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吉越 章隆
放射光, 32(4), p.185 - 198, 2019/07
放射光軟X線光電子分光は、固体表面の化学状態の精密分析に適した手法である。SPring-8の軟X線放射光を使うと気体孤立分子の固体表面との間で起きる化学反応を実時間"その場"観察する放射光リアルタイム光電子分光が可能となる。酸素分子による表面酸化は、半導体絶縁膜の形成などの表面機能化や燃料電池の電極反応、三元触媒反応や錆(腐食現象)などナノテクノロジー, 環境・エネルギー, 物質・材料のさまざまな研究分野に関係する重要な反応である。本稿では、シリコン単結晶の表面酸化における酸素吸着反応に焦点を当てる。著者が進めてきた一連の研究の紹介を通して、固体表面における分子吸着反応研究の重要性とそのメカニズム解明あるいは新規反応探索に対する放射光リアルタイム光電子分光の有用性を述べるとともに将来展望を試みた。
吉越 章隆
X線光電子分光法, p.271 - 282, 2018/12
高桑雄二編著「X線光電子分光法」(講談社サイエンティフィク)の第5.10章に放射光時分割X線光電子分光と超音速酸素分子線を使ったSi単結晶表面酸化の酸素分子の吸着反応ダイナミクスに関する著者の研究を中心に解説する。
五十嵐 慎一*; 板倉 明子*; 北島 正弘*; 中野 伸祐*; 武藤 俊介*; 田辺 哲朗*; 山本 博之; 北條 喜一
表面科学, 25(9), p.562 - 567, 2004/09
材料表面に対し局所的な応力が加えられた場合、気体の吸着構造やその特性に変化が生じ、それとともに表面原子との反応性が変化する可能性が示唆されている。この現象を利用し、表面に意図的な応力変化を生じさせることにより、種々の領域において反応性の異なる表面を得ること、すなわち二次元パターニングの可能性が期待できる。ブリスターはガスイオン照射による表面のふくれであり、局所的な応力分布を生み出すと考えられる。本研究ではSi(100)表面に水素イオンを照射し、数ミクロン程度のブリスターを形成させ、その後大気暴露により表面を酸化させた。オージェ電子顕微鏡により、平坦な領域に比べ、ブリスターの周縁部で高い酸素強度が、またブリスター頂上部で低い強度が見られた。有限要素法によるブリスターの応力分布の計算から、周縁部では圧縮応力、頂上部では引っ張り応力が印加されており、得られた酸素の分布はこの応力分布と一致している。これらの結果は、応力による反応性の違いを反映した酸素パターニングが可能であることを示している。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1436 - 1440, 2002/12
被引用回数:1 パーセンタイル:89.28(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではリチウムシリケイトからのトリチウム放出に関する基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いてリチウムシリケイトとAl添加リチウムシリケイトの表面水酸基とHの同位体交換反応について調べた。計算はGaussian98を用いてHF/3-21G, HF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。H
SiOHをシリケイトガラスにおける表面水酸基のモデルとして、H
Si(OH)Al(H)
OSiH
はAlを含んでいるシリカガラスの表面水酸基のモデルとして選んだ。各クラスターとH2の交換反応に対して計算されたHF/6-31G**活性化エネルギーはそれぞれ88.1と42.7kcal/molである。活性化エネルギーのこのような減少はAl原子の相互作用に起因した表面水酸基の電荷の変化と関連している。各原子の電荷をMulliken population解析によって求めた。その結果、表面水素原子のイオン性が表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用によって増加していた。他の理論レベルにおいても同様の結果が得られた。得られた計算結果はAl原子の相互作用によってリチウムシリケイトの表面水酸基とH
の交換反応がより低い温度で行われることを示唆している。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
Applied Surface Science, 190(1-4), p.60 - 65, 2002/05
