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島田 太郎; 西村 優基; 武田 聖司
MRS Advances (Internet), 2(12), p.687 - 692, 2017/01
東京電力福島第一発電所の事故で発生した燃料デブリは、その特性調査が開始された段階であり、具体的な処分方法は示されていない。本研究では、燃料デブリ処分に求められるバリア機能を予察的に把握するため、HLWと同様の地層処分概念を前提に、既往文献から核種量や廃棄体形状を仮想し、燃料デブリ特性、人工バリア及び天然バリアの不確実性を想定した核種移行の感度解析を行った。その結果、燃料デブリの主要核種であるUを含む4n+2系列核種の天然バリア出口での移行フラックスは、燃料デブリ特性や人工バリアの不確実性を考慮しても、天然バリアの性能が確保されればHLWと同程度に収まり、また、他の系列及びFP核種の移行フラックスはHLWを下回ることがわかった。一方、燃料デブリ特有の
C,
Iについては、燃料デブリからの瞬時放出割合の感度が高く、これら核種の放出時の物理化学特性の把握が重要であることを示した。
北村 暁; 近沢 孝弘*; 赤堀 邦晃*; 舘 幸男
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(1), p.55 - 72, 2016/06
わが国では、従前の高レベル放射性廃棄物の地層処分に加えて、使用済燃料を直接深地層中に処分する方策(以下、直接処分)など、代替処分オプションに関する調査・研究が開始されている。このことを受け、直接処分の安全評価に必要となるパラメータのうち、使用済燃料および構造材(ジルカロイ被覆管や制御棒など)の溶解速度の設定に資することを目的として、直接処分の安全評価を進めている欧米各国の設定値を一覧するとともに、設定根拠および不確実性評価について調査した。欧州各国は設定にあたって欧州委員会主催のプロジェクトの成果を踏まえていることから、その内容についても概説した。溶解速度設定の根拠となる実測値については、各国とも共通して用いられているものが多く、得られた設定値についても類似しているものが多く見受けられた。また、不確実性については定量的な評価が難しいことから、各国とも保守的にパラメータを設定している様子が見受けられた。以上の内容は、わが国の直接処分の安全評価における溶解速度の設定の基盤情報として有効である。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 堀田 克敏*; 水野 大*; 小澤 達也
日本原子力学会和文論文誌, 4(4), p.242 - 247, 2005/12
SiO, CaO及びAl
O
を主成分とするスラグ試料を用いて、セメント共存下における静的浸出試験を90
Cで行い、処分環境として想定されるセメント環境でのスラグの溶解挙動を調べた。その結果、スラグは試験期間をとおして一定の速度で溶解することがわかった。これは、スラグとともに放出された主成分Siがカルシウムシリケート水和物に取り込まれることによって液中Si濃度の低い状態が保たれ、初期における溶解反応速度が継続したためと推察された。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*
廃棄物学会論文誌, 15(1), p.45 - 51, 2004/01
SiO,CaO及びAl
O
を成分とする塩基度の異なるスラグ試料について、酸性からアルカリ性の水溶液中における静的浸出試験を行った。アルカリ溶液中(pH12.4)及び酸性溶液中(pH1.6,4.0)におけるスラグの初期溶解速度は、中性から弱アルカリ性域(pH6.8,9.0)に比べて10倍以上に増大することがわかった。また、pH9.0以上の溶液中においてスラグの塩基度は初期溶解速度に影響を及ぼさないが、酸性から中性溶液中では塩基度の高いスラグほど初期溶解速度が大きくなった。この傾向は、スラグを構成するネットワークの溶解特性によって決まると推察された。
佐野 雄一; 小山 智造; 船坂 英之
JNC TN8400 2000-014, 78 Pages, 2000/03
