Fukushima, Japan, 2011

奥野 浩; 川上 剛; 渡辺 文隆; 堀越 秀彦*

Journal of Disaster Research, 18(8), p.911 - 917, 2023/12

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の放射線健康影響に関する住民の不安に対応するため、文部科学省の依頼により日本原子力研究開発機構(原子力機構)では電話相談の体制をとった。8回線、電話代無料の電話回線を準備し、放射線影響の知識のある職員を配置した。電話相談に対する原子力機構専門家の対応グループは、電話対応チーム、質疑応答チーム及び管理者で構成された。2011年3月17日から2012年9月18日までのべ約35,000件の相談に応じた。相談内容のテキストマイニング分析の結果、最大の不安要素は子供の健康への影響であることを明らかにした。この経験を踏まえて、電話相談のための原子力機構の体制を改良した。2020年に発行されたIAEA指針GSG-14を参考に、原子力機構の電話相談体制のさらなる充実を図るべく検討を行った。

報告書

原子力緊急時支援・研修センターの活動(令和3年度)

原子力緊急時支援・研修センター

JAEA-Review 2022-044, 58 Pages, 2022/12

JAEA-Review-2022-044.pdf:3.83MB

日本原子力研究開発機構は「災害対策基本法」及び「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に基づき、指定公共機関(国や地方公共団体と協力して緊急事態などに対処する機関)として国及び地方公共団体等に対し、原子力災害または放射線災害への対処において、技術支援をする責務を有している。このため、日本原子力研究開発機構は原子力緊急時支援対策規程、防災業務計画及び国民保護業務計画を作成している。また、それらに基づき、原子力緊急時支援・研修センター(NEAT)は緊急時には支援活動の中心となり、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。なお、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のための自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施している。本報告は、原子力緊急時支援・研修センターが令和3年度に実施した活動実績を記載する。

報告書

原子力緊急時支援・研修センターの活動(令和2年度及び20年のあゆみ)

原子力緊急時支援・研修センター

JAEA-Review 2021-039, 98 Pages, 2021/12

JAEA-Review-2021-039.pdf:5.99MB

日本原子力研究開発機構は「災害対策基本法」及び「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に基づき、「指定公共機関」(国や地方公共団体と協力して緊急事態などに対処する機関)として国及び地方公共団体等に対し、原子力災害または放射線災害への対処において、技術支援をする責務を有している。この支援を行うため、原子力機構は原子力緊急時支援対策規程、防災業務計画及び国民保護業務計画を作成し、それらに基づき、原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には支援活動の中心となり、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施している。本報告は、第3期中長期計画(平成27年度$$sim$$令和3年度)に従って原子力緊急時支援・研修センターが実施した、令和2年度の活動実績を記載した(第1部)。また、原子力緊急時支援・研修センターが令和4年3月25日に発足20年を迎えることから、これまでの活動を振り返ってそのあゆみをとりまとめた(第2部)。

論文

放射性セシウム流出量に及ぼす林床状況の影響; 福島の山林の事例

新里 忠史; 佐々木 祥人; 渡辺 貴善; 雨宮 浩樹*

第31回社会地質学シンポジウム論文集, p.19 - 22, 2021/11

福島の山地森林における林床状況とセシウム137($$^{137}$$Cs)流出量の関連を把握するため、除染地,未除染地および林野火災の延焼跡地において3年間の長期観測を実施した。除染や延焼により失われた林床被覆が回復するのに伴い$$^{137}$$Cs流出量は減少し、除染地では除染直後の3.24%から0.61%へ、延焼跡地では延焼直後の2.79%から0.03%へと低下した。林床被覆が60%を超えると未除染地や非延焼地と同程度の流出量となり、林床被覆60%は、観測地における流出影響の閾値と考えられる。延焼跡地では林床被覆の回復に伴い、流出物の主体が土壌粒子からリター片に変化したことも、$$^{137}$$Cs流出量の低下に寄与した。山地森林の林床が本来有する土壌侵食に対する保護機能は、$$^{137}$$Cs流出抑制に効果的である。

報告書

原子力緊急時支援・研修センターの活動(令和元年度)