被引用回数:10 パーセンタイル:50.18(Chemistry, Physical)放射光光電子分光法による「実時間」その場観察技術を開発し、その手法を用いて超音速酸素分子線照射下で起こるSi(001)表面の酸素化学吸着過程を調べたので上記国際会議にて報告する。超音速分子線は、反応分子の並進運動エネルギーが制御された分子線であるため、表面化学反応の動的過程を明らかにできるとともに、化学反応制御における新しいパラメータを探索することができる。本研究は、SPring-8の原研軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置にて行った。BL23Uにて得られる高分解能放射光を用いた光電子分光法によって、初めて「実時間」で酸化状態を区別しながら、しかも並進運動エネルギーによる違いをその場観察できた。本研究の進展は、原子レベルで表面化学反応解析を可能とし、半導体微細加工あるいは量子効果デバイス開発に大きく貢献すると期待できる。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 302(2-3), p.165 - 174, 2002/04
被引用回数:3 パーセンタイル:75.07(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、リチウムシリケイト表面に水酸基の形で存在するトリチウムの放出過程を理解するため、シリカ表面に孤立して存在する水酸基(-OH)と水分子の相互作用と水素放出反応過程について非経験的分子軌道計算により調べた。表面水酸基からの水素放出反応として表面水酸基と水分子の間で起る水素交換反応と水酸基交換反応について検討を行った。その結果、水素放出はシリカ表面水酸基のSi-O結合の切断による水酸基交換反応で起ることが分かった。この水酸基交換反応はプロトン供与体として働く水分子と表面水酸基の複合体において進行する。したがって、シリカ表面からのトリチウム放出は水分子と表面水酸基の間における水素交換反応ではなく、それらの間での水酸基交換反応で進行するものと考えられる。また、この反応の反応エネルギー障壁は24.4kcal/molと計算された。
宇理須 恒雄*; 北島 正弘*; 寺岡 有殿
応用物理, 71(1), p.114 - 115, 2002/01
従来より応用物理学会でも各種のビームによって誘起される表面化学反応に関する研究成果が発表されてきた。ビーム励起表面反応を極微細プロセスとその評価技術のシーズとして改めて見直すことは、原子レベルの革新的表面反応制御及び評価技術の開発が急がれる今日では是非必要と考えられる。そのような見地からシンポジウムを企画した。本報告ではレーザー,放射光,分子線,電子線,イオンビームによって誘起される表面反応やその解析に関する講演内容の概略を報告した。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*
Journal of Nuclear Materials, 297(1), p.69 - 76, 2001/07
被引用回数:8 パーセンタイル:45.11(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではシリカ,シリケイト化合物などの1対の表面水酸基がHO分子を生成して脱離する反応プロセスについて基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いて調べた。特に、表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用がこの反応に及ぼす影響に関して検討を行った。計算はGaussian98を用いてHF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。表面水酸基におけるH
O分子の生成・脱離反応経路に関するエネルギープロフィールを計算により求めた。その結果、表面水酸基に対するAl(OH)
ユニットの相互作用によってH
O分子の生成や脱離に必要な活性化エネルギーは低下することがわかった。この活性化エネルギーの低下はAl(OH)
ユニットの表面水酸基への相互作用による構造変数と電荷分布の変化と密接に関係している。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
JAERI-Tech 2001-006, 91 Pages, 2001/03
