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椎名 保顕; 西原 哲夫
JAERI-Tech 2004-057, 51 Pages, 2004/09
本研究では、昨年(2002年)に引き続き水素とDMEに着目し、高温ガス炉の核熱をトータルに利用してそれらを製造するシステムを検討して経済性評価を行い、商用プラントで生産する場合との比較を行った。その結果、水素製造に関しては、高純度ガスを生産するPSAの段数を増やして回収率を高めること等により、商用プロセスと比べて高純度水素ガスの製造単価を約17%、また、間接法によるDMEの生産の場合にも高純度水素を回収する等の工夫を加えることにより、商用プロセスに比べて約17%安く生産できることが示された。しかし、DME生産に関しては産油国で生産する方が安価であり、現在のところ核熱を用いても国内で生産する経済的優位性はない。本評価から、天然ガスからの水素製造に関しては核熱を利用すると経済的であること、さらにCO削減効果も併せると核熱の有効性はさらに高まることが示された。
西原 哲夫
文教ニュース, 2 Pages, 2003/11
原研では、高温ガス炉HTTRの研究開発と並行して、高温ガス炉を用いた水素製造の研究開発を進めている。そこで、高温ガス炉水素製造について紹介する。ISプロセスは二酸化炭素を排出せず水から水素を製造できる化学プロセスであり、このプロセスの実用化に向けた技術開発を精力的に進めている。そして、HTTRを用いた水素製造実証試験を計画している。ただし、実証試験については、ISプロセスは研究開発段階のプロセスであることから、前段階として、広く工業化された天然ガスの水蒸気改質水素製造プロセスをHTTRに接続し、安全技術や運転制御技術の開発を行い、高温ガス炉水素製造システムの安全性を実証することとしている。これらの研究開発を通じて、早期の高温ガス炉水素製造システムの実用化を目指している。
椎名 保顕; 桜木 洋一*; 西原 哲夫
JAERI-Tech 2003-076, 52 Pages, 2003/09
水素エネルギーは2020年頃の普及を目標に開発が行われている。しかし、水素の利用が社会の隅々まで普及するには長い時間がかかると考えられ、それまでの間、液体燃料と水素が併行して使われるものと考えられる。近年、そのような見地から、DME等の石油代替燃料が注目されてきている。それらは、水蒸気改質法により製造される合成ガスから作ることができるため、水素とともに高温ガス炉の核熱を利用した化学プロセスの候補になりうると考えられる。そこで、本研究では、水素とDMEを取り上げ、それらを商用プラントで生産する場合と熱源として核熱を利用して生産する場合について経済性評価を行った。その結果、一般産業による製品に比べて核熱を用いて生産した方が、水素の場合には約7%程度、また、DMEの場合は約3%程度安くなることが示された。CO削減効果を評価すると、核熱の有効性はさらに高くなる。
塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明
Proceedings of 18th KAIF-KNS Annual Conference, p.209 - 218, 2003/04
黒鉛減速ヘリウム冷却型高温ガス炉(HTGR)は、固有の安全性を有するとともに高温のヘリウムガスを取り出せることから非常に魅力的な原子炉である。特に高温の核熱を用いた水素製造は、今般の環境問題である二酸化炭素の排出を解決するための最も有望な核熱利用系の一つであると期待される。これまでに、ドイツを初めとして各国で研究開発が開始されたが、日本を除いてはさまざまな理由により開発研究が中止あるいは終了されてきた。日本原子力研究所(原研)では、高温ガス炉の核熱を用いた水素製造システム開発のための水蒸気改質システムと熱化学水分解法ISプロセス法に関し、広範囲にわたる研究開発を進めている。本論文では、原研における高温ガス炉を用いた核熱利用研究開発の現状と高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムに焦点を合わせた技術的課題について概要を述べる。
武田 哲明
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.199 - 202, 2002/00