原子力緊急時支援・研修センター

JAEA-Review 2020-016, 67 Pages, 2020/09

JAEA-Review-2020-016.pdf:4.09MB

日本原子力研究開発機構は災害対策基本法及び武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(以下「武力攻撃事態対処法」とする。)に基づき、「指定公共機関」(国や地方公共団体と協力して緊急事態などに対処する機関)として国及び地方公共団体等に対し、原子力災害または放射線災害への対処において、技術支援をする責務を有している。この支援を行うため、日本原子力研究開発機構は原子力緊急時支援対策規程、防災業務計画及び国民保護業務計画を作成し、それらに基づき、原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には支援活動の中心となり、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施している。本報告は、第3期中長期計画(平成27年度$$sim$$令和3年度)に従って原子力緊急時支援・研修センターが実施した、令和元年度の活動実績を記載する。なお、令和元年度は2019年5月1日から2020年3月31日まで(2019年4月1日から4月30日までは平成31年度)であるが、2019年4月1日から4月30日の実績も令和元年度の実績に含めた。

論文

ごぞんじですか?第102回福島原子力事故関連情報アーカイブ

熊崎 由衣

専門図書館, (278), p.40 - 43, 2016/07

AA2016-0112.pdf:1.21MB

日本原子力研究開発機構図書館では、東京電力福島第一原子力発電所事故への対処に関する研究開発の支援を目的に「福島原子力事故関連情報アーカイブ(FNAA)」を運用している。原子力関係の論文のなかでも、福島原発事故に関する研究開発はインターネット情報が参照されるケースが多い。また、公開当時の情報への恒久的アクセス担保や一元的な検索・提供が重要である。そこでFNAAは、福島原発事故に関する情報をウェブアーカイブを活用して提供する情報検索システムとして構築された。本稿では「福島原子力事故関連情報アーカイブ」の概要と2016年3月のシステムリニューアルについて述べる。

口頭

森林生態系における放射性セシウムの分布と動き

新里 忠史; 佐々木 祥人; 雨宮 浩樹*; 吉田 香織

no journal, , 

様々な森林環境における放射性セシウムの流出量データは、避難指示解除区域での今後の開発行為が放射性セシウムの分布と動きにもたらす影響を見積もる際の重要な指標データとなる。本研究では、除染された林地と林野火災後の林地に観測プロットを設置し、約3年間にわたる放射性セシウム流出観測を実施した。その結果、除染地および林野火災跡地ともに、林床被覆が60パーセント程度に回復すると未除染および非延焼地と同程度の流出率となり、流出物に占める土壌粒子の割合の低下が主な要因と考えられた。

口頭

家屋線量低減効果の経時変化に対する家屋周囲の除染の影響; シミュレーションと測定結果の比較評価

Kim, M.; Malins, A.; 吉村 和也; 町田 昌彦; 斎藤 公明; 吉田 亨*; 柳 秀明*; 長谷川 幸弘*; 吉田 浩子*

no journal, , 

人の被ばく量を評価する際、滞在時間の長い家屋内は、周囲より空間線量率が低減するため、家屋による線量低減効果を評価する必要がある。福島において、吉田らは、その線量低減係数を測定してきたが、経時変化と共に増大する傾向があることを見出している。この経時変化の原因を探るため、家屋周囲の除染等が原因とする仮説を立て、吉田らが測定を行った家屋のモデルを複数作成し、家屋周囲の線源除去による線量低減係数の変化を計算により求めた。その結果、吉田らの測定結果を再現出来ることが分かった。

口頭

Dissolved-form Cs-137 leaching associated with DOC leaching in headwater streams

恩田 裕一*; 川野 泰地*; 永田 祐太郎*; 高橋 純子*; 榊原 厚一*; 加藤 弘亮*; 五十嵐 康記*; 新里 忠史

no journal, , 

The Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident occurred on March 11, 2011, and a large amount of Cs-137 was released into the environment. When Cs-137 is discharged downstream through rivers, its concentration is important because dissolved cesium is easily transferred to aquatic organisms such as fish. The purpose of this study is to investigate how biogeochemical activities are involved in the formation of dissolved Cs-137 concentrations in the headwaters of the watershed of Fukushima Prefecture. The results indicate that the concentration of dissolved Cs-137 is formed by the decomposition of coarse organic matters in the watershed. Thus, investigating the formation mechanism of dissolved Cs-137 concentration can be an important tracer for elucidating water and material cycles and biogeochemical activities in the terrestrial environment.

