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秋葉 美幸*; 堀田 亮年*; 阿部 豊*; 孫 昊旻
日本原子力学会和文論文誌, 19(1), p.1 - 15, 2020/02
プールスクラビングの機構を理解するために、スケールが異なる3つの試験を実施した。小規模個別効果試験では、高速ビデオ, ワイヤメッシュセンサー, PIV等の高分解能二相流計測手法を用いて、単一気泡や二相流構造を把握した。大規模総合効果試験では、定圧と減圧両方の条件におけるエアロゾル除去効果に対する水深や水温の影響を計測した。これらの試験から得られた個別現象と総合現象の関係を明確にするために、中規模総合効果試験を行っている。
永吉 拓至*; 吉田 啓之; 大貫 晃; 秋本 肇
日本原子力学会和文論文誌, 4(1), p.16 - 24, 2005/03
稠密格子燃料集合体内の気液二相流の流体混合現象のシミュレートを目指し、改良界面追跡法を用いた気液二相流解析コードTPFITを開発した。TPFITの検証作業の一環として、大気圧・水-空気を用いた2チャンネル流体混合実験の解析に適用し、チャンネル間のクロスフローによる単一スラグの変形・分裂挙動やチャンネル間差圧の時間変化を比較した。その結果、スラグ上昇速度を過小評価する傾向はあるが、クロスフローによるスラグの変形・分裂挙動をTPFITが良好に予測できることを確認した。水と流路内壁との接触角など気液界面と流路壁面との相互作用の取り扱いに検討の余地が残るが、TPFITが狭隘ギャップを介した気液二相の流体混合挙動を予測できる見通しを得た。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS 2005)論文集, P. 16, 2005/01
燃料集合体内の二相流解析には従来から二流体モデルが使われているが、二流体モデルはすでに特性が解明されている範囲での平均的かつ巨視的な現象に対してのみ有効であり、気液二相流を特徴づける非定常な界面構造を予測する機構論的な解析法とは言い難い。そこで、著者らは地球シミュレータ等のスパコンを利用して相変化や流動遷移などの複雑な過渡現象を含む二相流挙動を直接的に解析する手法の開発を行っている。本報では、革新的水冷却炉を例として行った検証解析結果について述べる。稠密に配置された燃料棒間の流路形状を簡略模擬した体系で大規模二相流解析を行い、(1)微細な気泡は下流へと移行しながら合体し、次第に成長する,(2)合体により気液界面が大きく変形し、それに伴って気泡周囲に複雑な速度場が形成される等の3次元的な気泡流のダイナミクスを再現できた。予測結果の傾向はモデル実験結果とよく一致しており、大規模シミュレーションを主体とした炉心熱設計の実現に大きな見通しを得た。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定; 秋本 肇
第22回日本シミュレーション学会大会発表論文集, p.85 - 88, 2003/06
自由表面を有する流れは、大気と接する海洋,河川,湖沼のような自然界ばかりでなく、化学プラントや原子力機器などの工学の分野にも広く存在する。自由表面は移動境界であると同時にその存在が表面近傍の乱流構造を変化させるため、運動量輸送や熱物質輸送に大きな影響を与える。特に、乱れエネルギーの散逸がその発生率より大きくなる界面近傍の乱流構造は現在も不明な点が多い。原子炉燃料棒表面に見られる液膜流も自由表面流の一つである。著者らはすでに、燃料棒表面に設置されるスペーサリブ等の微小突起が液膜流に及ぼす影響を数値的に調べ、気液界面に発生する大きなせん断力によって流体中に乱れが形成され、これにより界面形状の不安定性が促進されることを明らかにした。本報では、この界面不安定現象を4種類の乱流モデル(標準型k-,改良型k-
,レイノルズ応力及びラージエディシミュレーション)を使って予測し、界面挙動に及ぼす乱流モデルの影響を比較した。各モデルによる予測結果で最も大きな違いは、突起後方に形成される循環流の様相と強い乱れによって液膜から生成される液滴挙動の2つであり、特に後者はLESの結果に顕著であった。今後は、実験を行って検証データを取得するとともに界面挙動を高精度で予測できる乱流モデルの開発を行う考えである。
技術協力課*
JNC-TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08
機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。
三島 嘉一郎*; 中村 秀夫
JAERI-Review 2001-012, 51 Pages, 2001/03