SPring-8の原研軟X線ビームラインに表面化学研究用の実験ステーションとして表面反応分析装置を設置した。本装置では、固体表面と気体分子の表面反応において、入射分子の並進運動エネルギーの効果を研究することを目的としている。そのため、超音速分子線発生装置,電子エネルギー分析器,質量分析器等を用いて、おもに放射光を利用した光電子分光実験と反応性分子線散乱実験を行う。本報告では、表面反応分析装置の仕様の詳細を述べる。
寺岡 有殿; 吉越 章隆; 佐野 睦*
JAERI-Tech 2000-080, 33 Pages, 2001/02
SPring-8の原研軟X線ビームラインの実験ステーションとして表面反応分析装置を設計・製作した。本装置では固体表面と気体分子の表面反応における並進運動エネルギーの影響を研究することを目的とし、超音速分子線発生装置、電子エネルギー分析器、質量分析器を設置して、おもに放射光を用いた光電子分光実験と分子線散乱実験を可能とした。本装置を用いてO分子によるSi(001)表面の初期酸化の分析を行った。理論的に予測されていたO
分子が解離吸着するときのエネルギー閾値が実験的に検証された。さらにSi-2pの光電子ピークの構造から並進運動エネルギーに依存して酸化数の大きなSi原子が形成されることが明らかとなった。分子線散乱の実験においても並進運動エネルギーが2eV以上のとき表面温度が700
以上でSiO分子の生成速度が急激に増大する現象が発見された。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 169-170, p.738 - 741, 2001/01
被引用回数:56 パーセンタイル:9.25(Chemistry, Physical)SPring-8に建設された原研軟X線ビームラインBL23SUに設置される表面反応分析装置(エンドステーション)の設計及び基本的な性能について現状を報告する。本装置は主に表面反応分析室、表面構造分析室、ビームモニタ室、超音波分子線発生器から構成される。表面反応分析室では電子エネルギー分析と質量分析の予備実験結果を紹介する。表面構造分析室ではサンプルのクリーニングとその後の表面分析(LEED/AES)について述べる。ビームモニタ室については差動排気の達成度を報告する。超音速分子線発生器ではN及びO
分子線を発生させ、差動排気の達成度や化学組成の質量分析結果を報告する。本報告では以上の基本的な性能が表面反応ダイナミクスの研究に不可欠であることを強調する。
佐分利 禎; 小河 浩晃; 上田 哲志*; 木内 清
JAERI-Tech 2000-057, 23 Pages, 2000/10
原子力プラントにおける強放射線場の腐食性溶液中で沸騰伝熱条件に置かれた材料の腐食や材質変化は、浸漬条件のそれらと比較して一桁以上大きく、従来の溶液化学的・電気化学的知見に基づいた解析や材料対策が適用できない。著者らは、この腐食機構として材料と沸騰状態にある気/液相界面において放射線分解や熱分解で生成した活性な酸素や水素による低温プラズマ励起型の動的平衡反応を想定した新モデルを提起している。本報告は、低温プラズマ励起による表面反応素過程を解析して実用環境の腐食機構を解明するために必要な基礎試験装置の開発に関するものである。開発した装置では、入射イオンや電子の制御や試料表面観察等が可能で、重量変化や透過速度測定による表面反応機構の解析を行う。併せて、表面反応の支配因子の解析条件や表面分析等による解析手法を評価・選定した。
Randolp*; David*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和
JNC-TN8400 2000-005, 61 Pages, 2000/01
本報告書では、長石、層状珪酸塩、沸石、酸化物、輝石、角閃石に対する34種類の水和反応を対象に速度定数、反応次数、活性化エネルギーを含む速度論データを収集・整理した。また、同様に方解石と黄鉄鉱に対する速度論データも収集・整理した。これらのデータは、地球化学コードであるEQ3/6やGWBで用いられている表面反応支配・遷移状態理論に則した速度則に適合する。上述した水和反応の速度論データは、厳密には、平衡状態からかけ離れた非平衡状態における遷移状態速度則に適合するものである。これらのデータは、平衡状態からかけ離れた非平衡状態および平衡状態に近い状態における速度則にも概念的には適合するものであるが、その妥当性は、元文献の実験結果の解析を通じて可能な限り確認されるべきである。鉱物-水反応に関する速度論データの適用性の限界を考慮し、地下水水質形成の地球化学モデルの評価を単純化する上で、可能な場合、部分平衡を仮定することは有効な方法である。