口頭

森林斜面からの浅層地下水流出によるCs-137移行フラックスの推定

庭野 佑真*; 加藤 弘亮*; 恩田 裕一*; 佐藤 ひかる*; 飯田 光*; Anderson, D.*; 中西 美夕*; 新里 忠史

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性セシウムは、水系を通じて下流へ流出している。既往研究により、出水時には表流水の溶存態Cs-137濃度が上昇することが報告されており、土壌水の流出や堆積リターからの溶出の影響が指摘されている。一方で、森林源頭部の斜面には、様々な滞留時間、流動系をもつ地下水が存在し、それらが混合して表流水を形成するが、表流水の溶存態Cs-137濃度形成に与える影響は十分に調査されていない。そこで本研究では、森林源頭部斜面の地下水の詳細な水文観測により、浅層地下水が表流水のCs-137濃度形成に及ぼす影響を定量評価した。

口頭

林野火災地におけるセシウム137分布と火災後の移動状況について

新里 忠史; 新井 宏受*; 林 誠二*

no journal, , 

2017年に発生した十万山林野火災の跡地及び隣接する非延焼地において、山林の落葉落枝と土壌を採取しセシウム137分布を調査するとともに、現地にて放射性セシウムの流出観測を行った。その結果、火災跡地と非延焼地で放射性セシウム量に明らかな違いはなかった。また、火災跡地における放射性セシウムの流出率は、火災の発生年で年間2.6%と比較的高くなったものの、翌年には下草が生育し、落葉落枝が堆積することで、非延焼地と同程度の1%以下となった。

口頭

Above- and belowground distribution of radiocesium released from TEPCO' FDNPP accident in the mountainous forest of Fukushima

新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 三田地 勝昭*; 渡辺 貴善

no journal, , 

An understanding of the environmental dynamics of radiocesium, especially $$^{137}$$Cs with long half-life of 30 years, released from the TEPCO's Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident is crucial issue to estimate future redistribution and forest-products activities of radiocesium in forested environment of Fukushima, Japan. In this paper, we discuss above- and belowground distributions of radiocesium in a Japanese cedar plantation forest based on 2015-2017 investigations. The belowground $$^{137}$$Cs occupied 90% of the total $$^{137}$$Cs inventory in the Japanese cedar forest. Most of $$^{137}$$Cs was distributed until a depth of 10 cm, where the highest $$^{137}$$Cs inventory in the fine root. This result indicates that $$^{137}$$Cs is absorbed by the tree fine root from the soil layer with inorganic elements, nutrients, and water, although its amount is very limited.

口頭

保健物理・環境科学研究における原子力機構の役割; 福島事故を経験して

植頭 康裕

no journal, , 

保健物理, 環境科学における原子力機構の今後の役割について、東京電力福島第一原子力発電所事故後約10年を経た現在の状況、原子力機構内の事故トラブルへの対応状況等を踏まえ報告する。

口頭

福島県飯舘村における家屋周りの空間線量率分布の特徴について

Kim, M.; Malins, A.; 町田 昌彦; 吉村 和也; 吉田 浩子*; 斎藤 公明

no journal, , 

住民が長く滞在する家屋において、室内の放射線場はどの要因で構成されているかを明らかにすることは、住民の被ばく評価において重要な情報源になる。本研究では、3D-ADRESを活用して、家屋とその周辺環境, 線源分布をモデルより構築し、周辺環境と家屋内の空間線量率の相関関係を調べることを最終目標とし、実測調査を行った。対象地域は、生活圏等に除染が実施された飯舘村の家屋とした。周辺環境の詳細な線源分布を調べるために連続測定が可能な$$gamma$$プロッターを用いて空間線量率測定を行った結果、典型的な空間線量率の分布が得られた。