周囲から加熱される水平円管流路内に銅線を挿入して空気の強制対流により冷却する場合の熱伝達と圧力損失特性を実験的に調べるとともに、高空隙率多孔体を挿入した水蒸気改質器の性能及び構造の検討を行った。その結果、200以下の低温条件下でも平滑円管の場合に比べて熱伝達率は約1.5倍に増大した。一方,摩擦係数も8倍程度増大したが、加熱壁温度の上昇に伴って、伝熱促進効果は増大する傾向にあることを確認し、高温域では放射伝熱により更なる伝熱促進が得られるため、従来の伝熱性能を低下させずにコンパクトな熱交換器の開発が可能であるとの見通しを得た。
小川 益郎
エネルギー, 34(5), p.81 - 87, 2001/05
本解説では、水素の利用法、例えば燃料電池自動車用燃料としての利用及びその需要量、工業化されているメタン水蒸気改質法などの製造法などに関して、まず概説する。そして、天然には存在しない水素を作るエネルギー源として、自然エネルギーに比べエネルギー密度の高い高温ガス炉から得られる核熱を利用するために、現在原研で行っている研究開発について説明する。特に、高温ガス炉の特徴,二酸化炭素低減効果,水からの水素を作る熱化法ISプロセス,水素製造の経済性,今後の研究開発計画について述べる。
塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 片西 昌司; 武田 哲明; 西原 哲夫; 清水 三郎; 大橋 弘史; 宮本 喜晟
Proceedings of 12th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2000) (CD-ROM), 10 Pages, 2000/01
特会委託研究として進めているHTTR水素製造システムの設計、炉外技術開発試験、要素技術開発試験(水素透過試験,触媒管健全性試験等)、熱化学法ISプロセス閉サイクル試験等の研究開発課題の選択、進め方、現状、今後の計画について報告する。水素の潜在的需要について概観し、核熱による水素製造が重要であることを示す。また、研究開発の効率的推進を図るため、水素製造コストの概算値から、水蒸気改質ではエネルギー費、資本費、原料費がほぼ同じ割合を占め、それぞれ対応する研究課題である高効率化、熱利用施設の非原子力級化、高転化率化に関する研究をほぼ均等に進めること、一方ISプロセスではエネルギー費が水素製造コストの70~80%を占めることから、閉サイクル試験及び高効率化に関する研究課題が材料研究課題に比べ水素製造コストに大きく影響することを示した。
宮本 喜晟
IES-26, p.118 - 127, 2000/00
本報告では、高温ガス炉の特徴とこれまでの開発の経緯、我が国の開発現状として原研が進めているHTTRの概要と建設・試験の状況を示す。また、HTTRからの核熱を利用して水素を製造する世界で初めての実証試験を行うため、水蒸気改質水素製造システムの設計を進めている。この実証試験に先立ち、同システムの1/30規模の炉外技術開発試験装置の製作及び触媒管健全性試験,水素/トリチウム透過試験を行っている概要及び水からの水素製造ISプロセスの研究開発について紹介する。さらに、並行して進めているガスタービン発電高温ガス炉システムの設計検討を述べる。このほか、諸外国の開発現状、今後の高温ガス炉の開発展望について述べる。
稲垣 嘉之; 大内 義弘; 藤崎 勝夫; 加藤 道雄; 宇野 久男; 林 光二; 会田 秀樹
JAERI-Tech 99-074, p.63 - 0, 1999/10
HTTR熱利用系として、天然ガスの水蒸気改質(反応式:CH+H
O=3H
+CO)による水素製造システムが計画されている。HTTRと水蒸気改質システムの接続の前に、安全性及び制御性の実証、水素製造性能の確認等を目的として、HTTR水銀製造システムの1/30スケールモデルである炉外技術開発試験装置の製作を進めている。炉外技術開発試験装置は、中間熱交換器から下流の主要機器を模擬したもので、原子炉の代わりに電気ヒーターを使用して110Nm
/hの水素を製造する能力を有する。水蒸気改質器は、水蒸気改質により水素を製造する主要な機器である。炉外技術開発試験装置の水蒸気改質の製作においては、ヘリウムガスからの熱の有効利用並びにコンパクトな構造を目指して、バイヨネット型触媒管の採用、触媒管外表面に設けた直交フィンによるヘリウムガスの伝熱促進等の工夫を行った。また、伝熱促進を行うためには触媒管の肉厚を10mm程度にする必要があるため、触媒管の設計においては、ヘリウムガスとプロセスガスの全圧を考慮する全圧設計ではなく、両者の差圧をもとに触媒管の肉厚を定める差圧設計を適用した。この設計方法は、高圧ガス保安協会より初めて認可された。また、水蒸気改質器は可燃性ガスと電気ヒーターを内蔵することから防爆構造とした。本報告書は、炉外技術開発試験装置の水蒸気改質器の構造、触媒管差圧設計及び防爆構造の認可にかかわる内容について述べたものである。