CPFにおいてこれまでに実施された照射済高速炉燃料の各種溶解試験結果を対象に、U,Puの溶解挙動に影響を及ぼす各種因子について、fragmentationモデルに基づいた評価を行った。製造履歴に関わる因子(Pu含有率(Pu/(U+Pu))、照射履歴に関わる因子(燃焼度)、及び溶解条件に関わる因子(硝酸濃度、溶液温度及びHM(U+Pu)濃度)について、これらの影響を定量的に評価することにより燃料溶解速度の推定式を導入した。また、fragmentationモデル中に含まれるf値(硝酸の拡散及び燃料への浸透のしやすさを表すパラメータ)について、固液比、燃焼度及び燃料の粉化率との相関を検討、評価した。導出された推定式を用いることにより、表面積モデルに基づいた既存の推定式に比べ、これまでCPFにおいて実施された照射済高速炉燃料以外(未照射Uペレット、高Pu富化MOX燃料の溶解)を対象とした溶解においても本推定式の有効性が認められた。導出された推定式を用いた高濃度溶解試験時の溶解挙動評価からは、高濃度溶解時における燃料の溶解性低下が示された。燃料の溶解性は、酸濃度及び溶液温度を上昇させることによりある程度改善されるが、溶解槽等の機器材料への影響を考慮すると、f値を増加させる(剪断条件、攪拌条件等を最適化する)ことにより溶解性の向上を図ることが望ましいと考えられる。
新村 信雄; 栗原 和男*; 安宅 光雄*
J. Jpn. Soc. Microgravity Appl., 15(SUPPL.2), p.582 - 584, 1998/00
1997年5月にSTS-84スペースシャトルを使った微小重力下での実験機会があった。ミッションテーマは「微小重力下でのタンパク質結晶成長」である。タンパク質結晶はX線・中性子による原子レベルでの3次元立体構造解析の試料として必須であるが、時によっては良質の単結晶を得るのは困難である。微小重力下では、今までの経験から地上でより、良質の結晶ができる。ただし、過去の例では、約20%の成功である。今回、われわれは、なぜ微小重力下で地上より良質の結晶ができるのか、しかしなぜ成功率は低いのか、また、これらはタンパク質結晶成長機構解明にどうかかわるのかなどを研究目的にして、微小重力下でのニワトリ卵白リゾチーム結晶の溶解速度を測定し、地上での結果と比較する実験を試みた。その結果を報告する。
富樫 昭夫; 坂井 敏幸*; 算用子 裕孝; 岩崎 伊佐央*; 栗林 正和*; 根本 慎一
PNC TN8410 95-056, 65 Pages, 1995/03
CPFでは,これまでに「常陽」MK-I,MK-IIおよび海外炉照射済燃料等を対象とした多数のホット溶解試験を実施し,高速炉使用済燃料再処理に関する基礎的なデータを取得してきた。これらの結果をふまえて,今回の第18回試験では仏国「Phenix」炉で照射された平均燃焼度が94,000MWd/tの高燃焼度燃料を対象として,高硝酸濃度(8M)条件下において溶解温度を主な試験パラメータとした合計2回の溶解試験を実施した。以下にその概要を示す。1.溶解速度に与える溶解温度の影響高硝酸濃度条件下においても溶解速度は溶解温度に依存し,温度の上昇に伴い速くなる。しかしながら,沸点より5程度低い温度以上では逆に溶解速度の低下が観察され,既往文献に報告されているウラン溶解挙動と同じ傾向を示すことが確認された。2.不溶解性残渣の発生率本試験結果とこれまでのCPF試験結果を併せて評価した結果,燃料燃焼度の上昇に伴って不溶解性残渣の発生率も増加する傾向にあることが見出された。また,これまでの溶解試験で回収した残渣と燃焼度をパラメータに算出した残渣成分元素(Mo,Tc,Ru,RhおよびPd)の生成量との比較・評価を行った結果,計算値に対して約20%から100%が残渣として回収されている。なお,本報告書は使用済燃料再処理工程のうちのせん断・溶解・清澄試験に関するものであり,これ以降の工程に関する試験結果については別途報告することとする。
*
PNC TJ1602 95-001, 50 Pages, 1995/03
スメクタイトのイライト化が、人工バリアを構成するベントナイト充填緩衝材からの物質放出率へどのような影響を及ぼすかについて、アメリシウムとネプツニウムの収着に関する実験結果と、カリウムイオンの拡散によってスメクタイトがイライトに変質するというモデルに基づいて解析を行った。また同時に、このイライト化が、(I)人工バリア内での水の流れ、(II)ガラス固化体の溶解、ならびに(III)アメリシムウの主要な2種類の同位体によってアメリシムウの溶解度が分割される効果とネプツニウムの沈澱領域が移動するという移動型の境界条件効果とを考慮に入れたアメリシウムとネプツニウムの移行現象にどのような影響が与えられるかについても解析した。本研究では、時間に依存した空隙中の流速とガラス溶解速度の変化、ならびにアメリシウムとネプツニウムの放出率に関する数値解析の結果が示されている。本研究で仮定したパラメータの値を使用した場合、イライト化の影響は無視しえることがわかった。
田中 晧*
PNC TJ1211 95-007, 117 Pages, 1995/02