原子炉事故時挙動最適評価解析コードの予想精度向上を目的として、二流体モデルに界面面積輸送モデルを組み込み、気液二相流モデルに予測する試みがなされている。しかし本モデルは開発途上のため、依然として多くの理論的考察と実験データの蓄積が必要である。本研究は、界面面積輸送モデルの開発に寄与するため、大口径円管内の多次元的な気液二相流で界面面積分布を測定し、流動特性の把握とデータベースの構築を目指すものである。11年度は、本モデルの開発及び大口径管内気液二相流の特性解明にかかわる研究をレビューした。その結果、1次元的に気泡形状が球形に近い気泡流では、ダブルセンサプローブが良い計測結果を出しているが、スラグ流やプラグ流等の多次元的流動では、界面面積計測法、理論的考察ともに未完成で、開発要素が大きいことを明らかにした。これらの結果を今後の研究計画に反映させる。
技術協力課*
JNC-TN1400 2000-003, 0 Pages, 2000/07
機構は、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究協力制度を発足させた。同制度は、平成11年度で5年目を迎え、対象としている研究分野は機構の研究開発に係わるすべての分野に拡大している。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組むプロジェクト開発に先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度では、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等から研究目的を達成する上で必要な研究協力課題及び研究協力者を提案して頂き、外部の専門家を中心とする選考委員会で研究協力課題を選考している。研究協力形態としては、大学等との共同研究の実施又は客員研究員として受け入れる形態を採用している。なお、共同研究又は客員研究員に大学院修士課程・博士課程の学生を研究生として加えることも可能としている。本報告書は、平成11年度に実施した高速増殖炉関係、核燃料サイクル関係及び環境技術関係の先行基礎工学研究に関する49件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、49件の研究協力課題のうち、高速増殖炉関係の12件、核燃料サイクル関係の1件及び環境技術関係の4件の合計17件については、平成11年度で終了した。
鈴木 徹; 飛田 吉春
JNC-TN9400 2000-019, 35 Pages, 2000/03
レーザー共鳴イオン化分光法は、近年、超高感度の微量元素分析や効率的な同位体分離などの先端技術として脚光を浴びており、レーザー性能の向上と相まって、さらに広範な工学応用への展開が見込まれている。本研究は、このレーザー共鳴イオン化分光と質量分析計からなるRIMS(Resonance Ionization Mass Spectrometry)を活用し、従来のXe,KrなどのFPガスモニタリングによる破損燃料検出及び位置決め法(Failed Fuel Detection and Location:FFDL)の高精度化及び高性能化とともに、技術革新の可能性を検討するものである。平成8年度から11年度に渡って、核燃料サイクル機構先行基礎工学分野における協力研究の下で、東京大学工学系研究科原子力工学研究施設に設置された高速中性子科学研究設備(共同利用設備)のレーザー共鳴イオン化質量分析システムを用い、Xe,Krの検出限界やS/N比などの基本性能を明らかにする基礎実験と理論的評価とともに、高速実験炉「常陽」のカバーガス分析を対象とする実証試験を行った。その結果、本研究で提案するRIMS-FFDL法は、従来のFFDL法と比較して、感度、S/N比、迅速検出性の基本的な要求性能を同時に満たすことができ、さらに「もんじゅ」で使われるタグガス法と組み合わせると、オンラインで簡便にFPガス同位体比分析が行える画期的なFFDLシステムの構築が可能との結論が得られた。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 鈴木 貴行*; 秋本 肇
日本機械学会山梨講演会講演論文集(000-4), p.173 - 174, 2000/00
核融合実験炉ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)で真空容器内冷却材侵入事象(Ingress of Coolant Event)が起きた場合の真空容器内の気液二相流挙動を数値解析的に調べ、ITER構成要素を約1/1600で模擬したICE統合試験装置の結果と比較した。解析には二相流モデルから成る3次元Navier-Stokes方程式を使用した。ICE事象発生後、水の減圧沸騰によりプラズマチャンバー内は蒸気で満たされる。その後侵入水はダイバータを通って真空容器底部に停留する。本解析ではこの一連の二相流挙動を数値的に明らかにした。また、サプレッションタンク内では蒸気凝縮によって初期水量及び水温が増加し、その結果飽和水量が上昇することを数値的に検証した。一連のICE事象解析の結果は冷却材侵入時の水-蒸気沸騰二相流挙動を数値的に十分予測できることを示した。
not registered
PNC-TN1430 97-001, 28 Pages, 1997/01
