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宇都野 穣; 清水 則孝*; 大塚 孝治*; 吉田 亨*; 角田 佑介*
Physical Review Letters, 114(3), p.032501_1 - 032501_5, 2015/01
被引用回数:42 パーセンタイル:85.31(Physics, Multidisciplinary)通常の偶偶核では、,
,
状態が強い
遷移で結ばれていることがよく知られている。最近、中性子過剰核
Sの
状態が観測され、
から
への
遷移が非常に抑制されているという新しい現象が見つかった。この論文では、その起源を理論的に解明した結果を報告する。この強く抑制された
遷移は殻模型計算によって得られるが、殻模型の多体波動関数は非常に複雑なため、
遷移の抑制が起こる起源がこれまで理解されてこなかった。ここでは、角運動量射影後の変分法によって物体固定座標系における多体波動関数を得るという新規な手法を導入した。その波動関数を解析した結果、
,
では
量子数(物体固定座標系における角運動量の第3軸成分)が0となる通常の回転状態が主であるのに対し、
については
が主の状態が
が主の状態よりも低いエネルギーに出現し、それによって
遷移が抑制されることがわかった。この解釈は
Sの励起スペクトルも説明可能なことから妥当性が高い。これは、
核異性体の一種であり、これまで発見されたもので最も軽い核で出現するものである。
静間 俊行; 早川 岳人; 御手洗 志郎*; 森川 恒安*; 石井 哲朗
Physical Review C, 71(6), p.067301_1 - 067301_4, 2005/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.56(Physics, Nuclear)深部非弾性散乱反応を用いて、中性子過剰核Wの励起状態を生成した。反応チャンネルの選別のため、ビーム様フラグメントをシリコン検出器を用いて測定した。また、ゲルマニウム検出器を用いて、遅延
線の測定を行った。その結果、
Wにおいて、励起エネルギー411keVに、新たに1.56(28)マイクロ秒の核異性体の観測に成功した。近傍の原子核の準位構造から、この核異性体は、
[615]準粒子配位を持つことがわかった。
静間 俊行; Gan, Z. G.*; 小川 建吾*; 中田 仁*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 早川 岳人; 初川 雄一; 菅原 昌彦*; 宇都野 穣; et al.
European Physical Journal A, 20(2), p.207 - 210, 2004/04
被引用回数:14 パーセンタイル:69.57(Physics, Nuclear)深部非弾性散乱反応によりBaの核異性体の同定に成功した。
線の同時計測データーの解析から、核異性体の励起エネルギーを3357keV、スピン及びパリティを10
と決定した。また、
線の時間相関の分析から、核異性体の半減期として、94
10nsを得た。さらに、殻模型計算から、核異性体に対して、2つの中性子が
軌道をとる配位であることを明らかにした。
静間 俊行; 御手洗 志郎*; Sletten, G.*; Bark, R. A.*; Gjorup, N. L.*; Jensen, H. J.*; Piiparinen, M.*; Wrzesinski, J.*; 清水 良文*
Physical Review C, 69(2), p.024305_1 - 024305_18, 2004/02
被引用回数:16 パーセンタイル:66.15(Physics, Nuclear)Yb(
C,4n)反応を用いて、
Os原子核の高スピン構造の実験的研究を行った。その結果、これまで知られていた1準粒子配位に基づくほとんどの回転帯に対して、より高い励起準位まで観測することに成功した。また、新たに、多準粒子配位に基づく回転帯を発見し、g因子の測定により、ニルソン配位を決定した。さらに、励起エネルギー5008keVに、半減期18ナノ秒を持つ、新しい核異性体の同定に成功した。本論文では、K禁止の度合いについて、量子トンネリング模型と比較分析を行う。
静間 俊行; 藤 暢輔; 大島 真澄; 菅原 昌彦*; 松田 誠; 早川 岳人; 小泉 光生; 長 明彦; Zhang, Y. H.*; Liu, Z.*
European Physical Journal A, 17(2), p.159 - 165, 2003/06
被引用回数:10 パーセンタイル:54.92(Physics, Nuclear)加速エネルギー500MeVのSeビームを
Reに照射し、非弾性散乱反応により、
Re原子核の励起状態を生成した。放出
線をゲルマニウム検出器により計測した。その結果、
[402]と