地下水生成モデルの研究において必要な鉱物の溶解速度について研究を行った。成果概要を以下にまとめる。1.鉱物の溶解速度データの調査溶解速度データが整備されていない黄鉄鉱、緑泥石、緑簾石、菱鉄鉱の4種類の鉱物についてDIALOGによる文献調査を実施した。成果の概要を以下にまとめる。(1)黄鉄鉱Linらにより、酸素濃度による反応速度定数kが定義されている。1-(1-x)1/3=k[O2]1/2・t(x:反応したFeSのモル数、[O2]:溶存酸素酸素濃度、t:時間)また、その温度依存性についてk-=2.2109exp(-9140/T)を示している。pHによる影響についてはCiminelliらにより、溶解中性
アルカリ性で黄鉄鉱の溶解速度はpHとほぼ線型に増加することが示されている。(2)緑泥石Swoboda-Colbergらにより、2.7
6.7
10-12mol/m2/s(pH3
4.5)の値が示されている。また、Rossらにより溶解反応のメカニズムは拡散律速であり、陽イオンの溶解量に化学量論的な関係があることが示されている。(3)緑簾石Roseにより、pH1
11において10-14
10-13mol/cm2/sの値が示されている。(4)菱鉄鉱Greenbergらにより:脱酸素水中において9.93
10-6mol/m2/s値が示されている。2.鉱物-水反応試験による反応速度データの取得(1)黄鉄鉱還元雰囲気及び大気平衡状態の蒸留水中における黄鉄鉱の溶解速度を測定した。Linらの式に従って、大気平衡の蒸留水中での溶解速度定数kを評価した結果、10-4
10-3(cm3・mol-1)1/2・h-1と評価された。(2)緑泥石蒸留水中での緑泥石の溶解速度を測定した。溶解は放物線溶出反応にあることが確認された。Rossらの式に従って、溶解速度定数kを評価した結果、10-15
10-14の範囲であった。
2=kt(
:溶解した鉱物量と初期存在量の比、t:時間)
田中 晧*
PNC TJ1211 95-006, 72 Pages, 1995/02
地下水生成モデルの研究において必要な鉱物の溶解速度について研究を行った。成果概要を以下にまとめる。1.鉱物の溶解速度データの調査溶解速度データが整備されていない黄鉄鉱、緑泥石、緑簾石、菱鉄鉱の4種類の鉱物についてDIALOGによる文献調査を実施した。成果の概要を以下にまとめる。(1)黄鉄鉱Linらにより、酸素濃度による反応速度定数kが定義されている。1-(1-x)1/3=k[O2]1/2・t(x:反応したFeSのモル数、[O2]:溶存酸素酸素濃度、t:時間)また、その温度依存性についてk-=2.2109exp(-9140/T)を示している。pHによる影響についてはCiminelliらにより、溶解中性
アルカリ性で黄鉄鉱の溶解速度はpHとほぼ線型に増加することが示されている。(2)緑泥石Swoboda-Colbergらにより、2.7
6.7
10-12mol/m2/s(pH3
4.5)の値が示されている。また、Rossらにより溶解反応のメカニズムは拡散律速であり、陽イオンの溶解量に化学量論的な関係があることが示されている。(3)緑簾石Roseにより、pH1
11において10-14
10-13mol/cm2/sの値が示されている。(4)菱鉄鉱Greenbergらにより、脱酸素水中において9.93
10-6mol/m2/s値が示されている。2.鉱物-水反応試験による反応速度データの取得(1)黄鉄鉱還元雰囲気及び大気平衡状態の蒸留水中における黄鉄鉱の溶解速度を測定した。Linらの式に従って、大気平衡の蒸留水中での溶解速度定数kを評価した結果、10-4
10-3(cm3・mol-1)1/2・h-1と評価された。(2)緑泥石蒸留水中での緑泥石の溶解速度を測定した。溶解は放物線溶出反応にあることが確認された。Rossらの式に従って、溶解速度定数kを評価した結果、10-15
10-14の範囲であった。
2=kt(
:溶解した鉱物量と初期存在量の比、t:時間)
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PNC TJ1214 94-003, 378 Pages, 1994/03
本研究では、ウランの非晶質固相(UO/SUB2・xH/SUB2/O)の結晶性固相(UO/SUB2(cr))への変化を実験的に観察するとともに、得られた結果を解析し、メカニズムの推定に基づく沈澱/溶解の速度式、速度定数の推定を行った。 以下に得られた結果を示す。(1)濃塩酸により金属ウランを溶解して得たU(IV)の溶液にアルカリを添加し、ウランの沈澱固相を得た。X線回折によりこの固相はウランの非結晶固相であること、TG/DTAにより1モルの結晶水が結合した状態であることがわかった。(2)初期の非結晶固相は素早く結晶化され、25度C、30日後では結晶化度として約40%の値が得られた。これに対し、ウランの溶解度はほとんど変化なく、10/SUP-10mol/lであることがわかった。(3)平衡論モデルにより10/SUP-10/mol/lとなるための支配固相は、UO/SUB2(cr)であることが推定された。また、速度論モデルにより溶液中のウラン濃度の変化を解析した結果、UO/SUB2(cr)の沈澱速度定数が1x10/SUP-9/mol/cm/SUP2-secの場合、約5時間でUO/SUB2(cr)の溶解度に近づくことがわかった。