事業団は、大学との研究協力の推進を図るため、平成6年度に大学との研究協力のあり方等を検討した。その審議結果に基づき、平成7年度から、先行基礎工学研究協力制度として実施している。先行基礎工学研究協力制度は、事業団の施設を主に利用した原子力工学分野に関する基礎的研究を大学との研究協力により推進するために、新たに設けた制度である。この制度は、事業団が設定した研究協力テーマに対して、大学側からの研究協力課題、研究者の応募をもとに、研究協力課題を選考し、大学との共同研究の設定、客員研究員の受入れ、研究生の受入れ等により研究協力を実施してきた。本報告書は、平成7年度に実施した高速増殖炉関係の先行基礎工学に関する8研究協力テーマ9件の実施結果の概要をまとめたものである。
三島 嘉一郎*; 日引 俊*; 西浦 英晃*; 飛田 吉春
PNC-TY9604 96-003, 10 Pages, 1996/05
本研究は,高速炉の炉心損傷事故時に炉心に形成される燃料とスティールの混合プールの沸騰挙動の解明に関する基礎研究であり,動燃と京都大学原子炉実験所との共同研究である。内容は溶融低融点金属に気泡注入を行う模擬試験に対して,中性子ラジオグラフィー手法を用いた可視化計測を行って,高密度比気液二相流の気泡径状,動態及びボイド率などの基礎データを取得すると共に,このデータを用いて動燃のSIMMER-IIIコードのモデル検証・改良などを行うものである。本年度は,共同研究の初年度として,低融点合金の予熱と吹き込みを可能とする実験装置一式の製作と気泡模擬形状の空間を有する固体資料を置いた状態でのラジオグラフィー可視化測定性確認試験を実施した。本報告書ではこの可視化測定性試験結果について報告する。
佐藤 泰生*; 佐田富 道雄*; 川原 顕麿呂*
PNC-TJ9614 94-001, 59 Pages, 1994/03
垂直気液二相流系におけるサブチャンネル間のクロスフローは、乱流混合、ボイド・ドリフト、および差圧混合の三つの成分から成るといわれている。このうち、各サブチャンネルにおける両相の流量が管軸方向に変化しない平衡流では、乱流混合のみが生じる。これに対し、非平衡流では、一般的には、これら三成分が共存した状態となる。本研究では、このような非平衡流について、管軸方向への流れの再配分過程に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を実験的に調査している。実験には直径16mmの二つの同一サブチュンネルからなる流路を使用し、これら二つに空気と水を不均一に導入することによって、サブチャンネル間に差圧のある場合とない場合のいくつかの非平衡流を実現した。そして、各サブチャンネルにおける管軸方向の空気と水の流量分布、ボイド率分布、片方のサブチャンネルに両相のトレーサーを注入した時の濃度分布のデータを、サブチャンネル管差圧分布のデータと共に得た。さらに、これらのデータを分布して、上述の三成分に対応する空気と水の横方向速度を求め、それらの速度に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を調べた。
日本混相流学会*
PNC-TJ9565 92-001, 173 Pages, 1992/05
本研究は、三流体モデルに基づく熱流動解析の高度化を目的としている。高度化の対象は、流れのモデル、構成方程式、数値計算手法の3項目である。各項目に対して、現状の調査検討が実施された。その結果、高度化の方策を提示することができた。また、今後の構成方程式の高度化に役立つ水・蒸気系及び水・空気系実験データベースが収集された。数値計算法に関しては、計算効率を向上させるための方法が提示された。この方法により、計算速度は約20倍に向上した。
傍島 眞
混相流レクチャーシリーズ第3回; 基礎から最前線まで, p.55 - 67, 1989/00
混相流中で最も一般的に出会う気液二相流の計測法について解説し、その開発利用の具体的例を示した。計測の対象となる量には、各相の流量(流速)、ボイド率、平均密度のほか、局所量として液滴密度と径分布、液膜厚さなどがある。これらの計測器の開発は、原子力の安全研究において二相流の熱水力モデルを作成するために必要な現象把握の測定を目的として、近年に体系的に行われてきた。様々な原理を利用した計測器の例を上げ、その利用技術や問題点を使用経験をもとに紹介した。
加藤 由幹; 吉田 啓之; 横山 諒太郎*; 金川 哲也*; 金子 暁子*; 文字 秀明*; 阿部 豊*
no journal, ,
本研究では、原子力プラントに対する地震の影響を評価するため、地震加速度付加時の気液二相流の予測技術開発を行っている。本報告では、振動を付加した条件での水平円管内単一気泡の可視化観察結果により、構造物が振動した際の単一気泡の応答特性を評価した。その結果、低周期の条件を除いて、構造物が振動した際に、気泡の速度が構造物に対する振動とほぼ同じ周期で変動することを確認した。また、構造物に対する振動とほぼ同じ周期で変動する際の気泡の速度は、簡便な一次元モデルにより評価できることを確認した。