[514]の準粒子配位をもつ2つの回転バンドについて、それぞれ、
and
まで観測でき、そのバンド構造は、回転模型により説明できることを明らかにした。また、励起エネルギー1682keVに、新たに半減期114(23)nsの核異性体を発見した。この核異性体の準粒子配位や、崩壊機構について議論する。
早川 岳人; 静間 俊行; 山内 俊彦; 峰原 英介; 有澤 孝
Nuclear Physics A, 718, p.665c - 667c, 2003/05
Reには20万年の長い半減期の核異性体が存在する。
Reの中性子照射によって
Re核異性体が生成されるはずであるが、その絶対値測定は行われていなかった。そこで、東海研原子炉JRR-4を用いてRe金属薄膜に熱中性子を6時間照射した。4ヶ月の冷却期間後に、
Re核異性体から
崩壊にともなって放出される
線を測定することで中性子捕獲断面積の測定を行った。この中性子捕獲断面積は、重元素合成過程において重要であり、187Os-
Re原子核宇宙時計への寄与が問題になる。この測定によって、
Re核異性体経由の寄与は186Osの存在量の1パーセント以下であることを明らかにした。
静間 俊行; 清水 良文*; 早川 岳人
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(11), p.1137 - 1141, 2002/11
被引用回数:4 パーセンタイル:28.58(Nuclear Science & Technology)遷移の禁止度の非常に大きな
核異性体の崩壊について、量子トンネル効果を考慮した理論模型を用いて、遷移確率の系統的な研究を行なった。本研究では、われわれが観測した
禁止遷移、及び、最近、他グループにより報告された
禁止遷移について、実験値と理論値の比較分析を行なった。その結果、実験値と理論値の非常によい一致を得ることができ、量子トンネル効果による
核異性体の
崩壊メカニズムを明らかにした。さらに、質量数180領域の中性子過剰核に対して、量子トンネル効果によるK核異性体の波動関数の透過率の同位体依存性を調べた。その結果、陽子数66、中性子数104付近において、透過率が最も小さく、この付近の原子核において、核異性体の存在する可能性が大きいことがわかった。
静間 俊行; Stevenson, P. D.*; Walker, P. M.*; 藤 暢輔; 早川 岳人; 大島 真澄; 古野 興平*; 小松原 哲郎*
Physical Review C, 65(6), p.064310_1 - 064310_12, 2002/06
被引用回数:16 パーセンタイル:62.05(Physics, Nuclear)Er(
O,4n)反応を用いて、
Os原子核の高スピン状態の研究を行った。その結果、半減期48ナノ秒,
の核異性体とともに、新しい負パリティ状態の観測に成功した。多準粒子配位の計算から、ニルソン準位による配位を決定した。また、ポテンシャルエネルギー表面の計算結果から、
Os原子核の高スピン負パリティ状態において、3軸非対称変形が現れることがわかった。さらに、
の核異性体の崩壊における
量子数の役割について明らかにした。
静間 俊行; 松浦 勝之*; 藤 暢輔; 早川 岳人; 大島 真澄; 初川 雄一; 松田 誠; 古野 興平*; 佐々木 康之*; 小松原 哲郎*; et al.
Nuclear Physics A, 696(3-4), p.337 - 370, 2001/12
被引用回数:20 パーセンタイル:73.33(Physics, Nuclear)Osの高スピン状態を、170Er(18O,5n)反応を用いて生成した。その結果、5つの回転バンドを新たに観測し、gファクターから準粒子配位を決定した。また、励起状態 5000MeV程度に、2つの核異性体を観測した。その内の1つは、K量子数43/2を有し、基底状態回転帯(K=9/2)へ、K量子数の差17を伴う遷移をしていることが明らかになった。本論文では、量子力学的トンネリグ模型を用いて、この核異性体の崩壊機構を解明する。
有澤 孝; 的場 徹; 山川 考一; 丸山 庸一郎; 貴家 恒男; 若井田 育夫; 中島 一久*; 佐々木 明; 峰原 英介; 大島 真澄
Proc. of the 1st International Induced Gamma Emision Workshop, p.29 - 41, 1999/00
光量子科学では、超高ピーク出力レーザーでX線レーザー及びX線光源を駆動し、さらにそれによって線を駆動するというような手順で研究開発を進めている。今までに得られた超高ピーク出力レーザーについて紹介しながら、X線や
線の放出方法について説明を行う。特に、核異性体を用いた
線核分光及び
線放出研究について述べる。
森川 恒安*; 郷農 靖之*; 森田 浩介*; 岸田 隆*; 村上 健*; 井出口 栄治*; 熊谷 秀和*; G.H.Liu*; A.Ferragut*; 吉田 敦*; et al.