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PNC TJ1214 94-002, 52 Pages, 1994/03
本研究では、ウランの非晶質固相(UO/SUB2・xH/SUB2/O)の結晶性固相(UO/SUB2(cr))への変化を実験的に観察するとともに、得られた結果を解析し、メカニズムの推定に基づく沈澱/溶解の速度式、速度定数の推定を行った。 以下に得られた結果を示す。(1)濃塩酸により金属ウランを溶解して得たU(IV)の溶液にアルカリを添加し、ウランの沈澱固相を得た。X線回析によりこの固相はウランの非結晶固相であること、TG/DTAにより1モルの結晶水が結合した状態であることがわかった。(2)初期の非結晶固相は素早く結晶化され、25度C、30日後では結晶化度として約40%の値が得られた。これに対し、ウランの溶解度はほとんど変化なく、10/SUP-10/mol/lであることがわかった。(3)平衡論モデルにより10/SUP10/mol/lとなるための支配固相は、UO/SUB2(Cr)であることが推定された。また、速度論モデルにより溶液中のウラン濃度の変化を解析した結果、UO/SUB2(cr)の沈澱速度定数が1x10/SUP-9/mol/cm/SUP2/-secの場合、約5時間でUO/SUB2(cr)の溶解度に近づくことがわかった。
浅野 闘一*
PNC TJ1211 94-001, 87 Pages, 1994/03
IMAGE-MASTRA、及びIMAGE-GEOCHEMを各試験を通じて実施される人工バリアから岩盤への核種移行、及び地下水の水質形成に関する現象解析のために必要とされる以下の調査及び試験を行った。1.均質母岩系に接する緩衝材外側境界条件のモデリングに関する調査・検討(1)緩衝材外側境界条件に関するモデル調査スウェーデン、スイスで行われた安全評価における緩衝材外側境界の扱いについて調査を行った。(2)緩衝材外側でのミキシングセルモデルの妥当性の検討人工バリアと外側岩盤の核種移行を同時に解くモデルと緩衝材外側にミキシングセルを置くモデルとの比較計算を行い、ミキシングセルモデルの妥当性を検討した。(3)IMAGE-MASTRA試験の改良項目の検討濃度測定の再現性検討を通じて、今後の試験における改良点を明らかにした。2.鉱物の反応速度データの取得とベータベース整備(1)長石の溶解に関する文献調査長石の溶解の過程には、イオン交換反応過程、指数関数的溶出過程、放物線的溶出過程、線型的溶出過程の4段階にあることが示されている。線型的溶出過程での溶解速度は、Albite10-1710-14mol/cm2/s、Anorthite10-16
10-12mol/cm2/s、Orthoclase10-17
10-15mol/cm2/sであった。また、試料の比表面積が大きくなるに従い、溶解速度が低く測定されることがわかった。(2)長石の溶解試験Albite、Anorthite、Microclineの蒸留水中での溶解速度を測定した。その結果、溶解速度はそれぞれ、2.0
10-16mol/cm2/s、6.8
10-17mol/cm2/s、3.4
10-17mol/cm2と測定された。これらの結果は、文献値とほぼ一致することを確認した。また、鉱物表面をSEM及びEPMAを用いて観察した結果、91日間の試験期間では変質及び析出層は確認されなかった。
根本 慎一; 坂井 敏幸*; 算用子 裕孝; 菊池 憲治; 岩崎 伊佐央*; 栗林 正和*; 松島 和美*
PNC TN8410 93-283, 86 Pages, 1993/11
CPFにおけるホット試験は1982年9月30日に実施した高速炉使用済燃料ピンのせん断作業を皮切りに、これまでの約10年間、ピューレックス法を基本として高速炉燃料再処理に関した各プロセス試験を進めてきた。今回、これらのホット試験のうち、燃料の溶解試験に着目して総合的に評価・解析を加え、シミュレーションコードに反映できる溶解反応速度式を導出することができた。以下にその基本データについての概要を示す。高速炉使用済燃料の溶解速度は、反応表面積および系の硝酸濃度に比例する。また、温度に関してはアレニウスの式で補正できる。溶解速度=速度定数・反応表面積・(硝酸濃度)SUP1.7・e/SUP-E/RT (1)溶解速度は硝酸濃度の1.7乗に比例し、未照射UOペレットの傾向とほぼ同じである。(2)アレニウスプロットにより求めた見かけの活性化エネルギーは11kcal/molであり、UO