口頭

福島県阿武隈山地のスギ林及びコナラ林における放射性セシウム分布

新里 忠史; 佐々木 祥人; 渡辺 貴善; 伊藤 聡美; 雨宮 浩樹*

no journal, , 

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所事故に由来する放射性物質のうち、$$^{137}$$Cs(以下、Cs)は半減期が約30年と長く、今後長期にわたり分布状況をモニタリングし、その影響を注視していく必要がある。森林のCs流出率は最大数%であり、森林がCsを長期的に留める機能は極めて高いと考えられる。本研究では、コナラ林とスギ林における林内のCs分布に関する調査結果を報告する。阿武隈山地の生活圏に隣接するコナラ林とスギ林の各1地点を対象に、スギ林は2015年10月と2017年9月、コナラ林では落葉前の2018年10月に調査を実施した。森林内のCs分布は、コナラ林とスギ林ともに、Cs存在量の約8-9割が地下部(リター及び土壌層)に存在し、経年でCs存在量の重心がリター層から土壌表層に移動していた。スギ立木の2015年と2017年を比較すると、調査地のCs存在量に占めるスギ針葉Csの割合が2.2%から0.6%に低下し、立木全体では4.8%から3.0%に低下していた。コナラ立木では、調査地のCs存在量に占める材Csの割合は1.7%であり、スギ立木の0.3%(2015年10月と2017年9月)と比較して高い結果が得られた。スギ立木のCs存在量は低下傾向にあり、リターフォール等による樹木からのCs除去が作用し、土壌から樹木細根を介してCsが樹木に移行していたとしても、立木全体のCs量が減少していると考えられる。ただし、コナラ立木とスギ立木では樹木各部のCs分布に差異が認められ、スギ立木の減少傾向がコナラ立木にも適用可能か継続調査で明らかにする必要がある。

口頭

福島県阿武隈山地のコナラ林における森林内セシウム137移行量の推定

新里 忠史; 佐々木 祥人; 雨宮 浩樹*; 吉田 香織*; 君山 和宏*

no journal, , 

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の事故に由来する放射性物質のうち、セシウム137は半減期が約30年と長いことから、今後長期にわたり分布状況とその影響を注視していく必要がある。本研究では、降雨量、樹木密度および樹種といった地理的条件がほぼ同一である福島県阿武隈山地の複数林分にて、森林樹冠から森林林床へのCs移行量に関する調査観測を実施した。その結果、各林分でリターフォール、樹幹流および林内雨によるCs移行量が異なる結果が得られ、森林内におけるCs初期沈着状況や森林内でのCs存在形態が異なる可能性が見出された。

口頭

Evaluation of effective dose and organ dose based on electronic personal dosemeter readings for epidemiological studies of emergency workers at the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

辻村 憲雄

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所事故で緊急作業に従事した作業員の疫学研究が行われている。本研究では、これらの作業員の線量を精緻化する必要がある。そこで、人体形状ファントムを用いて、作業員が装着していた光子用電子式個人線量計(パナソニック製ZP-1460)の応答試験を行い、線量計の測定値(Hp(10))から実効線量や臓器吸収線量(赤色骨髄、大腸、肺、甲状腺、水晶体)への換算係数を回転被ばくや等方被ばくジオメトリで評価した。線量計で測定されなかったベータ粒子による線量については、2つの被ばくシナリオに基づく計算シミュレーションを行った。1つ目のモデルでは、線源核種(放射性ヨウ素、放射性テルル、放射性セシウムなど)を地表に一様に分布させ、2つ目のモデルでは、線源核種を空気中に一様に分布させた。作業員の目の高さにおけるベータ線Hp(3)と個人線量計の測定値である光子Hp(10)の比を、各核種の放射能比と事故後の経過時間の関数として評価した。前者のモデルでは、光子Hp(10)に対するベータ線Hp(3)の比率は最大で約0.25と評価された。しかし、実際の地表の凹凸によるベータ粒子の吸収やフルフェイス呼吸保護具による遮蔽効果を考慮すると、この比はかなり低くなると予想される。第2計算モデルのベータ線Hp(3)は、光子Hp(10)に比べて重要でないと評価された。

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