部分平衡の仮定が妥当であるかどうか評価するため、部分平衡の空間的、時間的スケールを評価するために用いられる水理および水-岩石反応を結合したモデル化手法について記述した。この様なモデル化手法は、釜石原位置試験場における割れ目中での地下水流れを含む条件に対して適用され、また、酸化性の地表水が結晶質岩における高レベル放射性廃棄物の処分深度にまで達するのに要する時間を評価するためにも用いられた。部分平衡が妥当な仮定であるかどうかといった疑問に対しては、適切なモデル化手法をもとに検討されるべきである。上述したモデル化手法を用いて、釜石サイトでの条件に適用するためには、割れ目充填部は多孔質媒体に近似でき、地下水の流れは単なる移流のみであり、母岩マトリクス方向への拡散は生じないことになる。さらに、平衡状態に達するまでの距離と同じか、それよりも長い距離に渡って、割れ目の鉱物学的特性や物理学的特性が均一でなければならない。もしこの様な条件下において、以下の状態であるならば、釜石サイトにおける地下水水質形成モデルにおいて部分平衡を仮定することが妥当であると推測される。・方解石、濁沸石(その溶解・沈殿挙動が輝沸石に類似すると仮定)、濁沸石、葡萄石、(石英は含まない)・ダルシー流速は比較的小さい(たとえば、約0.1myr-1)・平衡状態に関する不確実性として、飽和指数で+-0.4を誤差 ...
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Atomic Collision Research in Japan, No.25, p.97 - 98, 1999/00
表面反応ダイナミクスの研究では、化学吸着、表面での原子組み換え反応、脱離に対して入射分子の並進エネルギーや振動エネルギーの役割に興味が持たれている。また応用の見地からは、分子の運動エネルギーや光子のエネルギーは表面反応を制御するための新しい方法を開発するキーとなりうる。大きな運動エネルギーを持った分子の照射によって新しい化学吸着状態が形成される可能性がある。その分析に光電子分光法は有効である。それゆえ、SPring-8のBL23SUに表面反応ダイナミクス研究用のエンドステーションを設置すべく設計した。この実験装置では超音波分子線と電子エネルギー分析器を同時に使用して表面反応を実時間かつその場で観察するのが目的である。本投稿では本実験装置の設計の概要について報告する。
馬場 淳史*; 西川 正史*; 河村 繕範; 奥野 健二
Journal of Nuclear Materials, 248, p.106 - 110, 1997/09
被引用回数:4 パーセンタイル:61.17(Materials Science, Multidisciplinary)リチウムセラミックスからの増殖トリチウム放出挙動はまだ完全に理解されておらず、多くのin-situ実験結果が、トリチウムの結晶内拡散過程を律速して解析されているものの、表面反応の寄与が無視できないことも指摘されている。筆者らはリチウムセラミックス結晶表面の吸着水量を報告してきたが、今回、同位体交換反応を介して捕捉されるトリチウム量を吸着容量と区別し、交換容量として測定した。交換反応は、結晶表面に強力に吸着した化学吸着水あるいは結晶水中の水酸基を介して生じると考えられ、リチウムジルコネートでは交換容量が観測されなかった。また、トリチウムの結晶内拡散係数,吸着容量、そして今回求めた交換容量から、ブランケット内トリチウムインベントリーを推算し、同位体交換容量が与える影響について検討した。
河村 繕範; 奥野 健二; 西川 正史*
Proceedings of 4th International Workshop on Ceramic Breeder Blanket Interface (CBBI-4), p.235 - 248, 1995/10
セラミック増殖ブランケット内でのトリチウムの挙動については、現実的条件で実験を行うべきとの考えに基づきin-situ実験が行われてきた。しかし、一方で非照射条件での実験も、ブランケット内のトリチウムの移動過程を表現できるパラメータを求めるうえで重要である。筆者らは、既に得ている核種セラミック増殖材の水分吸着データから、トリチウム収着インベントリーと物質移動係数を求めた。そして、結晶内トリチウム拡散係数として報告されているものの中には、水分吸着脱着抵抗や装置配管の影響を含んでいる可能性のある報告値があることを指摘した。また、ブランケットパージ気流中に水素を添加した際の水分発生現象についても、水分発生量と発生速度を定量した。本報告ではこれらの結果について発表する。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 100, p.179 - 182, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:100COおよびNO雰囲気下(10Pa)でTi表面に対しAr