Physics Letters B, 350, p.169 - 172, 1995/00
被引用回数:19 パーセンタイル:70.50(Astronomy & Astrophysics)高スピン核異性体を逆運動学的核融合反応により生成し、不安定核二次ビームとして用いるあたらしい実験手法を開発した。この手法によりHfのK
=8
核異性体からなる二次ビームを
Pbの第二次標的に照射し、散乱粒子と脱励起ガンマ線の同時計数法を用いてクーロン励起実験をおこなった。核異性体上に構築されたJ
=9
の第一励起状態からのガンマ線を測定し、その収量から換算遷移確率B(E
;8
9
)の値をもとめた。その結果、この核異性体上の励起状態は基底状態とほぼ同程度の変形をした集団運動の状態であることがわかった。実験データとの比較によると、この核異性体のK量子数はかなり良い量子数であると考えられる。また、この実験は高スピン核異性体二次ビームによる二次反応を用いて行われた初めてのガンマ線核分光実験であった。
永目 諭一郎; 馬場 澄子*; 斉藤 直*
Applied Radiation and Isotopes, 45(3), p.281 - 285, 1994/00
被引用回数:5 パーセンタイル:47.12(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Mo(p,n)
Tc反応における励起関数及び核異性体生成断面積比を統計モデルに基づき解析した。その結果、陽子の入射エネルギーが12MeVを越えるエネルギー領域で、前平衡過程の寄与が起きていることが判明した。また複合核の角運動量分布を仮定した半経験的方法による解析からターゲット及び生成核のスピン差と核異性体生成断面積比の関係を議論した。
山室 信弘*; 飯島 俊吾*; 浅見 哲夫*
JAERI-M 91-006, 65 Pages, 1991/02
1987年度より開始された放射化断面積データファイルの作成も本年で第3年次となった。かねて選定されていた59元素の放射化生成核の半減期が1日以上のものについては一応終了することになる。今年度評価された核種は、Zn,As,Sr,Y,Pd,Ba,Sm,Tb,Os,Irの10元素であるが、昨年度のHf,Re,Pb,Biについても改訂作業が進められた。中性子エネルギーはJENDL-3ファイルなどと同様10eVから20MeVであり、計算・評価の結果はENDF/B-5フォーマットのファイル10の形式でディスクに納められた。本年度も昨年同様簡易入力核断面積計算システム第II版(SINCROS-II)で計算したもの、及びJENDL-3より断面積を採用し、GNASHによる計算を単に核異性体生成比の決定に用いることで求めたものの二つに区別できる。計算結果は実験データと比較され評価結果が妥当であることが示された。
永目 諭一郎; 末木 啓介*; 馬場 澄子*; 中原 弘道*
Physical Review C, 41(3), p.889 - 897, 1990/03
被引用回数:33 パーセンタイル:85.17(Physics, Nuclear)Auをターゲットとして、陽子、ヘリウム-3、
粒子誘起反応を、生成物の励起関数、反跳飛程、核異性体生成断面積比を測定して調べた。中性子放出だけを伴う(particle,xn)反応では、複合核を経由する反応の特徴を示した。一方荷電粒子(陽子、
粒子等)放出を伴う反応では、直接反応の寄与が大きいことがわかった。また、
Au(p,pn)
Au
反応では、高スピン状態にある生成物
Au
と低スピン状態の
Au
との間に生成機構に顕著な差が見られた。(
He,2p)反応では、一段階の一中性子移行反応の典型的な特徴を示していた。実験データと統計モデルの計算との比較の結果、(particle,xn)反応に関してはよい一致が見られた。また、複合核経由の反応について、複合核のスピン分布から核異性体生成断面積比を予測する。半経験的方法を提案した。
杉山 晃一*; 郷 慎太郎*; 富松 太郎*; 甲斐 民人*; 長江 大輔*; 石橋 優一*; 松永 壮太郎*; 永田 優斗*; 西畑 洸希*; 鷲山 広平*; et al.
no journal, ,
中性子過剰重アクチノイド核の励起準位構造を明らかにするため、アイソマースコープ法を用いたアクチノイド核のインビーム線分光実験を実施した。中性子過剰重アクチノイド核は、原子力機構タンデム加速器で加速したO-18(
O)ビームをCm-248(
Cm)標的に照射して多核子移行反応で合成した。後方に散乱したビーム様粒子をSi E-
E検出器で検出して生成核を識別し、前方方向に散乱された標的様粒子の核異性体を60mm程度下流に設置したアルミ板で捕集した。アルミ板の周囲に4台のGe検出器及び4台のLaBr検出器を設置して、捕集された核異性体からの
線を測定した。標的と検出器の間にタングステン遮蔽を設置して標的から放出される多量の
線を遮蔽し、アクチノイド核異性体からの
線を感度良く検出することに成功した。
鎌田 裕生*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; 永目 諭一郎; 水飼 秋菜; 富塚 知博*; Andreyev, A. N.; 西尾 勝久; et al.
no journal, ,
Npにこれまで知られていない核異性体が存在することを初めて発見した。
Npは、原子力機構タンデム加速器を用いて合成された。短寿命核反応生成物をオンライン同位体分離装置ISOLで質量分離し、
Npの崩壊に伴って放出される
線及びX線を観測した。半減期は約9分と決定され、核異性体遷移に加えてEC崩壊することも明らかとなった。観測された
線やX線及び半減期の値から、
Npの準位エネルギー、スピン・パリティ、陽子-中性子軌道配位を推定した。