羽賀 勝洋; 須山 和昌*; 稲垣 嘉之; 林 光二; 小川 益郎
JAERI-Tech 99-062, 31 Pages, 1999/08
炉外技術開発試験装置のシステム動特性解析のために製作した熱物質収支解析コードを用いて、水蒸気改質器の性能解析を行い、原料ガス流量、温度、原料組成等をパラメータとした時の改質器の熱負荷特性を明らかにした。解析条件は、ヘリウム側の温度、圧力、流量等は一定とし、ヘリウムガスの入口及び出口エンタルピーの差、つまり水蒸気改質器のエンタルピー消費量を計算して、パラメータ変動に対する水蒸気改質器の熱消費量変化の応答特性を調べた。その結果、伝熱促進のためにフィンを外面に加工した触媒管では平滑な触媒管に比べて水素製造量が12.5%増加すること、熱消費量に最も影響を与えるのはプロセスガスの供給流量であることなどがわかった。これらの結果は炉外試験装置の運転計画作成のためのデータとなる。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 羽田 一彦; 稲垣 嘉之; 清水 三郎; 小貫 薫
Proc. of 9th Canadian Hydrogen Conf., p.205 - 213, 1999/00
本報告は、現在原研で進めている核熱を利用した水素製造システムに関する研究開発について述べたものである。HTTRからの核熱を利用して水素を製造する世界で初めての実証試験を行うため、水蒸気改質法によるHTTR水素製造システムの概念設計等を進めている。また、この実証試験に先立ち、HTTR水素製造システムの約1/30の炉外技術開発試験装置の建設を進めている。一方、最終的に水からの水素製造を目指し、熱化学法の一種であるISプロセスの研究を進めている。ISプロセスの実験室規模での基礎実験の結果、48時間の安定な水素製造に成功し、この結果をもとに、次の段階の研究に移行しているところである。これら水素製造に関する研究開発の現状をまとめた。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 羽田 一彦
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 7 Pages, 1999/00
本報告では、現在原研で進めている高温ガス炉からの核熱を利用した水素製造に関する研究開発の概要について述べる。この核熱利用水素製造では、天然ガスの水蒸気改質によるHTTR水素製造実証試験のため研究開発及び熱化学法の一種であるISプロセスによる水からの水素製造のための研究を進めている。HTTRを用いた水素製造については、HTTR水素製造システムの設計、このシステムでの実証試験に先立つ炉外技術開発試験装置の製作、水素透過試験及び触媒管健全性試験を実施している。ISプロセスについては、化学実験で48時間の連続水素製造に成功し、工学試験の第一段階として、閉サイクル連続水素製造試験装置の製作に着手した。これら水素製造に関する研究開発の計画、技術・研究開発課題、並びに研究開発の現状について述べる。
稲葉 良知; 文沢 元雄; 殿河内 誠*; 竹中 豊*
エネルギー・資源, 19(6), p.558 - 563, 1998/11
原子力エネルギーを電気としてだけでなく、熱エネルギー源として直接産業利用するシステムとして、高温ガス炉核熱を用いたアンモニア製造プラントにおける石炭ガス化について検討した。既存の石炭ガス化プラントでは、酸素を用いた部分酸化法により石炭をガス化するが、核熱を利用した石炭ガス化プラントでは、高温ガス炉からの2次ヘリウムガスを用いた水蒸気改質法により石炭をガス化することにした。また、石炭ガス化プロセスでの2次ヘリウムガスの熱利用率を上げるために、ガス化炉として2段式の流動床炉を採用した。CO問題に関しては、化石燃料を用いる必要がないことから、その発生量を既存のアンモニア製造プラントと比較して年間約50万トン削減できる。しかしながら、実用化のためには新たな石炭ガス化炉の開発や経済性の問題等、解決すべき課題も多く残されている。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 清水 三郎; 羽田 一彦; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫
IAEA-TECDOC-1056, p.191 - 200, 1998/11
日本原子力研究所では、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて核熱利用系の実証試験計画を進めている。HTTRに接続する最初の熱利用系は10MWの熱によるメタンガスの水蒸気改質システムを選定している。このシステムに用いる水蒸気改質器の性能を向上させるため、バイオネット型触媒管及びヘリウムガスと触媒管表面の伝達促進構造を採用している。熱利用系をHTTRに接続する前に必要な安全審査等のため、炉外技術開発試験を行う。この試験は、電気ヒータでヘリウムガスを加熱するHTTR熱利用系の1/30規模の試験装置を用いて実機の制御性、運転特性等を把握する。試験装置の製作は今年から着手されており、2001年から試験を実施する。一方、熱利用系の基盤研究として熱化学法ISプロセスによる水からの水素製造研究を進め、実験的に水素の発生を確認した。
宮本 喜晟
第36回原子力総合シンポジウム予稿集, p.37 - 41, 1998/01
高温ガス炉は約1000Cの高温熱を供給することができ、核熱エネルギーの利用を発電のみならず産業用プロセスヒート分野での利用へと拡大できる可能性を有している。また、固有の安全性がきわめて高いことは、原子炉の熱需要立地を可能にするものであり、エネルギー源の多様化、安定確保への大きな貢献が期待できる。そこで、地球温暖化の解決のための高温ガス炉による熱利用の役割、必要性、並びに、高温ガス炉による核熱利用システムについて述べる。また、原研が取り組んでいる熱利用技術の研究開発について目的、内容、スケジュール等を述べる。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 秋野 詔夫; 小川 益郎; 羽田 一彦; 椎名 保顕; 清水 三郎; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 文沢 元雄; et al.
Proc. of 9th Annual U. S.Hydrogen Meeting, p.367 - 369, 1998/00
本報告は原研における高温ガス炉の核熱利用系に関する開発研究の現状を述べたものである。原研では我が国初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する高温核熱利用システムとして、早期に実用化が可能であるメタンの水蒸気改質による水素製造システムの技術開発を進めている。本報告では、HTTRに接続する水素製造システムの概念設計、水素製造システムの技術開発に必要な基本特性を明らかにするための要素技術試験の現状とこれまでに行った水蒸気改質基礎試験及び水の熱化学分解による水素製造(IS)プロセスの連続試験で得られた結果の概要を述べたものである。
羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 稲垣 嘉之; 羽田 一彦; 会田 秀樹; 関田 健司; 西原 哲夫; 山田 誠也*; 数土 幸夫
JAERI-Tech 96-053, 71 Pages, 1996/11
HTTRの目的の一つは高温核熱利用の有効性を実証することにある。HTTRという実炉に世界で初めて高温核熱利用系を接続して実証試験を実施するのに先立ち、機器の高性能化、運転・制御及び安全技術の実証、設計・安全評価解析コードの検証のための炉外技術開発試験が不可欠である。そこで、HTTRの最初の熱利用系として設計検討が進められている水蒸気改質水素製造システムについて、炉外技術開発試験計画を策定し、炉外技術開発試験のための試験装置の設計検討を行った。本報告は、試験装置の中核となる水蒸気改質器の設計検討の成果をまとめたものである。設計に当たっては、反応管が3本の場合と、コストダウンのために反応管を1本にした場合について、それぞれ反応特性、構造強度を解析評価し、その仕様と構造を定めた。
日野 竜太郎; 藤崎 勝夫; 小林 敏明; 会田 秀樹; 太田 幸丸; 大内 義弘; 関田 健司; 羽賀 勝洋; 加藤 道雄; 茂木 春義; et al.