照射を行い、照射後の表面についてXPSを用いて表面組成比および化学状態の解析を行った。この結果、NO雰囲気下でAr
照射した場合には、得られた表面組成比O/TiはN/Tiの約5倍であり、酸化物(TiO
)生成が窒化物(TiN)生成に対して支配的であることが明らかとなった。これは各々の化合物の生成自由エネルギーによる傾向と一致しており、NO雰囲気下における化合物生成が熱化学反応により支配されることが明らかとなった。一方CO雰囲気下では、照射後の表面組成比C/TiはO/Tiの約2倍となり、炭化物(TiC)生成が支配的となった。これは熱化学反応による傾向とは一致せず、これらの化合物生成にCOの吸着構造、あるいは照射中のC原子の表面偏析等、熱化学反応以外の効果が大きく影響することが明らかとなった。
倉沢 利昌; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.851 - 854, 1991/00
被引用回数:12 パーセンタイル:22.14(Materials Science, Multidisciplinary)現在世界各国で原子炉照射下でのトリチウム放出実験が競っておこなわれている。しかしこれらの実験でのデータの一致は十分ではなく、その原因として照射材料の特性の違いと共に、表面における種々の機構の影響が指摘されている。本試験(VOM-31)では比表面積の異なる2種類の酸化リチウムを用い、450~800Cの温度範囲で、スイープガス中の水素添加量を最大1%まで変えて、トリチウム放出におよぼすこれらの影響を調べた。その結果、原子炉照射下トリチウム放出では固体内部でのトリチウムの拡散と共に表面での過程が重要であることが明らかになった。その両者の寄与を拡散と表面反応の比より比較する式を導入し、データ解析を試みている。これによりそれぞれの機構が優勢である温度とスイープガス組成範囲が明らかになると期待できる。
鈴木 康文; 荒井 康夫; 笹山 龍雄; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(3), p.222 - 230, 1982/00
被引用回数:11 パーセンタイル:25.79(Nuclear Science & Technology)粉末状あるいは圧粉体のUO+Cより炭素熱還元によってUO
が生成する速度をHeガス気流中に放出されるCOガスの量から求めた。還元は酸化物粉末の性状によって強く影響を受けた。小さな粒系のUO
粉末では界面反応が律速であった。約100
mの大きな粒系の粉末では粒子の炭化物層から表面への酸素の拡散によって還元が支配されることが見い出された。試料の形状もまた、UO
+C混合体からUC
への還元挙動に影響を与える。細いUO
粉末を80から100MPaで成形すると、圧粉体の界面での反応が律速になる。470MPaで成形された試料の場合、還元は圧粉体の界面からUC
+C層を通過するCOガスの拡散によって支配される。活性化エネルギーは粉末および圧粉体試料に対して350から405kJ/molと評価された。
鈴木 康文; 荒井 康夫; 笹山 龍雄; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 101, p.200 - 206, 1981/00
被引用回数:12 パーセンタイル:19.49(Materials Science, Multidisciplinary)真空中あるいはヘリウムガス気流中において炭素熱還元法により二酸化プルトニウムをミニ炭化物とし、還元機構やミニ炭化物の生成速度について調べた。真空における還元の結果から約1700°kでは三つの酸化物,fccPuO,bccPu
O
,六方晶Pu
O
が中間生成物として存在すると推論された。ヘリウムガス気流中での還元反応で生成するCOガスの量は赤外分光を用いて定量され、六方晶のミニ酸化物からプルトニウムミニ炭化物が生成する速度が求められた。還元反応は粉末試料については表面反応が律速であり、成形した試料では生成物層におけるCOガスの拡散が律速であることが見い出された。活性化エネルギーとしてはそれぞれ375および385kJ/molと評価された。