孫 昊旻; 岡垣 百合亜; 柴本 泰照; 佐藤 聡; 与能本 泰介
no journal, ,
プールスクラビングによるエアロゾル除去に関して多くの研究がなされているものの、エアロゾル除去機構に強く関わる気液二相流の詳細挙動との関連は十分には把握 されていない。本研究では、これに着目し機構論的スクラビングモデルの開発を目的 とし、実験を中心とする検討を実施する。実験では、内径200mm、高さ約4mの円管内 のプール水に対して、エアロゾルを含むガスを注入し、プール入口と出口のエアロゾル量を計測することでエアロゾル除去率を評価するとともに、プール内の気液二相流の詳細挙動を計測する。本報告では、本研究の目的、内容、整備した実験装置、これまで得られた結果について述べる。
伊藤 啓; 小泉 安郎*; 大島 宏之; 河村 拓己*
no journal, ,
ナトリウム冷却高速炉におけるガス巻込み現象を解析対象として、界面追跡法による高精度CFDコードの開発を行っている。高速炉ガス巻込み現象は、自由液面渦の中心線に沿った界面のくぼみ(ガスコア)およびガスコア先端からの気泡千切れによって特徴づけられる。解析精度向上のため、気液界面形状(界面勾配・曲率)や気液界面における力学的バランスを正確にモデル化した物理ベース手法を開発しており、本発表では、ガス巻込み基礎試験を対象とした検証解析を行うことで、気泡千切れ挙動やガス巻込み量を再現できることを示す。
佐藤 彰紀*; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之; 高瀬 和之*
no journal, ,
軽水炉において想定される大破断LOCA等の事故発生時、炉心内の冷却水水位低下によって自然循環が停止し、炉心内部の冷却水は停滞水条件となる。本研究では、停滞水条件下における気泡流挙動を把握するため、直径の異なる円筒形障害物を流路内に設置し、その周りを上昇する気泡挙動に関するデータを取得するとともに、実験結果と二相流詳細解析コードTPFITによる数値解析結果との比較を行った。ハイスピードビデオカメラによる直接撮影やワイヤメッシュセンサによる断面ボイド率分布計測によって、障害物周りでは気泡の蛇行や旋回などの複雑な気泡流挙動が生じることを確認した。また、それらの複雑な挙動について、TPFITと比較したところ、TPFITでも同様な挙動が再現できており、TPFITによって円筒形障害物周りの複雑な気泡流挙動を定性的に予測できることを明らかにした。
小野寺 直幸; 大橋 訓英*
no journal, ,
荒天下での船舶の操縦性性能は安全性に直結するため、重要な研究課題の一つである。船舶の運動を詳細に解析するためには、固気液三相流に対して大規模解析を行う必要がある。本研究では格子ボルツマン法に多相流モデルを適用し解析を行った。格子ボルツマン法は連続的なメモリアクセスを行う計算手法であるため大規模計算に適した手法である。計算コードはGPUの言語であるCUDAに基づき書かれており、東京工業大学のスパコンTSUBAMEにおいて良い実行性能が得られている。また提案した多相流解析モデルは、気相と液相に対してそれぞれ独立に解析を行うことで、非定常な現象に対しても安定に解析が行うことが可能な手法である。本発表では有効性を確認するために、実際のバルクキャリアデータを読み込んだ700120
400格子点の解析を行い、高密度比の条件下において安定な解析が行えることを示した。
上澤 伸一郎; 堀口 直樹; 鈴木 貴行*; 柴田 光彦; 吉田 啓之
no journal, ,
フィルタ付ベントシステムの1つとして、ベンチュリスクラバがある。この性能は既存試験にて確認されているものの、近年の報告によれば、事故時には、既存試験で確認された運転条件範囲を逸脱する可能性が示唆されている。また放射性物質の除去性能がベンチュリスクラバ内の水-蒸気二相流挙動に大きく影響されると考えられているものの、実験的にベンチュリスクラバ内の水-蒸気二相流挙動を確認した例は少ない。本研究では、ベンチュリスクラバ内の二相流挙動を明らかにするため、ベンチュリスクラバ内の水-蒸気ならびに水-空気の二相流挙動可視化実験を実施した。その結果、自吸された水が喉部で管内に広がる様子が確認されたものの、下流の拡大部では液膜流が形成され、実機で想定される噴霧流とは異なっていた。ガス流速が大きくなると、喉部で自吸された水は管中心まで広がらず壁面に沿って流れてしまったが、喉部下流では間欠的に液膜から噴霧が形成される様子が確認された。この流動様式は想定されている水自吸口からの噴霧とは異なるものの、噴霧の生成という点では実機で想定された流動に近い。また、ベンチュリスクラバの縮小部のガス流速が増加するにつれて、水の自吸量は減少し、最終的に停止することが確認された。このようにガスの流速条件によって、ベンチュリスクラバ内の二相流挙動や水の自吸量が変化することから、ベンチュリスクラバの除染性能評価に対して、二相流の機構論的モデルに基づいた評価が必要と考えられる。