の溶解で報告されている同エネルギーにほぼ近い。(3)燃焼度の影響については、溶解反応速度式に反映できるような形での整理はできなかったが、溶解速度は硝酸濃度の低い系では燃焼度の増加に伴って低下する傾向にあること、また、8M程度の高濃度硝酸系では見かけ上ほぼ一定になることが観察された。(4)溶解速度の変化より溶解反応にかかわる有効表面積を推定し、せん断片および粉末の表面積変化を数式化した。(5)せん断片の"つぶれ"の影響については、約30%以上確保することによりほぼ一定の溶解速度を得ることができる。
権田 浩三; 根本 剛; 芝原 鉄朗
PNC TN841 79-06, 27 Pages, 1979/02
UOペレットの溶解初期時には,その形状が明確であるため,溶解速度が実測された例は多いが,剪断燃料はその形状が明確でないため溶解過程をシミュレーションした例はない。したがって,実際のプラントあるいは工場規模の溶解槽内での剪断燃料の溶解過程をシミュレーションすることは,溶解過程の把握ならびに安全運転維持のために必要である。本報告は,未照射UO
ペレットを使用して実験室的に溶解速度を求め,その測定結果を使用して,実際に小型試験設備のウラン試験時の溶解工程の未照射UO
ペレットおよび未照射JPDR剪断UO2ペレットについての溶解過程のシミュレーションを行ったものである。また,小型試験設備の溶解過程のモデルを再処理主工場におけるホット試験時のBWRおよびPWR使用済燃料の溶解過程のシミュレーションに応用し,実際の溶解過程とシミュレーションとのよい一致を確認できた。
佐藤 努*; 小田 治恵
no journal, ,
放射性廃棄物処分の長期安定性評価において、ベントナイト緩衝材とセメント反応水との相互作用は重要な研究課課題である。これまで、ベントナイトの主要鉱物であるスメクタイトについて、高アルカリ性条件における溶解反応速度が調べられてきた。本研究では、ギブス自由エネルギーの影響を考慮した、また、pH7-13, 25-80Cの条件に適用可能なスメクタイトの溶解速度式を提案した。この溶解速度式を用いて、ベントナイト緩衝材の間隙水化学及び鉱物学並びに物質輸送特性に跨る連星現象の理解するために、化学反応-物質輸送モデル解析を行った。この結果、解析上の二次鉱物選定条件によらず、10万年後の緩衝材の実効拡散係数と透水係数は、セメントとの界面近傍を除いて大きく変化しないと考えられた。
諸井 悠里子*; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 北村 暁; 紀室 辰伍
no journal, ,
日本における原子力利用の柔軟性を確保しつつ今後のバックエンド対策を着実に進めるために、使用済燃料の直接処分について技術的検討を行っておくことが必要である。本研究では、使用済燃料の主成分であるUOの溶解速度におよぼす炭酸イオンの影響を明らかにするために、深部地下環境を模擬した実験系において、炭酸濃度の異なる溶液にUO
ペレットを浸漬するバッチ試験を行い、UO
の溶解速度を算出した。その結果、炭酸濃度の増加とともに溶解速度が増大し、炭酸濃度の対数値と溶解速度の対数値に正の相関が有ることが確認された。また、得られた結果を既往研究と比較して、溶解速度と炭酸濃度の相関関係が炭酸濃度50mMまで成立することを明らかにした。
北村 暁; 赤堀 邦晃*
no journal, ,
二酸化ウランおよび使用済燃料の水溶液に対する溶解速度(燃料溶解速度)に及ぼす炭酸濃度の影響について、炭酸の存在が二酸化ウランマトリクスの酸化的溶解に寄与することが考えられることから、文献調査によりレビューした。溶解速度の炭酸濃度依存性は不活性雰囲気と還元雰囲気で異なっており、直接処分環境である還元雰囲気のデータが不足していることが明らかになった。
諸井 悠里子*; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*; 北村 暁; 紀室 辰伍
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分の代替オプションの一つとして、使用済燃料の直接処分が検討されている。この際、燃料溶解速度が重要なパラメータの一つとなる。本研究では、高濃度の炭酸イオンを含む模擬地下水におけるUOの溶解挙動を調査し、溶液中の炭酸イオン濃度が高いとウランの溶出が促進されることを明らかにした。