JAERI-Tech 96-037, 45 Pages, 1996/09
HTTRという実炉を用いて世界で初めて高温核熱利用系を接続して実証試験を実施するのに先立ち、機器の高性能化、運転・制御及び安全技術の実証、設計・安全評価解析コードの検証のための炉外技術開発試験が不可欠である。そこで、HTTRの最初の熱利用系である水蒸気改質水素製造システムの炉外技術開発試験装置の設計検討を行った。本報告は、試験装置のなかで原子炉システムを模擬して約900Cの高温ヘリウムガスを水蒸気改質システムに供給するヘリウムガス供給系の設計についてまとめたものである。HENDEL全設備を調査してヘリウムガス供給系に再利用可能な機器を評価・整理した。また、新規に製作するヘリウムガス高温加熱器等の熱流動性能及び構造強度の評価を行い、その仕様と構造を定めた。
日野 竜太郎; 鈴木 邦彦; 羽賀 勝洋; 根小屋 真一; 深谷 清; 清水 三郎; 小貫 薫; 高田 昌二; 茂木 春義; 数土 幸夫
JAERI-Review 95-016, 115 Pages, 1995/10
HTTRの目的の一つは高温核熱利用の有効性を実証することである。HTTRに熱利用系を接続するのに先立ち、熱利用系及び構成機器の性能、熱利用系と原子炉システムとの整合性、安全性能などを検証する必要がある。そこで、HENDELを用いた炉外実証試験を提案し、これまで熱利用系の候補として挙げられてきた水素/メタノール製造システム(水蒸気改質システム)、熱化学法及び高温水蒸気電解法による水素製造システム、ガスタービン発電等について、R&Dの現状、技術的問題点、システムの概要などについて検討を行った。本報告はその検討結果を示すものであり、水蒸気改質システムは他のシステムより容易に設計・製作が可能であるため、HENDELに早期に設置し、炉外実証試験を通して、システム特性の把握、運転制御法の確立等を行うとともに、将来の核熱利用系に対して汎用性のある高温隔離弁、受動的冷却型蒸気発生器などの各種安全機器・技術を検証・高度化することができることを示した。
E.Achenbach*
JAERI-Review 95-008, 98 Pages, 1995/06
本レポートは、著者が原研の研究員招聘制度により2月2日~3月23日までの7週間、高温工学部に滞在したときに行った4回の講演をまとめたものである。著者が所属するユーリッヒ研究所(KFA)のエネルギープロセス工学研究所は、最近になって高温ガス炉に関する技術開発から燃料電池の技術開発へと研究項目を変更したが、多くの点で原研の研究と共通点を持っている。とくに、講演された、(1)原研の核熱利用システムとKFAの固体電解質型燃料電池(SOFC)に適用される水蒸気改質システムの研究、(2)原研における高温水蒸気電解とその逆反応であるKFAのSOFCに関する技術開発とモデル化、(3)原研の高温熱交換器とKFAのSOFCマニホールドにおける流量配分等のシミュレーション、(4)熱及び物質伝達の基礎研究については、相互に注目する分野である。本レポートは原研との今後の討議の下地として、そして原研の開発研究を促進・触発するものとして役立つものと考える。