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伊藤 均*
JAERI-Review 2001-029, 113 Pages, 2001/09
食品照射は全世界で60年以上の開発の歴史があり、安全性は十分に確認されているにもかかわらず、イメージによる誤解から普及が遅れている技術である。しかし、照射食品の許可国が51ヵ国1地域に増加し、アメリカや欧州連合内で照射食品が流通している状況の中で、我が国だけが食品照射に対し鎖国を続けるのは困難な状況になってきている。本報告書では食品照射の原理と応用分野,食品照射技術開発の歴史について述べるとともに、照射食品の安全性について動物試験の結果、放射線分解生成物の解析,栄養学的評価,微生物学的評価について検討し安全性に問題がないことを明らかにした。ことに、放射線分解生成物については多くの研究報告から放射線特有の分解生成物が存在しないことを明らかにした。その他、検知法や照射技術についても開発の動向について解説した。
Y.Prachasitthisak*; D.Banati*; 伊藤 均
Food Science and Technology International, 2(4), p.242 - 245, 1996/00
国内で流通している鶏肉の微生物学的品質を検討したところ、好気性細菌数は1g当り810~610個検出され、大腸菌群は910~210個検出された。低温下での主要な腐敗細菌は乳酸菌群やPseudomonas、Flavobacteriumであり、大腸菌群はEscherichia、Klebsiella、Proteusで構成されていた。低線量のガンマ線を1kGy照射すると主要な腐敗細菌や大腸菌群、Staphylococcusは平板寒天培地上では観察されなくなり、10Cで6日間貯蔵することができた。また3kGy照射すると鶏肉の主要腐敗細菌や大腸菌群は全く検出されなくなり、酵母菌群とPsychrobacterが主要な腐敗菌になった。Salmonellaも一部の試料に若干検出されたが、1kGyで10の生存率まで殺菌することが可能である。
伊藤 均
食品加工技術, 6(2), p.135 - 143, 1986/00
放射線による食品の衛生化、貯蔵性向上を目的とする処理法が世界各国で注目され始めている。現在、放射線殺菌が有望と考えられている分野は食品や家畜飼料の保蔵性の向上と衛生化する分野、医療器具および薬剤の殺菌の分野などである。放射線の殺菌作用は紫外線と類似している。両者とも照射により細胞内DNAに損傷が起こり、細胞分裂能を失うことにより細胞死につながっている。食品を殺菌する目的は病原菌の殺菌、貯蔵期間延長を目的とする菌数の低減化、完全殺菌の3つに分類できる。病原菌の殺菌では鶏肉のサルモネラ除去、冷凍魚介類の殺菌、飼料の殺菌が有望である。菌数の低減化および貯蔵期間延長を目的とするものにはソーセージやハム、ベーコン、鮮魚、香辛料、イチゴ、柑橘類などが有望である。完全殺菌を目的とするものは特別の加工処理が必要であるが、ハムやベーコン、ソーセージなどが有望である。
伊藤 均; M.Y.Abu*
食品照射, 19, p.17 - 21, 1984/00
マレイシア産市販乾燥魚は食塩10~13%、水分35~50%を含んでいるが、製造後2ヶ月以内に変敗してしまう。市販品の総細菌数は1g当たり510~310個、糸状菌は110~710個検出された。一方、変敗状態の乾燥魚では410~110個の細菌が検出されたが、糸状菌は検出されなかった。乾燥魚の変敗菌は好塩性細菌であり、Pediococcus halophilus や Vibrio costicola , Planococcus sp.が多く検出された。乾燥魚に汚染している糸状菌は Aspergillus niger group が多かったが、毒素生産性の A.flavus group なども多く分離された。新鮮な乾燥魚を0.3Mradおよび0.5Mrad照射して30C前後の室温で貯蔵したところ、非照射品は2ヶ月貯蔵で総細菌数が610個に達したが、0.3Mradで310個、0.5Mradで0個となった。したがって0.5Mradが必要殺菌線量と決定された。
伊藤 均; 飯塚 広*
日本食品工業学会誌, 25(1), p.14 - 21, 1978/01
ガンマー線照射によるリテーな成形かまぼこの変敗菌抑制を目的として各温度におけるミクロフローラと貯蔵効果を検討し、以下の結果を得た。かまぼこの変敗菌は20C貯蔵ではB.subtilisとB.pumilusが中心であり、10CではB.pumilus,B.megaterium,B.cereus,Pseudomonas,酵母菌などが増殖してきた。5CではPsevdomonas,Brevibacterium,Aeromonasがわずかに増殖してきた。かまぼこにガンマー線を300~450krad照射した場合に残存が認められるのはBacillusと酵母菌であるが、照射によるかまぼこの変敗菌抑制効果は明確に認められた。すなわち、10Cにおいては非照射品の2倍、約20~30日、貯蔵期間が延長された。
伊藤 均; 渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
日本農芸化学会誌, 51(10), p.603 - 608, 1977/10
被引用回数:0保存料無添加の特注ウィンナーソーセージ(VS)に線を300~500krad照射した後に増殖してくるMoraxella like taxaに属するMA菌や酵母菌の増殖を抑制する目的で酸素ガス透過度の異なる包装フィルムの影響をしらべた。酸素ガス透過度の異なるセロポリ、ナイロン-12、Kセロハン、EG-QのフィルムにVSを窒素ガス置換して包装した場合、非照射では各包装フィルムとも差がなく2~3日(10C)で10/gに達しネトが認められるようになった。ところが照射VSでは10/gに達するに要する期間はセロポリの300kradで4~5日、500kradで7~8日であったのに対し、KセロハンやEG-Qではその期間が延長され300kradで7~9日、500kradで13~15日以上になった。この場合、酸素ガス透過度の低い包装フィルムでは好気性のMA菌や酵母菌Micrococcusなどの増殖が抑制された。しかし非照射VSに増殖する乳酸菌には効果は認められなかった。なお食味に対する影響は若干EG-QやKセロハンに認められた程度である。